盲ろう者について知っていますか? Deafblind Life 盲ろう者とは、目と耳の両方に障害のある人のことです。 ----- もくじ  盲ろう者からのメッセージ・・・2  盲ろう者とは?・・・4  盲ろう者のコミュニケーション方法・・・6  盲ろう者向け通訳・介助員・・・8  盲ろう者を支援している団体・・・10  盲ろう者が独力で情報を得るためには・・・12  病院、診療所の方へ・・・13  ご家族、ご友人の方へ・・・14  盲ろう者を知るための本・映画のご紹介・・・15 ----- 盲ろう者からのメッセージ  みなさんは「盲ろう者」というと、どんなイメージをもちますか?  目と耳の両方に障害があっても、周囲の人や団体の支援、情報支援機器などを活用し、一人ひとり思い思いの暮らしを営んでいます。  私は盲ろうということもあり、なかなか一人で外出をすることができません。  しかし、通訳・介助員と一緒なら、盲ろう者友の会の交流会に参加したり、遊びに出かけたり、買い物にも自由に行くことができます。  私は全盲難聴です。料理をするときは、指先の感覚を頼りに食材を切ったり、調理道具を使ったりします。  フライパンの取っ手から感じる振動や手のひらをかざして感じる熱を頼りに調理します。  生まれつき全盲で、難聴もある私は、幼いころから音楽が好きでした。  人工内耳の手術を受けた後、人工内耳を使ってオカリナを演奏している人がいることを知りました。私も福祉機器や補装具を活用しながら挑戦を続け、いまではコンクールに出場するまでになりました。  ※人工内耳を装用することで、完全に聞こえるようになるわけではありません。装用する人によってその効果は異なります。  生まれつきの全盲ろうです。盲学校から一般の大学に進学し、授業を受けました。  いまは大学の職員として働いていますが、パソコンに点字ディスプレイを接続することによって、さまざまな事務作業をこなしています。  弱視で高度難聴の私は、ふだんワイヤレス補聴援助システムで音声通訳を受けています。Zoomなどのオンライン会議にも、通訳・介助員に通訳してもらいながら、参加することができています。  生まれたときから原因不明の病気で耳が全く聞こえなかったのですが、高校時代、陸上部の選手として走っていました。  20歳を過ぎた頃から進行性の目の病気になり、走ることをあきらめていましたが、ブラインドマラソンの存在を知り、いまでは伴走者といっしょにフルマラソンに出場しています。 ----- 盲ろう者とは? Deaf Blind DeafBlind  目と耳の両方に障害がある人のことを、「盲ろう者」と言います。(英語では、盲ろうのことを、deafblindと言います)  盲ろう者として世界的に有名な人としては、ヘレン・ケラー(1880〜1968)が挙げられます。こうした盲ろう者は、日本にも、少なくとも1万4千人いると推定されていますが、実は「盲ろう」という障害は、日本の法律(身体障害者福祉法)上の規定はありません。  そのため、現状では、身体障害者手帳に目(視覚)と耳(聴覚)の両方の障害が記載されている人のことを、「盲ろう者」と定義しています。  一口に「盲ろう」といっても、その見え方や聞こえ方の程度によって、大きく分けると、つぎの4つのタイプに分けられます。  ●「見え方・聞こえ方の程度」によって分けられる盲ろうのタイプ  全盲ろう …全く見えなくて全く聞こえない 目× 耳×  全盲難聴 …全く見えなくて少し聞こえる  目× 耳△  弱視ろう …少し見えて、全く聞こえない  目△ 耳×  弱視難聴 …少し見えて、少し聞こえる   目△ 耳△     どのタイプも共通しているのは、見えない(または見えにくい)、聞こえない(または聞こえにくい)ために、人との会話が困難ということです。  また、会話だけではなく、周りの状況を知るための音や光の情報が入らない(または入りにくい)状態にあります。   つぎに、障害を発症する順序によっても、以下の4つのタイプに分けられます。  ●「障害を発症する順序」によって分けられる盲ろうのタイプ  先天性の盲ろう児・者 …言語獲得以前の幼少期から、目と耳に障害が発生した人  「盲ベース」の盲ろう者 …もともと目の障害がベースにあって、のちに耳の障害も発生した人  「ろうベース」の盲ろう者 …もともと耳の障害がベースにあって、のちに目の障害も発生した人  上記のいずれでもない成人期の盲ろう者 …「健常」の状態から目と耳に障害が発生した人  盲ろう者が抱える3つの困難  盲ろう者は、障害の特性上、おもに3つの困難(他者とのコミュニケーション、移動、情報入手)を抱えていると言われます。  盲ろう者は、家にいても、家族と会話することもできず、自由に買い物に行くこともできません。また、テレビやラジオを楽しむこともできません。点字を知らない人は、本を読むことさえできないのです。  このような状況から、盲ろう者の多くは仕事に就いて自活することは困難です。また、家に閉じ込められた状況に置かれてしまうと、社会の情報が盲ろう者には一切伝わらなくなってしまいます。  盲ろう者が抱える3つの困難:  他者とのコミュニケーション(家族、友人・知人、店員とのやりとり、電話での会話など)  移動(家の中での移動、外出、災害時の避難など)  情報入手(新聞・テレビ・ラジオ、鉄道、バス等の放送など) ----- 盲ろう者のコミュニケーション方法  盲ろう者は、見え方や聞こえ方、これまでの生育歴・教育歴によって、それぞれにあったコミュニケーション方法を用いています。  また、体調や周囲の明るさ・騒音等により、複数の方法を使い分ける方もいます。  手書き文字:盲ろう者の手のひらに文字を書いて伝える方法です。「手のひら書き」とも言います。  音声:盲ろう者の耳元や補聴器のマイク等に向かって話す方法です。   点字:「ブリスタ」という点字タイプライターと、盲ろう者の指を点字の6点に見立てて、直接たたく「指点字」という2つの方法があります。  手話:手話の形を盲ろう者が触って読み取る「触手話」と、盲ろう者の見え方にあった範囲で手話をあらわす「弱視手話」という2つの方法があります。  筆談:通訳者が紙やタブレットなどに書いた文字を、盲ろう者が読む方法です。  指文字:日本語式(五十音式)、ローマ字式があり、盲ろう者は見たり触ったりして読み取ります。  パソコン:通訳者がパソコンで入力した文字を、盲ろう者が画面で読む方法です。  先天性盲ろう児・者のコミュニケーション:上記のような言語的な方法と同様に、オリジナルサイン、視覚的・触覚的シンボルや物などの非言語的な方法を使用している盲ろう児・者もいます。  各コミュニケーション方法の詳細はこちらからご覧いただけます。  (リンク先:全国盲ろう者協会HP http://www.jdba.or.jp/deafblind/top.html) ----- 盲ろう者向け通訳・介助員  通訳・介助員は、盲ろう者と社会をつなぐ架け橋です。  一人で外出したり、人と会話をかわすことが困難な盲ろう者にとって、盲ろう者向け通訳・介助員(以下、通訳・介助員)の存在は欠かせません。  通訳・介助員は、一人ひとりの盲ろう者に適したコミュニケーション方法で情報の保障(通訳)をし、移動の際には手引き(介助)をします。  盲ろう者は、障害等級など一定の条件を満たすことで、全国の自治体で行われている「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」の利用登録をして、通訳・介助員派遣を利用することができます。  また、これまで視覚障害者向けに実施されてきた 「同行援護事業」※1においても、通訳・介助員が同行援護従業者として盲ろう者を支援するしくみが作られました。盲ろう者が利用できるサービスの選択肢が増え、通訳・介助員にとっても、活躍の場が広がっています。  ※1 同行援護事業:視覚障害により、移動に著しい困難がある障害者が外出する際、その障害者の移動支援を行う事業。  通訳・介助員になってみませんか?  こうした制度を利用して、全国の盲ろう者が、いつでも自由に通訳・介助員のサポートを受けられるようになれば、盲ろう者の社会参加はもっと進んでいくことでしょう。一人でも多くの人に、通訳・介助員としてご協力いただきたいと願っております。  通訳・介助員として活動するためには、全国各地で開催されている「盲ろう者向け通訳・介助員養成講習会」を修了し、派遣事務所に通訳・介助員登録をする必要があります。  開催時期などは地域によって異なるため、お近くの「盲ろう者友の会」または都道府県の障害福祉課などにお問い合わせください。  盲ろう者支援団体の連絡先はこちらからご覧いただけます。  (リンク先:全国盲ろう者協会HP http://www.jdba.or.jp/link/top.html) 各地の交流会に参加してみましょう! 「興味はあるけれど、盲ろう者に会ったこともないし、不安だな…」と感じる人も多いと思います。  各地の「盲ろう者友の会」では、盲ろう者や支援者による「交流会」を開催しています。「同じ盲ろうの障害のある人や家族の人とお話ししてみたい」、「通訳・介助ってどんなことをするのだろう」と思われる人は、ぜひお近くの交流会を見学していただければと思います。 ----- 盲ろう者を支援している団体  「地域」  ■盲ろう者友の会・盲ろう者支援センター  盲ろう者友の会は、地域にお住まいの盲ろう者と、支援者らで構成する団体です。  地域によって会の規模はさまざまですが、盲ろう者の交流会やコミュニケーション方法についての学習会を行うなど、盲ろう者の社会参加に欠かせない存在となっています。  また、地域によっては、盲ろう者への支援拡充のため「盲ろう者支援センター」という拠点を設け、相談事業や生活訓練事業など、多彩な支援活動を行っています。  「全国」  ■盲ろうの子とその家族の会 ふうわ  盲ろうの子とその家族の会 ふうわは、2003年に設立しました。盲ろうの子(盲ろう児)も楽しめる集いやワークショップなどを企画したり、会報による情報提供を通じて、盲ろうの子をもつ家族同士の交流やつながりを深める活動を行っています。  ■全国盲ろう者協会  全国盲ろう者協会は、1991年に全国の盲ろう者の福祉を目的とする、唯一の社会福祉法人として設立されました。協会は、全国の盲ろう者や支援者を対象に、相談支援や情報提供、全国盲ろう者大会の開催、盲ろう者の専門誌『コミュニカ』の発行、各種研修会の実施などを行っています。  全国の盲ろう者が楽しみにしている全国盲ろう者大会:毎年1回、夏に開催される「全国盲ろう者大会」は、全国各地から盲ろう者や通訳・介助員らが集い、交流を深める一大イベント。盲ろう者がもっとも楽しみにしている行事の一つです。一緒に参加する通訳・介助員にとっても、普段、地元では見ることができない通訳・介助技術に接する貴重な場ともなっています。  ■全国盲ろう児教育・支援協会  2019年に発足した全国盲ろう児教育・支援協会は、盲ろう教育にかかわる教育関係者などの支援や教材、カリキュラムの開発、盲ろう児の保護者に対する相談事業など、盲ろう教育推進の「後方支援」を行うことを目的に設立されました。  ■全国盲ろう教育研究会  2003年に発足した全国盲ろう教育研究会は、日本で初めてつくられた「盲ろう児・者」への教育・福祉にかかわる全国的な研究会です。  会員は、盲ろう教育にかかわる学校教員だけでなく、盲ろう当事者やその家族、盲ろうの療育・リハビリなどにかかわる専門家や研究者などで構成されており、会報や研究紀要の発行、研究協議会などを開催しています。 ----- 盲ろう者が独力で情報を得るためには  ここまでご紹介してきたように、盲ろう者が抱える困難を解消する上で、周囲の人の支援は欠かせません。しかし、早朝から夜間まで、いつどんな時でも支援してくださる人がいるとは限りません。また、電子メールで連絡を取りあったり、SNSで他者とつながりたいと思う盲ろう者もいます。  そこで活用できるのが、各種情報機器です。盲ろう者が活用している情報機器の多くは、視覚障害者向けに作られたものが多く、盲ろう者が使えるようになるためには、さまざまな工夫や訓練が必要です。  たとえば、まだ視力が残っている人は、拡大読書器やタブレットなどを使って、文字を大きく表示したり、文字のフォントや色を変えたりして、情報を得られる可能性があります。  また、聴力が残っている人は、スクリーンリーダーという画面上の文字情報を読み上げるソフトをパソコンにインストールし、スピーカーやヘッドホンなどの音声出力装置を調整することで、ある程度パソコンを操作できる可能性があります。  視力も聴力も失った「全盲ろう」の人は、点字を習得できれば、単体でインターネットにアクセスできる点字情報端末(ブレイルセンスなど)や、点字を出力する機器(点字ディスプレイ)をパソコンやスマートホンに接続することで、情報を得られる可能性があります。  このほか、最近では、聴覚障害者向けの電話リレーサービスを、盲ろう者も使えるように検証する取り組みも進められています。  もっとも、こうした情報機器があれば、盲ろう者が抱える困難のすべてが解消されるわけではありません。しかし、盲ろう者が情報機器を使えるようになれば、災害が起きたときなど、万が一、周囲の人の支援を得られない状況の時に、自分で情報を得たり、発信できる可能性があります。  まずは人ありき、加えて情報機器を活用することで、盲ろう者の生活がより豊かになる可能性があるのです。 ----- 病院、診療所の方へ  @盲ろう者が通院する際、単独か、ご家族または通訳・介助員と一緒に、という3パターンが考えられます。障害の状態によっては、医師と直接会話ができる場合もあれば、ご家族や通訳・介助員から通訳を受けて会話をする場合もありますので、盲ろう者から家族または通訳・介助員を同席させてくださいと申し出があった際は、認めていただけるようお願いします。  A会話方法は、できるだけ盲ろう者の希望に沿った方法でのご対応をお願いします。盲ろう者のコミュニケーション方法はさまざまです。音声で会話をできる方、筆談ボードを持っている方、手のひらに文字を書けば通じる方もおられますので、状況に応じたご対応をお願いします。なお、会話をする際は、必ず最初にあなたの名前をお伝えください。  Bコミュニケーション方法によっては、盲ろう者が受信するまでに時間を要するものもあります。基本的にゆっくり、はっきりとお話しいただけるようご配慮をお願いします。  C単独で来られた盲ろう者の場合、施設内の放送が聞こえなかったり、案内表示が見えないために、状況を把握できないことがあります。こうした情報が伝わっていないと感じたときは、本人の正面まで来て、肩か腕を軽くたたき、盲ろう者の注意をあなたに向けてから、会話を始めてください。  D受付や診察室への移動介助をしていただける場合は、盲ろう者の半歩前に立ち、盲ろう者の手をあなたの肩に置くか、あなたの肘の少し上を掴んでもらうようにしてください。また、椅子にご案内する際は、盲ろう者の手を椅子に導き、椅子の特徴がわかる部位(座面や背もたれなど)を触ってもらってください。  E通訳・介助員がいるときでも、盲ろう者本人に向かって話してください。あくまでも、主体は盲ろう者本人です。  Fたとえば、目の病気が「網膜色素変性症」と診断されても、それが症候群性疾患(アッシャー症候群など多数)である場合もあるので、適切な診療のために難病の専門家による診療をご検討ください。  視覚聴覚二重障害の医療 〜盲ろう医療支援情報ネット〜のご紹介  盲ろう児・者が医療を必要とする時に、または盲ろう児・者の診療にあたる医療関係者が連携先を必要とする時に、地域の施設や支援を検索できるサイトが、2018年に開設しました。今後、掲載地域を拡大していく取り組みが進められています。また、同サイトでは電話相談窓口も設置されています。  (運営元:国立病院機構東京医療センター臨床研究センター 聴覚・平衡覚研究部)  http//dbmedj.org  ページ中央にある「盲ろう支援検索サイト」の「一般の皆さま」を開くと、盲ろう児・者のための医療施設や各種支援を検索できます。 ----- ご家族、ご友人の方へ  @盲ろう者本人(以下、本人)は、盲ろうという障害を受け容れるまでに時間を要します。少しずつ情報をお伝えするなど、できるだけ本人の気持ちに寄り添うように話してみてください。また、同じ障害のある仲間と話すことで、気持ちが落ち着くこともあります。ご家族の中で抱え込まず、盲ろう者支援団体を頼ってみることも一つの方法です。  A本人の表情や仕草を見ながら、ゆっくりコミュニケーションをとりましょう。本人からの発信がわかりづらい場合は、口の形や身ぶりサインが手がかりになる場合もあります。  Bあいづちを大切にしましょう。全く反応がない相手と会話をすることは、健常者でも苦痛に感じるものです。本人の手の甲や肩をポンポンと軽く叩いてあいづちを示すことで、相手が話を聞いてくれているという安心感を得られます。本人が好む方法を決めておくと良いでしょう。なお、最初は自分の体に触られることに抵抗感をもたれる場合もありますので、本人の気持ちに寄り添いながら試してみてください。  C本人に情報が伝わりづらい場合、伝え方を変えてみるのも一つの方法です。例えば手書き文字の場合、背中に書いてみる、「ひらがな」を使っていたなら「カタカナ」で試してみる、本人の指に手を添えて直接伝えたい言葉を書く、といった方法が挙げられます。  D複数の方と話すときは、つい早口になったり、一度に複数の人が話したりしてしまいがちです。なるべくゆっくり、一人ずつ話しましょう。そして話し手を明確にしましょう。ご家族やご友人が通訳をする際は、話し手の名前を伝えてから、発言内容をそのまま伝える方法(直接話法)を試みてください。そうすることで、本人も会話の輪に加わっていると実感できます。  E本人ができることは、手を出したり、代わってやってあげるのではなく、できるだけ見守ってください。動作がゆっくりなのは、目や耳からの情報が入らない(入りにくい)ためです。  F本人が自分で置いた場所から物を移動させないでください。やむを得ず移動させる場合は、本人に移した場所を伝えて、物を触って確認してもらってください。 ----- 盲ろう者を知るための本・映画のご紹介  ●書籍  『盲ろう者への通訳・介助』―「光」と「音」を伝えるための方法と技術  全国盲ろう者協会編 著  読書工房  盲ろう者のサポートのため生み出されてきた、多種多様な通訳・介助の方法と技術を解説したテキスト。  『指点字ガイドブック』―盲ろう者と心をつなぐ  認定NPO法人東京盲ろう者友の会編著  読書工房  盲ろう者のコミュニケーションの方法の一つとしてよく知られる「指点字」をわかりやすく学ぶことができる初めてのガイドブック。  『ぼくの命は言葉とともにある』―9歳で失明18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり考えてきたこと  福島 智 著  致知出版社  全盲ろうとなってから、他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、言葉=情報を再び得ることができるようになったのかを振り返る。  『めだかの学校の仲間たち』―見えなくて聞こえないやっこの手のひらの旅  山岸 康子 著  思想の科学社  前作『手のひらで知る世界』から27年ぶりの作品。盲ろう者ならではの事件や事故、果ては病まで。見えない、聞こえない人生を出会った人々を仲間にして明朗に、自然に生きる!  『手のひらから広がる未来』―ヘレン・ケラーになった女子大生  荒 美有紀 著  朝日新聞出版  おしゃれ・スイーツ・フランスに憧れる著者は、大学生のとき、突然難病を発症して光と音を失い、盲ろうとなる。病との闘い、休学を余儀なくされ、絶望の日々、そんな中から希望の光を取り戻し、「幸せは自分の心が決めていいんだ」と語る。  『ハーベン』―ハーバード大学法科大学院初の盲ろう女子学生の物語  ハーベン・ギルマ 著  齋藤 愛、マギー・ケント・ウォン 訳  明石書店  サハラ砂漠の灼熱の太陽の下での学校建設から氷山を登る体験、ホワイトハウスでのオバマ大統領との会見まで、障害を革新のチャンスと捉え、すべての人のアクセシビリティ向上をめざす弁護士として活躍する盲ろう女性の回想録。  ●映画  『もうろうをいきる』(ドキュメンタリー映画)  西原孝至 監督  シグロ製作/パラブラ配給 91分  新潟県佐渡島で一人暮らしをする女性、宮城県石巻市で震災に遭いながらも地域で生きることを選んだ男性など、日本中のさまざまな地域で暮らす盲ろうの人たちに密着。盲ろう者自身についてや、盲ろう者と周囲の人たちとの関係性を描くドキュメンタリー。  DVD 4,180円(税込)、発売・販売元:パラブラ、製作:シグロ、(c) 2017 Palabra  『桜色の風が咲く』(劇映画)  松本准平監督  小雪、田中偉登、吉沢悠 出演  GAGA配給 113分  世界で初めて盲ろう者で大学教授になった福島智の幼少期から大学受験までを描く。暗闇と無音の世界で、孤独にさいなまれる智に希望を与えたのは、令子が彼との日常から考案した新しいコミュニケーション手段「指点字」だった。  DVD 4,290円(税込)、発売・販売元:ギャガ、(c)THRONE / KARAVAN Pictures ----- あなたのお近くの盲ろう者団体の連絡先  盲ろうについてお困りの方がおられましたら、下記までご連絡ください。(友の会記入欄) ----- このパンフレットは、教職員共済生活協同組合・中央共同募金会、ならびに、こくみん共済coop〈全労済〉より助成いただき作成しました。 ----- 編集・発行:社会福祉法人全国盲ろう者協会 〒162-0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 電話 03-5287-1140 FAX 03-5287-1141 月〜金 9:00〜17:30(定休日:土日祝日) アクセス 東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩2分 Eメール info@jdba.or.jp URL http://www.jdba.or.jp/ *****