2019年度 第28回全国盲ろう者大会 報告書 期間:2019年8月23日(金)〜8月25日(日) 場所:名古屋国際会議場(愛知県名古屋市) < 目 次 > 1.開催概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2.プログラム別の報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 (1)開会式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 (2)歓迎パーティー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (3)第1分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 (4)第2分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (5)第3分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (6)第4分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 (7)第5分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 (8)第6分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 (9)第7分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 (10)第8分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 (11)第9分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 (12)全体会・閉会式・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 (13)機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー・・・・・29 (14)コミュニケーション広場・・・・・・・・・・・・・・31 (15)社会見学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 3.アンケート集計結果・・・・・・・・・・・・・・・・・34 〈付録1〉都道府県別参加者数内訳・・・・・・・・・・・・67 〈付録2〉全国盲ろう者大会沿革・・・・・・・・・・・・・69 1.開催概要 (1)目的 盲ろう者・盲ろう児とその家族、通訳・介助員及び教育・福祉関係者等が一堂に会し、年1回の情報交換を行い、わが国の盲ろう者福祉のあり方について討議するとともに、通訳・介助技術の一層の向上を図る機会とし、もって社会福祉の増進に寄与することを目的としている。 (2)主催 社会福祉法人全国盲ろう者協会 (3)共催 企画・運営 全国盲ろう者団体連絡協議会 (4)日程 2019年8月23日(金)〜8月25日(日) (5)場所 名古屋国際会議場 〒456−0036 愛知県名古屋市熱田区熱田西町1−1 (6)後援 厚生労働省  愛知県  名古屋市 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 一般社団法人全日本ろうあ連盟 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 (7)参加者数 887名(うち盲ろう者266名) 運営協力ボランティア133名 (8)日程表 8月23日(金) 受付 13:00〜 開会式 《白鳥ホール》 14:00〜16:00 休憩 16:00〜17:00 歓迎パーティー 《イベントホール》 17:00〜20:00 保育 13:00〜16:00 8月24日(土) 9:00〜12:00 第1分科会 「全国の盲ろう者の生の声を聞く」 《2号館3階 234》 第2分科会 「盲ろう者が家事をする時の困難と工夫」 《2号館1階 211・212》 第3分科会 「魅力ある機関誌の作り方」 《2号館3階 232・233》 昼食・休憩 《各会場》 12:00〜14:00 14:00〜17:00 第4分科会 「日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンターに期待すること」 《2号館3階 234》 第5分科会 「盲ろう者にとっての交通バリアフリーを考える」 《2号館1階 211・212》 機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー 《2号館2階 222・223、224》 9:00〜17:00 保育《2号館2階 221》 9:00〜17:00 コミュニケーション広場《2号館3階 231》 9:00〜17:00 社会見学A−1「明治村コース」 9:00〜17:00 社会見学A−2「三河コース」 9:00〜17:00 社会見学A−3「名古屋コース」 9:00〜17:00 8月25日(日) 9:00〜12:00 第7分科会 「地域拠点(支援センター等)での取り組み」 《2号館3階 234》 第8分科会 「ブレイルセンスやその他点字ディスプレイの活用」 《2号館3階 232・233》 第9分科会 「盲ろう者の旅行の楽しみ方」 《2号館1階 211・212》 昼食・休憩 《各会場》 12:00〜14:00 全体会・閉会式 《2号館1階 211・212》 14:00〜16:00 機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー 《2号館2階 222・223、224》 9:00〜14:00 保育《2号館2階 221》 9:00〜16:00 コミュニケーション広場 《2号館3階 231》 9:00〜16:00 社会見学B−1「名古屋半日コース」 9:00〜15:00 社会見学B−2「自由散策コース」 9:00〜15:00 (9)全体の概要 視覚障害と聴覚障害を併せもつ盲ろう者は、他者とのコミュニケーションが極めて困難であり、家族との意思疎通すらも難しく、社会から閉ざされている。 また、単独での外出には危険が伴うため、ほとんどの盲ろう者は、家に閉じこもりがちな生活を送らざるを得ない実情にあり、家族をはじめ通訳・介助員による支援・協力が不可欠となっている。 全国盲ろう者大会は、全国盲ろう者協会設立以来、毎年実施しており(2011年度のみ東日本大震災の影響のため中止)、ここでの情報交換を契機として、全国各地に「盲ろう者友の会」等の地域団体が次々と設立された。2019年3月現在、46都道府県に地域団体が設立され、未設置の県は、青森県(設立準備中)のみとなっている。しかしながら地域団体はあるものの、ほとんどの地域で未だに盲ろう者の実態が十分把握されていない。 本大会は、日頃外出の機会があまりない盲ろう者にとって、欠かすことのできない貴重な社会参加の場となっている。一方、通訳・介助員にとっても、盲ろう者と寝食を共にすることにより、日常生活のあらゆる場面での通訳・介助を経験でき、技術の研鑽を積む良い機会となる。全国各地から参加した多くの盲ろう者や通訳・介助員及び関係者は、各種プログラムに積極的に参加し、情報交換等が活発に行われた。 盲ろう者にとっては自立と社会参加に向けて、通訳・介助員や関係者にとっては今後の支援に向けて、ひとつの動機付けとなる等、本大会は、わが国の盲ろう者福祉全般を牽引する役割を果たしている。 2.プログラム別の報告 (1)開会式 日時:8月23日(金) 14:00〜16:00 場所:4号館1階 白鳥(しろとり)ホール 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:大杉勝則(おおすぎ かつのり) 参加者:692名(うち、盲ろう者219名) 内容: 本大会は、全国の盲ろう者並びに通訳・介助員、地元のボランティア等、計1,020名の参加を得て盛大に開催された。 はじめに司会より開会宣言を行った。 次に、主催者を代表し、社会福祉法人全国盲ろう者協会理事長の真砂靖(まなご やすし)より挨拶があった。 開会式には、次の3名を来賓としてお迎えし、祝辞を賜った。(敬称略) ・河村たかし(かわむら たかし)(名古屋市長) ・金原辰夫(きんぱら たつお)(厚生労働省 障害保健福祉部企画課 自立支援振興室 室長) ・青山桂子(あおやま けいこ)(愛知県副知事) その他、来賓として次の方々をお迎えした。(敬称略) ・俵幸嗣(たわら こうじ)(文部科学省 初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育課長) ・橋井正喜(はしい まさき)(社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 常務理事、社会福祉法人名古屋市身体障害者福祉連合会 会長) ・倉野直紀(くらの なおき)(一般財団法人全日本ろうあ連盟 理事) ・黒田和子(くろだ かずこ)(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 常務理事) ・露口泰介(つゆぐち たいすけ)(東京海上日動火災保険株式会社 常務執行役員) ・流石巌(さすが いわお)(同東海・北陸業務支援部長) ・小森純子(こもり じゅんこ)(同経営企画部部長 兼 CSR室長) ・秋葉麻英子(あきば まえこ)(同経営企画部 CSR室副主任) ・田尻耕平(たじり こうへい)(公益財団法人鉄道弘済会 社会福祉第二部 部長) ・横山小春(よこやま こはる)(同社会福祉部第二部) ・松田隆(まつだ たかし)(日本共済株式会社 代表取締役社長) ・伊藤照夫(いとう てるお)(一般社団法人愛知県聴覚障害者協会 副理事長) ・加賀時男(かが ときお)(一般社団法人愛知県身体障害者福祉団体連合会 会長) ・佐藤良喜(さとう よしき)(社会福祉法人名古屋市社会福祉協議会 副会長 兼 常務理事) ・村上栄子(むらかみ えいこ)(特定非営利活動法人つくし 理事長) ・宮川照代(みやかわ てるよ)(愛知県手話通訳問題研究会 運営委員長) 休憩を挟み、第2部では全国盲ろう者団体連絡協議会会長の高橋信行(たかはし のぶゆき)氏の挨拶、「2019年度第10回全国盲ろう者体験文コンクール」の表彰式、独立行政法人国立病院機構東京医療センター松永達雄(まつなが たつお)氏より、2019年度から開始された盲ろう児者への医療を向上する事業の紹介があった。 全国盲ろう者体験文コンクールは、公益財団法人鉄道弘済会(てつどうこうさいかい)より助成をいただき、本年度実施されたものである。 第10回となる今回は、次の方々が表彰された。(敬称略) 特賞・・・藤江美樹(ふじえ みき) 京都府 「何が困りますか?」 入賞・・・藤本秀治(ふじもと ひではる) 大分県 「突然の一人暮らし」 入賞・・・桑村昌和(くわむら まさかず) 大阪府 「挑戦」 審査員賞・・・前田朋子(まえだ ともこ) 広島県 「靴下わっかを編むようになって」 最後に全国盲ろう者協会山下事務局長より、来年の全国大会の開催地が鳥取県米子市・米子コンベンションセンター ビッグシップであることが発表された。 第1部、第2部ともに、大勢の参加者及びスタッフによって、大きなトラブルもなく、無事に終えることができた。 再会や新しい出会いがあり、交流を深めることができ、たくさんの思い出を作ることができた。 この全国大会の楽しさを来年の鳥取で、また味わいたい。 文責:大杉勝則 (2)歓迎パーティー 日時:8月23日(金) 17:00〜20:00 場所:1号館1階 イベントホール 担当:三重盲ろう者きらりの会 司会:福山佳代(ふくやま かよ) 参加者:596人(うち、盲ろう者197名) 内容: 歓迎パーティーは、三重盲ろう者きらりの会(以下、きらりの会)の盲ろう者と支援者、通訳・介助員と共に担当した。 初めに、司会より開会の挨拶があり、きらりの会の盲ろう者が自己紹介をした。メンバーの合図に合わせて乾杯をし、食事と交流の時間に入った。参加した皆さんは食事をしながら会場のあちらこちらで再会を喜び、歓談していた。 次に「盲ろう者に会いたいコーナー」を実施した。きらりの会で相談をしているときに、「盲ろう者に会いたいコーナー」は不要ではないかと意見が出た。しかし、「せっかく全国の仲間が集うのだから、短時間でいいので実施しよう」と意見がまとまった。人が一ヶ所に集まらないよう舞台横に1列に並んでもらい、ルールを説明して開始した。希望者が少ないのではないかと思っていたが、予想以上に多くの方が舞台に集まってきたのには驚いた。盲ろう者は会いたい人を自力で探すことが難しいので、「会いたいコーナー」を企画して良かったと思った。会場が混乱しないように、ルールを決めておけばスムーズに行えることを確信した。 最後は昨年同様、みんなで手をつないで「万歳」をし、パーティーを締めくくった。パーティーには、たくさんの方々が参加してくださり、盛大な会になり嬉しく思っている。 全国盲ろう者協会の大会担当者とパーティーに関しての打ち合わせやシナリオの内容の確認など、密に連絡を取りながら事前に準備がしっかりできたことで、スムーズに歓迎パーティーを終えられたことに感謝する。また、きらりの会のみんなが力を合わせて歓迎パーティーを盛り上げてくれたことに感謝している。 皆さま、ありがとうございました。 文責:三重盲ろう者きらりの会 (3)第1分科会 「全国の盲ろう者の生の声を聞く」 日時:8月24日(土) 9:00〜12:00 場所:2号館3階 234 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:石川隆(いしかわ たかし) 参加者:175名(うち、盲ろう者50名) 内容: 毎年恒例となっている第1分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く」は、今回は「1.派遣制度に関すること」、「2.その他について(生活上困っていること等)」の2つのテーマに関して、より多くの盲ろう者からの声を出していただき、解決の糸口を見つけるための意見交換を行った。 1.派遣制度に関すること Q1.同行援護の通訳・介助員の資格の問題についてどのようになっているのか。 A1.厚生労働省(以下、厚労省)や日本視覚障害者団体連合などと2年間協議したが、意見がまとまらなかった。厚労省としても最終的には、何らかの形で1本にまとめて、制度にしなければならない。3年間の特例期間があるが、特例期間を延ばす方向で動いている。(山下事務局長から) Q2.公共交通機関が不便な地域での自家用車の利用を認めて欲しいが、どういう交渉が良いか。 A2.車なら1時間で行けるところが電車だと8時間かかる。車の方が支出を抑えられると県に話をして認めてもらった。 Q3.通訳・介助員に依頼する際、チャット(テレビ電話のようなもの)でお願いしているが、チャットで依頼をするのはやめてほしいと言われた。 A3.通訳・介助員に直接派遣依頼をするのではなく、派遣事務所から通訳・介助員に連絡してもらうのが良い。 2.その他について(生活上困っていること等) Q1.難病の等級に関係なく、平等に治療費を補助してほしい。 A1.前と比較して視野狭窄や白濁等が進んで見えづらくなったのならば、改めて医療機関で受診し等級が変更になれば治療費補助を申請できると思う。 難病の医療費助成は、難病指定された病気の治療費が高額になるため、その負担を軽減するもので、身体障害者の医療費助成とは別のもの。(山下事務局長から) Q2.同僚の聴覚障害者から「目が見えないから帰れ」と言われた。 A2.地域のハローワークの中に障害者対応ができる課があるので相談するのはどうか。 Q3.勤務する会社に障害者専用の相談窓口がない。窓口のある会社はどんな方法で社内に作ったのか。 A3.私の会社には相談できる窓口があり、社会福祉士に相談ができる。当事者社員が就労支援を受けている場合、社内の支援者が同席して相談ができる。そのような制度を会社に要望してはどうか。 会場からは多くの質問が出され、さまざまな意見を聞くことができた。 進行をスムーズにする為に、発言者は3分以内に一つのテーマで発言すること。発言の順番は、最初に手を挙げた人に順番の書かれたカードを渡し、その順番で話をしてもらうなど事前に説明をしたのでスムーズに行えたと思う。 より多くの盲ろう者の声を聞く為にも、この「全国の盲ろう者の生の声を聞く」分科会は、今後も続けていく必要性を感じた。 文責:石川隆 (4)第2分科会 「盲ろう者が家事をする時の困難と工夫」 日時:8月24日(土) 9:00〜12:00 場所:2号館1階 211・212 担当:NPO法人鹿児島県盲ろう者友の会いぶき 司会:林美喜子(はやし みきこ) 参加者:183名(うち、盲ろう者55名) 内容: まず3人のパネラーより、盲ろうになってから家事をしていて困ったことなどの経験談を話してもらい、またその解決方法についても話していただいた。 参加者にも家事をするうえで困っていることや工夫していることなど、自由に話していただいた。その一部を紹介する。 ・目が見えないため洗濯をする時に汚れている部分が分からない。 →息子の野球仲間のお母さんから、部分洗い専用の洗剤があることを教えてもらった。子供たちに洗濯機に入れる前に、洗濯物の汚れている部分に部分洗いの洗剤スプレーをするようにお願いしている。やってみると本当に綺麗になりびっくりした。それ以来、その洗剤を愛用している。 ・掃除機をかける時に床に置いてあるゴミ箱などを倒してしまい、中のゴミを掃除機で吸い込んでしまう。 →床にゴミ箱や物を置かないようにしている。 ・部屋の掃除をする際に、部屋のどこが汚れているのかが分からない。 →ヘルパーに汚れているところを教えてもらい、掃除機をかけた後に綺麗になっているかどうか確認をしてもらっている。 ・洗濯するときに洗濯機の内部の色と、靴下の色の区別ができず、片方だけを洗濯機の中に取り残してしまうことがある。 →靴下などの場合は、洗濯をする前に洗濯ばさみでとめて洗濯すると便利である。 ・まな板で野菜を切っている時に、まな板からこぼれ落ちた野菜を見つけるのが大変。 →切った野菜が沢山になる前に別の容器に移す。 ・水をこぼしたときに水も吸える掃除機があると聞いたが、使っている人がいたら教えて欲しい。 →掃除機よりも大きめのスポンジの方が使いやすく、さらに何回でも使えるので経済的である。 ・縫い針などを落としたときに探すのが大変。 →使い終えた縫い針にすぐに糸を通しておくと、落とした際に見つけやすくなる。また、粘着カーペットクリーナーを使って落とした付近をコロコロして探す。 ・ご飯を作るときに安全に使える圧力鍋はないか。 →火を使わず、ボタン一つで安全に煮込み料理が作れる電気圧力鍋があるようだ。 (まとめ) 毎日の家事をいかに楽に楽しくするにはどうすれば良いかをテーマに、女性はもちろん男性からもたくさん話を聞くことができ、とても有意義な分科会となった。 この分科会を通して日々頑張っている仲間の存在を知り、お互いに良い刺激を受け、また明日からの家事も頑張ろうという気持ちになれたように思う。 分科会終了後にはもっと話がしたかった、聞きたかったなどの声も聞かれた。 沢山の手が挙がり司会として上手くまとめるのは難しかったが、普段自分の言葉で話す機会が非常に少ない盲ろう者にとって、いかにこの場が貴重であるかを実感した。 今後も皆さんにとって身近なテーマで、誰もが思いを話せる場を継続させていくことは大切だと思った。 文責:林美喜子 (5)第3分科会 「魅力ある機関誌の作り方」 日時:8月24日(土) 9:00〜12:00 場所:2号館3階 232・233 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:川口智子(かわぐち ともこ) 古川竜一郎(ふるかわ りゅういちろう) 参加者:67名(うち、盲ろう者22名) 内容: 川口氏は全国盲ろう者団体連絡協議会と、奈良盲ろう者友の会やまとの輪の機関誌担当、古川は長崎盲ろう者友の会“あかり”の広報副部長であることから、この分科会の担当をしないかと声をかけていただいた。分科会を引き受けてからはメールで打ち合わせをし、内容の検討、時間配分など相談しながら進めた。 まず、古川が講演を行った。 広報部は機関誌の発送終了後に広報部会を開き、次回の機関誌の内容と分担を決める。その後はML(メーリングリスト)を使用し編集・校正・発送の流れで作業を進めている。 機関誌の特徴として、盲ろう者がわかりやすい言葉や文章を使い、楽しく読んでもらえるようにしている。人気の「あの人この人コーナー」はインタビュー形式で行っており、グルメ情報、地域情報なども盛り込むようにしている。 墨字、音声、CD、点字、メールなど、会員のニーズに合わせて発送をしている。点字版は助成金でパソコンと点字プリンターを購入し、自分たちで作成している。 次に川口氏が講演を行った。 会報発行の目的は「盲ろう者の事を知ってもらう啓発のため」である。原稿を依頼し、集めた後はパソコンを使って作業をする。役員にも原稿を確認してもらい、校正、印刷をする。印刷作業も友の会で行っている。 主な内容は、行事や講習会など盲ろう者に関係のある行事の感想。レイアウトは盲ろう者が見やすい文字の大きさ、フォント、写真の掲載などルールを決めている。 課題もいくつかある。内容がいつも同じになってしまうこと、送料が高くなってしまうこと、点訳ができる人がいないので外部に頼まないといけないこと、印刷の場所の確保や費用など。 機関誌を作成するのは大変だが、より内容を工夫していきたい。 講演後に質疑応答、意見交換を行った。参加者は広報を担当する人が多かったため、自分たちの友の会の現状や工夫していることなどを話してくれた。 全国で共通して工夫している点として、下記のような内容が挙げられた。 @見やすいレイアウト A盲ろう者にわかりやすい言葉や文章を使う B文字種はニーズに合わせて、墨字、点字、音声、メールなどを作成する C送料を抑えるための工夫 D点訳は地域のボランティアにお願いしている Eメーリングリストを活用している また課題としては、下記のような内容が挙げられた。 @広報担当者が足りない A印刷費用や印刷場所の確保 B送料が高い C機関誌の内容が同じで簡単になってしまう 参加した皆さんから、機関誌を大切な情報源としていることがわかり、私自身も機関誌の必要性を改めて感じることができた。 反省点としては時間の関係で発言できない人が出てしまったことだ。 不慣れな点もあったと思うが司会を引き受けてよかった。 文責:古川竜一郎 (6)第4分科会 「日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンターに期待すること」 日時:8月24日(土) 14:00〜17:00 場所:2号館3階 234 担当:社会福祉法人全国盲ろう者協会 全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:庵悟(いおり さとる) 参加者:148名(うち、盲ろう者43名) 内容: 本分科会は、全国盲ろう者協会(以下、協会)が目指しているアメリカにあるヘレン・ケラー・ナショナルセンターのような盲ろう者に特化した総合リハビリテーションセンターについて、全国各地の盲ろう者の声を聞き、センターの早期実現につなげていこうという趣旨で企画した。協会と全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、連絡協議会)の両方の立場にある庵が司会進行を行なった。 進め方として、前半は、協会の山下事務局長が「日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンターの開設に向けて」というテーマで約30分間講義をした後、質疑応答を行った。後半は、フロアからセンターに期待することや地域生活で困っていることについて話し合った。 はじめに、山下事務局長より、「協会が設立当初は盲ろう児教育に活発に取り組んでいた。しかし、盲ろう者の支援が全くない頃だったため、通訳・介助員の養成、派遣事業の拡充にエネルギーを注がざるを得なかった、そのため、他の問題への取り組みは遅れていた。」との説明があり、日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンター設立に向けた取組みの経過とセンターの機能について詳しくお話いただいた。 <質疑応答> Q1:センター設立のための運営委員会はあるのか。 A1:2016年〜2017年、盲ろう者の総合リハビリテーション・システム検討委員会での検討を受けて、設立準備、整備のための委員会、設立後の運営委員会等について検討をしている段階である。 Q2:施設開設後の通訳・介助員派遣、生活訓練の内容、盲ろう児、中途盲ろうで困っている人なども含めて、センターの具体的な機能は何か。 A2:通訳・介助員派遣については、センターが日本全体を対象に派遣事業を行うことは考えられないが、盲ろう者向けの同行援護事業などを地域限定で行うことは考えられるのではないか。 生活訓練については、今まで進めてきた生活訓練事業の延長で、調理、洗濯、情報機器、コミュニケーション訓練等日常生活で必要な訓練、社会生活訓練が考えられる。訪問型の支援、一人暮らしの体験をする活動も試行的にやってみる。 盲ろう児については、文部科学省も巻き込んで盲ろう教育の問題を積極的に進めていく。 Q3:一人暮らしで、パソコンが壊れた時に連絡したくてもできない等不自由な生活をしている。一人暮らしの盲ろう者が一緒に暮らし、仕事をしたり、交流ができるようなグループホームを建ててもらいたいがどうか。 A3:一人暮らしの盲ろう者でパソコンの調子が悪く、メールが通じなくなるような緊急の場合にどのような対応ができるのか、本日の話を踏まえて検討していく。 グループホームについては難しい。センターで長期に暮らす施設は考えていない。一方で、グループホームは地域の中での生活の場なので、本来は、地域の友の会のレベルで作るべきではないか。東京の友の会でも検討していると聞いた。和歌山では高齢者住宅を考えていると聞いている。大阪のグループホームは地域の盲ろう者だけが利用している訳ではないが、考え方としては各地の友の会がつくることが基本と考える。 <意見交換> ・盲ろう者自身が何に困っているのか、環境の変化がなく分からない。そこで困りごとではなく、皆さんがどう生きたいか、夢や希望を語り合ったらどうか。 ・グループホームについて、盲ろうという障害特性を配慮した一人一人の生き方、住み方を尊重した形のものが欲しい。盲ろう者は、コミュニケーション方法もバラバラで、1対1だと話ができるが、グループになると周りの人に合わせるのが難しい。 ・例えば、こんなものがあるとよい。マンションの半分ぐらいは、一人で盲ろう者が住んでいて、1階にはいつでも交流できる場所がある。そこには、外部と連絡を取ってくれる管理人や通訳・介助員が常駐する。個々の部屋には、自分に合った風呂の設備や手すりや色の配置、慣れ親しんだ家具等がある。好きなように生活の形を作って、必要な時にはヘルパーや通訳・介助員が来てくれる。同じ建物内であれば、1階まで一人で行き、助けを求めればサポートしてもらえる。マンションは盲ろう者だけが住むのでなく、他の障害者や盲ろうでない人も住んだほうが地域ともつながりが作りやすい。 ・盲ろう児の親亡き後について考える必要がある。 ・センターに期待することとして、盲ろう児が学校卒業後に勉強できる場所を考えてほしい。 ・心のケアについても支援が必要。目と耳だけでなく、他の障害や難しさを持つ人もいる。混雑した一般の医療機関には行くのも難しいので、在宅医療の在り方も考えてほしい。 以上がこの分科会の内容である。司会として、もっと多くの参加者から発言を引き出せるようにすべきだったと反省している。 今後、協会と連絡協議会が連携して、日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンター設立に向けての夢や希望について、さらに活発な議論が展開できるよう工夫していきたい。 文責:庵 悟 (7)第5分科会 「盲ろう者にとっての交通バリアフリーを考える」 日時:8月24日(土) 14:00〜17:00 場所:2号館1階 211・212 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:門川紳一郎(かどかわ しんいちろう) 川島朋亮(かわしま ともあき) 参加者:184名(うち、盲ろう者55名) 内容: 全国盲ろう者大会において、本テーマでの分科会は初めてであったが、盲ろう者55人を含む184人の参加があり、このテーマへの参加者の関心の高さがうかがえた。 とりわけ、日本は2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、障害者や高齢者が住みやすい街づくり、交通のバリアフリー化への取り組みが進んでいる。この分科会は、「盲ろう者の安心かつ安全な移動には何が必要か」を考えるために、以下の内容で進行した。 まず、全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、連絡協議会)の川島朋亮氏による「交通バリアフリーに関する法律と現状について」と題した基調講演を行った。 続いて、4人の盲ろう者から、次の三つを柱に事例報告を行った。 1.交通面で不安、不便に感じていること、困っていることについて 2.その問題を解消するためにどのような工夫をしているか 3.交通・バリアフリーに対して盲ろう者として望むこと そして、基調講演と事例報告に続く質疑応答では、多くの質問や意見が出された。 中でも、横断歩道等の安全な歩行については、特に関心が高かったように思う。 質疑応答・意見交換の主な内容は、以下の通りである。 まず、スマホのアプリやパームソナー(障害物探知器)等を活用して信号のある道路を横断したり、街の中を歩いているという報告があった。特にパームソナーについてはすでに製造が中止されていることから、「盲ろう者が使いやすいアプリや支援機器の開発を望む」という声が聞かれた。 また、「横断歩道を真っ直ぐ安全に渡るにはどうすればよいか」という質問には、川島氏から「場所は限られているが、エスコートゾーン(視覚障害者が横断する際に歩く方向から外れることのないように横断歩道上に設置された突起物の列)が設置されているところもある。エスコートゾーンを頼りに真っ直ぐ歩くこともできる」とアドバイスがあった。 また、盲導犬ユーザーで連絡協議会会長の高橋信行氏は、「盲導犬の非服従機能というものがある。これは、ユーザーが犬に対して『進め』と指示を出しても車が来ていて、犬が危険を察知したら進もうとしないというもの。これを盲ろう者がうまく使って、真っ直ぐ安全に横断する方法もある」とコメントがあった。 この他、全盲ろうで単独歩行をしている盲ろう者からは、「横断歩道などでは、『すみません!』などと自分から声を出して周りの人に助けてもらっている。周囲への援助の依頼も大切」との報告があった。 最後に、今回のこの分科会は、主に都市部の交通が発達している地域に暮らす盲ろう者からの事例報告に基づいて進められたが、今後、山間部や沿岸部に住む盲ろう者からも体験談や要望を聞き、盲ろう者にとっての交通バリアフリーについて考える機会があるとよいと思う。 文責:門川紳一郎 (8)第6分科会 「盲ろう者の芸能披露」 日時:8月24日(土) 14:00〜17:00 場所:2号館3階 232・233 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:小林功治(こばやし こうじ) 参加者:96名(うち、盲ろう者29名) 内容: 前回の千葉大会での芸能披露のねらいは、地元で自分の芸をなかなか披露する機会がない盲ろう者に、全国の仲間・支援者の前で思う存分芸を披露していただくこと。また、それを見た皆さんが「私も頑張ればできるかも?!何かやってみよう!」という気持ちになっていただく願いも込めたものだった。このねらいを継続し、会場が一体となり盛り上がれる分科会にしたく、前回に引き続き担当させていただいた。 準備はおおむね昨年同様であった。昨年、全国盲ろう者協会(以下、協会)職員とともに作り上げた流れに沿って行ったため、担当者としては負担は少なかった。協会職員側は出演者の申込受付、諸連絡など大変だったことだろうと申し訳なくも感謝している。その中でも苦労したことは、当日の盛り上がりを考えて、出演者の順番を決めることだった。どの出演者も魅力的かつ個性的なシナリオを提出されていたので、これを最大限に皆さんに楽しんでいただくように順番を決めることは、サポーターとともに悩みこんだ。また、昨年の反省から出演者にはステージ確認の時間を設けた。15分程度の時間の為、十分ではなかったかもしれないが、出演者には心構えをしていただけたのではと感じている。 出演は全部で八つの個人・グループであり、全国7都道府県から集まった。演目は下記の通り。 1.手話歌、2.なるこを使ったオリジナル踊り、3.コント、4.電子楽器での曲作り・生演奏、5.目隠しをしての粘土作品作り、6.手話落語、7.マジックとジャンケン体操、8.フラダンスと生演奏 すべての出演者が短い制限時間の中、通訳・介助を受けながら卓越した芸を演じ切り、観覧席は手拍子、笑い、応援する声、一緒に歌い、踊る姿が絶え間なくあり、まさに演者と観客が一体となった分科会であった。 この分科会は、当日のステージだけでなく、皆さんからは見えない、出演申込からパンフレット掲載文章作り、シナリオ考案、当日の舞台準備・後片付けまでを、盲ろう者と通訳・介助員が協働している。演技を披露する盲ろう者だけでなく、それを支える通訳・介助員の輝きを、担当者として昨年以上に感じた。 反省点としては、当日資料の配布のタイミングが遅くなったこと、出演者の席の準備が遅れたことがあったが、サポーターやボランティアの迅速かつ的確な動き、出演者の寛容さに助けられた。 会場一体となるこの分科会が来年、再来年と続き、固定の分科会となることを願っている。 文責:小林功治 (9)第7分科会 「地域拠点(支援センター等)での取り組み」 日時:8月25日(日) 9:00〜12:00 場所:2号館3階 234 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 司会:藤鹿一之(ふじしか かずゆき) 参加者:128名(うち、盲ろう者35名) 内容: 1.この分科会を開催することになった経緯 現在、47都道府県すべてに盲ろう者友の会(準備会を含む)がある。しかしながら、盲ろう者の支援の拠点となる、盲ろう者支援センター等の施設は、ごくわずかな地域にしか存在しない。盲ろう者支援センター等の施設を、全国各地に設立させるためには、まず盲ろう当事者が、盲ろう者支援センター等でどのようなことを行っているのか、知ることが大切である。 そこで、大阪の「NPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいる」と「ひょうご盲ろう者支援センター」の関係者に、施設設立の経緯から現在の取り組みまで話していただき、盲ろう者にとって、どのような地域拠点の取り組み方が必要か考えてみることになった。 2.盲ろう者の支援を行っている、2つの施設の取り組み。 (1)「ひょうご盲ろう者支援センター」の取り組み まず、NPO法人兵庫盲ろう者友の会、事務局長の平井裕子(ひらい ゆうこ)氏よりご講演いただいた。 「いつでも集まれる、いつでも相談できる場所が欲しい!」 これが盲ろう者の切実な願いであったが、「拠点が欲しい」だけでは夢は実現しない。 兵庫盲ろう者友の会では、支援センターを設立する目的、運営方法、資金の集め方等を明確にするために実行委員会を設立し、また、理事の学習会を開いた。 その後、県の障害者支援課に設立に向けて説明し、応援していただけることになり、2016年9月に「ひょうご盲ろう者支援センター」の設立に至った。 その年の12月に設立記念式典が開かれた。私も出席させていただいたが、盲ろう者と支援者が一丸となり作り上げた手作りの式典に、議員や県職員も応援に来られ、素晴らしい式典であった。 ○注目すべき事業 通訳・介助員派遣事業や養成事業はもちろんのこと、盲ろう疑似体験や理解セミナー等の事業も行っているようだ。中でも注目すべき事業は、「ランチの会」と「カフェ・タッチ」だろう。 いずれも、可能な限り盲ろう者が関わることにより、新たな体験を通し自信につながっている。同時に積極的に地域の人々との交流も行っている。「カフェ・タッチ」の目玉のメニューのカレーは「美味しい!」と好評のようだ。そして、支援センターが設立された頃より、盲ろう者が元気になり、理解者が増えたようだ。 (2)「NPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいる(以下、すまいる)」の取り組み 次に、「すまいる」の理事長、門川紳一郎氏よりご講演いただいた。 ○日本初の盲ろう者を支援する施設 「すまいる」も「ひょうご盲ろう者支援センター」同様、設立の発端は、「集まれる場所が欲しい」という盲ろう者からの願いだったようだ。 「すまいる」は、1999年、マンションの1室を借り障害者小規模作業所として活動を開始する。2001年には、盲ろう者団体としては日本で初のNPO法人格を取得。その後、就労継続支援B型事業、ホームヘルパー派遣事業、同行援護事業等、先駆的な取り組みを行っているが、その道のりは決して順風満帆ではなかったようだ。 ○盲ろう者のグループホームが誕生! そして、2017年2月に、盲ろう者が共同生活をする場として、グループホーム「すまいるレジデンス for the Deafblind(愛称 ミッキーハウス)」が設立された。このグループホームは盲ろう者が安心して暮らせるよう様々な配慮がなされている。 日本初の盲ろう者向けグループホーム誕生という活気的な取り組みである。 今回は時間の都合で詳細はお聞きできなかったが、今後のミッキーハウスの運営の仕方等に注目したい。 3.地域拠点の必要性 お二人の講演後、活発な質疑応答が行われた。 全国各地に、盲ろう者支援センターのような地域拠点を設立させるためには、まず盲ろう者が地域拠点の必要性を認識することが重要である。そして、行政や支援者の力を借りて、「すまいる」や「ひょうご盲ろう者支援センター」のような、盲ろうに特化した地域拠点の設立に向けて、少しずつ前進していければと願っている。 文責:藤鹿一之 (10)第8分科会 「ブレイルセンスやその他点字ディスプレイの活用」 日時:8月25日(日) 9:00〜12:00 場所:2号館3階 232・233 担当:パソコン指導者有志の会 司会:九曜弘次郎(くよう こうじろう) 渡井秀匡(わたい ひでただ) 参加者:97名(うち、盲ろう者32名) 内容: この分科会では、点字ディスプレイの活用について情報交換を行った。 まず、最近発売された二つの新製品を紹介した。 一つ目は、九曜から「ブレイルセンスポラリス(以下、ポラリス)」を紹介した。盲ろう者が外出先でメールやインターネットを利用する際に利用しているブレイルセンスの新型である。ポラリスはAndroidというシステムで動作しており、旧型のブレイルセンスでは閲覧が困難になってきているホームページの閲覧や、スマホ向けに開発された一般のアプリをインストールできるといった特徴がある。日本語で話した言葉を英語に翻訳したり、内蔵のカメラで会場を撮影し、何が映っているかを教えてくれるアプリのデモンストレーションを行った。一方で、日本語入力が使いづらいこと、これまでのブレイルセンスでできていたことの全てがポラリスでできるわけではないので、そのことを理解した上でよく考えて購入してほしいと話した。 二つ目は、渡井氏から「BMスマートターミナル」というアプリを紹介してもらった。ケージーエスから発売されている点字ディスプレイ「BMスマート」と、Androidのスマホとを接続して使用するものである。メールの送受信、ホームページの閲覧、簡単メモといった機能がある。簡単メモを使うと声で話した言葉がBMスマートに点字で表示できる。外出先で手話や点字のできない人にスマホを渡して話してもらうことで、支援を依頼できるといったことが紹介された。これまでパソコンとBMスマートを接続して使っていた盲ろう者が、外出先で利用したいという場合にお勧めである。 最後にフロアから質問や要望を聞いた。 ・LINEやショートメッセージを使いたい ・ビデオ通話をしたい ・乗り換え案内で調べたい列車が出てこない といった意見が寄せられた。 また、紹介した機器やアプリを展示し、実際に参加者に触ってもらった。展示コーナーでは多くの盲ろう者が機器に触れていた。 たくさんの質問や意見が寄せられ、時間がオーバーしてしまった。既にポラリスを購入して使っているという盲ろう者もおり、点字ディスプレイに対する関心の高さが伺い知れる分科会であった。 後日、分科会で寄せられた要望をメーカーにお伝えし、今後の開発に活かしていただくようにお願いした。 点字ディスプレイをはじめとする情報機器は、盲ろう者がコミュニケーションを取ったり情報を入手する上で、無くてはならないものである。盲ろう者がこれらの情報機器を活用できるよう今後も活動していきたい。 最後に、さまざまな事情がある中、担当を引き受けてくれたスタッフのみなさん、そしてこの分科会に参加してくださった皆さんに感謝申し上げる。 文責:九曜弘次郎 (11)第9分科会 「盲ろう者の旅行の楽しみ方」 日時:8月25日(日) 9:00〜12:00 場所:2号館1階 211・212 担当:鳥取盲ろう者友の会友輪(ゆうりん) 司会:今本由紀(いまもと ゆき) 参加者:222名(うち、盲ろう者69名) 内容: 盲ろう者69名、盲ろう者以外153名、合計222名と予想以上の参加者が集まり、たくさんの意見が出た。一部を抜粋して紹介する。 (1)旅行を楽しんでいるという意見。 ・一人旅で、現地の通訳・介助員(歴史に興味がある人、グルメ精通の人など)にお願いして、良かった。 ・目が見えにくくなるにしたがって、古いお寺を触ったり、現地の歴史や歴史上の人物を知るなど楽しみ方が変わってきたが、旅行が楽しみになった。今後は海外旅行に行きたい。 (2)旅行で困る、困ったという意見 ・通訳・介助員の交通費や入場券の負担が大きい。 ・遊園地の遊具に盲ろう者単独で乗れない。 ・通訳・介助員がジェットコースターを怖がるので乗れない。 ・一人でバス旅行をした際、運転手にトイレ介助を断られた。 ・飛行機のキャビンアテンダントは手話ができない。 ・一人でホテルに宿泊する際、部屋の広さ、温度調節、シャワーなどが分からない。 ・一人旅では、路線図、駅名、近くの施設が分からなくて困る。 ・今は全く見えなくなって地図がよく分からない。 ・現地で通訳・介助員を派遣してもらえるか不安。 ・海外旅行では盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業が認められない都道府県がある。 (3)工夫していること、こうしてほしいという意見 ・遊園地の遊具は、遊園地のスタッフが一緒に乗ってくれるといい。 ・旅費・宿泊費など自己負担してくれて、一緒に楽しんでくれる人がいるといい。 ・バス旅行では、トイレがあるバスを予約する。 ・飛行機の中で伝えてほしい情報を事前にキャビンアテンダントにお願いしておき、手のひら書きをしてもらう。 ・ホテルではその地域の通訳・介助員をお願いするといい。部屋の説明をしてもらった上で一人で過ごす。 ・ボディーソープ、シャンプー、リンスのボトルは形で分かるよ うになっている。これを全てのホテルに周知してほしい。 ・駅の設備等について要望など、盲ろう者の声をまとめて意見書を出したらどうか。 ・新潟大学工学部福祉人間工学科・渡辺研究室は、触って分かる触地図を無料で郵送してくれる。 ・盲ろう者は荷物も白杖も持つので大変。荷物を送るときには半額にしてほしいと強く要望する。 ・全国各地に通訳・介助員派遣事務所があるので、旅行の2ヶ月前から通訳・介助員の派遣をお願いすればいい。 ・階段を利用する際、弱視の人は段差が分かりにくいと危険なので、段差がはっきりわかるような目印を付けてほしいと鉄道会社に要望したい。 多くの意見が出て、時間が足らないほどだった。 盲ろう者それぞれが不安や困難を抱えているが、それを声に出して皆で共感し、次の一歩にすることができた分科会だったと思う。 文責:今本由紀 (12)全体会・閉会式 日時:8月25日(日) 14:00〜16:00 場所:2号館1階 211・212 担当:NPO法人愛知盲ろう者友の会 司会:金政かおり(かねまさ かおり) 参加者:382名(うち、盲ろう者116名) 内容: まず司会挨拶の後、全体会を行った。開会式、歓迎パーティー、九つの分科会の順番で各プログラム担当者から報告をしていただいた。 開会式の担当からは、来賓の方々から祝辞をいただき開会式が盛大に行われたこと、歓迎パーティーでは、食事と交流を中心に行い、盲ろう者と会いたいコーナーを企画し楽しく交流できたなどが報告された。各分科会からは以下の発表があった。 第1分科会では派遣制度について、また生活の中で困っていることについて話し合った。第2分科会では盲ろう者が家事をする際の有意義な情報交換ができた。第3分科会では盲ろう者の貴重な情報源でもある機関誌を充実させるためのヒントがたくさんでた。第4分科会では日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンター設立に向けて多くの意見がでた。第5分科会では安全に移動するため情報機器を使った工夫など事例報告をした。第6分科会では8組の様々な発表があり会場が一体となって大いに盛り上がった。第7分科会では地域拠点について理解し取り組みについて考えた。第8分科会では情報機器について知識を深めた。第9分科会では盲ろう者の楽しみの一つである旅行について多くの意見が出た。以上、どれも素晴らしい発表であった。 全体会終了後は大会の締めくくりとして閉会式を行った。全国盲ろう者団体連絡協議会高橋会長と全国盲ろう者協会山下事務局長からご挨拶をいただいた。 とても有意義な大会だった。全国各地から集った盲ろう者、通訳・介助員を交えて、再会した人、初めて会った人と交流し、話し合い、情報交換ができ、たいへん盛り上がりのある内容の濃い全国大会になったと思う。この大会の全日程を無事終了することができ感謝している。 文責:金政かおり (13)機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー 日時:8月24日(土) 9:00〜17:00 8月25日(日) 9:00〜14:00 場所:2号館2階 222・223、224 内容: 機器展示コーナーでは、13の団体・企業の出展があった。参加者は実際に機器等を手にし、体験し、わからないことは担当者に相談し、詳しい説明を聞いていた。 作品展示・販売コーナーでは、3名の盲ろう者、六つの関係団体から出展があった。編み物や小物といった、作品販売、籐細工やわっか編みの実演販売があるなど、盲ろう者の素晴らしい作品が多数見られた。 友の会コーナーでは、盲ろう者の作品(折り紙、絵図、書道、手作品)を展示し、機関誌等の紹介を行った。 出展団体・企業等は以下の通りである。 (機器展示) ・株式会社エンサウンド ・有限会社読書工房 ・ケージーエス株式会社 ・篠原電機株式会社 ・有限会社エクストラ ・一般社団法人ハートウエアラボ ・株式会社アウトソーシングビジネスサービス ・株式会社システムギアビジョン ・社会福祉法人名古屋ライトハウス ・株式会社アメディア ・東京大学先端科学技術研究センター 福島研究室 ・錦城護謨(きんじょうごむ)株式会社 ・読書日和 (作品展示・販売) ・地域活動支援センター夢ふうせん ・地域作業所わくわくわーく ・NPO法人ヘレンケラー自立支援センターすまいる ・信号機委員会(有志の会) ・アイラブ作業所(NPO法人広島盲ろう者友の会) ・大庭龍子(おおば りゅうこ)、尾形百合子(おがた ゆりこ) ・名取勇(なとり いさむ) ・全国盲ろう者団体連絡協議会 (友の会) ・神奈川盲ろう者ゆりの会 ・NPO法人愛知盲ろう者友の会 (14)コミュニケーション広場 日時:8月24日(土) 9:00〜17:00 8月25日(日) 9:00〜16:00 場所:2号館3階 231 内容: 参加者同士でゆっくりと自由に情報交換や交流ができる部屋を設けた。 (15)社会見学 ・A―1「明治村コース」 日時:8月24日(土) 9:00〜17:00 場所:明治村 参加者:85名(うち、盲ろう者32名) 内容: 8:30 集合 9:00 出発 10:00〜15:30 明治村散策 17:00 国際会議場到着 ・A―2「三河コース」 日時:8月24日(土) 9:00〜17:00 場所:安城産業文化公園デンパーク、刈谷ハイウェイオアシス 参加者:72名(うち、盲ろう者27名) 内容: 8:30 集合 9:00 出発 10:00〜12:00 安城産業文化公園デンパーク 12:30〜14:00 昼食(懐石料理) 14:40〜16:00 刈谷ハイウェイオアシス 17:00 国際会議場到着 ・A―3「名古屋コース」 日時:8月24日(土) 9:00〜17:00 場所:名古屋水族館、東山ガーデンポート、徳川美術館 参加者:97名(うち、盲ろう者34名) 内容: 8:30 集合 9:00 出発 9:30〜12:00 名古屋港水族館見学 12:30〜14:00 昼食(みそかつ・きしめん定食) 東山ガーデンポート散策 15:00〜16:00 徳川美術館見学 17:00 国際会議場到着 ・B―1「名古屋半日コース」 日時:8月25日(日) 9:00〜15:00 場所:リニア鉄道館 参加者:56名(うち、盲ろう者21名) 内容: 8:30 集合 9:00 出発 10:10〜12:30 リニア鉄道館見学 12:45〜14:15 昼食(ひつまぶし) 15:00 名古屋駅(太閤通口)到着 ・B―2「自由散策コース」 日時:8月25日(日) 9:00〜15:00 場所:名古屋市内観光 参加者:124名(うち、盲ろう者44名) 内容: トヨタ産業技術記念館、東山動植物園、ノリタケの森、熱田神宮、大洲(おおす)商店街などの観光地の他、なごやめしなどグルメ情報を事前に紹介し、参加者が自由に観光場所を決めて名古屋市内の散策を楽しんだ。 3.アンケート集計結果 配布数:887名(うち、盲ろう者266名) 回答数:182名(うち、盲ろう者23名) (1)あなたの性別は 男性:33名(うち、盲ろう者9名) 女性:147名(うち、盲ろう者14名) 無回答:2名 (2)どのような立場で参加されましたか 盲ろう者:23名 通訳・介助員:151名 その他:6名 無回答:2名 (3)大会に参加するのは何回目ですか 初参加:45名 2〜5回目:76名 6〜10回目:36名 11〜15回目:12名 16〜20回目:4名 20回目以上:3名 無回答:6名 (4)あなたは、この大会を何で知りましたか(複数回答有) 全国盲ろう者協会から送られた第1報を読んだ…69名 盲ろう者から聞いた…47名 通訳・介助員から聞いた…26名 友の会の会報を読んだ…22名 無回答:3名 その他…22名 ・昨年の大会で知った…12名 ・友の会の会議、案内などで知った…4名 ・毎年のことなので知っていた…2名 ・通訳・介助依頼があったから…2名 ・役員に勧められたから (5)参加した動機(きっかけ)は何ですか(複数回答有) 盲ろう者に通訳・介助を依頼されたから…91名 以前から参加したいと思っていたから…81名 仲間が参加するから…55名 無回答…4名 その他…36名 ・興味のある分科会があったから…4名 ・全国の盲ろう者や通訳・介助員に会いたいから…3名 ・毎年参加することにしているから…3名 ・近いから…3名 ・過去の大会で仲間になった人と出会えるから…2名 ・自分自身の勉強のため…2名 ・地元だったから…2名 ・特急電車や新幹線を利用しなくても行けるから ・日帰りできるから ・開催地が出身地だったから ・毎年楽しみにしているから ・分科会に参加すると様々な情報が得られるため ・全国の盲ろう者のコミュニケーション方法を知りたかったから ・コミュニケーション技術の向上のため ・全国の盲ろう者を知りたいから ・自分を高めたいから ・友の会のために情報が欲しいから ・情報を得たいから ・大会でしか会えない人がいるから ・色々な人と出会える機会だから ・1回は参加したいと思ったから ・仕事の関係だから ・色々な方と交流できるから ・通訳・介助員が行くと言ったから ・他の参加者から頼まれたから ・誘われたから ・通訳・介助員が不足しているため誘われたから ・派遣依頼があったから ・年なので今年が最後だと思ったから (6)参加した目的は何ですか(複数回答有) 情報収集のため…108名 全国の仲間と会うため…102名 コミュニケーション技術の向上のため…90名 たくさんの仲間をつくるため…55名 無回答…3名 その他…29名 ・通訳・介助をするため…8名 ・盲ろう者に一緒に行こうと誘われたから ・盲ろう者に楽しんでもらうため ・盲ろう者の笑顔が見たいから ・盲ろう者に大会に参加してよかったと言われたから ・盲ろう者福祉の学びも兼ねて参加 ・全国大会を経験したかったから ・通訳・介助技術を向上させるため、他の人の通訳・介助技術を学びたかったから ・皆さんが交流する雰囲気を遠くからでも感じたかったから ・学びと発見があるから ・全国大会そのものが楽しいから ・全国大会がどんな様子か見たかったから ・人と人を繋ぐ大切なコミュニケーションに関わりたいから ・元気をもらえるから ・出会いが好きだから ・みんなの笑顔が見たいから ・全国大会の様子や、機器展示、作品展示コーナーを見たかったから ・興味のある分科会に参加したかったから ・作品販売の担当だったので商品のPRのため ・名古屋観光をしたかったから ・名古屋観光のガイドを依頼されたから ・仕事の関係 (7)開催案内、連絡等の進行、また会場の設備やサービスについてご意見などお聞かせください。 7−1 運営について 良かった点: ○開催案内、連絡等の進行はスムーズでよかった。…4件 ○すばらしかった。…2件 ○時間通り進行された。 ○全体的に分かりやすかった。 ○パソコン使用者のみ開場前に入室できて助かった。 改善を望む点: ○受付の位置が分かりにくかった。…6件 ○会場までの送迎バスを出してほしい。…3件 ○会場内の誘導が分かりにくかった。 ○毎回のことだが受付周辺に参加者が集中し、開場されるまでの間に座る場所がなく困る盲ろう者が多くいたため、開場時間を早くする等の方法が必要かと思う。 ○パソコン使用者は設置・調整に時間がかかる人もいるので、できれば30〜45分前には入室し、準備をさせてもらえると助かる。 ○運営上、予算面で厳しいのは分かるが終了後すぐに部屋を出なければいけないのは残念だった。 ○参加申込時に車椅子は使わないと書いたが、当日必要になりツアー担当者に申し出たが、ないと言われて大変だった。どんな時も迅速に対応してもらえるようお願いしたい。 ○分科会の開始前に入室したがまだ入室できないと言われて退室した。事前に案内がほしかった。 ○会場内で近道があったので、移動ロスや負担を少しでも減らす為に案内がほしかった。 ○他地域の方と待ち合わせする場所は各分科会の会場前の方が分かりやすいと思う。 ○通訳・介助員の交代、待合せ場所の共通理解の必要性。 ○「通訳・介助担当表」の時間の記載や受付前での待ち合わせに現状とはとてもズレがある。あの表通りだと昼食はいつどこで誰と食べることになるのか。担当する盲ろう者を個人的に知っていたり、連絡がとれる場合は良いが、お互い初対面であったり午前は別担当であったりするととても不可能な状況。慣れている人は適当にできるが、初心者はとても困惑すると思う。 7−2 配布資料について 良かった点: ○送ってもらった資料などはどれも見やすくわかりやすかった。…6件 ○会場までの案内がとても丁寧だった。…2件 ○協会からの第1・2報、当日の連絡や進行が完璧だったおかげで終始スムーズに大会が行われた。 ○事前に名簿を送ってもらえたので当事者が会いたい人を探しやすい。 ○事前に資料を送ってもらえて助かった。 ○分科会の内容について事前に資料をもらえたので助かった。 ○プログラムに歓迎パーティーのメニュー内容が載っていてよかった。盲ろう者に説明でき、食事を楽しんでもらえた。 改善を望む点: ○会場内の地図を事前に送ってほしかった。…7件 ○活動実績報告書やアンケートの送り先を分かりやすく明記してほしかった。…2件 ○事前に送ってもらった資料のページ数が多く、重かったのでデジタル化できないか。そうすれば文字の大きさも各自で選べる。 ○資料は「拡大文字」「点字」「データ」の三択だったが、普通の文字のサイズも選べるようにしてほしい。通訳時に拡大文字の資料ではかえってページを探すのに手惑い困る。 ○字ばかりで読むのに時間がかかってしまった。字の大きさが同じだったからか読みにくかった。 ○西高蔵駅、日比野駅から会場までの案内図がないので分かりにくい。道の凹凸が多くて雨で傘をさしながら盲ろう者と歩くのが大変だった。 ○近くにコンビニやレストランがあるなどの情報がほしかった。 ○通訳・介助担当表に待合せ場所が記載してあると助かる。 ○通訳・介助担当表が盲ろう者用と通訳・介助員用では違っていることがあった。その場合どちらを優先するかその旨も記載してあればと思う。 ○切符の購入方法が地域によって違うので、購入の仕方を別紙で情報提供してほしい。 ○参加者名簿に聴覚障害者か健常者かはっきり記載してもらえると盲ろう者の私たちも助かる。 ○歓迎パーティーのメニューが毎年第2報に掲載されているが、食品アレルギー基準をアレルギーマーク、もしくは言葉で表示して情報提供してほしい。 ○興味があるものの、参加できない分科会について、概要が記載された資料があれば内容を知ることもできるし、それを元に考えることができるのでありがたい。 ○資料に記念品を入れてほしい。 7−3 本部の対応について 良かった点: ○受け付けの対応が親切で助かった。…4件 ○担当のスタッフ1人ひとりの一生懸命さが伝わった。 ○質問にすぐ答えてくれて助かった。 ○スタッフ皆の動きの良さには頭が下がる。 ○困ったことがあればすぐに連絡してくれた。 ○スタッフが自分の立場をしっかりと理解し、行動していた。 ○当日機器展示用の荷物をホテルに持ち帰るのが大変なので、会場に置かせてほしいとお願いした所、親切に対応してくれて助かった。 改善を望む点: ○一般参加者と本部スタッフの区別がつかず分かりにくかった。名札や腕章だけでなく色Tシャツ等を着て見た目で分かる配慮がほしかった。…2件 ○突然のキャンセルなどを総合受付で表示してほしい。 ○今回消防法の関係で、レイアウトを変更できないと言われていたが、午前と午後で対応が違ったので統一してほしい。 7−4 会場について 良かった点: ○交通の便がよかった。…9件 ○会場が広くてよかった。…8件 ○大会が行われるのに適した会場でよかった。…5件 ○大きな会場で設備も整っていたと思う。…3件 ○展示コーナーは広くて回りやすく、2箇所に分かれていても近いので便利だった。…3件 ○立派な施設で盲ろう者も行動しやすく案内も分かりやすかった。…2件 ○とてもきれいでよかった。…2件 ○会場入口のモニターにきちんと大会会場が記載されていたので助かった。…2件 ○あちこちに休憩できる場所があってよかった。…2件 ○3日間同じ会場でよかった。 ○本部のあるロビーにテーブルと椅子があるのはよかった。待ち合わせしやすかった。 ○明るくてとてもよかった。 ○部屋の広さは全体的にちょうどよい。 ○会場内はエレベーター、エスカレーターがあり利用できてよかった。 ○トイレが清潔でよかった。 ○トイレがたくさんあったので休み時間混雑もなく使用できた。 ○クーラーが効いていて室内がちょうどよかった。 ○クロークの場所が近くなのでよかった。 ○会場の案内が大きく見やすかった。 ○案内看板が見やすい位置にあり、分かりやすかった。 改善を望む点: ○会場が広いので分かりにくかった。…10件 ○消防法の関係で仕方ないが、会場内の机・椅子の移動ができないのは辛い。もう少し柔軟な対応がほしい。…7件 ○会場内の案内板を増やしてほしい。…6件 ○会場が広すぎて移動が大変だった。…4件 ○最寄り駅から会場までもう少し近ければよかった。…4件 ○他のイベントも重なっていて人が多く、歩きにくい時もあった。…3件 ○机と机の間が狭かった。人数の都合で仕方がないとは思うが、もう少し広いとありがたい。…3件 ○閉会式の会場が狭かったので、開会式・閉会式を同じ場所にしてほしい。…2件 ○宿泊場所から会場までが遠くて大変だった。…2件 ○盲ろう者の高齢化が進んでいるので、最寄り駅から会場までの距離が長く、移動中に階段が多くて困ることがあった。…2件 ○分科会の会場名が部屋番号のみだったが、入口にホワイトボードの案内板があったので分科会名を書いてほしい。…2件 ○照明の調整ができる部屋にしてほしい。前の方だけ照明がなくて暗くて見えにくかった。…2件 ○交通が多少不便。電車の乗換えが大変だった。 ○指点字やパソコン筆記で通訳を受ける盲ろう者もいるため、閉会式も机をいくつか用意してほしい。 ○会場内の案内掲示が分かりにくかった。 ○案内板に1階、2階と表示されていればもっとスムーズに行動できたと思う。 ○あとから部屋に入る際、その会場の前がどちらなのか分からなかったのでドアに書いてあると分かりやすい。 ○エレベーターとエスカレーターの場所案内もあると助かる。 ○エレベーター、エスカレーターを利用するために遠回りをすることが多かった。 ○エレベーターがほしかった。 ○駅から来ると2階に到着し、1階の受付が分かりにくかった。 ○各会場に舞台がないと見えにくい。 ○部屋が細長くて聴覚障害のある通訳・介助員にとって通訳しづらい。 ○昼食をとるのにテーブルがなくて大変だった。 ○お昼休憩用に机のある部屋があるといいと思った。 ○分科会の会場にテーブルを置くと席が後ろまで下がり、聴覚障害のある通訳・介助員が全体手話通訳が見えづらくなるのでテーブルを無しにしたらいいと思う。 ○椅子がつながっていたので外すのに手間がかかる。 ○洋式トイレが少なく待ち時間があった。 ○会場内のWi−Fi環境があまりよくなかった。もし使用できる環境が整うのであれば案内してほしい。 7−5 情報保障について 良かった点: ○情報保障がよくできていた。 ○各会場にループがあったのがよかった。 ○スクリーンの背景が黒で文字が白のためはっきり見えてよかった。 ○音声はよく聞こえた。 ○パソコンの調整に困っていたが、担当者が支援してくれたので助かった。 ○名札の中にお弁当チケットが入っており、名前の下に障害者は線を引く、ボランティアやスタッフは名札の色や紐を替えるなど工夫してありよかった。 ○名札に点字があるのがいいと思った。 改善を望む点: ○全体手話通訳者用の台を用意してほしい。…9件 ○要約筆記スクリーンの画面の色が薄く見えづらかったので改善してほしい。…8件 ○全体手話通訳を会場の真ん中と後ろにも設置してほしい。…5件 ○分科会の部屋が大きすぎて後方からは全体手話通訳が見えづらく、聴覚障害のある通訳・介助員は大変だろうと思った。…3件 ○聴覚障害のある通訳・介助員は全体手話通訳か要約筆記のスクリーンを見て通訳するので、できれば前方に席を用意してほしい。…3件 ○要約筆記が遅くて全体手話通訳者と合っていなかった。…2件 ○ループに音声が上手く入らないため進行に時間がかかった。…2件 ○スクリーンを1つだけでなく、2つか3つ置いてほしかった。…2件 ○歓迎パーティーの時も手話通訳者をスクリーンに出す、または文字情報を出してもらえたらありがたい。 ○後ろの方も見えるよう発言者や全体手話通訳者の映像をアップして上映してほしい。 ○分科会の時も全体手話通訳者の手話表現を要約筆記用プロジェクターの反対側に動画で表示できるようにしてほしい。 ○伝えやすいように見える位置や見やすくするための配慮をもっと考えてほしい。 ○開始前の全体手話通訳者の立ち位置、司会のための通訳・介助員の立ち位置と、部屋の照明、スクリーンの表示は十分にチェックをしてほしい。 ○全体手話通訳の手話表現を統一してほしい。 ○司会や発言者の姿が見えにくく、発言者はできるだけ高い所や分かりやすい場所で発言してほしかった。 ○要約筆記のプロジェクターの位置を下げてほしい。 ○要約筆記の字幕で意味が分からない部分があった。 ○発表者の声が遠くて聞こえづらいことがあり、最後尾に一人スタッフがいて聞こえの確認などしてもらえるとありがたい。 ○ループ席が足りなかった。 ○パソコン通訳を受ける人の席は後ろの席でもよいのではないか。 ○指点字通訳をするのにテーブルがなかった。 ○前方の席に盲ろう者が入りやすくしてほしい。 ○ループ席で空きがあったら、特に聴覚障害のある通訳・介助員の為に空いていると情報がほしかった。 7−6 ボランティアについて 良かった点: ○トイレ介助のボランティアがいて助かった。…9件 ○道案内のボランティアがいてくれて助かった。…6件 ○ボランティアへの指導も行き届いていてよかった。…4件 ○ボランティアが親切丁寧に対応してくれた。…4件 ○会場にボランティアやスタッフがたくさんいてよかった。…2件 ○ボランティアやスタッフが努力されていた。 改善を望む点: ○歓迎パーティーの時にトイレのボランティアがいなかったので困った。…3件 ○最寄り駅にボランティアがいたのかどうか分かりづらかった。 ○ボランティアが駅を出た所までは居たが、その先に居なかったので不安になった。 ○建物の玄関前にも案内人がいるとよかった。 ○会場に入った後、エレベーターの前にも案内がいるとよかった。(車椅子で、どのエレベーターを使用すればいいのか分からなかった) ○トイレのボランティアの人がわかりにくかった。 ○ボランティアがトイレの前にずっといて、誰も利用していない時はなんだか変だと思った。また気の毒でたまらなかった。県ごとに仲間(介助者)がいるのでそちらにまかせてもよかったと思った。 ○分科会で発表者にマイクを渡す時、ボランティアが部屋中走り回っていたのでマイクを増やし、ボランティアの人数もあと一人増やして走り回らなくていいようにすればいいのではないかと思った。 7−7 その他 良かった点: ○盲ろう者と通訳・介助員の待ち合わせの時に、「○○さんを探しています」と記入できる簡易ボードを準備してくれていたのがよかった。…3件 ○お弁当が美味しかった。…3件 ○3日間クロークが使えたので会場内にスーツケースなどがなく、歩行の邪魔にならずよかった。…2件 ○名身連旅行センターの電話対応がとても丁寧で安心できた。 ○トイレが混まなかったのが助かった。 ○大人数にもかかわらず混雑を感じずスムーズに行動できた。 改善を望む点: ○開催地の名物のお菓子などを販売してほしい。…4件 ○コンビニがない。…2件 ○特になし。 ○地元の人の「ここが美味しい、感じが良い」などお店の紹介がほしい。 ○開会式に水のサービスをつけてほしい。 ○活動実績報告書を書くにあたり、例えば観光をしていて開会式への参加が14:30になった場合や、パーティーが20:30に終了し、ホテルまでの介助が20:55に終了した時(電車を利用して)、21:00を越えてのカウントは20:30からなのか21:00からなのかなど、活動実績の時間に重なっている時の請求に困ってしまう。 ○会場内のペットボトルのゴミ箱があふれてしまっていたのが少し残念だった。 ○お弁当が味は美味しかったが、細かく分かれていて盲ろう者は食べにくそうだった。 ○盲ろう者からマッサージを頼まれた。本来は通訳・介助の仕事ではないが仕方なくマッサージをしたが、今後はそのようなことがないようにマッサージの有資格者をなどを配置するようにしてほしい。 ○名身連旅行センターからの連絡が期日より遅かったので少し不安だった。 ○高いホテルは毎年泊まれないので、安いホテルの紹介やどのように向かったらいいかなど教えてほしい。 ○音声通訳は盲ろう者に聞こえる程度の大きさの声でしてほしい。通訳をするために一生懸命なのは分かるが、通訳の声が大きすぎて耳障りだった。 (8)大会プログラム全体についていかがでしたか 8−1 全体を通して 良かった点: ○全体的にとてもよかった。…7件 ○進行がゆっくりで盲ろう者に分かりやすくてよかった。…3件 ○今後も参加したい。 ○分かりやすかった。 ○司会進行がスムーズにされていてよかった。 ○興味のある内容が多くてよかった。 ○休憩を1時間ごとに取るなど、盲ろう者、通訳・介助員に対して配慮がされていてよかった。 ○大変楽しかった。 ○企画やテーマはよく考えられていた。 改善を望む点: ○マンネリ化していつも同じという感じ。 8−2 開会式 良かった点: ○体験文の表彰式で一人一人あいさつが聞けたのがよかった。 ○河村市長の挨拶が良かった。 改善を望む点: ○開会式では全体手話通訳だけでなく、来賓の方々のお話している様子もスクリーンに映してほしい。…2件 ○盲ろう者の生の声を聞くを開会式でしてほしい。一人の声でなく団体の声、友の会の活動の状況を知りたい。 ○以前は開会式の時に、参加盲ろう者の県単位の人数の発表があったのに今回はなかったので今後してほしい。 ○司会者の顔が見えず、どこで話しているか分からなくて、盲ろう者に通訳ができない。できれば顔も見られるといい。 8−3 歓迎パーティー 良かった点: ○「会いたい人」コーナーはよかった。…5件 ○食事が美味しかった。…3件 ○各自で交流できる時間がとってあってよかった。 ○パーティー会場のスタッフの対応がよかった。 ○バイキングと思っていたが、着席してゆっくり食事ができたのがよかった。 ○お酒が飲めないので料理にアルコールが使われていなくてよかった。 ○取り分け方式だったので、料理を取り分ける時に自然と同席の他県の方々と話ができたのでよかった。 ○同じ会場で移動がなかったので楽だった。 ○食品アレルギーがあり、ホテル担当を調べて事前にメニューの情報提供をしてもらえて安心して食事ができた。当日だと時間がかかった。 改善を望む点: ○参加費が高いわりに食事や内容が残念だった。…9件 ○席を県ごとに別けてテーブルに県名を表示してほしかった。どの県がどこに座っているのか分かりやすくしてもらえたらもっと交流が深まると思う。…6件 ○ゲームやパフォーマンスを短時間でいいから取り入れてほしい。…3件 ○食事の量が少なかった。…2件 ○料理が運ばれてくるのが遅かった。…2件 ○料理の取り分けは大変なので、個々に用意されている方がよかった。…2件 ○「会いたい人」コーナーで、盲ろう者だけでなく、通訳・介助員も探している人がいるので通訳・介助員も参加させてほしい。 ○歓迎パーティーのメニューの中でリンゴのソースがかかった肉があったが、リンゴアレルギーの盲ろう者だった。事前にアレルギーの申請ができると良い。 ○盲ろう者が移動しやすい場所の方がたくさんの人が参加できると思う。 ○デザートがあるとよかった。 ○飲み放題にしてほしい。 ○会いたい人のコーナーの時、皆が立っていたのでスクリーンが見えにくかった。 8−4 分科会全般について 良かった点: ○それぞれ興味深い分科会のテーマであった。…4件 ○盲ろう者の生活に身近な話題が多くてよかった。…3件 ○内容がよかった。…3件 ○積極的に発言する方が多くてよかった。…3件 ○分科会のテーマが幅広くてよかった。…2件 ○準備がしっかりとできていて進行もスムーズだった。…2件 ○充実した分科会が多かったと思う。 ○どれも興味深い内容で議事録があれば読みたい。 ○全国の友の会から集め、連絡協議会で選んだだけあり、いい分科会だったと思う。 ○当事者がそれぞれの担当をもって活動していたのがよかったと思う。 ○当事者が積極的に声かけをしていたのが印象的だった。 ○為になる内容も多く、活発な意見交換もできた。 ○盲ろう者の発言の時間があってよかった。 ○活気が感じられてよかった。 ○司会の盲ろう者の進行が周りの状況をよく把握して進行しており、すばらしくて感動した。 ○司会が落ち着いていて指示ができていた。発表内容などに繰り返しがないようあらかじめ説明された所がよかった。 ○各分科会ともに盛り上がっていてよかった。 ○旅行など新しい内容でよかった。 ○盲ろう者の声や通訳・介助員の質等勉強になった。 ○参加者同士で情報を共有できてよかった。 ○必要なことが網羅されていたと思う。 ○盲ろう者の発言のひとつひとつに暮らしの背景が見えた。すぐに役立つ情報を得られた手応えが充実感につながるように感じた。 ○問題点を出し合い、皆の経験を聞くことができてよかったと思う。 ○タイムリーな話題で最新の情報なども共有できて良かった。 ○休憩が上手に取られておりよかった。 ○これからの改善点等、今まで何とも思わなかったことに気付けてよかった。 改善を望む点: ○時間が足りないので同じテーマで半日ではなく1日にしてほしい。…4件 ○各分科会や全体会の内容を簡潔にまとめた資料などがほしい。…2件 ○聞きたいテーマがたくさんあり、時間が重なっていて聞けなかったのが残念。…2件 ○発言者の県名、性別、名前、障害の程度、コミュニケーション方法、盲ろう者か通訳・介助員か分からなかったので、発言する時には情報をはっきりと伝えてほしい。…2件 ○分科会にどうしても人数の偏りが出てしまう点。 ○意見交換の時、マイクを使って会場全体に聞こえるように声の確認をしてほしい。読み取りの声が届かなくて、通訳が困難な時があった。 ○司会を担当していたので興味のある他の分科会に参加できなかったのが残念だった。 ○盲ろう者は自分が発表する分科会以外の分科会に参加できるとよいと思った。 ○休憩時間が短かったように感じた。 ○休憩が1時間に1度なので盲ろう者もかなり疲れがでていた。 ○分科会を事前に申し込むのではなく、当日飛び入りで参加したい。 ○各分科会で参加者に事前資料があったが、実際は資料の内容意外にも話しがあったりするので、短い時間の中で処理するのが難しかった。 8−5 第1分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く」 良かった点: ○内容がとてもよかった。 ○盲ろう者の生の声を色々聞け、地域の活動に活かすヒントをたくさん得られた。活用したいと思う。 ○たくさんの盲ろう者の声がありよかった。 ○通訳・介助員への謝金や交通費、更には介助中の食事代まで負担する県があることに驚いた。今後活動していく上で改善点だと思う。 改善を望む点: ○事前にある程度内容を絞った方がより活発な意見交換につながると思う。…2件 ○午前のみのため、とても時間に余裕がない。 8−6 第2分科会「盲ろう者が家事をする時の困難と工夫」 良かった点: ○内容がとてもよかった。…2件 ○参考になってよかった。 ○日常生活の困難をどう工夫しているのかなど、なるほどと思った。 ○男性も意外に参加していたので好評だと思った。 ○楽しくてためになる身近なことなのでとてもよかった。 ○参加者から質問のあった安全な圧力鍋をその場で調べてくれて、すぐに報告をしてくれたのがよかった。 ○晴眼者でも参考になる内容があってよかった。 8−7 第3分科会「魅力ある機関誌の作り方」 良かった点: ○他県の会報誌についての情報が入ってきたこと。 8−8 第4分科会「日本版ヘレン・ケラー・ナショナルセンター に期待すること」 良かった点: ○センターのビジョンについて伺うことができてよかった。盲ろう者が生活の中で困っていることやセンターに期待することなど貴重な生の声を伺うことができた。 ○今の状況が知れたのでよかった。 8−9 第5分科会「盲ろう者にとっての交通バリアフリーを考 える」 良かった点: ○ためになった。 ○この分科会が行われてよかった。 ○初めて知る便利なツールがたくさんあることが分かった。 ○盲ろう者の話が聞けてよかった。他の地域の通訳・介助についてや、車が利用できるところと利用できないところがあることが分かりよかった。今後改善に向けて行政の方にも来て聞いてもらえるとよい。 ○盲ろう者の道路や公共交通利用について、とても参考になった。 8−10 第6分科会「盲ろう者の芸能披露」 良かった点: ○とてもおもしろくてよかった。…4件 ○皆が楽しんでいる様子だった。 ○初めて参加したのでよかった。 ○演劇など自分の自慢できる芸を披露したのがよかった。コンクールを開催し、盲ろう者がさらに自信を持てるような内容にしてほしいと望む。 ○司会の盛り上げ方が上手で、進行もゆっくりと時間をとってくれたので、盲ろう者にも丁寧に伝えることができた。 ○素晴らしい企画だと思う。盲ろう者が得意なことを発表するとともに見ている人も楽しい企画だと思う。 ○通訳するのも楽しかった。 ○勉強になった。 改善を望む点: ○演者と観客の目線の高さが同じ(特に座っての演目時)だったので、何をしているのか通訳するのに右、左とすきまを探しながらだったのが少し残念。 8−11 第7分科会「地域拠点(支援センター等)での取り組み」 良かった点: ○実際に運営している方から話が聞けた事はとてもありがたかった。 ○2つの県の講義がありよかった。自分の県にはまだ実行委員会がないので、設立までの流れを参考として知ることができてよかった。 ○有意義だった。 ○とても興味深い内容で、全国に広がってほしい。 改善を望む点: ○流れが難しい点があり質問をしたかった。 ○難しい言葉があったため、できるなら後日資料としてほしい。 8−12 第8分科会「ブレイルセンスやその他点字デバイスの 活用」 良かった点: ○勉強になった。 8−13 第9分科会「盲ろう者の旅行の楽しみ方」 良かった点: ○単身で旅行する方の貴重な話が聞けてとてもよかった。 改善を望む点: ○たくさんの手が挙がっていたが、時間の関係で十分発言できなかったように見受けられた。大会終了後でも意見や要望を受け付け、大会報告書などに掲載してはどうか。 8−14 全体会・閉会式 良かった点: ○閉会式が午後からだったので余裕を持って会場に入れた。 改善を望む点: ○全体会で全ての分科会の内容を振り返っていたが、長すぎて間延びしてしまっていたのでなくてもよいのではないか。 ○閉会式で「聞こえない」と伝えたのに止めないで進んでしまった。話が分からず残念だった。 8−15社会見学について 良かった点: ○岡崎ホテルの食事がとても美味しかった。…5件 ○「明治村コース」が乗り物券付きだったので移動がしやすかった。 ○「明治村コース」に参加したが、バスの乗り降りの回数が少なく、参加者には負担の少ない社会見学でよかったと思う。 ○「三河コース」で暑い中だったが盲ろう者と共に楽しめた。 ○「三河コース」と「自由散策コース」は大いに楽しむ事が出来た。 ○「名古屋コース」に参加。バスガイドさんがとても優しく元気で一生懸命な姿勢に気持ちよく過ごせた。 ○「名古屋コース」で水族館がとても良かった。 ○「自由散策コース」でトヨタ産業記念館を見学したが、繊維機械館では各コーナー説明してくれる方が皆優しく、特に盲ろう者、車椅子、障害者に意識した説明をされ(手に持って触れさせてもらうなど)参加者も嬉しそうだった。会場で他県の盲ろう者同士の交流も見られ、是非続けてほしいと思った。 ○ツアーを楽しめたと思う ○観光名所を散策できてよかった。 改善を望む点: ○バスの車中など手話通訳者がおらず、聴覚障害のある通訳・介助員が困っていたので、全体手話通訳をつけてほしい。…9件 ○「名古屋コース」の水族館での入場時、障害者手帳を集める時にかなり時間がかかったので、バスの中でも予め集めておくなど事前打合せをしてスムーズに入場できるようにしてほしかった。…6件 ○「明治村コース」で建物にバリアフリーがあまりないので段差に苦労した。 ○「三河コース」に参加したが、集合時間より早めに到着し受付を済ませたが、なかなかバスに乗り込むことができなかった。体の不自由な方もおられ、暑い中待ち時間が長く気の毒だった。 ○「名古屋コース」で不満に感じる場面があった。 ○「名古屋コース」と「名古屋半日コース」の昼食が同じ場所だったので、できれば別の場所にしてほしい。 ○ツアーの参加費が全体的に高いと感じた。 ○集合場所での表示をもっと大きく、高く上げるなどして見えるようにしてほしい。 ○バスを待っている間立っているのが大変だった。 ○ツアーの行き先について、暑い時期は歩いたりするのが大変すぎるため、ほとんど屋内で休憩して出発時間まで時間をつぶす過ごし方になってしまった。 ○バス内でマイクを回して自己紹介するなどの交流がほしかった。 ○コースに博物館などがある場合、「触れないでください」の表示に「視覚障害者以外は」を追記してほしいなどの配慮を施設管理者に求めることは難しいか。 ○解散する時に挨拶もなかった。集合時間の連絡もないし、次の行動が分からなかった。 ○時間通りに進めてほしい。ツアーに参加した盲ろう者から集合時間を守らない事から、イライラし、つまらなく感じたと聞いた。 ○社会見学は時間が短く、もう少しゆっくりと色々見学したかった。 ○3日目のツアー内容があまり良くなかった。 8−16 機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー 良かった点: ○いろいろ体験できてよかった。 ○展示がたくさんあってよかった。 ○盲ろう者にとってはじめての体験ができたりと充実していた。 ○2部屋で広々としていて車椅子が通りやすくてよかった。 ○作品・友の会コーナーでは、手作りの素晴らしい商品がいくつもあり、購入するのに迷っていた。 ○商品説明の場所や商品の販売があってよかった。 改善を望む点: ○ゆっくり見る時間がなかった。 ○部屋に何の展示があるか実際に一周しないと分からないので一覧配置図を掲載してほしい。 8−17 その他 良かった点: ○色々な情報が得られて良かった。…2件 ○全国各地から参加された盲ろう者や通訳・介助員の様子も見られて良かった。 ○たくさんの人と知り合ったり、宿泊での通訳・介助は普段出来ない経験や勉強ができた。 ○これだけの規模の催しは大変な労力がかかるものと思う。盲ろう者にとって交流や情報収集の場としてとても貴重なものだと思うので、開催自体に非常に価値がある。 ○内容的に濃かったので勉強になった面もあった。まだ確実に制度など整っていないので、自立できる支援の一つとしてこのような大会は大事だと思う。 ○盲ろう者が久しぶりに全国の仲間と交流できるめったにない機会であること。 ○他県の盲ろう者、通訳・介助員の方と知り合えたこと。 ○夜間の自由交流に初めて参加でき、通訳・介助員ではあったがその場にいることができてとても楽しく、とても良い時間だった。 ○様々な通訳・介助の場面を直接見られ、トータルコミュニケーションの広さを感じた。 ○盲ろう者自身の思いを知ることができた。 改善を望む点: ○特になし ○今回は夜の交流の場がなかった。以前参加した時にホテルのワンフロアを開放してもらえて、盲ろう者も他県の方と交流しやすかった。 ○賞などがあれば良い。 ○他県の盲ろう者の通訳・介助を担当して交流を深めたかった。 ○前に座っている人たちが途中で立ち上がると全体手話通訳者とパソコン要約筆記のスクリーン字幕が見えなくなり、盲ろう者に伝えられなくなるので終わるまで立たないようにしてほしい。 (9)通訳・介助謝金や大会の開催地、今後取り入れてほしい企画やテーマについて何でも構いません、ご自由にご記入ください。 9−1 継続してほしい分科会 ○第1分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く」…5件 ○第2分科会「盲ろう者が家事をする時の困難と工夫」…2件 ○第3分科会「魅力ある機関誌の作り方」…2件 ○第6分科会「盲ろう者の芸能披露」 ○第7分科会「地域拠点(支援センター等)での取り組み」 9−2 今後取り入れてほしい企画やテーマ ○通訳・介助員としての悩みや情報交換などができる交流会や企画…6件 ○各地の友の会で取り組んでいる活動や友の会のあり方について…3件 ○盲ろう者の便利グッズの紹介…2件 ○盲ろう者のターミナルケア ○盲ろう者の終活 ○盲ろう者の延命 ○盲ろう者の自慢、失敗談、経験話など ○盲ろう者の就職率、職業内容 ○盲ろう者の読書や情報収集について ○盲ろう女性特有の問題 ○盲ろう者に対するソーシャルワークのあり方 ○盲ろう者、通訳・介助員の健康を考える分科会 ○盲ろう者が楽しめるスポーツの紹介 ○盲ろう者が主体的に取り組んでいることなどの発表 ○盲ろうの方々が望むこと ○盲ろうになったばかりの盲ろう者に盲ろうの世界(歴史、制度、特性など)を教えてくれるような分科会 ○手話や点字の学習について ○毎日の生活が有意義に送れるアイディアやヒント ○クイズとかじゃんけん大会など参加して楽しい企画 ○ルービックキューブ大会 ○障害受容についての分科会 ○仕事についての討論会 ○海外の先進事例について ○行政の盲ろう者福祉政策について ○精神保健福祉行政との関り ○通訳・介助員の身分保障を議論する分科会 ○通訳・介助について地域差があるので、他地域の具体的なこと ○盲ろう者の夫または妻が集まって話し合いや情報交換などの場 ○全国の様々な取組みのうち、成功事例をピックアップして共有していく分科会 ○千葉大会をやった時に就労分科会を来年もやるといっていたのになかった。 ○分科会にグルメを取り入れてほしい。 ○盲ろう者でも出来る遊びやエンターテイメント。例えばボウリングや自転車、ダーツなど、盲ろうだからとあきらめないでチャレンジできる方法や必要なサポートの情報交換をしたい。 ○今回参加人数が多かった分科会は、来年も引き続き行い、時間を長くするのはどうか。意見を伝えたい人が多い場合、まとめまでいけないので。 ○今回の分科会のように、盲ろう者自身が生活で工夫している点や意見交換の時間をもっと増やしてほしい。 ○盲ろう者は日頃発言をする機会が少なく、大会が発言する場のひとつになっているのだろうと感じた。例えば歓迎パーティーの時に盲ろう者全員にひとりひと言ずつ自己紹介をしてもらうなど、少しでも発言の機会をもてるような工夫がほしい。 ○ディズニーランドにもう一度行きたい。 ○盲ろう者に関わる制度について、当事者にも十分理解できるようなプログラム。 ○盲ろう者にとっても通訳・介助員にとってもより良い「同行援護」を学びたい。 ○通訳・介助員の謝金を値切る(チケットの枚数を減らす)盲ろう者が増えてきている。通訳・介助員との関係を良好に続けるための心がけを話し合ってもらいたい。 ○京都の西陣織や愛知の絞り染めなど、伝統工芸に関わる方々が盲ろう者の触れる力に興味があると聞いている。盲ろう者の職域開拓という意味でも、そのような体験コーナーがあれば双方に利得があるのではないかと思う。 ○医療と福祉・行政側との連携について。盲ろうになって適切な情報が当事者に届かない。個人情報の問題もあるが、すぐに適切なリハビリが行われずに数年間何もせず家に閉じこもり状態になっている人も多い。 ○コミュニケーション広場のように一部屋使って盲ろう者に有料で施術してもらえるマッサージコーナーがあれば良いと思った。(10分500円など) ○今後盲ろう者の高齢化、重度化が進み、それに伴い通訳・介助員の支援のあり方も変わってくると思うので、協会から各自治体での講習会をより良いものに指導してもらいたい。 ○弱視難聴者が一人の時に、聴覚障害者のグループ、または手話ができない健聴者のグループの中で、通訳をしてもらえなかった時の苦しさや体験談、解決策のテーマがほしい。 ○アメリカでは高齢者、特に高齢になってから盲ろうとなった方の特別な援助プログラムがあるとのこと。具体的にどのような内容か知りたい。 ○アメリカのヘレン・ケラー・ナショナルセンターでは0〜21歳未満、21歳以上、高齢者の3つのグループに分けて支援しているとのこと。実情を知りたい。 9−3 日程について ○気候変動と高齢化で真夏は避けてほしい。…3件 ○来年は東京オリンピック・パラリンピック日程と重なるなど、延期(中止)でよいと思った。 9−4 開催場所について ○沖縄で開催してほしい。…3件 ○北海道で開催してほしい。 ○大阪で開催してほしい。 ○涼しい地域で開催してほしい。 ○手引きする盲ろう者が高齢になったので駅から近い会場がいい。 ○できるだけ盲ろう者の身体負担がないような会場であってほしい。 ○移動が大変なので会場がひとつの中で行きやすいところにしてほしい。 ○年々参加者が増えているため難しいと思うが、親密にゆっくり交流する場や時間がほしいので、会場とホテルが一緒になっているといい。 ○今回の会場は近隣にホテルがなく、移動が大変だったのでホテルが近い所がいい。 ○全国どこででも開催されることは望ましいが、バリアフリーでない所や移動に困難が生じるのは困る。 ○たくさんの人が参加できるように移動しやすい場所。 9−5 通訳・介助謝金について ○どのくらい、いくらか知りたい。 ○事前に謝金の説明がほしかった。 ○通訳・介助員は一日中付き添って大変だと思うので、少し謝金が上がってくれたらうれしい。 ○参加費+歓迎パーティー会費と同額はもらいたい。 ○謝金をいただけるのはありがたいと思うが、その分大会参加費や歓迎パーティー代を安くすることは出来ないのか。また、パーティーでの食事の方に回せないのか。 ○お金の使い方に色々なルールがあるので仕方ないとは思うが、全国大会は自分でも楽しんで参加するのであって、謝金は不要なのではと考えている。 ○予算などがあると思うので、できるだけの事をしてもらえれば十分。 ○大会運営に負担がないようお願いしたい。 ○ある県では大会期間中も全ての時間に謝金が出ると聞いた。お金が目的ではないが違和感がある。 ○交通費や宿泊代は厳しいと思うが、ランチ代と飲物代だけは負担してくれるとありがたい。 9−6 その他 ○今後も大会を続けてほしい。…3件 ○通訳・介助担当について、一日中通訳するのはかなり疲れる。体に負担を感じるので、通訳・介助は半日にして分けて調整してほしいと思った。 ○少ししか通訳に入らない人もいれば3日間びっしりの人もいる。1日や半日だけでもいいから自由時間で色々見てみたかったという声があったので調整してほしい。 ○参加費用も多少なり高くなるのも仕方がないことだと思う。 ○参加回数を重ねるとこの大会の意義の大きさを思わずにいらない。触れ合ったり、手話や音声、あらゆるコミュニケーション手段を丸ごと許容し、人と人との心が濃く交流する時間、そこに満ちる静かで熱い空気はまさに盲ろう者の文化なのだと思える。もっと多くの人々に知ってほしい。 ○読み取りを間違える人が多い。きちんと読み取れる読み取り通訳者を増やしてほしい。 ○自分についた通訳・介助員が音声通訳が全くできていなかったのでもっと通訳技術を磨いてほしい。 ○大会のスローガンやテーマソング(詩)などがあれば開会式で参加者全員心ひとつになって盛り上がると思う。例:「皆さんに会えてよかった、心は一つ」「かがやけ未来」「未来をつかもう!!」「大会は力」など。 ○支援者にとって有用な情報も多くあるものの、役割を考えるとそれを探すことを優先できず、仕方のないことではあるがとてももったいないと思った。 <付録1>都道府県別参加者数内訳 都道府県 盲ろう者 盲ろう者以  合計 北海道 5 8 13 青森県 1 5 6 岩手県 0 1 1 宮城県 4 5 9 秋田県 0 0 0 山形県 3 6 9 福島県 3 12 15 茨城県 1 4 5 栃木県 3 7 10 群馬県 4 9 13 埼玉県 12 24 36 千葉県 9 19 28 東京都 30 66 96 神奈川県 15 42 57 新潟県 7 10 17 富山県 2 4 6 石川県 2 6 8 福井県 7 9 16 山梨県 1 4 5 長野県 1 13 14 岐阜県 3 11 14 静岡県 6 30 36 愛知県 25 68 93 三重県 7 26 33 滋賀県 7 28 35 京都府 10 11 21 大阪府 23 36 59 兵庫県 13 32 45 奈良県 5 16 21 和歌山県 4 6 10 鳥取県 4 11 15 島根県 4 9 13 岡山県 3 5 8 広島県 7 18 25 山口県 3 10 13 徳島県 2 2 4 香川県 3 5 8 愛媛県 2 1 3 高知県 2 4 6 福岡県 9 14 23 佐賀県 0 0 0 長崎県 1 2 3 熊本県 2 4 6 大分県 5 6 11 宮崎県 0 0 0 鹿児島県 5 10 15 沖縄県 1 2 3 合計 266 621 887 <付録2>全国盲ろう者大会沿革 回 年 場 所 会場 参加者 内、盲ろう者 1 1991 栃木県 コンセーレ(旧栃木県青年会館) 170 44 2 1992 新潟県 東京YMCA妙高高原ロッジ 230 56 3 1993 山梨県 富士青少年センター 270 70 4 1994 東京都 ホテル海洋 350 80 5 1995 長野県 美ヶ原観光ホテル 330 80 6 1996 東京都 日本青年館 314 77 7 1997 東京都 日本青年館 329 89 8 1998 東京都 日本青年館 428 93 9 1999 愛知県 クラウンプラザ豊橋 516 141 10 2000 東京都 ホテル海洋 547 145 11 2001 東京都 ホテル海洋 542 149 12 2002 宮城県 ホテル壮観 285 92 13 2003 三重県 戸田家 336 112 14 2004 茨城県 茨交大洗ホテル 329 95 15 2005 神奈川県 新横浜プリンスホテル 547 158 16 2006 大阪府 リーガロイヤルホテル堺 676 204 17 2007 熊本県 熊本学園大学 413 128 18 2008 広島県 安芸グランドホテル 678 199 19 2009 群馬県 伊香保温泉HOTEL天坊 587 176 20 2010 北海道 札幌プリンスホテル 639 193    2011 中止 21 2012 愛媛県 愛媛県民文化会館 635 201 22 2013 千葉県 幕張メッセ国際会議場 943 261 23 2014 兵庫県 神戸国際展示場・会議場 924 266 24 2015 静岡県 ツインメッセ静岡 930 263 25 2016 福岡県 西日本総合展示場 789 232 26 2017 岩手県 花巻温泉・ホテル千秋閣 711 206 27 2018 千葉県 幕張メッセ・国際会議場 893 259 28 2019 愛知県 名古屋国際会議場 887 266 書名:2019年度 第28回全国盲ろう者大会報告書 発効日:2019年12月5日 発行・編集:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 TEL 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141