平成28年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会報告書 平成28年11月19日(土)〜11月20日(日)クロス・ウェーブ幕張 主催 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜社会福祉法人 全国盲ろう者協会 *** 目次 1概要 1 1-1.全体概要 1 1-2.カリキュラム 2 1-3.カリキュラム別概要 3 2 カリキュラム別報告 5  2-1.全体会1 5 2-2.グループ討議 17 2-3.全体会2 33 3 総括 38 4 参考資料 41 4-1.全体会1 41 4-2.グループ討議 60 4-3.全体会2 76 4-4.事後アンケート 78 *** 平成28年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会 1 概要 1-1.全体概要  平成28年11月19日(土)〜20日(日)の2日間、クロス・ウェーブ幕張にて平成28年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会を開催した。  本研修会は盲ろう者のリーダーを育成し、盲ろう者地域団体の運営力向上に繋がる知識と技術を身につけることで、地域の盲ろう者福祉の充実を目指すと共に、団体の活発化を図ることを目的とする。本年度は全国各地から14名の盲ろう者が受講し、以下のとおり実施した。 【日程】   平成28年11月19日(土)〜20日(日) 2日間 【会場】  クロス・ウェーブ幕張 ホール、中研修室  (千葉県千葉市美浜区中瀬1-3)    TEL:043−298−1161 *** 1-2.カリキュラム 【平成28年11月19日(土)】 12:30-13:00 受付 13:00-13:15 開講式 13:15-15:00 全体会1『これだけは知っておきたい〜日本の盲ろう者福祉』 15:00-15:20 休憩 15:20-17:15 グループ討議『盲ろうについて全く知らない方々に「盲ろう」のことをどのように説明しますか』 17:15-18:00 休憩(チェックイン等) 18:00-20:00 意見交換会 【平成28年11月20日(日)】 9:00- 9:10 事務連絡 9:10-10:00 グループ討議 10:00-10:15 休憩 10:15-12:00 グループ発表・講評 12:00-13:00 昼食 13:00-15:00 全体会2『友の会の目指すもの・リーダーの役割』 15:00-15:30 閉講式 *** 1-3.カリキュラム別概要 @全体会1  『これだけは知っておきたい〜日本の盲ろう者福祉』  NPO法人和歌山盲ろう者友の会理事の加登淳子(かとうじゅんこ)氏の司会のもと、NPO法人兵庫盲ろう者友の会事務局長の平井裕子(ひらいゆうこ)氏が兵庫盲ろう者友の会発足から「ひょうご盲ろう者支援センター」設立に至るまでの活動の経緯を説明しながら、友の会が地域の盲ろう者福祉の事業を展開していくための知識やノウハウを身につける重要性について講演した。 Aグループ討議  『盲ろうについて全く知らない方々に「盲ろう」のことをどのように説明しますか』  3つのグループに分かれ、NPO法人兵庫盲ろう者友の会理事の奥井大(おくいだい)氏、愛知盲ろう者友の会事務局の小林功治(こばやしこうじ)氏、NPO法人千葉盲ろう者友の会理事の星野厚志(ほしのあつし)氏の司会のもと、異なる場面の相手に対して「盲ろう」について理解してもらうにはどのように説明すればよいかについて、討議が行われた。そして、話し合った内容をもとに、全体でのグループ発表に向けて練習を行った。  その後、星野氏の司会のもと、グループ発表が行われ、最後に、全国盲ろう者団体連絡協議会会長の高橋信行(たかはしのぶゆき)氏が講評・講演をした。 B意見交換会  加登氏の司会のもと、受講者と講師が所属する友の会活動や盲ろう者福祉等について意見交換を行った。 C全体会2『友の会の目指すもの・リーダーの役割』  小林氏の司会のもと、神奈川盲ろう者ゆりの会会長の川島朋亮(かわしまともあき)氏より、失敗体験から学んだリーダーとしての役割と友の会が目指すものについて講演した。その後、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター教授の福島智(ふくしまさとし)氏が助言をした。 *** 2 カリキュラム別報告 2-1.全体会1  『これだけは知っておきたい〜日本の盲ろう者福祉』 講師: 平井 裕子 氏(NPO法人 兵庫盲ろう者友の会 事務局長) 司会: 加登 淳子 氏(NPO法人 和歌山盲ろう者友の会 理事) ●要旨 1.兵庫盲ろう者友の会のあゆみ (1)歴史について 平成6年 兵庫盲ろう者友の会設立に向け、準備を開始。 平成7年 1月 阪神淡路大震災 8月 兵庫盲ろう者友の会設立 (2)初代会長の吉田正行(よしだまさゆき)氏が取り組んだ活動  @コミュニケーション研修会   毎週水曜13時〜15時   盲ろう者・支援者が集まる場を設けた。    開催したことで…  ・盲ろう者が外出する機会になる。  ・盲ろう者と支援者が交流するきっかけになる。  ・盲ろう者のコミュニケーション能力が高まる。  人が集まり、話し合うことで組織の土台ができた。  →するべき活動・課題が見えてきた。 当時は…  福祉センターの一室を借りて研修会を実施。 →友の会の事務所の必要性を感じる。 →阪神淡路大震災の1年後、作業所を設立した。 A職員の採用  盲ろう者と毎日関わり、専門性や技術を高めた。 →盲ろう者支援の専門性の土台が作られた。 B助成金の申請  当時、盲ろう者向け通訳・介助員派遣制度、養成講座は義務化されていなかった。  しかし、行政の補助を待っていては何も進まない。  助成金を申請し、養成講座を開催。  これにより、行政の信用を得ることができた。 その後、 →神戸市より予算がつき、継続的に養成講座を開催。 →兵庫県、神戸市から予算がつき、事業開始。  盲ろう者と専門性の高い支援者が集まることで、行政への交渉ができるようになった。その経験により、組織全体の力も大きくなった。 (3)養成・派遣事業が兵庫県立聴覚障害者情報センターへ移行 ・ろうあ者、難聴者、盲ろう者の当事者団体が集まり、兵庫県立聴覚障害者情報センター(以下、情報センター)が設立。  →情報センター内で盲ろう者の関係事業を行い、友の会の職員が関わらなくなる。 しかし、事業を全て任せるのはよくない。 →定期的に友の会と情報センターの所長との懇談を開催。 ・派遣の状況や予算確保について情報提供。 ・友の会の意見を情報センターの運営に活かしてもらうよう働きかけた。 結果として… 養成事業の企画・運営を友の会が担当することとなった。 ◇友の会から情報センターへの要望 ・情報センターや兵庫県に生活訓練事業・相談事業の必要性を訴えた。 →同事業が情報センター事業の中に新規事業になる。 (4)吉田氏の死 ・突然リーダーを失い、友の会は大混乱になる。 ・次期会長の今川氏より協力を打診され、平井氏が事務局長に就任。 ・当時、今川会長・平井氏は友の会の運営に関わっていなかったため、一から始めなければならなかった。 《課題》 ・資金がない。 →友の会の収入のほとんどが友の会の会費であった。 ・資金がないことにより、会誌の発行やボランティア募集ができない。 →助成金集めを行うことに。  社会福祉協議会のホームページに掲載されている助成金募集欄を活用し、申請を始める。 →資金集めのために助成金を活用していた。 (5)事業運営について ・役員会を中心に事業を計画。 ・人間は役割を担い、意義を持って活動していると、驚くべき力を発揮することを実感した。 支援者や盲ろう者のリーダーが役割を持って活動しなければ友の会の運営はできない。 (例)俳句が趣味である高齢の盲ろう者 ◇俳句集の作成を提案し、担当者と協力して制作。 →やる気を見出し、別の行事でも積極的に意見を言うようになった。現在も役割を持って活動している。 (例)若い盲ろう者  パソコン関係の仕事をしていたが、視力と聴力の低下で仕事を辞めざるを得なかった。盲ろうという障害を受け入れることができていない状態だった。 ◇支援センター開所式のリスト作成を依頼。 →現在、毎日事務所に来所している。 →以前は手話を勉強する意欲がなかったが、勉強したいと話すようになる。 (例)引きこもりの盲ろう者  この盲ろう者から「盲ろう者は美味しいものがなかなか食べられないので、美味しいものが食べたい」という話があった。 ◇美味しいものを食べる「グルメの会」の企画を依頼。 ・調理室を借り、カニやふぐを取り寄せ、皆で食べる等。 →グルメの会は現在も続いている。 2.NPO法人格取得に向けて (1)事務局を開所する  当初、職員を雇う資金がなかったため、別の作業所の一室を借り、電話を1台設置。 →問い合わせも多く、ほぼ毎日事務所に支援者が待機するようになる。 ・盲ろう者にとって、いつでも相談できる、安心する場を作ることができた。 ・事務局をはじめとした支援者の成長にもつながった。 《事務所を開所し、気づいたこと》 ・助成金をもらうために、法人でなければならない。 →NPO法人格を取得すると、より単価の高い助成金の交付対象となる。 《NPO法人を設立するメリット》 ・行政から信頼される。 ・行政等から事業を委託してもらえる。 (2)NPO法人設立の準備 ◇定款づくり →地域の社会福祉協議会等、NPO法人の設立を支援する団体に相談をした。 兵庫盲ろう者友の会では…  他のNPO団体から助言をもらい、県の社会福祉協議会の窓口で相談をした。友の会と似たような事業を行うNPO法人の様式を真似て必要書類を作成することになった。   →わからない時は人に頼ってもよい。 ◇資金 →NPO法人を設立するための資金は必要ない。 ◇住所  定款上の住所を定めなければならない。  当時、友の会は作業所の一角を事務所としていたため、拠点として定めることができなかった。 →理事の自宅を定款上の住所とした。 ◇理事 →誰が理事を担うかが大切である。  兵庫盲ろう者友の会では理事の全員が盲ろう者である。 《理由》  ・盲ろう者が自分たちで運営の中心を担うため。 ・盲ろう者の意見を尊重して進めるため。 3.同行援護事業について 同行援護とは…  視覚障害者向けのガイドヘルプに代筆や代読が加わったもの。 兵庫県では…  全国に比べ比較的早く、派遣事業(のちの盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業)を開始していた。 しかし、利用できる条件が厳しく、予算も少なかった。 →当時は盲ろうの利用者が少なかったため、運営ができていた。しかし、10年が経過すると、利用者が増え、全体の利用時間が増加したため予算が不足した。 →阪神淡路大震災の影響で行政も大きな被害を受け、全ての事業の予算が一律20%削減されたため、派遣事業の予算は減額された。 予算が減額したことにより・・・ ・盲ろう者の外出が制限されてしまう。 ・通訳・介助員の謝金単価を下げなければならない。 こうした現状を改善するため、同行援護事業を開始した。 ◇背景として… ・NPO法人格を取得していたので、同行援護事業を始めることが可能だった。 ・兵庫県から、同行援護事業を開始してほしいと要望があり、準備を進めることができた。 ◇準備に向けて ・同行援護事業に関する学習会を開催。 ・盲ろうの会員に向けて、事業の説明を行う。 ・事務局員が自費で資格を取得する。 →勉強する機会となり、制度の理解にもつながった。 ・同行援護事業の養成事業を兵庫盲ろう者友の会が実施。 結果として… 30名以上が資格を取得した。 手話通訳による情報保障を行い、多くのろう者の通訳・介助員も受講した。 →従業者の確保につながった。 ◇手続き ・神戸市に事業申請を行った。 ・行政からアドバイスを受け、同行援護と共に、居宅介護、重度訪問介護の事業を始めた。 ◇よかったこと ・役所や他の事業所と連携する場面が多く、関係機関とのつながりができた。 ・地域の人や事業者がサービスを利用する当事者の生活を支える計画(サービス等利用計画)を作る場に関わり、当事者にとってどのような支援が必要かわかってきた。 《同行援護事業の現状》 ・運営が厳しい。 ・収益を出すためには利用者30名以上の確保が望ましい。 ◇同行援護事業を開始する場合 ・派遣事業の規模が小さい場合は、別の事業所を実施主体にする等、よく検討することが必要である。 ・ある程度派遣事業の規模の大きい場合は、考える価値があるのではないか。 4.ひょうご盲ろう者支援センター ・事務所には調理室や道具を置く場所がない。 →作業したい時に作業ができなかった。 盲ろう者がいつでも集り、企画を考えたり、やりたいことができる皆の集まる場がほしい。 →活発に活動している他のNPO法人から、行政の補助金がなくても、活動に賛同する人がいれば運営していけるとアドバイスをいただき、設立の方法を考えた。 ◇兵庫県に対し、支援センター設立に向けて交渉を行う。  県の担当者が3年前の全国大会の様子を知っており、「兵庫の町が盲ろう者の笑顔で溢れていた様子を見て、感動した。兵庫盲ろう者友の会が支援センターを開所するのであれば、応援する」と言われ、支援センター設立に向けて話が進んだ。 5.まとめ ・何がきっかけとなるかはわからない。 ・迷っているよりも行動することが大事である。 (例)  兵庫で開催した全国盲ろう者大会がきっかけとなり、助成金を申請する際に社会福祉協議会から推薦していただいた。その後、助成金がおり、支援センターの基盤となった。  支援センターの開所が決定したことで、新聞やテレビで取り上げられることとなり、よい宣伝になった。 (例)  知事や県議会議員等が集まる新年会に今川会長が出席した。今川会長は、自己紹介をする場面で「友の会のお金がない」等と要望を言い、周囲を驚かせた。後日、兵庫県障害福祉課の課長から電話があり、今川会長に会わせてほしいという騒ぎになった。しかし、このことがきっかけとなり、知事は盲ろう者のことを知り、何かしなければならないという意識づけになった。 ●質疑応答 Q1:同行援護事業はどこに聞きに行けばよいか。 A1(平井氏):友の会の事務所を同行援護事業の事務所にするならば、都道府県に連絡をするとよい。わからない時は市町村の障害福祉課に連絡するとよい。 補足(山下正知(やましたまさとも)事務局長):  現在、盲ろう者向けに特化した盲ろう者向け同行援護事業を新しく作る動きが進んでいる。 <課題点> ・運営が難しい。 ・何名の利用者を対象として事業を想定するのか。 ・支援者の資格要件をどうするのか。 (例)盲ろう者向け通訳・介助員の養成講座を修了していれば、同行援護の養成研修を免除する等。 →平成30年に新しい制度が施行される見込み。現在、内容をまとめている状況である。 Q2:ひょうご盲ろう者支援センターを設立する前後での変化は何か。 A2(平井氏):開所したばかりで、盲ろう者が一緒に料理をし、食事を楽しんでいる段階である。開所時よりも通所者は増えてきている。 ●所感  兵庫盲ろう者友の会の活動は他の友の会にも共通している部分が多く、参考になった。お話を伺い、盲ろう者が率先して活動しなければならないと感じた。  全国各地に支援センターが設立されれば、盲ろう者が安心して生活できる。盲ろう者にとって必要な施設であると感じた。  平成30年から新たな派遣制度を開始するため、準備が進んでいるようだが、もう少しお話を伺いたいと思った。時間の都合で質疑応答の時間があまり取れず、残念であった。受講者が質問しやすいように司会が働きかけることができればよかった。 (文責 加登 淳子) *** 2-2.グループ討議 『盲ろうについて全く知らない方々に「盲ろう」のことをどのように説明しますか』 助言者: 高橋 信行 氏(全国盲ろう者団体連絡協議会 会長)   グループ司会:  グループ1・・・星野 厚志 氏(NPO法人 千葉盲ろう者友の会 理事)  グループ2・・・小林 功治 氏(愛知盲ろう者友の会 事務局)  グループ3・・・奥井 大 氏(NPO法人 兵庫盲ろう者友の会 理事) *** 各グループ報告 <グループ1:会社の社長に対して> ●要旨  グループの中に、学校や県庁の障害福祉課で話をした経験がある受講者はいたが、会社の社長と話をした経験がある受講者がおらず、なかなか意見が出なかった。このような中で、「人前で話をする時に大切なこと」として以下の意見が挙げられた。 ・盲ろう者のタイプについて。 ・コミュニケーション方法について。 ・困難なことについて。 ・自分の体験について。 ・盲ろう者のパンフレットやDVDを持参し、盲ろう者の理解を深めるような話をする。  受講者の中に友の会の交流会を企画するため、宿泊先のマネージャーと話をした経験のある人がいた。経験したことを基に発表した方がわかりやすいのでは、という事務局からのアドバイスがあり、その受講者がホテルでの啓発について発表することとなった。 ●所感  よかったこと:  事務局からアドバイスが出たことで、それに沿ってグループでよい話し合いができた。  悪かったこと:  高橋氏から講義いただいた内容を1日目のグループ討議の前に、話して頂いていたら、それらを参考にしてグループでよい話し合いができたのではないか。 (文責 星野 厚志) *** <グループ2:障害福祉課の新人職員に対して> ●要旨  冒頭で司会が、討議を円滑に進めるために2つのルールと、意見を出しやすくするための5つの項目を提案し、受講者から承認された。 《ルール》 1.発言前に名前を名乗る。 2.発言の終わりには「終わり、以上」等と言う。 《5つの項目》 1.目的 2.内容 3.同行者 4.同行者がいる場合、話の分担 5.順序 目的は以下の2つ。 1.盲ろう者の福祉制度の充実。 2.掘り起こし事業の活性化。 話す内容は以下の5つにまとまった。 1.3つの困難(コミュニケーション、情報入手、移動)があり、独力でできることは限度がある。 →通訳・介助員のサポートが必要であることを伝える。 2.盲ろう者の見え方、聞こえ方。 3.さまざまなコミュニケーション方法。 →盲ろう者には多様性があることを伝える。 4.盲ろう者が入居可能な高齢者施設の設立。コミュニケーションができて安心できる地域の施設の設立を。 →盲ろう者の心理(孤独感)について伝える。 5.生活訓練事業(調理、コミュニケーション学習等)の実施。一般的なカルチャースクール等では情報取得・コミュニケーションの困難のため、ついていけない。 →盲ろう者独自の訓練の場が必要であることを伝える。 ●所感  障害福祉課で話をした経験がある受講者は1名のみで、他の人はイメージをするのが難しい様子だった。予定では1日目に討議、2日目はリハーサルだったが、1日目の時間だけでは足らず、2日目も討議を続けた。1日目は意見があまり出なかったが、2日目は活発に自分の状況や要望も交えつつ、盲ろう者全体をとらえた意見が出された。  経験がないことについて考え、意見を出すことは難しいため、事前に「所属団体で行われている啓発活動について各自でまとめてくる」という課題が出されていたが、効果はあまり感じられなかった。所属団体の方も、どこからどこまでを教えればよいかわからなかったのかもしれない。事前課題に、グループ討議の冒頭で示された「5つの項目」のような設問を作る等の工夫が必要だと感じた。  司会を担当した筆者も、友の会の活動や仕事で盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業、養成事業等を担当する中で、行政担当者と話をする機会が多々ある。その際に大事にしている3つのことがある。 1.何に困っているか。  重複障害である盲ろう者の困難を、障害のない人が理解することは簡単ではない。そのため、見えて聞こえる人の立場に立ってわかりやすく説明する。 2.盲ろう者には多様性があること。  盲ろう者が自分自身について話すのは当然だが、話をしている「私」だけが盲ろう者だと思われてはいけない。さまざまな盲ろう者がいること、支援の方法も多様であることを理解してもらう。  3.どうしてほしいのか。  何が必要なのか、どうしたらよりよく生活できるのかを伝える。必要に応じ、他地域の状況や全国的な統計を交えて話しをすると理解されやすい。  私たちは当事者であり、盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業や日常生活訓練事業等、盲ろう者に関わる事業をよりよくしてほしいという思いがある。しかし、思いだけでは何も変わらない。困難さや要望を行政に理解してもらわなければ、事業に予算がおりない。予算がなければ事業はよくならず、また、新しい事業も始まらない。  地域団体での活動経験の浅い盲ろう者は、あまり行政のことは意識しないものだが、今後リーダーとなり、仲間の生活をよくしようと考える時、常に行政と向き合わなければならないだろう。そのことに少し触れる事ができたこのグループ討議は、非常に重要な機会だったと思う。 (文責 小林 功治) *** <グループ3:小学校5年生に対して> ●要旨  このグループは受講者4名で討議をした。1日目は、「小学校から、盲ろう者について話をしてほしいと依頼があった時、どうするか」について話し合い、以下のような意見が挙げられた。  ・自分の生い立ちを話す。  ・手書きや触手話等、コミュニケーション方法を話す。  ・アイマスク、耳栓をして教室の中を歩く疑似体験をする。  ・点字表を見ながら指点字の体験をする。 ・白杖について話す。(視覚障害者と盲ろう者の違いがわからず、声をかけても無視されたと思われるため。) ・盲ろう者には4つのタイプ(全盲ろう、弱視ろう、盲難聴、弱視難聴)があることを話す。    また、対象者が子どもなのでわかりやすく話す工夫や、飽きないように楽しくできる体験を盛り込むことも大切ではないかという意見も出た。これらの意見を基に2日目の発表者と報告者を決定した。    2日目は、以下の点について発表してもらった。  ・盲ろう者には4つのタイプがあること ・自分が外出時に困っている時、声をかけるだけではわからないので、肩を叩いてもらい、手引きをしてほしいこと。  ・盲ろう者を見かけたら、気軽に声をかけてほしいこと。 次に1日目の討議で出た意見の内容をまとめて報告した。 ●所感  討議に入る前に「盲ろう者について説明するには」を講義していただいた方が進めやすかったという意見があった。また、講師の福島氏からは盲ろう者を全く知らない人に対して盲ろう者の4つのタイプ等、難しい話をしても理解してもらえないので、もっと工夫が必要ではないかと話があった。今後、各地域での啓発活動の必要性を感じた。 (文責 奥井 大) 写真:グループ2にて討議している様子 *** 助言者の高橋氏から講評があり、その後講義が行われた。 各グループの講評 グループ1  イベントを開催する時や寄附を募る等の場面で、盲ろうのリーダーが友の会の代表者として、店や会社、ホテルに出向き説明をする場面であった。  このような場面で説明ができると、イベント等の啓発活動がしやすくなり、寄附も集まるのではないか。 グループ2  どの都道府県においても、盲ろう者福祉の担当者は何年か経つと交代してしまう。担当者が代わる度に友の会の代表として自治体の福祉課を訪れ挨拶をする、そうした場面であった。  あるいは、友の会としての要望があって、リーダーが福祉課に行き、要望を伝えるという場面にも対応することができるようになるだろう。 グループ3  小学生に対してわかりやすい説明ができれば、社会の誰に対しても説明ができるだろう。一般社会に対して盲ろうをアピールする場面であった。 ◇事前準備について  研修会の事前資料が届いたら、ひと通り読み頭に入れることが大切である。また、研修会はわからないことがあれば調べ、検討すべきことがあれば検討してから参加するものである。  障害の有無に関わらず、研修会を受講するために事前準備を行うべきであるし、盲ろう者は特に事前準備が大切である。事前準備がなければ研修の参加も難しくなるだろう。  研修会に限らず、啓発活動やイベントの開催等、すべてにおいて事前準備は大切なので、今後も研修会に参加する際は事前準備をするようにしてほしい。 ・宿題やグループ討議の進め方の文章から、どのような説明をすればよいのか支援者を交えて検討するのもよい。 ・いろいろな人の意見を聞いた上で、自分の意見をまとめることが大切である。 ・さまざまな意見を参考として、自分なりに発表の方向性を決めて研修会に参加するとよい。 ●高橋氏講義内容 1 なぜ説明が必要か? 1.1きちんと説明した場合 きちんと説明ができる →相手が盲ろう者のことをよく理解する。 →盲ろう者は適切な支援が受けられる。 →盲ろう者の生活はよくなる。 1.2 説明しなかった場合 きちんと説明しなかった →相手が理解できない。 →盲ろう者は適切な支援が受けられない。 これに対し、盲ろう者が不平を言ったり、怒るとますます相手は理解しようとしなくなる。 →盲ろう者は生活が悪くなる一方。 つまり・・・  ちゃんと説明できないと盲ろう者の生活は悪くなる 1.3 説明できるようになろう! 《目的》 ・自分自身の生活をよくするため。 ・友の会をよくするため。 1.4 説明する相手 ・支援者 ・行政担当者 ・社会 ・家族  家族は説明がなくても理解していると思いがちだが、そうではない家族もたくさんいる。家族は近くて遠い存在かもしれない。家族にも説明が必要な人は多いのではないか。   2 盲ろう者として自分自身を説明する  自己紹介を兼ねて自分の障害について説明できるようになろう。 2.1 自分の障害についての説明 ◇見え方について  理解されにくいことは具体的に説明するとよい。   (例)視野狭窄 ・中心5度の範囲で文字が読めるが、視野が狭いため歩くことに不自由がある。 ・視野の中心が見えないため、視力が測定できない。周囲は見えるので、歩くことに問題はない。 ・曇って見える。 ・蛍光灯の明かりが眩しくて目が開けられない。 ◇聞こえ方について  具体的に説明できるようになろう。 (例)難聴 ・耳元で話してもらえば聞こえる程度。 ・高い音が聞こえにくく、こもって聞こえる。 ・誰かがしゃべっていることはわかるが、聞き取れない。 2.2 自分の困難についての説明  「移動」、「コミュニケーション」、「状況把握」の困難という言葉は、一般的に表現が難しい。 →簡単な言葉で具体的に説明するとよい (例) ・行きたいところに安全に行けない。 ・人と話をすることが難しい。 ・その場の状況、今どうなっているかがわからない。 ・世の中で、今何が起こっているのか知ることができない。 2.3 自分に対する支援方法の説明   支援方法を説明しないと自分に合った支援が受けられないかもしれない。 →具体的にどうしてほしいかを説明できるとよい。 (例) ・手のひらにひらがなで文字を書いてください。 ・耳元でゆっくり話してください。 ・トイレまで手を引いてください。 ◇支援を受けていて、直してほしい部分も説明したほうがよい。 →感謝の気持ちを伝えることも大切。 2.4 支援方法の改善を要望する時 ・具体的な内容と理由を説明する。 ・改善していたら、そのことに対してお礼を言う。 →丁寧に説明をすると、さらに支援の方法が上手になり、結果として、盲ろう者の生活もよくなる。 3 友の会の役員として、盲ろう者について説明する 3.1 どこが違う?  個人ではなくて、盲ろう者とは、どういう人たちか。 →リーダーとして、各場面に説明しに行く場合には、「私がどうか」ではなく、「盲ろう者はどうか」について、説明しなければいけない。 3.2 例えばこのような場面 ・行政担当者に説明する。 ・社会に対して説明する。 ・イベントをする時に、会社やお店に対して説明する。 3.3 盲ろう者について基本的な知識を身に付けておこう。  説明する時は基本的な知識が必要。 3.3.1 盲ろう者の定義 ・目と耳の両方が不自由な人。 ・身体障害者手帳に、視覚と聴覚の両方が記載されている人。 3.3.2 盲ろう者の数 ・日本には、盲ろう者が約1万4千人。 ・リーダーになるのであれば、自分の地域の盲ろう者の数を知っておくこと。 →知っていなければ、説明ができない。 3.3.3 盲ろう者の年齢構成 ・60歳以上の盲ろう者が全体の86%を占めている。 ・全体を見ると、若い盲ろう者は少ない。 →高齢の盲ろう者が非常に多いことを知っておこう。 3.3.4 障害の程度による分類 ・障害の程度により盲ろう者を分類する。 ・全盲ろうから弱視難聴まで4つに分類できる。 →「全盲ろう」「弱視難聴」等、専門用語ではなく、全く見えなくて聞こえない人、少し見えて少し聞こえる人と説明するとわかりやすい。 3.3.5 経歴による分類  盲ベースの盲ろう者、ろうベースの盲ろう者、生まれつきの盲ろう者、成人になってから盲ろう者になった人等、これらの盲ろう者の特徴を説明できるようにする。 3.3.6 多様なコミュニケーション手段 (例) ・触読手話 ・弱視手話 ・指点字 ・手のひら書き ・ブリスタ →説明する相手の前で実際にコミュニケーション方法を見てもらうとわかりやすい。 3.3.7 就労状況(20〜60歳) ・正規社員と非正規社員、自営業等、20歳〜60歳までの盲ろう者で、仕事を持っている人は、約4分の1。 残りの4分の3は、仕事を持っていない。 盲ろう者の生活が、いかに困難であるか説明する時、就労についても説明する必要がある。 3.3.8 友の会の特徴  通常の障害者団体は、当事者のみで構成している。  しかし、友の会は同じ会の中に、盲ろう者、支援者が入り、一緒に活動している。 →盲ろう者友の会の特徴であり、魅力の1つである。 3.3.9 通訳・介助員養成・派遣制度についての理解  「地域生活支援事業」や「個別給付」といった専門的な言葉を使って説明すべき場面と、簡単にわかりやすく説明する場面を使い分けるとよい。   4 説明する際の留意事項 4.1 話すスピード  自分の話しやすい速さではなく、相手に合わせる。 4.2 理解の確認  相手が理解していない時に、さらに話を進めても伝わらない。 《解決方法》 ・1つずつ伝わったかどうかを確認して進める。 →通訳・介助者に、相手の表情やうなずきを見てもらいながら、相手がわかりにくそうなところは、もう1度繰り返し説明する。 ・相手から質問をしてもらう。   相手が理解できているか、確認しながら進めていくことが大切。   4.3 資料の用意 ・資料を見ながら説明すると、わかりやすい。 ・資料があると説得力がある。  行政に対して、要望する時に資料は欠かせない。資料があることで、他県と比べて話すことができる。 →全国盲ろう者協会のホームページから必要な資料をダウンロードし、印刷して持って行くのとよい。 4.4 その他 ・名刺を持とう。 ・清潔にしよう(服装、ひげを剃る等)。 4.5まとめ ・それぞれの場面に応じて、きちんと説明できるようになろう。 ・自分一人の力だけで進めるのではなく、友の会の中で相談をすること。資料を用意し、決められた時間内でわかりやすい説明をしよう。 ・啓発活動を活発に行うことで、友の会がさらによくなる。 *** 2-3.全体会2 『友の会の目指すもの・リーダーの役割』 講師: 川島 朋亮 氏(神奈川盲ろう者ゆりの会 会長)     福島 智 氏(国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター 教授) 司会: 小林 功治 氏 ●要旨 《川島氏》 1.失敗体験から学んだこと (1)リーダーだけで考え、独断で仕事をしない。  ・役員全員と情報共有し、相談することが大事。 ・仕事を与えることもリーダーの仕事。 →役員としての務めを果たせば大きな自信になる。 (2)皆に対して「忙しい、大変だ」等は言わない。 ・苦しくてもリーダーの立場では個人的なことは言ってはいけない。 ・リーダーはいつも周りから見られている立場。言葉ひとつで周りの雰囲気も変わる。  ・リラックスする時間も大事。 →リーダーとして、元気に活動することで、それだけ自分も明るくなり、周囲も明るくなる。 (3)「ありがとう」と言う。 ・いつも「ありがとう」と伝えることで、相手にも喜びを与えることができる。喜んでもらえることで、次の仕事のために、生かすことができる。 (4)会員や支援者といろいろな話をする時間を作る。  ・お互いを知ることができる。 (5)わからないことは、素直に聞く。 ・相手の話を聞いて曖昧に感じた場合は、素直に聞き返すことはよいこと。 →相手もこちらに対し、どのような対応をすればいいのかを考えてくれるようになる。    気持ちを素直に表すことが大事。 2.盲ろう者への理解を広めるために必要なことは何か。 ・他障害者団体と交わる行事や会議に参加する。 ・パンフレット、啓発DVDの配布。 ・高校や大学での講義。 ・県議会議員と話す。 →今後、いろいろな支援をいただく機会、つながりを作っていく。 3.リーダーとしての役割。 ・課題に直面した時、「友の会としての原点」は何かを考えること。 ・行政に挨拶や話し合いに行く時、会う前に役員皆で要望内容を話し合い、文書を作成する。 ・目標を持つこと。いきなり大きな目標に向かって活動するのは難しい。はじめは小さな目標を作り、少しずつ大きな目標に向かっていけるようになればよい。 ・友の会は、船のようなもの。定期総会が年1度開かれる。船が港に着き、次の新しい1年間の船出、航海をするための港、それが定期総会。役員が改選されて、船をしっかり造ることで、次の1年間の航行ができる。船の航行にはしっかりとしたクルーのチームが不可欠であるように、友の会の運営にもしっかりとした組織作りが必要。 このように・・・ 友の会も毎年大きな目標に向かって船を出すこと。 《福島氏》 (1)盲ろうの説明 ・盲ろう者を知らない人にとって、全盲ろう等、4つのタイプの話は難しいのではないかと思う。 →ヘレン・ケラーのことを用いて説明すると理解されやすい。 (2)司会とは ・司会者は順番にプログラムを進めるだけではなく、個性的なコメントも入れるとよい。 →聞いている人が飽きずに聞くことができる。 (3)リーダーが大事にすべきこと ・リーダー自身が夢や希望を持ち、生活すること。 →相手に対して「変わってほしい」と思うことは一般的によくあることだと思うけれど、自分以外の人間を変えることはできない。また、過去も変えられない。変えることができるのは、現在から未来の自分自身だけである。 ・リーダー自身が生活を楽しむこと。そして、友の会の仲間を自分のできる範囲で助けること。 →日本全体の盲ろう者の生活の豊かさにつながる。 <質疑応答> Q1:神奈川盲ろう者ゆりの会の盲ろうの登録者数が知りたい。 A1(川島氏):現在、盲ろうの登録者は35名。以前と比べると少しずつ人数が増えてきている状況。 Q2:役員の会議で、少数の反対意見があった時、どうすべきか。 A2(川島氏):多数決という方法があるが、反対する人のことも考え、多数決で決める前になぜ反対であるか理由を聞き、それにきちんと対応する。また、一人ひとりの意見を尊重することも大事だが、時間がかかりすぎるのはよくない。互いに妥協し方向性を決めること、見極めて進めることが大事である。 A2(福島氏):例えば、Aの意見とそれに反対するBの意見が出た時、多数決で決めると後にわだかまりが生じてしまう。Aの意見、Bの意見のそれぞれの内容も含みながら、新たな案を考えることが解決策の1つである。 Q3:会を活性化するためのポイントは何か。 A3(川島氏): ・大事なことは、「盲ろう者は何か」「友の会としての役割は何か」を周りに伝えていくこと。 ・盲ろう者について啓発や掘り起こしをするため、会の活動だけでは限界がある。他障害者団体とつながりを作り、そこから盲ろう者のことを広めていってもらう方法もある。 ・できるだけ皆とコミュニケーションを取る機会を作り、伝えていくことが大切である。 A3(福島氏):定例会等で、盛り上がるような内容をすればよい。皆で食事をしながら、楽しいと思うことをやればよいと思う。いきなり難しいことをしてもつまらないと思う。次第に会員から学びにつながることや、その他のことについても要望が出てくると思うので、その時に対応すればよいのではないか。 ●所感  両氏の話は経験談を交え、重要かつ非常にわかりやすいものだった。特に川島氏の、仕事を1人でかかえてしまったという話は、リーダーなら障害問わず誰しも経験のあることかと思う。しかし、他の役員の立場からすれば、見えない・聞こえないところで勝手に進められることは、不信につながりやすいのだと思う。盲ろうであるがゆえ、健常者や他の障害者以上に情報共有は気をつけなければならないと感じた。  そして、福島氏の「定例会では食事をしながら楽しいことを」という話も、盲ろう障害の特性に配慮した上で楽しい企画を、といったことだと感じた。盲ろうの仲間とともに歩めるリーダーとなる重要なポイントを学ぶことができた。  (文責 小林 功治) *** 3 総括 (1)研修会を実施した背景  現在、国において、障害者総合支援法施行3年後の見直しの方向性が示され、「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」のあり方について急ピッチで検討が進められている。  また、2016年4月から「障害者差別解消法」及び「改正障害者雇用促進法」が施行された。合理的配慮の提供に関して法的な根拠ができたことから、あらゆる場面で盲ろう者が必要な支援を求め、啓発活動を行う機会が増加すると考えられる。  こうした情勢をふまえ、友の会等盲ろう者地域団体が地域の盲ろう者福祉の拠点として事業活動を展開できる組織になることが求められている。そのための人材、とりわけ盲ろう当事者のリーダーの育成は喫緊の課題となっている。盲ろう者のリーダー不足は、地域の盲ろう者とその家族のニーズに充分対応できない等の深刻な問題につながっている。こうした背景から、前年度に引き続き、厚生労働省の委託事業として本研修会が実施されることとなった。 (2)研修会を終えて  前年度の反省をふまえ、カリキュラムのコマの数を減らし、時間的にゆとりを持たせた。その結果、「とても収穫の多い研修会だった」、「リーダーとして改めて頑張っていこうと思った」等の評価が寄せられた。また、グループ討議や発表において、限られた時間の中で自分の言葉で「盲ろう」や必要な配慮について語る訓練をすることによって、説明力を高めることができた。  全体として受講者の今後の地域活動へのモチベーションを高めていくことにつながったといえる。  一方、次の3つの課題を残した。 @カリキュラム  研修会の趣旨に照らして、カリキュラムを構成したが、結果として友の会での活動経験が長い受講者向けに内容が偏ってしまった。活動経験が短い受講者が、講義内容を所属する友の会に置き換え、思考できるようにカリキュラムを組み立てる必要があった。 Aグループ討議  所属する友の会の啓発活動についてまとめることを事前課題としていたが、当日のグループ討議の内容との関連がわかりにくかったと指摘があった。グループ討議のテーマに即して、具体的な課題を提起するべきであった。 B受講者への配慮  今回の受講者は、ろうベースの盲ろう者(先天性のろう者で手話を言語としており、のちに見えなくなった方)が圧倒的に多かった。また、手話を用いた通訳・介助が大半を占めることから、資料の文章表現をよりわかりやすくする配慮が必要であった。 (3)今後の展望  盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業は、予算が十分に確保されておらず、一年間に利用できる派遣利用可能時間数が限られている。また、都道府県に予算が一任されており、地域格差が著しい現状にある。したがって、大多数の盲ろう者は依然として社会から切り離され、日常的なコミュニケーションにも事欠く状況に置かれている。  こうした現状を改善していくため、現行の地域生活支援事業に基づく盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業に加え、同行援護事業の枠組みを活用した新たな盲ろう者向け派遣事業の平成30年からの施行に向けて、準備が進められている。  また、障害者差別解消法に基づき、あらゆる分野において盲ろう者の特性とニーズに合った合理的配慮がなされるためには、当事者である盲ろう者自身が「盲ろう」という障害や必要なニーズについて自分の言葉で語り、必要な支援を受けられるようにしていく必要がある。  こうした情勢に応えるべく、友の会等盲ろう者地域団体の基盤強化が一層求められている。今後も盲ろう者の新しい人材の育成に力を入れていきたい。 (文責 庵 悟) 写真:閉講式の様子 *** 4 参考資料 以下は、本研修会で使用した資料です。 4-1.全体会1 平成28年全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会 これだけは知っておきたい〜日本の盲ろう者福祉 NPO法人兵庫盲ろう者友の会 事務局長 平井 裕子 講義の流れ 1.兵庫盲ろう者友の会のあゆみ:盲ろう者福祉 2.ひょうご盲ろう者支援センターの設立:盲ろう者のニーズを考える 3.最後に NPO法人兵庫盲ろう者友の会 平成6年 初代会長吉田を中心にした有志が友の会設立の準備を始める 平成7年1月 阪神淡路大震災 平成8年12月 兵庫盲ろう者友の会設立 平成22年 NPO法人取得 平成28年9月 ひょうご盲ろう者支援センター設立 コミュニケーション研修会:毎週水曜日 ・盲ろう者の外出の機会をつくる ・盲ろう者、支援者が交流し、情報交換 ・盲ろう者のコミ能力を高める ・組織の土台をつくる 拠点を作る 福祉作業所「夢ふうせん」→友の会事務所 職員の採用→専門性の確立 通訳・介助員の養成 助成金で独自に開催 公費派遣・養成事業の予算化 兵庫県、神戸市に予算化を要望 友の会が事業運営→交渉力と運営力 ・毎週水曜日に集まり、組織の土台と人材を育成した。 ・拠点を作り、職員を採用したことで専門性を深めた。 ・独自に養成事業を行ったことで信用をえた。 兵庫県立聴覚障害者情報センターに事業が移行 ・定期的に所長懇談 ・養成・研修事業は友の会が企画運営 ・新たに、生活訓練と相談事業の予算化  生活訓練の人材養成:講座の実施  相談事業:人材養成、イベントでの相談コーナー、移動相談 吉田会長から今川会長に カリスマから組織体制に 金がない 情報センターに事業が移行し、友の会の収入がなくなった。 資金集め:助成金を申請 ・NHK歳末たすけあい義援金 ・社協ボラ助成 ・ひょうごボランタリープラザ 担当を分担 盲ろう者のやる気を引き出す!  失敗してもいい!  俳句集の制作  開所式のリスト作り  グルメの会 事務局体制を作る 毎日交代で事務所に座る  情報の共有  支援者の成長 NPO法人の取得 ・行政からの補助金 ・助成金 ・透明性 ・組織力アップ NPO法人取得準備 ・作成・準備する人材の確保 ・拠点が必要:兵庫盲ろう者友の会は設立時、理事宅 ・定款の作成→支援がある ・資金は不要 ・理事を誰にするか(議決権を意識すること) 同行援護事業の開始 同行援護事業とは? 派遣:地域生活支援事業 同行援護:個別給付事業 予算 地域生活支援:予算内で事業に分配 個別給付:個々に支給量が決定 派遣:昨年30人登録予算3000万円、今年40人登録予算3000万円 個別給付:個々に支給 同行援護事業のメリット ・登録者に応じた予算が確保できる ・謝金単価など地域格差がない 同行援護事業のデメリット ・自己負担がある ・時間制限がある 派遣予算が足りない! 同行援護事業を開始! 準備 役員学習会 会員説明会 事務局員が資格を取得 養成研修を開催 手話通訳をつけ、盲ろう理解も盛り込んだ養成研修を開催 多くの通訳・介助員が受講→従事者を確保 事業申請 ・同行援護 ・居宅介護 ・重度訪問介護 事業を開始してよかったこと ・役所、事務所など関係機関との連携 ・必要な支援がみえる 同行援護事業を運営する課題 場所の確保:運営基準 人材の確保:サービス提供責任者従業者 登録者の確保:一般的に30人以上で採算がとれる ひょうご盲ろう者支援センター設立準備 盲ろう者支援センターがほしい! いつでも集まれる場所がほしい いつでもだれでも交流できる場所がほしい いろんなことに挑戦したい 作業所ではない? 登録・条件にしばられない 自由な発想で転換したい 盲ろう者自身が盲ろう者のペースで作る! 多くの協力者・賛同者がいれば、行政に頼らない事業運営ができる!! 準備の開始 募金活動 計画を県に説明→県が計画に賛同 県の担当者の熱意! 全国盲ろう者大会の感動 活動実績の評価 今川の失敗→盲ろう者福祉に目をむける 全国盲ろう者大会 関係機関の協力→盲ろう者活動の理解 井植文化賞 →支援センターの資金に 盲ろう者の特集番組 兵庫盲ろう者支援センター設立 最後に @福祉制度を知る、新しい情報を知る A人脈を作る、理解者を増やす B口に出していう→いい知恵、支援をもらえる C行政との関係作り ・立派な交渉・資料より人間関係 ・理解を得る(盲ろう者の交流の場に招待、具体的事例で説明) ・担当者の理解→おまけがつく。子育て創生事業・貝原賞 支援者を増やす 個別に仕事をお願いする 盲ろう者の依頼は、やる気を起こす! 盲ろう者の力を引き出す やる気は力! *** 4-2.グループ討議 グループ討議の進め方について  啓発活動では、「盲ろう者」について伝えること、知ってもらうことが重要です。このグループ討議では、盲ろう者のことを全く知らない方々に対し、「盲ろう者」について説明をするためにはどうしたらよいのか話し合い、発表を行います。 11月19日(土) 1.グループ討議(15:20〜17:15)   初めて会う方に「盲ろう者」について知ってもらうためにどのようなことを話せばよいのか、説明する内容について各グループで話し合いましょう。場面の相手に合わせ、伝え方を工夫してみましょう。また、2日目の発表者と報告者を1名ずつ決めてください。 <内容例> ・「盲ろう」とはどのような障害なのか ・私たちはどのようなことに困っているのか ・どのような支援を望んでいるのか 等 <各グループから発表する方 2名> ・発表者(1名)…実際に相手に説明するように「盲ろう者」について話す方 ・報告者(1名)…グループ討議で出た意見をまとめ、報告する方 11月20日(日) 2.リハーサル(9:10〜10:00)  発表に向けて、発表者を中心にグループ内で練習をしましょう。 3.グループ発表・講評(10:15〜12:00)  メイン会場(ホール)で全体に向けて発表を行います。 <グループ発表(各グループ15分ずつ)> @発表者が「盲ろう者」について発表する(約5分) A報告者が意見を報告する(約3分) B講師が発表者、報告者に向け質疑応答 全てのグループの発表終了後、助言者から講評・講義をしていただきます。 *** グループ発表・講評 「盲ろう者として説明するには」 高橋 信行 1なぜ説明が必要か? 1.1きちんと説明した場合 1.盲ろう者がきちんと説明する。 2.相手に理解してもらえる。 3.盲ろう者は適切な支援が受けられる。 4.盲ろう者の生活がよくなる。 1.2説明しなかった場合 1.盲ろう者がきちんと説明しない。 2.相手に理解してもらえない。 3.盲ろう者は必要な支援が受けられない。 4.盲ろう者は不平を言う、怒る。 5.ますます相手は理解しようとしなくなる。 6.盲ろう者の生活は悪くなる。 1.3説明できるようになろう! 盲ろう者の生活がもっとよくなるようにきちんと説明できるようになろう。 1.4説明する相手 ・支援者 ・行政担当者 ・社会 ・家族 ・etc 2盲ろう者として自分自身を説明する。 2.1自分の障害についての説明 目の見え方についての説明の例 ・目が全く見えません。 ・視野がとても狭くて、小さい穴から覗いているように見えます。 ・目の前が白く曇っていて人の顔もわかりません。 ・etc 耳の聞こえ方についての説明の例 ・全く聞こえません ・高度難聴で、かなり聞こえが悪いです。 ・中度難聴で、耳元での大きな声が聞こえます。 ・etc 2.2自分の困難についての説明 困難についての説明の例 ・人と話をすることが難しいです。 ・行きたいところに安全に行くことができません。 ・その場の状態がわかりません。 ・世の中で今、何が起こっているのかが分かりません。 ・etc 2.3自分に対する支援方法の説明 支援方法についての説明の例 ・手のひらにひらがなで書いてもらえませんか? ・耳元でゆっくり話してもらえませんか? ・今の状況を分かりやすく教えてもらえませんか? ・トイレまで誘導してもらえませんか? ・etc 2.4支援方法の改善を要望するとき 1.支援していただいていることへのお礼を言う。 2.改善をしていただきたい旨を伝える。 3.何をどのように改善して欲しいのかを分かりやすく説明する。 4.その理由をきちんと説明する。 5.改善されたらそのことについてお礼を言う。 3友の会の役員として盲ろう者について説明する。 3.1どこが違う? 「自分のこと」ではなく、「盲ろう者全体」について説明する必要 3.2例えばこのような場面 ・通訳・介助員養成研修会で、盲ろう者について説明する。 ・行政担当者に対して、盲ろう者についての説明をする。 ・社会に対して、盲ろう者についての啓発を行う。 ・etc 3.3盲ろう者についての基本的な知識を身に付けておこう! 自分自身についてではなく、「盲ろう者とはどういう人たちか」について適切に説明できるためには、以下に述べるような、盲ろう者についての基本的な知識が必要である。 3.3.1盲ろう者の定義 目の不自由な人(31.6万人) 耳の不自由な人(32.4万人) 盲ろう者(約1.4万人) 3.3.2盲ろう者の数 全国で盲ろう者は1万4千人いる。 あなたの住んでいる都道府県には、何人の盲ろう者がいますか? 3.3.3盲ろう者の年齢構成 年齢と共に盲ろう者の数は増加している。 60才以上の盲ろう者が全体の86%を占める。 3.3.4障害の程度による分類 ・全盲ろう ・全盲難聴 ・弱視ろう ・弱視難聴 3.3.5経歴による分類 以下の四つを説明できますか? ・盲べースの盲ろう者 ・ろうベースの盲ろう者 ・先天性の盲ろう者 ・成人してからの盲ろう者 3.3.6多様なコミュニケーション手段 (引用)表2-2-6a 可能な受信コミュニケーション方法 人数、割合 音声:1870、69.0% 手話を見る(弱視手話):218、8.0% 手話を触る(触手話):182、6.7% 指文字を見る:126、4.6% 指文字を触る:103、3.8% 手書き文字:358、13.2% 筆記:549、20.2% 点字:131、4.8% 指点字:45、1.7% その他:198、7.3% 特にない:225、8.3% 3.3.7就労状況(20才〜60才) A:正規職員 9.9% B:非正規職員 8.9% C:自営業 6.3% D:非就労 74.8% 3.3.8友の会の特徴 盲ろう者と支援者が友の会を構成 3.3.9通訳・介助員養成・派遣制度についての理解 地域生活支援事業の枠組みで、地域住民が養成研修会を受講し、通訳・介助員となる。 同制度により、盲ろう者からの要請に応じて、通訳・介助員が通訳・介助を行う。 4説明する際の留意事項 4.1話すスピード 話すスピードは基本的に相手に合わせる。 4.2理解の確認 相手が理解できているかどうかを時々、確認するようにする。 4.3資料の用意 相手に、よりよく理解してもらうために、あるいは意見の正当性を主張するために適切な資料を用意する。 (盲ろう者関係の様々な資料は全国盲ろう者協会のWebサイトにある) 4.4その他 ・名刺 ・服装 ・ひげ ・髪型 ・清潔さ ・etc まとめ 場面に応じてきちんと説明できるようになろう。 そうすれば、盲ろう者の生活はもっと良くなるでしょう! *** 4-3.全体会2 『友の会の目指すもの・リーダーの役割』  神奈川盲ろう者ゆりの会 会長   川島 朋亮 1.失敗体験から学んだこと ・物事に対して1人で考えたり背負い込んだりしないで、皆とよく相談する ・皆の前で「忙しい」とか「大変」とかは口に出さないで元気よく振舞うことが大事 ・余裕をもって活動に取り組んでいけるように、仕事を分担する等をしてお互いに負担を軽くするように努める ・ゆとりを持って取り組んでいけるように、常にリラックスを心がけることが大事 ・一人ひとりに話し合う機会を自ら作ることで、信頼を築いていくこと ・「よく話し合っていこう」という姿勢を心がけることで自分を作る。(自己の確立につながる) ・わからないことに対しては必ず質問する ・個人的な発言を避ける。(友の会役員としての発言を意識すること)   2.盲ろう者への理解を広めていくために必要なことは何か? ・行政、他団体、そして人とのつながりは大切 ・つながりを通して、盲ろう者の啓発と掘り起こし、支援の協力のお願いを呼びかける  (例) ・聴覚障害者の災害救援対策県域本部会議 ・神奈川県障害者社会参加推進センター関連の会議とイベントへの参加 ・神奈川県聴覚障害者福祉センターまつりへの協力参加 ・神奈川県手話言語推進協議会に出席 ・高校、大学等の講義 ・他団体主催の大会に来賓出席の時に行政関連、県議会議員が集まるので、挨拶を心がけることが大事 ・交流会やクリスマス会等友の会行事に県議会議員を招待する ・ウェブ、パンフレット、啓発ビデオの活用 3.リーダーとしての役割 ・友の会の目指すもの、原点とは何かを時どき思い出してみる ・大きな目標より、まず小さな目標を立てて、できるところから始めてみる ・説明をする前に、相手に何を伝え、何を理解してほしいか、順序よくはっきり伝えられるように事前に話の内容を組み立てる、資料の準備をしておく。またそれに必要な情報を把握しておくこと。(行政への要望と話し合い、講義等) ・会員への情報発信と提供 ・友の会を船に例えるなら、リーダーは船長、乗組員の役目 *** 4-4.事後アンケート アンケート集計結果 配布数 14 回収数 7 1.盲ろう者地域団体(友の会等)との関わりについて 1−1 盲ろう者地域団体での活動年数 あ 3年未満:1 い 3年から5年:2 う 6年から8年:1 え 9年以上:3   1−2 盲ろう者地域団体での現在の役職 あ 代表:2 い 事務局長:0 う 上記以外の役員:4 え 事務局員:0 お 役職なし:1 か その他   2.本研修会に参加した目的について 2−1 受講の動機について あ 自主的参加:3 い 所属団体からの要請:0 う 所属団体の役員会での推薦:4 え その他:0 2−2 受講の目的について(複数回答あり) あ 団体運営等に必要な知識・情報の収集のため:4 い 他団体との情報交換のため:3 う 自己啓発のため:3 え その他:0 3.研修会の運営等について 3−1 開催時期や日数について あ よい:1 い 普通:5 う 改善を望む:1   3−2 会場・宿泊施設の設備、サービス等について あ よい:1 い 普通:2 う 改善を望む:4 3−3 案内・連絡等の進行について あ よい:5 い 普通:2 う 改善を望む:0 4.個々のカリキュラム及び全体について 4−1 全体会1  『これだけは知っておきたい〜日本の盲ろう者福祉』 あ よい:3 い 普通:4 う 改善を望む:0 4−2 グループ討議 『盲ろうについて全く知らない方々に「盲ろう」のことをどのように説明しますか』 あ よい:4 い 普通:0 う 改善を望む:3 4−3 グループ発表・講評 あ よい:5 い 普通:2 う 改善を望む:0 4−4 全体会2 『友の会の目指すもの・リーダーの役割』 あ よい:5 い 普通:2 う 改善を望む:0 4−5 カリキュラム全体について(総合評価) あ よい:5 い 普通:2 う 改善を望む:0 5.自由記述 ●全体会1 ・NPOの特徴や取得の有無による違いについて知りたかった。 ・講師の話が早かった。 ・パソコン通訳が追いついていなかった。 ・休憩が少なかった。 ●グループ討議 ・時間が足りない:2 ・事前課題の内容と、グループ討議の内容が異なっていた:2 ・討議の進行について、プログラムがあればよかった。 ・最初から発言を求められて戸惑った。 ・当日の意見交換がなかったので残念だった ・友の会での啓発活動の様子を意見交換したかった。 ・もう少し実用的な場面設定にしてほしかった。 ●グループ発表・講評 ・事前学習の大切さが改めてわかった。 ・今後の活動の参考にしたい。 ・グループごとの発表が勉強になった。 ・発表内容について、発表者・報告者に任せきりにしてしまった。 ●全体会2 ・講師から回答をいただき、勉強になった。 ●研修会の運営等について ・企画運営はよかった。 ・学習すべきことを事前に理解した上で参加できてとてもよかった。 ・自身がろうベースの盲ろう者のため、事前資料を1人で読むこと・理解することができなかった。 ・ろうベースの盲ろう者に配慮したわかりやすい文章表現をしてほしい。 ●会場について ・ユニットバスの入口の段差が危ない。 ・部屋が暗かった ・会場の照明が眩しく、パソコンの画面が見づらかった。 ●全体を通して ・全国で頑張っている仲間・支援者と出会えた。 ・とても収穫の多い研修会だった。 ・講師や受講者の活躍を聞き、リーダーとして改めて頑張っていこうと思った。 *** 書名:平成28年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会報告書 発行日:平成29年3月3日 編集・発行:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地早稲田クローバービル3階 TEL 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141