【表紙】 平成27年度第24回全国盲ろう者大会報告書 期間 平成27年7月31日(金)〜8月2日(日) 会場 ツインメッセ静岡(静岡県静岡市) この冊子は、競輪の補助により作成しました。 http://ringring-keirin.jp <目次> 1.平成27年度第24回全国盲ろう者大会の概要・・・・・・・ 1 2.大会プログラム別の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 3.プログラム別の報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (1)実行委員長として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (2)副実行委員長として・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (3)開会式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 (4)歓迎パーティー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 (5)第1・4分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 (6)第2分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 (7)第3分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 (8)ふうわカフェ&静岡茶の交流広場・・・・・・・・・・・・・・・・23 (9)第5分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 (10)第6分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 (11)第7分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 (12)第8分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 (13)第9分科会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 (14)機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー・・・・・・・・33 (15)社会見学A−1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 (16)社会見学A−2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 (17)社会見学B・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 (18)全体会・閉会式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 4.アンケート集計結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 <付録>都道府県別参加者数内訳・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 ----- 平成27年度 第24回全国盲ろう者大会 1.開催概要 (1)目的 盲ろう者・盲ろう児とその家族、通訳・介助員及び教育・福祉関係者等が一堂に会し、年1回の情報交換を行い、我が国の盲ろう福祉のあり方について討議するとともに、通訳・介助技術のいっそうの向上を図る機会とし、もって社会福祉の増進に寄与することを目的としています。 (2)日程 平成27年7月31日(金)〜8月2日(日) (3)場所 ツインメッセ静岡 静岡県静岡市駿河区曲金3−1−10 (4)全体の概要 視覚障害と聴覚障害を併せもつ盲ろう者は、他者とのコミュニケーションが極めて困難であり、家族との意思疎通すらも難しく、社会から閉ざされています。 また、単独での外出には危険が伴うため、ほとんどの盲ろう者は、家に閉じこもりがちな生活を送らざるを得ない実情にあり、家族をはじめ通訳・介助員による支援・協力が不可欠となっています。 全国盲ろう者大会は、全国盲ろう者協会が設立して以来、毎年実施しており(平成23年度のみ東日本大震災の影響のため、実施することができませんでした)、ここでの情報交換を契機として、全国各地域に「盲ろう者友の会」等地域団体が次々と設立されました。平成27年8月現在、45都道府県に地域団体が設立され、未設置の県は、青森県、福井県の2県を残すのみとなっています。しかしながら地域団体はあるものの、ほとんどの地域で、未だに盲ろう者の実態が十分把握されていません。 本大会では、盲ろう当事者と通訳・介助員とが寝食を共にしながら3日間を過ごすことによって、日常生活のあらゆる場面での通訳・介助を実践することができ、通訳・介助員にとっては年1回の貴重な技術研鑽の場ともなっています。一方、上述のとおり、日ごろ外出の機会がほとんどない盲ろう者にとっては、年1回の貴重な社会参加の場であり、この大会は、我が国の盲ろう者福祉全般の牽引車ともいえる役割を果たしています。 今年は開催にあたり、静岡盲ろう者友の会をはじめ各関係団体並びに周辺地域の盲ろう者団体(富山盲ろう者友の会、石川盲ろう者友の会、岐阜盲ろう者友の会、愛知盲ろう者友の会、三重盲ろう者きらりの会、盲ろうの子とその家族の会 ふうわ、全国盲ろう者団体連絡協議会)等の協力を得ました。 全国各地から参加した多くの盲ろう者や通訳・介助員及び関係者は、各種プログラムにも積極的に参加し、情報交換等を行うことにより、自立と社会参加に向けての動機づけができました。 ----- 2.プログラム別の概要 (1)開会式 本大会は、全国の盲ろう者並びに通訳・介助員、地元のボランティア等、計約1,100名の参加を得て、静岡盲ろう者友の会の牧田紀子氏の司会により第1部を開幕しました。 まず、同会員の田中勇氏より開会宣言がなされ、全国盲ろう者大会実行委員長であり、同会長の伴野浩史氏より、歓迎の挨拶がありました。 次に主催者を代表し、社会福祉法人全国盲ろう者協会の阪田雅裕理事長より挨拶がありました。 開会式には、以下の3名をご来賓としてお迎えし、ご祝辞を賜りました。 ・道躰正成氏(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長) ・大須賀淑郎氏(静岡県副知事) ・田辺信宏氏(静岡市長) その他、ご来賓として以下の方々をお迎えしました。 ・木村岩雄氏(東京海上日動火災保険株式会社常務執行役員) ・白垣好信氏(同静岡支店長) ・鈴木恵子氏(同経営企画部CSR室課長) ・須田真理子氏(同CSR室主事) ・倉野直紀氏(一般財団法人全日本ろうあ連盟理事) ・佐野昇氏(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会事務局長、特定非営利活動法人静岡県中途失聴・難聴者協会理事長) ・高橋りか氏(特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会理事) ・杉田勇三氏(社会福祉法人静岡県社会福祉協議会常務理事) ・山本伸晴氏(社会福祉法人静岡市社会福祉協議会会長) ・山田敏晴氏(社会福祉法人静岡県身体障害者福祉会副会長) ・飯塚善明氏(特定非営利活動法人静岡市身体障害者団体連合会事務局長) ・須藤正起氏(公益社団法人静岡県視覚障害者協会会長) ・藤原基時氏(公益社団法人静岡県聴覚障害者協会会長) ・伊久美礼子氏(静岡県手話通訳問題研究会会長) ・田原典枝氏(静岡県手話サークル連絡会会長) ・菅沼君美氏(静岡県要約筆記サークル連絡会会長) ・神田均氏(特定非営利活動法人静岡県ボランティア協会理事長) ・大澤仁氏(公益財団法人静岡観光コンベンション協会事務局長兼総務企画部長) ・金光亮典氏(R.D.Mサポート21代表) 休憩を挟み、第2部では静岡盲ろう者友の会副会長の寺田絹枝氏の司会により、全国盲ろう者体験文コンクールの表彰式が行われました。このコンクールは、公益財団法人鉄道弘済会より助成をいただき、本年度実施されたものです。 第6回目となる今回は、以下の方々が表彰されました。 特賞・・・小杉 純弘氏(和歌山県)「盲ろう者になって」 入賞・・・林 美喜子氏(鹿児島県)「かたいかたい」   ・・・米山 通子氏(富山県)「二人三脚で」 審査員賞・・・安食 利行氏(島根県)「盲ろう者になっても働き続けたい」 次に、昨年の大会以降、福井県で友の会設立準備のための委員会が立ち上がりました、福井盲ろう者友の会設立支援委員会より挨拶がありました。 最後に、第24回全国盲ろう者大会実行委員の挨拶並びに自己紹介がありました。 (2)歓迎パーティー 静岡県の特産物がふんだんに盛り込まれた豪華なお食事を美味しくいただきました。また、忍者の衣装を着た三重盲ろう者きらりの会の方々による「伊賀の忍にん体操」の披露がありました。その他会いたい人の名前をステージ上から呼びかけ、参加者同士で食事・交流をしました。 (3)第1分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く@」 特に派遣事業のあり方について、また日ごろ困っていることや国に対して要望したいことなどについて熱心な意見交換が行われました。 (4)第2分科会「静岡茶の魅力を満喫しよう」 茶娘の衣装を着た担当者の指示により、一畳くらいの大きさの「ホイロ」3台に参加者を分け、それぞれ生の葉から手もみでお茶を作る体験をしました。お茶の香りに包まれた会場で、お茶に関するクイズやお茶の味比べを行い、大いに盛り上がりました。 (5)第3分科会「三重って○○が有名?&お国自慢聞かせて〜」 忍者の衣装を着た司会者の指導で、「伊賀の忍にん体操」を参加者の皆さんと一緒に行いました。また、三重に関するクイズや、参加者の地元自慢を発表し合いました。 (6)ふうわカフェテリア&静岡茶の交流広場 NPO法人「わくわくわーく」よりコーヒー販売、牧之原市茶業振興協議会のご協力により美味しいお茶のおもてなしをいただきました。数種類のお茶を購入したり、参加者同士でゆったりと交流を楽しみました。 (7)第4分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞くA」 第1分科会に引き続き、意見交換を行いました。 (8)第5分科会「盲ろう者の知恵袋―日常生活を便利にするための工夫」 事前アンケートで、盲ろう者が日常生活で不便なこと、困っていること、工夫していることについて調査した結果を報告しました。また、参加者同士で情報交換をしました。 (9)第6分科会「盲ろう者の気分転換」 盲ろう者の講演の後、事前に行ったアンケート「盲ろう者のストレス解消法について」の結果報告をしました。その後、参加者全員でストレッチ体操を行いました。 (10)第7分科会「盲ろう者芸能コンテスト『披露したい、私のこの芸を!』」 7組の出場者にそれぞれの芸を披露していただきました。その後、審査結果発表及び表彰式が行われました。 (11)第8分科会「簡単!スマートフォン・タブレットPCを使いこなそう!」〜試してみよう、見えにくくても、あらこんな簡単にできるんだ!〜 広島大学大学院准教授の氏間氏の指導のもと、参加者に1台ずつ貸与されたiPadを実際に使い、写真の撮り方やその保存方法などを学習しました。 (12)第9分科会「欧米レポート&かたりま専科」 愛知盲ろう者友の会小林功治氏による留学体験講演の後、海外の盲ろう者福祉の現状や福祉制度について質疑応答を行いました。 (13)友の会コーナー 友の会の紹介や活動状況を展示しました。 (14)作品展示・販売コーナー 5名と11団体から、盲ろう者が製作した手芸品等の展示がありました。 (15)機器展示コーナー 9社より、最新のIT機器や便利グッズの展示がありました。 (16)社会見学A−1「富士山世界遺産(文化遺産)コース」 世界遺産に登録された富士山の五合目を目指し、バスの車内では富士山クイズや富士山弁当を楽しみながら、まさに「富士山三昧」の1日を楽しみました。 (17)社会見学A−2「大井川鐵道SLと焼津さかなセンターコース」 昭和初期に製造されたSLの車内で特製SL弁当を食べながら「SLの旅」を満喫しました。その後、焼津さかなセンターでの買い物を楽しみました。 (18)社会見学B「静岡市内自由散策 5コース」 「登呂遺跡周辺コース」「静岡県地震防災センター見学コース」など5つのコースで、自由散策、食事などゆっくりした半日を過ごしました。 (19)全体会・閉会式 全体会ではプログラムごとに、参加者や担当者から報告をしていただきました。閉会式では、東海・北陸ブロックから、次回の大会開催地である福岡県の参加者への引継式がありました。岐阜盲ろう者友の会会長の東野恵美氏より閉会の挨拶を行った後、当協会山下事務局長より挨拶をし、大会を締めくくりました。 ----- 3.プログラム別の報告 実行委員長並びに副実行委員長の報告、各担当友の会、大会参加者による報告を記載します。 (1)実行委員長として 第24回全国盲ろう者大会を静岡県静岡市において開催できましたことを大変嬉しく思います。 平成23年8月、浜松市の浜名湖ロイヤルホテルを会場として大会開催に向けて準備に取り組んでいましたが、東日本大震災の影響のため中止となりました。あれから4年。今日という日を迎えることができ、大変幸せに思います。東海・北陸ブロック友の会6団体(富山、石川、岐阜、静岡、愛知、三重)および全国盲ろう者団体連絡協議会、盲ろうの子とその家族の会 ふうわ、全国盲ろう者協会が昨年9月より実行委員会を立ち上げ、会議を3回開催しました。主催の全国盲ろう者協会からアドバイスをいただきながら、МLでやり取りしつつ、様々な楽しい企画の計画・準備に取り組んで参りました。申込締切直後の参加盲ろう者は268名で史上最多。結局はキャンセルがあり263名となりました(昨年の大会は266名)。その中には、初参加の方もたくさんいらっしゃったと思います。 真夏日の3日間、プログラム通りに進めることができました。これも、参加者の皆さんはもとより、ボランティアの方々が様々な面で御協力くださったお陰です。大きなケガや事故もなく、無事終えることができました。良い大会になりましたことを大変嬉しく思います。 参加者の皆さんから「有意義な大会となりました」「沢山の収穫が得られました」「参加して本当に良かった」など、嬉しい声をたくさん聞きました。また、参加者の皆さんの笑顔を見ることができ、良かったです。 私たちは、参加者の皆さんに楽しんでもらいたいと考え、企画の内容を充実できるように取り組んできました。その結果が前述の皆さんからの御意見につながったとすれば、企画した私達としても、非常に嬉しく思います。 来年は、福岡県北九州市ですね。より多くの方々が参加されますよう心から願っています。 (文責:伴野 浩史) (2)−1 副実行委員長として 今回の大会を開催するにあたり、東海・北陸ブロックでは2年前から、開催地の検討を進めて参りました。全国盲ろう者大会は、盲ろう者や通訳・介助員、その他の皆さんを含めて約1,000名が参加するとても大きな大会です。このような大きな大会を開催するには、会場の条件はもちろんのこと、地元の盲ろう者友の会の皆さんの協力なくして開催することはできません。そのためなかなか開催地が決まりませんでした。 そんな中、自県での開催を引き受けてくださった静岡盲ろう者友の会の皆様方には大変なご負担をおかけしたことと思います。しかし、そのご協力のお蔭で、無事に大会を終えることができました。 本大会に関わってくださった全ての皆様方に感謝申し上げます。 (文責:九曜 弘次郎) (2)−2 副実行委員長として 「感謝と祈り、そして明日へ」 〜全国大会までの足跡(あしあと)を振り返って〜 第24回全国盲ろう者大会(静岡大会)をご支援くださった皆様に深く感謝申し上げます。 以下に静岡県内の取り組みを中心に大会を振り返ってみます。 <県内実行委員会> 盲ろう者8人を含む40名の実行委員会を組織しました。予算にも関わるため、通訳・介助派遣センターと開催回数を調整しました。結果的に大会前に9回、大会終了後に1回、合計10回開催しました。平成26年6月2日、9月15日、9月23日、10月18日、12月21日、平成27年4月29日、7月5日、7月25日、8月23日 <ボランティアの募集と説明会> ボランティアとしてご協力くださる方々を募集し、平成27年7月5日、説明会を開催しました。聴覚障害者、手話・筆記通訳者、サークル会員、高校・専門学校生等200名を超える応募がありました。 <全国実行委員会> 全国盲ろう者協会主催による東海・北陸ブロック合同の実行委員会が3回開催されました。平成26年9月13日、平成27年1月13日、6月27日 <開催県担当業務> 全国大会開催県として、静岡県庁への挨拶・担当分科会・社会見学・開会式・引継式・看護・保育・車椅子借用・協賛広告依頼・お茶カフェ・観光協会への情報収集・報道機関・表敬訪問先確認・ボランテイア登録・配置・大会終了後の交通費等精算関連事務処理は実行委員会の合間を埋め尽くすほどの連日の業務となりました。全国盲ろう者協会との電話やメールによる連絡も密に行いました。事務局担当委員の尽力は特筆すべきものがあります。また静岡茶の分科会では茶業保存会、お茶カフェではお茶組合のご協力を頂きました。なお、県内業務に係る打ち合わせ、下見などの通訳ガイドはボランティアでの対応を基本としましたが、盲ろう者の自宅と参集場所の往復移動介助については派遣制度を利用しました。 <危機を超えて> 開催県担当業務に係る会議・交通費などの費用が地元友の会の負担であることは大きな課題となっていました。期待していた民間財団の助成を申請しましたが落選や減額となりました。急遽、主催の許可を得て協賛広告・寄付・募金をお願いすることになりました。聴覚障害者団体や手話サークル・企業・個人の皆さんが多数応えて下さったことは力強い支えとなりました。 会議の過程では意見や見解の相違もあり、長時間に及んだことから体の不調を訴える者もあり、厳しい局面にも遭遇しました。また私事で恐縮ですが、大会を4ヶ月後に控えて突然に失明し、弱視ろうから全盲ろうになりました。 しかし、こうした危機にあっても、全国の皆様を静岡でおもてなししましょう、という共通の思いがあればこそ乗り越えてこられたのだと思います。 <結びに> 皆様、静岡県の良さを満喫して頂く中で交流と対話を深め、通訳等支援技術の向上を図るという大会の1つの目的は及第点をいただけるでしょうか。一方、盲ろう者の生活・教育・福祉の向上に寄与するという目的についてはいかがでしょうか。盲ろう者にとって情報アクセス・コミュニケーション、移動等バリアフリーを実現するためには、より広範囲の連携と連帯による、より力強い推進が重要であると改めて強く思いました。 大会会場を埋め尽くす参加者の様子を通訳・介助員から状況説明を受けながら、自由と平和のなかでこそ生命(命)が輝きを放つことを深くかみしめました。静岡大会の熱い感動と強い絆が全国に広まり、盲ろう者とその家族、通訳・介助員等支援者の確かな明日につながることを祈り、感謝の言葉と致します。ありがとうございました。 (文責:齊藤 正比己) (3)開会式 担当:静岡盲ろう者友の会 日時:7月31日(金)14:00〜16:00 場所:南館大展示場A区画前方(ステージ側) 参加者:約740名(うち、盲ろう者200名) 内容: 平成27年度全国盲ろう者大会が7月31日、盲ろう者200名、通訳・介助員その他ボランティアなど含め約740名が参加して開幕しました。 司会は第1部を牧田紀子、第2部を寺田絹枝が担当しました。事前にシナリオを作成して全国盲ろう者協会にもご確認いただいたものを元に司会進行を行いました。 第1部は、初めに田中勇により開会宣言がされました。次に、本大会の実行委員長である静岡盲ろう者友の会会長の伴野浩史が、ちゃっぴー、ふじっぴー(静岡県のマスコットキャラクター2体)を伴っての挨拶、並びに主催者を代表して全国盲ろう者協会の阪田雅裕理事長の挨拶がありました。次に、3名のご来賓の方々からご祝辞をいただきました。この3名のご来賓以外にも、当日はご多忙の中、ご臨席くださいましたご来賓の方々が大勢いらっしゃいました。 第2部では、初めに、第6回全国盲ろう者体験文コンクール表彰式が行われました。 当日開会式に出席されておられた小杉純弘氏お一人が表彰されました。 次に、新しい友の会の紹介では、福井県からの紹介がありました。盲ろう者友の会を設立するための支援委員会が立ち上がり、委員の吉田正樹氏より御挨拶をいただきました。 次に、参加盲ろう者の紹介並びに本大会開催のために企画・準備など協力しあって取り組んできた東海・北陸ブロック、盲ろうの子とその家族の会ふうわ、全国盲ろう者団体連絡協議会の実行委員の紹介がありました。 参加者の皆様のご協力により、無事開会式を終了することができましたことに感謝しております。 開会式を担当するにあたって、当会では、これまで長年友の会活動に関わってきた盲ろう会員にできるだけ役を担ってもらおうと考えました。司会も、第1部、第2部に分けて担当したのも、そのような理由がありました。 シナリオ作成やその他で時間がかかり、当日まで準備に追われることになりました。もっと余裕を持って進めることの重要性を感じました。その反面、ひとつのプログラムを大勢の人間の力で取り組む素晴らしさを改めて感じました。 (文責:牧田 紀子) (4)歓迎パーティー 担当:三重盲ろう者きらりの会 日時:7月31日(金)17:00〜20:00 場所:南館大展示場B区画 司会:北澤 真紀 参加者:609名(うち、盲ろう者191名) 内容: 司会の挨拶から始まり、きらりの会によるオープニングでは三重県伊賀市が発祥の地である”伊賀忍者”をイメージさせる「伊賀の忍にん体操」を披露しました。 この体操は、起立して行う方法と着席して行う方法とがあり、同じ舞台で両方の体操をしました。また忍者らしさを演出しようと、きらりの会のメンバーは赤、黒、茶、えんじ色それぞれの忍者の衣装を身にまといました。 大会までの数か月間、きらりの会のメンバーと支援者が何度も集まり、忍にん体操の練習をしました。特に、苦労したのは合図です。手をあげたり、足を曲げたりする時に、支援者たちが工夫をした合図をし、盲ろう者のメンバーは揃って体操をすることができました。 オープニングの次に、大会副実行委員長の九曜氏に歓迎の挨拶をしていただきました。その後、きらりの会を代表して棚瀬が乾杯の音頭をとりました。棚瀬を囲むようにきらりの会のメンバーも並び、それぞれがグラスを持ち、会場の皆さんと乾杯をした後、食事をしながら交流を楽しみました。 会いたい人を探す企画では、盲ろう者本人が舞台に上がり、自分の名前と県名、そして会いたい人の名前と県名を言い、舞台の下まで来ていただく方法で進めました。希望者が殺到することが予想されましたが、皆さん順序よく並んでお互いに協力していただいたお陰で、時間内に終えることができました。一人につき、会いたい人は二人までの限定としました。 歓迎パーティーの時間は例年より1時間長く、会場も広かったので、参加された皆さんがあちこちと行き来して会話を楽しんでいる光景が見られました。ただ開会式終了から歓迎パーティー開始までの時間が短かったため、情報保障の準備が間に合わず、開始時間が少し遅くなってしまったことが残念でした。 (文責:北澤 真紀) (5) 第1分科会及び第4分科会 「全国の盲ろう者の生の声を聞く」 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 日時:8月1日(土)  第1分科会 9:00〜12:00  第4分科会 14:00〜17:00 場所:北館4階レセプションホール 司会:藤鹿 一之 参加者:  第1分科会 126名(うち、盲ろう者47名)  第4分科会 97名(うち、盲ろう者37名) 内容: 今年も、午前と午後の合計6時間を使い、「盲ろう者の生の声を聞く」を行いました。この分科会では盲ろう者から日常生活を営む上で困っていることや悩みなどを出してもらい、参加者同士で意見交換、情報交換をしたり、全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、連絡協議会)が集約した意見をまとめ、国に要望したりすることにより、盲ろう者が社会参加及び自立しやすい社会にすることを目的に行いました。 今回は主に、平成28年度に見直されることになっている「障害者総合支援法」に向けて、盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業(以下、派遣事業)のあり方について意見交換、情報交換をしました。 なお、今回は厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長である道躰正成氏にもお越しいただき、本分科会をお聞きになりました。 参加盲ろう者や有識者から出された主な意見や悩みは以下の通りです。 1.悩み、困っていることなど ○宮城県は昨年度、仙台市が中核市となったため、宮城県と仙台市で、それぞれ派遣事業が行われるようになったが、派遣事業の利用時間数が異なり、同じ県在住にも関わらず、派遣事業を利用できる時間が異なるという問題が発生している。また、予算がないという理由から年度途中に派遣事業に登録した盲ろう者が次年度になるまで派遣事業を利用できないという問題が起きている。 ○年間の派遣利用時間が240時間と少ない上、1日8時間までしか利用できないので困っている。 ○後期高齢者で1人暮らしをしている。通院の際など送迎等の移動介助は同行援護、医師による診察などの通訳は派遣事業を利用したいと考えている。しかし、同時にこの2つの制度を利用できない。制度の緩和を望む。 ○現在の派遣事業は「地域生活支援」だが、この「地域生活支援」を残しつつ、「個別給付」の導入を考えているようだが、「個別給付」の場合、利用料を1割負担することになる恐れがある。コミュニケーションを取るためにお金を支払わなければならないのはおかしい。 ○盲ろう者向け通訳・介助員に支払われる謝金単価が手話通訳者に支払われる謝金単価より低いことに疑問を感じている。また、通訳・介助員に支払われる謝金単価も地域によりばらつきがあるので改善を望む。 ○重度訪問介護制度も利用している。24時間のホームヘルパーの派遣をしているが、触手話のできるヘルパーは24時間の確保はできない。盲ろう者はニーズが多様で必要な制度は一つではない。既存の制度では対応できない。身体介護ができるなど高い質を備えた通訳・介助員も別枠で養成してほしい。 2.悩みや課題についての意見など ○現在の派遣事業は、地域によりサービスに格差がある。どの地域も、派遣時間や活動内容において盲ろう者の生活を支えるには十分でないレベルである。全国盲ろう者協会(以下、協会)は個別給付を地域生活支援にプラスして使ってはどうかと検討している。盲ろう者にとって利用しやすい制度を作り、全国で利用できるようにすることが大切。個別給付に移行すると、制度が全国で同じルールになるので、地域差は無くなる。 ○障害者総合支援法の見直しを行っており、盲ろう者への支援は大きなテーマ。通訳・介助員の派遣事業は、地域生活支援の補助金を元に実施しているが、予算の制限がある。派遣事業の利用時間数が不十分と認識しているので、サービスの工夫をしたい。盲ろう者の固有さには同行援護やホームヘルプは使いにくく、盲ろう者の利用は進んでいない。使いやすく中身を変えるために、協会の意見を聞いて検討していきたい。 ○個別給付にすると利用料の自己負担が発生することについてどう考えるかがポイント。現状ではほとんどの盲ろう者は軽減され、利用料の負担はしていない。同行援護、重度訪問介護は個別給付なので利用料を負担する必要があるが、年収300万円までは利用料の負担をする必要がない。600万円までは月に9,000円まで。地域生活支援だけでは選択の幅が狭くなるので、「利用料の自己負担=だめ」と、こだわると未来はないのではないか。 ○個別給付を利用しつつ、使える地域生活支援は残しておくべきだと思う。自分の場合、移動がない場合は手話通訳派遣事業を利用して、派遣事業の利用時間数を調整している。生活に必要なものは個別給付で派遣してもらい、上手に使い分けるのがよいと思う。 ○障害支援区分の認定について、認定の際の質問に対して、盲ろう者が単独で全てをすることはできないことを主張して回答することが重要である。 3.まとめ 盲ろう者が利用しやすい派遣事業にするためには、盲ろう者自身が「派遣事業のあり方」について、しっかり学び、自分たちにとって利用しやすい派遣事業について考え、国に対して訴えていくことが重要です。少しでも盲ろう者にとって暮らしやすい社会になるように一緒に頑張っていきましょう。 (文責:藤鹿 一之) (6)第2分科会「静岡茶の魅力を満喫しよう」 担当:静岡盲ろう者友の会 日時:8月1日(土)9:00〜12:00 場所:南館大展示場A区画前方(ステージ側) 司会:横山 久美子・増田 規子  参加者:175名(うち、盲ろう者59名) 内容: お茶処、静岡での大会には「是非、お茶をテーマにした企画をしたい」と以前から思いがあり、静岡茶の魅力を体験し実演を交えてたっぷり楽しんでいただけるよう企画しました。 担当者全員が企画内容を共通理解し、イメージできるように企画会議を何度も重ねながら、会場の下見に2度行きました。また、牧之原市手もみ保存会の協力をお願いするにあたり、盲ろう者への理解と企画内容の確認のため、入念な打ち合わせをしました。分科会会場の変更によりレイアウトや電源などの確認に不安はありましたが、施設職員の方々のご協力により、当日は問題もなくスムーズに行なうことができました。 分科会では受付後に、当日の朝、茶農家の方の茶畑から摘んできた生葉に触れてもらいました。そして全体説明。担当別の説明の後、3台のホイロのまわりに集まり、順番に手もみを体験しました。茶葉の感触と香りに参加者から良かったと笑顔が見られました。 次の利き茶では、3種類のお茶を飲み、5種類の茶名の中から選んで解答用紙に記入していただきました。正解の数だけ景品のお菓子を担当盲ろう者より手渡しました。全問正解の方は大変喜び、歓声が上がりました。 次はおいしいお茶の入れ方教室。手もみ保存会の方が舞台上で実演しながら説明をしました。3名の参加者から質問があり、熱心に聞いてくださったのだと嬉しく思いました。舞台下の2ヶ所でもお茶を順番に入れ、皆さんに飲んでいただきました。冷茶の旨味に驚かれたり、静岡のおいしい安倍川もちを満喫されたようです。 次は○×クイズ。1回戦と敗者復活戦を行いましたが、正解率が高くびっくりしました。上位の方に景品を差し上げ、喜んでいただきました。 最後にお土産として、参加者が手もみした茶葉を小袋に入れ、皆さんに差し上げました。「とても楽しい分科会で、全国の方々の手の入ったお茶を飲めると思うと嬉しい」と言う感想をいただき、こちらも嬉しくなりました。資料としておいしいお茶の入れ方の解説と、○×クイズの問題と解答、解説文の墨字と点字版を希望者に差し上げました。点字版はとても喜ばれました。 もう一つ好評でしたのは、担当者4名(盲ろう者1名)が茶娘に扮しました。参加者の方は着物に触れたり、茶娘はにこやかに記念撮影に応じ、なごやかな交流の場面がみられました。 反省点として、大会1週間前には予行演習を行い、本番に臨みましたが、当日は180名近くの参加者の移動が大変でした。また、お茶の準備ではお湯を沸かしたり、重いポットを運んだり担当者も忙しかったですし、ちゃっぴーの着ぐるみの手配が遅れ実現できなかったことが残念でした。 多くの皆様方のご協力により、静岡茶を楽しんでいただくことができました。ありがとうございました。 (文責:第2分科会担当スタッフ一同) (7)第3分科会「三重って〇〇が有名?&お国自慢聞かせて〜」 担当:三重盲ろう者きらりの会 日時:8月1日(土)9:00〜12:00 場所:北館3階第3小展示場 司会:福山 佳代 参加者:46名(うち、盲ろう者16名)  内容: この企画は、参加者の皆さんに三重県のことを知っていただくため、三重県に関するクイズや、伊賀で有名な「忍にん体操」を一緒に楽しんでいただこうと思い企画しました。また、参加者の皆さんと交流ができるよう、お国自慢を聞かせていただこうと決まりました。 まず、司会の挨拶の後、忍者班リーダーの岩崎から参加者の皆さんに椅子に座った方法の「忍にん体操」を指導し、最後にリズムに合わせて体操をしました。参加者からは、「腰が痛かったので、座って体操ができて良かった」「歓迎パーティーのオープニングで、立って体操をした時と同じやり方がしたかった」など感想をいただきました。 次に、クイズ班リーダーの平川が三重県に関するクイズを出し、参加者の皆さんには○×方式で答えていただきました。正解を発表した後は、そのクイズの解説をしました。 クイズ1.三重県は、自動販売機の生産が日本一である⇒ ○ 解説: 全国に設置されている自動販売機の半分は三重県四日市市にある富士電機で生産している。その会社に三重県在住の盲ろう者3名が働いている。 クイズ2.小学校の遠足の時、必ず誰かは「かっぱえびせん」を持って行く ⇒ × 解説: 誰かが必ず持って行くのは伊勢の「おにぎりせんべい」。しかしほとんどの方が「おにぎりせんべい」をご存知でした。 クイズの後は、参加者の皆さんからお国自慢を聞かせていただきました。滋賀県では「琵琶湖が有名!」、岐阜県では「鵜飼いが有名!」、広島県福山市では「福山城が有名!」等々、それぞれのお国自慢をしていただきました。 最後に、「おにぎりせんべい」を食べながら交流を楽しみました。交流では、参加盲ろう者の方から忍者の衣装を着たい、との要望があり、試着して記念写真を撮る場面もありました。 練習や打ち合わせは、体操班とクイズ班に分かれて行ったので、本番でまとまるかどうか不安でしたが、分科会を終え、参加者の皆さんが楽しめたようで本当に嬉しく思いました。 (文責:福山 佳代) (8)ふうわカフェ&静岡茶の交流広場 担当:  盲ろうの子とその家族の会 ふうわ  静岡盲ろう者友の会  牧之原市茶業振興協議会(協力) 日時:  8月1日(土)9:00〜12:00、14:00〜17:00  8月2日(日)9:00〜12:00 場所:南館大展示場A区画後方(出入口側) 内容: 昨年より、多くの方にふうわを知ってもらいたいと、「ふうわカフェテリア」として喫茶コーナーを開設しました。 今回は神奈川県のNPO法人「わくわくわーく」によるコーヒー販売の他、牧之原市茶業振興協議会様による静岡茶の提供・販売が行われました。 前回と同様に多くの方に来ていただき、大変賑わいました。さらに、ふうわに未入会の盲ろう児及び保護者の他、ふうわに興味をお持ちの方も来てくださり、ふうわスタッフとの交流を深めることができました。 来年度以降も参加者の皆さんが楽しめる内容を企画するとともに、ふうわについて知っていただき、また多くの方に支援していただけるよう活動を続けていきたいと思っています。 (文責:森 敦史) (9)第5分科会「盲ろう者の知恵袋―日常生活を便利にするための工夫」 担当:富山盲ろう者友の会 日時:8月1日(土)14:00〜17:00 場所:南館大展示場A区画前方(ステージ側) 司会:九曜 弘次郎 参加者:103名(うち、盲ろう者37名)  内容: 1.初めに 盲ろう者は、見えない・聞こえないために、日常生活を送る上で様々な不便を感じています。加えて、世の中に市販されている製品は、見えて聞こえることが前提に作られているため、盲ろう者が使いにくい、あるいは全く使えないものがたくさんあります。そういった不便を解消するため、盲ろう者の皆さんが日常生活においてどのような工夫をしているのか情報交換を行いました。 まず、分科会を実施するにあたり、事前アンケートや聞き取り調査を行いました。そして、その結果を踏まえて、当日参加者の皆さんと意見交換を行いました。 2.会場から寄せられた意見 (1)お金の判別 【困っていること】 ○10円玉と100円玉、5円玉と50円玉の区別ができない。また紙幣は触って区別することが難しい。 【工夫していること】 ○硬貨については、レール付きの財布や、大きさで区別できるコイン入れを使用している。 ○紙幣は、金種ごとによって長さが違うので、長さを比べたり、紙幣を見分ける道具を使用している。 (2)時間の確認や目覚まし 【困っていること】 ○針を手で触って読み取る触読式の時計を使用しているが、針を動かしてしまい時間が狂ってしまう。 ○盲ろう者が使用できる目覚まし時計がない。 【工夫していること】 ○『タックタッチ』という、振動で時刻や目覚ましを知らせてくれる時計を使用している。 (3)探し物や物の判別 【困っていること】 ○カレーの箱とシチューの箱、バターと無塩バター、歯磨き粉と洗顔料等、同じような箱やケースに入ったものは触って区別ができない。 ○靴下や洋服の色の区別ができない。 【工夫していること】 ○輪ゴムを巻いたり、テープを貼るなどして、触って判別できるようにする。 ○容器を入れ替える。 ○色によってたたみ方を変えている。 (4)今後メーカーへの要望や開発を期待する製品 ○金種ごとに収納できるコイン入れ ○触読式の防水時計 ○箱やケースは触って判別できるような目印を付けてほしい 3.分科会を終えて 一口に『盲ろう者』といっても、障害の程度、障害を受けた経緯、生活スタイルは異なるため、全ての盲ろう者に役立つ製品や工夫はなかなかありません。しかし、少しの工夫や製品の改良で、盲ろう者の生活が便利になることがあります。 今後も、アイディアやノウハウを情報交換し、必要に応じて製品開発メーカーへの働きかけを行うことで、盲ろう者が抱えている不便を少しでも解消できればと考えています。 (文責:九曜 弘次郎) (10)第6分科会「盲ろう者の気分転換」 担当:石川盲ろう者友の会 日時:8月1日(土)14:00〜17:00 場所:北館3階第3小展示場 司会:宮永 聖明 参加者:100名(うち、盲ろう者29名) 内容: 盲ろう者はいつも精神的にストレスを感じているということから、私たちは全国の皆さんと意見交換したいと考えました。 はじめに、普段の生活におけるストレス体験やその気分転換の方法を報告いただき、会場の皆さんと意見交換をしました。その後、事前アンケートで回答いただいた「気分転換についての方法等」を報告させていただきました。 @ストレスの原因 コミュニケーション関係…30% 人間関係…21% 役員を担っていること…19% 障がいについて…21% 盲ろう者の80%が何かしらのストレスを感じています。 A気分転換の方法 体操、睡眠、買い物、旅行、入浴など その後、静岡県立静岡視覚特別支援学校の青山氏に、「ストレッチ体操の意義・日常的に行うことができる具体的な方法について」のお話をいただきました。 1.ストレッチ体操の効能は基礎代謝が上がること。 2.ストレッチの効果と合わせて筋肉量を減らさないようにすること。 3.リラックスして、ゆっくりと、痛みを感じないように、定期的に行うこと。 4.頭から足にかけて順番に行う。頚部、肩、胸、体側、背中、臀部、足の順に行うこと。 講演の後は、順次頭から足に向かって体操を始めました。会場の皆さんは通訳・介助員と一緒に真剣にストレッチ体操を楽しんでいました。 会場の後方は講師の様子が見えにくいことがあったのではないかと反省をしています。また、スクワット体操では「立ちながら、足を開いて、腰を落として」というところでは椅子に座ってしまう人もいました。あっという間の3時間でしたが、盲ろう者にとっても通訳・介助員にとっても大変良い機会になりました。気分転換の方法としてストレッチ体操が非常に大切なことであり、続けていくことが最も重要なことだと感じました。 (文責:津田 孝司) (11)第7分科会「盲ろう者芸能コンテスト『披露したい、私のこの芸を!』」 日時:8月2日(日)9:00〜12:00 場所:南館大展示場A区画前方(ステージ側) 司会:今川 裕子 参加者:115名(うち、盲ろう者42名) 内容: 「盲ろう者芸能コンテスト」は全国大会では初めての企画でした。ですので、第1報で案内を送ったものの、「出演者の申し込みはあるのだろうか、申し込みがなかったらどうしよう、出演者以外の参加者はたくさん来てくれるのだろうか、聴衆がいないと出演者は張り合いがないのではないか」等々とても心配しました。何しろ初めての試みなのでどうなるのか予想がつきませんでした。 しかし、「案ずるより産むが易し」で、11組からの申し込みがありました。限られた時間の中で審査する時間も確保する必要があるので、申込者全員に出演してもらうのは難しいと判断し、抽選をせざるを得ませんでした。全体のバランスも考えて慎重に検討した結果、出演者は7組となりました。 当日の朝、出演者は緊張した様子でした。会場には応援団がたくさん集まっていました。 さあ、いよいよ全国大会史上初めての『盲ろう者芸能コンテスト』の始まりです。演目は、手品、一人芝居、ピンクレディーの歌「UFO」の振り付け、歌、オカリナ演奏、空手の演武と板割り等でした。皆さん素晴らしい演技で、会場からは大きな拍手が送られました。 UFOの音楽が始まると、会場後方から観客がたくさんやってきました。出演者も参加者も一緒にダンスを始めました。四季の歌が始まると、一緒に口ずさんだり、手話で歌ったりしていました。みんなが生きいきと輝いていました。一緒に踊り、歌い、会場の出演者、応援団、観客の全員が、3時間を楽しみました。こんな分科会が今までにあったでしょうか。素晴らしい分科会でした。司会を担当させていただき、光栄に思いました。 審査員の方から「出演者本人の努力、工夫、そして優れた支援者がいれば、盲ろう者は何でもできます。盲ろう者は何でもできることを一般の人にもっと知ってもらいたい。」とのコメントがありました。「何かやりたい、やってみよう」と思った方もおられたことでしょう。また来年度も第2弾として芸能コンテストが開催できることを期待したいと思います。 最後に、受賞者を紹介します。 ○1位 田中 勇(静岡県) ○2位 臼井 和夫(岩手県)     村山 真啓(千葉県)     池田 芳雄(山口県) (反省点) 1.出演者との打合せをメールやFAXで行ったが、なかなか上手くいかず、盲ろう者同士の意思疎通の難しさを実感しました。 2.ビデオ撮影をしておけば良かったと思いました。 3.どれだけの盲ろう者に状況や雰囲気が伝わっていたか、分科会の課題の一つだと思いました。 4.当日資料の情報が多かったので、事前配布にするべきでした。 (文責:今川 裕子) (12)第8分科会「簡単!スマートフォン・タブレットPCを使いこなそう!」 〜試してみよう、見えにくくても、あらこんな簡単にできるんだ!〜 担当:全国盲ろう者団体連絡協議会 日時:8月2日(日)9:00〜12:00 講師:氏間 和仁(広島大学大学院准教授) 司会:高橋 信行 参加者:70名(うち、盲ろう者28名) 内容: 1.分科会の目的・主旨 盲ろう者は自力で情報を取得することが困難ですから、盲ろう者がITを活用して様々な情報を手に入れられるようになることはとても大事なことです。一般社会では、持ち運びしやすいタブレットPCやスマートフォンが普及し、その活用が進んでいます。もし盲ろう者が、タブレットPCやスマートフォンを活用できるのであれば、それらを使って盲ろう者の生活の質の向上を図ることができるのではないでしょうか。 この分科会では氏間氏を講師としてお迎えし、視力の残っている盲ろう者を対象としたiPadの活用法についての研修会を行いました。 2.実施内容 研修会では盲ろう者一人に付き1台のiPadが用意されました。(氏間氏が25台を持参し、残りは参加者自身が持参) その上で、以下のような内容についての講義・演習が行われました。 (1)iPadの基本操作 ○iPadの各部の名称、役割 ○iPadの持ち方 ○iPadの電源の投入、切断 ○iPadのアプリの起動、終了 (2)小さな対象物をiPadを用いて拡大して見る方法 ○「カメラ」アプリの起動 ○撮影 ○撮影した写真の閲覧 ○ピンチイン、ピンチアウトによる写真の拡大・縮小 ○小さな文字で書かれた時刻表を撮影し、拡大して時刻を読み取る実習 (3)iPadを用いた要約筆記 ○「UD手書き」アプリの起動 ○手書きによる描画 ○2台のiPadの同期 ○2台のiPadを用いた要約筆記 3.今後の課題 視力が残っている盲ろう者はiPadの拡大機能を活用して、小さくて見えない事物を拡大して表示させることで、これまで見えなかったものを見えるようにすることができます。また、文字を見やすい大きさ・色で表示させることで、メールを読み書きしたりホームページや文章を効率よく閲覧することができるようになるでしょう。 今回の講習はわずか3時間で、活用法の基本的な部分についての内容にとどまりましたが、今後、生活に役立つ内容の研修が行われると良いと考えます。さらに、来年度以降は全盲難聴の盲ろう者におけるiPadの活用(Voice Over編)、全盲全ろうの盲ろう者におけるiPadの活用(点字ディスプレイ編)を取り上げた研修会を企画していきたいと考えています。 (文責:高橋 信行) (13)第9分科会「欧米レポート&かたりま専科」 担当:愛知盲ろう者友の会 日時:8月2日(土)9:00〜12:00 場所:北館4階レセプションホール 司会:橋本 二郎 参加者:140名(うち、盲ろう者40名)  内容: 昨年、愛知盲ろう者友の会会員の小林功治が盲ろう者の福祉を学ぶため、アメリカ、スウェーデンに5ヶ月間留学しました。 この分科会では講演と意見交換会の2部構成で行い、前半は小林の留学レポート、後半はそのレポートを踏まえて、日本の盲ろう者福祉制度の現状について話し合う機会としました。欧米との違いを学び、日本の制度を見つめ直すきっかけになればと考え、この分科会を企画しました。 前半のレポートでは、アメリカやスウェーデンと、日本の障害者の「自立」の考え方の違い、アメリカではパソコンやタブレット、点字ディスプレイなどが無料配布され、盲ろう者のコミュニケーションの幅が広がり、就労に大きく貢献しています。また、通訳担当者と手引き担当者が分かれている両国の通訳・介助体制とその待遇・教育、自立生活支援・就労支援施設などについて報告しました。 後半の意見交換会では、@「盲ろう者専門の相談支援に求めること」、A「通訳担当と手引き担当が分かれていることについて」の2つのテーマで話し合いました。 @では個人情報が保たれること、交通の便がよい立地で開催すること、出張相談してくれることなどがあがり、Aでは、通訳・介助員の疲労を考えると分けた方がいい、新しい通訳・介助員には手引きを担当させる、通訳・介助員のレベルにより待遇をランク付ける、ろう・健聴の通訳・介助員の使い分けなどの発言がありました。 意見交換会を始める前に工夫したことは、分科会をスムーズに進めるためのルール(他者の発言を否定しない、発言はコンパクトに、など)を設けたこと、発言の要旨は板書で可視化したことです。 反省点は、講演の時間が短く、十分に説明できなかったこと(途中、意見交換会よりも講演をもっと多く聞きたかったという声もあがりました)、意見交換会では@が予定時間を超えてしまい、Aの時間が予定の半分にせざるを得なくなったことです。しかし、参加者のご理解・ご協力もあり、大きなトラブルもなく終えることができました。 (文責:小林 功治) (14)機器展示、作品展示・販売、友の会コーナー 担当:岐阜盲ろう者友の会 日時:  8月1日(土) 9:00〜17:00  8月2日(日) 9:00〜14:00 場所:南館大展示場A区画後方(出入口側) 内容: 作品展示・販売コーナーでは、参加者同士ゆっくり交流できるように、今年から新たに「交流広場」を設けました。皆さんゆっくりと交流できているようでした。また、そこでは美味しい静岡茶を提供していただきました。お茶の種類がいろいろあり、飲み比べを楽しんだり、購入した人もいて賑わっていました。 (文責:加納 香南) (15)社会見学A−1「富士山世界遺産(文化遺産)コース」 担当:静岡盲ろう者友の会 日時:8月1日(土)8:15〜16:50 場所:富士山五合目、白糸の滝、富士川SA 参加者:195名(うち、盲ろう者66名) 内容:昨年の兵庫大会で、何人もの盲ろう者の方々から「静岡大会では富士山に行きたい!」という声があり、思い切ってこのツアーを企画することにしました。 実は、ベテラン登山家の方から「8月第一土曜日は1年間で最も登山客が多いからやめた方が良い」とアドバイスをいただきました。でも、とにかく何とか実施する方向で、準備に取り組むことにしました。昨年9月そして今年の7月という2度に渡る下見、また通常の会議に加えてメール会議も積み重ね、計画を練りに練り、安全にかつ有意義に実施できるように、また盲ろう者・支援者の皆様方に「参加して良かった」と思っていただけるようなツアーになるようにと願いながら、準備を進めてきました。 6月に入り、協会から連絡をいただきました。参加者が200名!大型バス5台の大規模なツアーになることが判明しました。せいぜいバス3台を想定していた私達は、急遽スタッフを増員し、共通理解の下に計画を練り直しました。ただ当日の天候だけは、神頼み以外に方法がなく…しかし幸いなことに、スタッフ一同の祈りが通じたのか、当日は雲が多く蒸し暑い、正に盛夏真っ只中の天候ではありましたが、何とか雨が降らずに持ちこたえてくれたことをありがたく思いました。 私達がこのツアーを計画するにあたり、大切に考えてきたことが三つありました。 一つ目は「富士山五合目をどう体感していただくか?」ということです。話し合いの結論は、参加者全員にポテトチップの袋(バスが上って行く過程で膨らみを体感していただくため)とお茶のアルミ缶のボトル(バスが下って行く過程で凹みを体感していただくため)を配ることでした。富士山五合目が近づくにつれ、ポテトチップの袋が膨らむのを触って感じていただきました。ポンッと破裂した袋もあり、好評でした。 二つ目は「バスの中での過ごし方の工夫」です。長時間のバス移動を楽しく過ごしていただけるようにと、「富士山クイズ」と「じゃんけん大会」を企画しました。担当者同士が事前に共通理解しながら準備に取り組んだ結果、どのバスでも非常に盛り上がり、参加者の皆様方に楽しんでいただけたようです。 三つ目は「健康・安全と円滑な運行」です。協会のご配慮で、看護師さんにスタッフとしてご同行いただけたことを大変心強く感じました。また、各バスに携帯酸素を1個ずつ用意し、万一に備えました。健康面を考える上で食事とトイレは大切です。バス5台が夕方までに静岡駅に戻るために、トイレ休憩と昼食のタイミングをどうするか。日程全体を見据えながら計画しました。また、各ポイントでの出発時刻の参加者への連絡方法を工夫(スケッチブックに大きく書く等)し、情報の共有に配慮しました。また、バスでの移動中、スタッフ間でLINEや電話で連絡を取り合い、お互いの状況を把握しながら活動を進められるよう心がけました。全体の日程との関係から、移動するバスの中で昼食をとっていただく計画となっていました。そのため、下見を踏まえた想定はもちろんのこと、ツアー当日も運転手さん同士で連絡を取り合っていただき、ゆるやかな道になるタイミングを見計らい、安心安全に余裕を持って食事をとっていただけるよう配慮しました。 帰りのバスの中で、参加者の皆様方から感想をいただきました。「霧で富士山は見えなかったが、雲の中にいるようで気持ちよかった」「富士山弁当(御飯の部分が富士山を模ったもの)はこのツアーにぴったりのお弁当!」「93歳で富士山に来られたことは生涯最高の宝物!」「白糸の滝が涼しげで良かった!」「ソフトクリームが美味しかった!」「富士山クイズが面白かった!」「じゃんけん大会が良かった!」 帰りにバスを降りられる時にも、参加者の皆様方お一人お一人から、感謝とねぎらいの言葉をいただき、思わず涙ぐむスタッフもいました。 携帯電話の電波が圏外になってしまい、途中でスタッフ間で連絡を取れなくなってしまったり、帰りの降車場所が急遽変更になったりと、いくつか課題が残りました。また、富士山五合目も白糸の滝も「バリアフリー」の視点から考えて難しい面が多々あり、特に車いすでご参加の方々への配慮がどうだったかという反省もあります。 ともあれ、大きなケガや病気、事故もなく、ほぼ予定通りに帰ってくることができ、スタッフ一同安堵しました。何よりも参加者の皆様方が、様々な場面で自ら主体的にご参加またご協力くださったお陰で、私達スタッフだけでなく、運転手さんも含め、当日の参加者みんなで作り上げた、心温まるツアーになったと思います。私達としても大変思い出深い企画を無事に終了できましたことを、今回このツアーに関わってくださった全ての皆様方に対して、スタッフ一同、心より感謝申し上げます。またいつかお目にかかる日を楽しみにしています。本当にありがとうございました。 (文責:社会見学A−1担当スタッフ一同) (16)社会見学A−2「大井川鐡道SLと焼津さかなセンターコース」 担当:静岡盲ろう者友の会 日時:8月1日(土)9:00〜17:00 場所:大井川鐡道、焼津さかなセンター 参加者:185名(うち、盲ろう者59名) 内容: 大井川鐡道を走るSLは、昭和10〜20年代に走っていた客車です。木の床、窓の開け方も懐かしいです。「昔懐かしいSLに乗り、車体の揺れや窓からの煙の匂いを感じてほしい」と、このコースを企画しました。 8月1日朝9時の集合前には多くの参加者の皆さんが静岡駅南口に集合し、予定より早くバス4台に分乗し新金谷駅に向かいました。SLに乗車するまでには「プラザロコ」で展示されたSLに乗ったり、昭和30〜40年代の駅舎を見学したり、お土産を買ったりしました。ちょうど、入線していたトーマスが出発するのを見送ることもできました。出発前にSLに触ったり、記念撮影をしたりするために余裕をもって改札を通りました。しかし、出発前のSLの車体はとても熱く、ホームにも熱気が充満し、あまりの暑さにゆっくりと見学することができませんでした。SLは旧式の車体ですので、クーラーの設備がなく参加者の皆さんはとても暑かったと思います。大会で配布されたうちわが重宝したことは言うまでもありません。 車内ではお弁当を食べたり、お土産を買ったり、おしゃべりをしたりしているうちに1時間15分のSLの旅は終わり、あっという間に千頭(せんず)駅に到着しました。その後、焼津さかなセンターに向かい買い物等を楽しみました。焼津さかなセンターでは、さかなセンターさんより全国大会協賛商品券をいただき、お土産を買ったりかき氷を食べたりするのに利用させていただき、参加者に大変好評でした。 準備段階で苦労したことは、SLは身体障害者手帳の有無によって運賃が大幅に変わるため、参加費の設定が難しかったことです。申し込み締め切り後も、参加者の数や障害者割引適用者数の把握がなかなかできず全国盲ろう者協会と何度もやりとりをさせていただきました。少し高めに料金設定をし、障害者割引の人数によって参加者にお土産をつけることで対応しました。記念バッチ、お菓子などのお土産をつけることができました。 スタッフやボランティアには、事前に旅程や注意事項等を配布したり、バスごとに色分けをして参加者にリボンをつけてもらったりしてスムーズに計画が進められました。男性ボランティアを各ポイントのトイレに配置したことも好評でした。しかし、SLの運行時間が決まっていたため旅程に余裕がもてず、せわしなかったのではないか、バス席に余裕がなく疲れたり体調のすぐれない人が横になったり、荷物を置いたりできなかったのではないかなど反省しています。また車いす利用者について事前に把握できていなかったため、SL車内や自由時間での車いすの利用について当日相談しながら対応しなくてはなりませんでした。 暑さのために、十分楽しめなかったかもしれませんが、参加者の皆さんのご協力のお陰で、どのポイントもすべて予定通りに集合・出発することができました。皆さん、ご協力ありがとうございました。 (文責:社会見学A−2担当スタッフ一同) (17)社会見学B「静岡市内自由散策 5コース」 担当:静岡盲ろう者友の会 日時:8月2日(日)9:00〜14:00 場所:静岡駅・清水駅周辺のモデルコース ○B−1 登呂遺跡周辺コース ○B−2 静岡地震防災センター ○B−3 河岸の市(魚市場)コース ○B−4 エスパルスドリームプラザコース ○B−5 三保の松原コース 内容: 参加者の皆さんに静岡を楽しんでいただくため、10コース以上の候補地を挙げ、それらの下見や関連会社に説明などを訊きに行きました。5時間という限られた時間の中で、盲ろう者も通訳・介助員も余裕を持って参加できるために @静岡らしい場所 Aアクセスの利便性と安全性 B体感できるか? C施設の設備(エレベーター・バリアフリートイレ・車いすなどの有無) D天候に左右されない などを考慮し、モデルコースを決めました。準備段階で特に問題はありませんでしたが、下見・会議などは皆で日程調整をして行いました。原稿締切後に、バスの時刻、乗降場所の変更がありましたが、協会が当日配布資料に差し込む対応をしてくださいました。 当日は、静岡駅(8:00〜)・清水駅(8:30〜)のコンコース、改札口付近に道案内のボランティアが4〜5名待機し、対応をしました。 静岡駅では「今から三保の松原に行きます」「マップを見ながら駿府城に行きます」などと個々に見学へ出かけるグループがいました。 B−2 静岡県地震防災センターコースについて 地震防災センターから、打ち合わせ時に「1グループ10〜15名で案内したい」と申し出がありましたので、バス移動や館内での進行等がスムーズに行われるよう、実行委員3名(うち盲ろう者1名)、ボランティア4名(男女各2名)が担当をしました。ろう者の通訳・介助員がいる時に備え、手話通訳者(2名)の派遣をお願いしました。該当者がいたので、情報提供が保障されて良かったです。参加者は29名(うち、盲ろう者12名)。 Aコースは見学体験と講話(地震対策・緊急時の連絡方法などの意見交換もしました)。Bコースは見学体験のみ。 参加者からは ○地元に地震センターはあるが規模が小さい。参加してよかった。 ○東日本大震災以後、家庭で備蓄する飲料水や食料品が3日分から1週間分くらい必要と見直されたこと、最新の防災グッズを知ることができ、参考になった。 ○地震体験(M6.5)は怖かった。触れる備品が沢山あった。 地震防災センター職員からは ○県外の方に説明でき、また、県外の方の意見を聞けてよかった。 ○今日はとても有意義でした。 などの感想をいただき、企画してよかったと思いました。 社会見学Bは、自由散策ということで、B−2以外の参加者の感想を聞くことはできませんでした。しかし、事故の報告など届いていませんので、皆さんに静岡を楽しんでいただけたことと思います。また、暑さを心配して、屋内の分科会に予定を変更された方もいたようです。暑かったけれど、3日間、天候に恵まれて良かったです。 (文責:社会見学B担当スタッフ一同) (18)全体会・閉会式 担当:実行委員会 日時:8月2日(日)14:00〜16:00 場所:南館大展示場A区画前方(ステージ側) 司会: (全体会)九曜 弘次郎 (閉会式)木村 順子 参加者:567名(うち、盲ろう者179名) 内容: 1.全体会 各分科会の報告をしていただきました。 ○第1・4分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く」…藤鹿 一之 ○第2分科会 「静岡茶の魅力を満喫しよう」…山上 和 ○第3分科会 「三重って◯◯が有名?&お国自慢聞かせて〜」…平川 英幸 ○「ふうわカフェ&静岡茶の交流広場」…森 敦史 ○第5分科会 「盲ろう者の知恵袋−日常生活を便利にするための工夫」…九曜 弘次郎 ○第6分科会 「盲ろう者の気分転換」…宮永 聖明 ○社会見学Aー1「富士山」…杉山 友美 ○社会見学Aー2「大井川鐵道」…寺田 絹枝 ○第7分科会「盲ろう者芸能コンテスト」…今川 裕子 ○第8分科会「簡単!スマートフォン・タブレットPCを使いこなそう!」…高橋 信行 ○第9分科会 「欧米レポート&かたりま専科」…小林 功治 ○社会見学Bー2「地震防災センター」…後藤 岩男 それぞれの分科会で参加者が楽しまれ、充実した内容で行われたことが報告されました。 2.閉会式 はじめに閉会宣言を行いました。次に、実行委員長・主催者・共催者から、大会にあたり多くの方々のご支援・ご協力を賜わったこと、また、静岡県内並びに多くのボランティアの皆様のご協力により、大規模な大会が成功したことへの感謝の言葉がありました。 続いて、来年度の担当ブロックへの引継式を行いました。来年度担当の九州・沖縄ブロックと、今年度担当の東海・北陸ブロックの皆さんが舞台に上がり、それぞれの銘菓の交換とともに引継ぎ式を行いました。 最後に、閉会の言葉で締めくくりました。 それぞれの担当者への連絡漏れがないように何度も確認を取らなければならないことは大変でしたし、打ち合わせを万全に行ったつもりが、そういかなかったりと大変なこともありました。しかし、「今年の大会は有意義だった、たくさんの収獲があった」と喜びの声があり、準備の大変さも吹き飛んだように思います。 (文責:九曜 弘次郎・木村 順子) ----- 4.アンケート集計結果 配布:930名(盲ろう者…263名、通訳・介助員…667名) 回答:155名(うち、盲ろう者29名) 1.あなたについてお聞きします 1−1あなたの性別について ○男性:31名(うち、盲ろう者17名) ○女性:124名(うち、盲ろう者12名) 1−2どのような立場での参加か ○盲ろう者:29名 ○通訳・介助員:120名 ○その他:   ボランティア:2名   施設職員:1名   販売:1名   記載なし:2名 2.大会参加の回数について ○初参加:34名 ○2回目:30名 ○3回以上:91名 (内訳)  3回目:20名  4回目:14名  5回目:7名  6回目:10名  7回目:4名  8回目:3名  9回目:3名  10回目:10名  11回目:2名  12回目:1名  13回目:4名  16回目:1名  18回目:2名  19回目:2名  20回目:1名  24回目:1名  記載なし:6名 3.この大会を何で知ったか(複数回答あり) あ.全国盲ろう者協会から送られた案内状を読んだ…92名 い.友の会の会報を読んだ…35名 う.通訳・介助員から聞いた…13名 え.盲ろう者から聞いた…35名 お.その他…7名 (その他の内訳) ○昨年の大会に参加して知った…2名 ○事務局からの情報網…2名 ○全国盲ろう者団体連絡協議会役員用ML…1名 ○施設職員として…1名 ○妻が盲ろう者友の会の会員のため…1名 4.本大会に参加した動機およびきっかけについて 4−1参加した動機(きっかけ)について(複数回答あり) あ.友達が参加するから…21名 い.以前から参加したいと思っていたから…66名 う.盲ろう者に依頼されたから…47名 え.その他…36名 (その他の内訳) ○全国の盲ろう者、通訳・介助員と交流・再会できるため…5名 ○毎年参加してよかったと思ったため…3名 ○開催地が近いため…3名 ○静岡が地元であるため…2名 ○通訳・介助について学習中のため…2名 ○盲ろう者と共に楽しむため…2名 ○情報交換のため…1名 ○通訳・介助員が少なかったため…1名 ○分科会の中に知りたい内容が書いてあったため…1名 ○周りの話を聞いて自分も経験したかったため…1名 ○今後の参考のため…1名 ○初心を忘れないため…1名 ○友の会の呼びかけ…1名 ○友の会会員としての責務だと感じているため…1名 ○友人が静岡にいるため…1名 ○妻と一緒に行くため…1名 4−2参加した目的について あ.たくさんの友達を作るため…39名 い.情報収集のため…78名 う.コミュニケーション技術向上のため…62名 え.その他…42名 (その他の内訳) ○全国の盲ろう者、通訳・介助員と交流するため…2名 ○通訳・介助のため…2名 ○盲ろう者大会に参加してみたかった…1名 ○他の人の通訳・介助を見たかった…1名 ○学習のため…1名 ○初心を忘れないため…1名 ○コミュニケーション…1名 ○大井川鐡道…1名 ○盲ろう講師の話を聞くため…1名 5.大会の運営について 開催案内・連絡進行・会場の設備やサービス(複数回答あり) ○よい:62名 ○普通:53名 ○改善を求む:27名 ○無回答:14名 <本部について> ○受付に手話ができる人がいなかった。(2件) ○本部受付を1人でしているようだが、無理がある。 ○車いすの貸し出しがあって助かった。 ○受付と分科会の部屋が遠かった。 ○大会の本部受付とお弁当配布の目印がなく、人混みで分からなかった。 ○救護室が設けてあり、助かった。 ○具合が悪い方が休める部屋があればよかった。あったのなら案内不足だった。 <配布資料について> ○事前の資料添付などで確認することができたので助かった。早めの送付はよかった。 ○郵便資料の丁寧さ、わかりやすさ。 ○当日配布資料は荷物になるためなくしてほしい。 ○当日は名札のみの配布にしてほしい。 ○プログラムには開会式の第1部、第2部の内容が記載されていなかったので入れてほしい。 ○建物図にトイレの場所が書かれていなかった。次回は記入してほしい。(2件) ○最終報が遅く、盲ろう者が不安そうにしていた。 ○通訳者が1日遅れて参加する連絡が私まで伝わってこなかった。直前の連絡だったが、協会も確実に伝えるようにしてほしい。 <名札について> ○名札に障害種別が分かるようにしてほしい。(3件) ○名札の紐が長く、裏を向いたり、名前が見えないので困った。もう少し短くしてほしい。 <盲ろう者との待ち合わせについて> ○待ち合わせは本部受付前となっていたが、盲ろうの方が分科会会場に行ってしまうことがあり、会えない時がある。 ○17時に分科会が終了し、待ち合わせの17時に間に合わなかった。 ○他県の通訳・介助員との待ち合わせ時間が早過ぎる。 ○「本部受付前」と表す貼り紙が1枚あればよい。 ○自分の名前を書く大きい紙の用意があるとよかった。 ○当日初めてお会いする方と会えるよう、待ち合わせ場所を作ってほしい。 <会場について> ○広さや交通の便など、とてもよい。 ○駅から近い場所で開催してほしい。 ○今回のように駅からバスやタクシーで金銭的負担が少ない所がよい。 ○会場が広すぎたが、設備はよかった。 ○会場の広さは申し分ない。 ○冷房が強かった。 ○冷房が弱すぎて暑かった。 ○会場も体育館のような場所でがっかりした。 ○照明が暗かった(南館A区画)。 ○受付、ふうわカフェ&静岡茶、友の会コーナー、作品展示・販売コーナー、機器展示コーナーなど、ひとつの会場に集まっていてよかった(3件) <トイレついて> ○数が少ない。(4件) ○障害者用が1つしかなかったので大変困った。(2件) ○開会式後、トイレの案内がなかった、もしくは聞こえなかった。 ○初日、トイレの場所がわかりにくかった。(3件) ○トイレと会場が離れているため移動するのが不便だった。 ○狭く、盲ろう者を誘導するのには使いにくい。 ○洋式が多い方がひざや関節の痛い人には望ましい。 ○別イベント来場者が長い列を作っていた。その列をトイレに行くため横断した。渡る人のためにスペースがあればよかった。 ○女性の通訳・介助員が男性の盲ろう者とトイレに行く時、男性のボランティアの誘導があるのでありがたい。(3件) <歓迎パーティーについて> ○会場が広く、交流しやすかった。 ○会場が広く、すぐ迷子になった。 ○テーブルを「ロ」の字に配置にするなど、話しやすい環境にしてほしい。 ○人数が多く、会いたい人がどこにいるか分かりづらい。 ○各県の表示を立てるなど対策を立てれば、人を探しやすいのではないか。 ○マイクの音量が少し大きかった。 ○飲み物が少ない。 ○各テーブルにつまようじ、ナフキンなどの準備をしてほしかった。 <お水について> ○係りに水を頼んだが、薬を飲む方にしか用意していないと断られた。 ○水はサービスしてほしい。(3件) ○テーブル上の飲み物がなくなった時、注文すると有料になる旨のアナウンスがなかった。事前配布資料を読んでいない人もいるので、知らない人も多かった。 ○薬を飲むための水の準備がなく、持ってきてもらうのに時間がかかった。 <食事の内容について> ○フルコースと違い、食べやすく、待ち時間がなかったのでよかった。 ○コース料理なのかと思っていた。仕出し弁当のような形式なら、その旨記載してほしい。 ○お弁当ではなく、レストランのようなものがよい。(2件) ○お弁当でがっかりした。温かい食べ物を食べたかった。(5件) ○美味しくなかった。(5件) ○お弁当でとてもよかった、美味しかった。(3件) ○カビ臭いような味がした。 ○油っぽかった。 ○お弁当はいつもと同じなのであきてしまう。 ○安っぽいのに値段が高すぎる。 ○細かく仕切られていたため、盲ろう者の方は大変食べにくかった。 <分科会について> ○1コマの時間が短く、質問の時間が取れない。 ○分科会の休憩時間は、もう少し余裕があった方がよかった。 ○盲ろう者も通訳・介助員も疲れるので途中にストレッチなどを行ったほうがよい。 ○スタッフが堂々と手話通訳者が立つ前を通っていた。 ○マイクの音をもう少し高くしてほしい。 ○閉会式は13時からにしてほしかった。 ○会場全般にわたってよい。 ○会場照明など調整は早めに終わってほしい。 ○全体会は天井が高く、光源が遠いため、盲ろう者には暗くてみえづらかった。 ○きちんと通訳体制に配慮していて、議事などもスムーズに行っていた。 ○終わりの時間を早くしてほしい。 <機器の設置・会場設備などについて> ○全体手話通訳をみる盲ろう者がいたが、要約筆記のスクリーン置き場が正面だったので逆の位置にすればよい。1人で手話通訳を見る席を作り、また筆記画面を見る位置に席を作ればよい。 ○開会式ではループ席は左側、要約筆記の画面は右側に設置されており、難聴の通訳・介助員は大変不便だった。ループと要約筆記の画面はセットのはずなので、近くにしてほしい。 ○全体手話通訳が映し出されるスクリーンが小さかった。 ○ステージ後ろのトイレに行く時、床のコード類がテープで押さえられておらず、つまずいた盲ろう者が何人かいた。 ○「手話」の紙がイスに貼ってあったが、通訳・介助員の席か ろう者の席かわかりづらかった。 ○第2分科会でのループの設置場所が適切でない。テーブル側に設置してもらった方がよかった。 ○パソコン要約筆記の席が確保されており、テーブル上に「パソコン」と紙が置かれていてわかりやすかった。 ○ケーブルが席の側まで張られており、養生テープも貼ってあり、安全確保がされていた。 <手話通訳について> ○分科会で、全体手話通訳者の通訳が遅い部分があり、パソコン要約筆記をみても追い付いていないので、盲ろう者に伝えるのが遅れた。 ○全体手話通訳者は発言者の声が聞こえづらい場合があるので、イヤホンを使えばよいのではないか。 ○つい立ての色が白く、手話がみえにくかった。(3件) ○手話通訳が細かいところまで配置されていない。 <機器展示・作品展示・ふうわカフェなどについて> ○個々の話し合いが長くかかるため、順番待ちの椅子等の準備があればよかった。 ○機器展示コーナーで、手話通訳者を探したが見当たらなかった。 ○ふうわカフェのブースは熱いコーヒーを盲ろう者が持って歩くため、混雑する場所にブースを設けるのは控えた方がよい。(2件) ○作品展示コーナーなど、担当友の会の控室があればよかった。 ○担当の友の会で報告などを話し合える時間がほしかった。 <社会見学について> ○バススタッフのきめ細かい対応(バスの運転手も含めて) <社会見学A−1「富士山世界遺産巡りコース」について> ○バスの中での手話通訳の改善を望む。 <社会見学A−2「大井川鐡道SLと焼津さかなセンターコース」について> ○バスの冷房が効かず、非常に暑かった。(4件) ○バスの冷房について、設備不良であるにもかかわらずバスの運転手に「仕方がない」と言われた。 ○高齢の盲ろう者が熱中症にならないか心配だった。時々声掛けして水分を取ってもらうようにした。(2件) ○停車中、扇風機が作動せず、15分間扇風機や風がない中で待たされた。 ○車内で昼食を取るというのは盲ろう者のことを考えていない。(2件) ○降車時、SLとホームが離れており、段差があって危ない怖い思いを盲ろう者にさせてしまった。 <交通の便宜について> ○会場の広さ、バス会社の協力体制などよかった。 ○交通の便の良いところで助かった。ホテルも取りやすかった。 ○静岡駅前のバス乗り場の案内がほしかった。 ○バスの案内や乗車に配慮が行き届いており、感心した。 ○バスの臨時便が何本も出ていたのでよかった。 ○会場までの行き帰りの臨時バスが出ることを前もって伝えてほしい。 ○貸切バスの方がよい。 ○臨時のバスも出ていたようだが、長時間バスを待った。駅から歩けたら大変助かる。 ○ピストン輸送してくれるバスがあるとよい。 ○会場が駅から離れていたため、移動に苦労した。 <タクシーについて> ○歓迎パーティーの後、タクシー、バスを長時間待って大変だった。(5件) ○タクシーを待っている方が大勢いたので、結局ホテルまで歩いて帰った。 ○タクシーを待っている時、つまずいている盲ろう者をみた。一斉に人が動く時間帯には交通にも配慮が必要ではないか。 ○タクシー乗り場に行っても全くタクシーがいなかった。 (2件) ○タクシー協会に事前に連絡すればタクシーを終了時間に合わせて待機させることもできると言われたので、今後検討してほしい。 <通訳・介助員について> ○通訳・介助員2人のはずだが、途中ペアの通訳・介助員が参加者に会いに行き、1人になったので時間が長く感じた。 ○ろうベースの盲ろう者の発言をうまく読み取れていない方が多い。 ○パソコン要約筆記は、ろう者・弱視ろうには正確に伝わってないことがまだまだあると感じた。 <ボランティアについて> ○ボランティアが大勢参加しており、感心した。見習うところが多々あった。(3件) ○静岡盲ろう者友の会のパワーを感じた。 ○暑い中、駅での案内の方が多く、バスに乗る時にも困らずに済み感謝している。(2件) ○ボランティアが笑顔でよかった。 ○分科会でボランティアがなぜ前に並んで座るのか疑問だった。そのため手話がみえなかった。 <その他> ○参加費を払わないで入る人が何人かいた。見学のみで自由に出入りしていたようだった。実行委員はチェックしていなかったのか。 ○機器展示や作品展示の出入りに参加費がかかることを知らず、見学をしていたら、ある人からきつく言われて不快感を受けたと言われた。 ○見学でも参加費を払うという注意・説明を聞いていなかったし、何も知らないで見に行ったとショックを受け、これから大会に行きたくないと言われた。 ○車いすを邪魔扱いされた。 ○会場外で、ある宗教のろう者がその宗教のDVDを配っていた。 6.大会の企画内容について プログラムについて(複数回答あり) ○よい:74名 ○普通:54名 ○改善を求む:14名 ○無回答:15名 <開会式について> ○盲ろう者体験文コンクールの表彰で受賞者のあいさつがあればよかった。 <歓迎パーティーについて> ○ゲームがなかったのでまた入れて欲しい。 ○会いたい人を探すコーナーがあることを事前に知らせてほしかった。不参加だったため、残念だった。 ○会いたい人への呼びかけが大変楽しかった。これをきっかけに参加者、通訳・介助員が動きまわり、交流の輪が広がってよかった。 ○盲ろう者が特定の参加者に呼びかけは確実に会うことができるので、よい方法だと感じた。(2件) ○舞台で何かすると交流する時間がなくなってしまう。 ○空いているテーブルを探すのが大変だった。 ○どこのテーブルに誰がいるか分からないので会いたい人を探すのが大変だった。 ○会いたい人の名前をホワイトボードに書いてもらうなど工夫してほしい。 ○食事の後ゆっくり時間があり、たくさんの人と交流することができて嬉しかった。 ○交流がたくさんできてよかった。 ○食事をしながらの交流がよい。 <分科会について> ○いつも内容が盛りだくさんで時間が足りない。(2件) ○開催地ならではの企画もあり、よかった。(4件) ○分科会・社会見学の希望が重なる。(3件) ○分科会の内容がつまらない。他にもっと為になるような内容を考えてほしい。 ○高齢で社会見学に行きにくい盲ろう者でも楽しめる企画があればよい。 ○プログラム間に充分な余裕があり、盲ろう者が人を探したり、交流できていた。 ○タイムスケジュールが盲ろう者の移動などを考えていて忙しくなく、ゆったりとれていると感じた。 ○多種のプログラムがあり、特にツアーが多く、よかった。 ○人気のある分科会もあったが、少ない分科会も目立った。 ○分科会の時、質疑応答の時間をもう少し長くした方がよいのではないか。 ○時間が足りず、質問ができない方がたくさんいた。 ○もう少し具体的な打ち合わせがあるとよかった。 ○大会に集まっているのは、盲ろう者、支援者、また一部のボランティアであり、意思疎通支援事業の主体である行政職の人がいない。 ○啓発を目的として行政職の方に向けて実行委員会への参加、大会への協力を促してはどうか。盲ろう者の掘り起こしにもつながるのではないか。 ○通訳・介助員が不足していることはわかっていたが、交代の通訳・介助員がいなく、私の自由時間がなくなり、見て歩くことができなかったのが残念。 ○交代時間のゆとりが全くなかった。 <第1・第4分科会「全国の盲ろう者の生の声を聞く」> ○司会の進行はユーモアと穏やかさがありよかった。 ○真剣な意見が聞かれ、改めて考えさせられた。 ○テーマがあったのでまとまりのある内容だった。 ○代表者会議のような感じがした。 ○意見を言うのは同じ方が多かった。 ○司会者からランダムに当てていけば手を挙げない方でも何か発言したのではないか。 ○テーマが決まっており、「盲ろう者の生の声」には十分でなかった。 ○差別と思われるような件についても発表があり、学ばせてもらった。 ○ある盲ろう者が言っていた「通訳・介助員の質」が問われるということを真摯に受け止めて、努力・工夫を重ねて行きたい。 ○様々な条件の充実、改善がなされることを切に望む。 ○いろいろ考えさせられた。自分の地域の友の会の愚かさを痛感した。 ○私の地域は盲ろう者の数も少なく、消極的な方が多いのでこのような大会に参加し、盲ろう者本人が勉強してほしい。 ○盲ろう者、通訳・介助員にとって制度について学ぶ機会があることはよい。 ○厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長の道躰氏が直接会場にお見えになり、国としての回答や説明があったこと、直接盲ろう者の意見を聞いてくださったことに感心した。全国の盲ろう者の声を直接届けられたという点で大きな意味があった。 ○企画内容が素晴らしかった。(3件) ○福島氏や道躰氏との質疑応答が勉強になった。(5件) ○盲ろう児の今後についても話があればよかった。 <第2分科会「静岡茶の魅力」> ○試飲したお茶が甘く香りのよい美味しいお茶だった。(2件) ○静岡に住んでいても知らないことが沢山あり、勉強になった。 ○お茶の手もみ、利き茶、クイズと盲ろう者も楽しめた。 ○保存会の人達が丁寧にお茶の手もみ体験の説明、指導をしてくれた。 ○香り、味、触覚などをゆっくりと楽しめた。 <第3分科会「三重って◯◯が有名?&お国自慢聞かせて〜」> ○自分の地域の自慢できるものを持っていてすごいなと感じた。 <第5分科会「盲ろう者の知恵袋 日常生活を便利にするための工夫」> ○お金の区別の仕方を1時間話していた。私の担当の盲ろう者はすでに知っていることなので、退屈していた。(2件) ○内容の詳細を教えてほしかった。できれば今後「盲ろう者の知恵袋…内容:財布の使い方」など明記してほしい。 ○次々と発言していた内容はほぼ同じものだった。 ○発表していたものとは別の工夫の仕方について発言したところ、その内容は無視された。コメントがなかったため、落胆した。 ○新しい様々な工夫を求めることが目的なのか、盲ろう者に発言の機会を与えるのが目的なのか分からず疑問であった。 <第7分科会「盲ろう者芸能コンテスト 披露したい、私のこの芸を!」> ○とってもよいプログラムだった。(11件) ○もっと時間を取って多くの参加者を希望する。 ○映像場面(特にオカリナ演奏など)があれば聴覚障害の通訳・介助員も楽しめたのではないか。 ○抽選にもれた盲ろう者が非常に残念がっていた。選外通告がわかるまでは練習していたので、目標を失ったようだった。分科会当日、残った時間があるから「少しでも出場できたのではないのか」と言われた。 ○参加希望者全員が出演できるよう、工夫してほしい。 ○申込が多ければ、午前中だけでなく午後も続けられるようにしてほしい。 ○言葉で伝える限界を感じた。 ○盲ろう者たちがアピールできる場があると、盲ろう者も通訳・介助員も目的があり頑張れる。 ○見てみたかったが、他分科会で通訳・介助だったので行けず、残念。 ○来年も企画してほしい。 ○応援する仲間も出演者も緊張していて、発表が終わった後、晴れやかな笑顔がありよかった。 ○盲ろう者の方の明るさ、前向きな生き方に感動した。 ○芸能だけでなく、かくし芸や特技などいろいろ発表できたらよい。 <第8分科会「簡単!スマートフォン・タブレットPCを使いこなそう!」> ○基本からの指導がよかった。 ○講師のお話は「始まり」がわかりにくく、通訳に戸惑った。 ○担当した盲ろう者は、iPadが使えるかもしれないと希望を感じていた。帰路も何度も分科会の講義についての話題を話していた。 ○画面の「枠」がすぐに分かるように伝えられたらよかった。画面のフィルム等で工夫はできないのか。 ○自分のiPadを持参したため、アプリを使っての交流がインストールされていなくてできなかった。 <第9分科会「欧米レポート&かたりま専科」> ○プログラムの内容に魅力があり参加したが、実際は全く異なり失望した。盲ろう者の生活(スウェーデン、アメリカ)を全く話してもらえない内容だった。 ○会場の発言が講師にうまく伝わっていなかった。 <機器展示・作品展示・ふうわカフェなどについて> ○盲ろう者にとってお土産を街中で探す・求めるのは大変なので、会場でのお土産販売は非常にありがたいものだった。 ○飲み物があり、座って休める場所があるのはとてもよかった。 <社会見学について> ○企画の中で単独で現地に行く社会見学コースもあるが、同じコースを選んだ方と交流ができるよう配慮があるとよい。それぞれのコースに誰がどこへ参加するのか事前にわかれば声掛けもできる。 ○よかった。(2件) ○社会見学Bは自由行動だったため、何時に帰ってくるのか、集まって皆で行くのかはっきりした報告がないので正直迷った。汽車の時間なども載せてほしい。 <社会見学A−1「富士山世界遺産巡りコース」について> ○初めて富士山に行った。登山者が多い日程であっても企画・実施してもらいよかった。美味しいお弁当だった。 ○担当の方が本当に手際よく、しっかりしていて1日の流れがよかった。感動した。(3件) ○スタッフの熱い情熱を感じてバスの中で感激のあまり涙した。もらい泣きも続出した。心のこもったおもてなしと、静岡の人達の優しい気持ちに触れることができて本当によかった。ありがとうの一言では言い尽くせないほど感謝している。 ○盲ろう者同士の交流がしづらかったが仕方がない。 ○仕方がないことかもしれないが、富士山5合目からの景色が見られなかったのはとても残念だった。 ○事前の準備などご苦労がうかがえた。結集した力の強さを感じた。 ○時間的余裕があり、散策、買い物を楽しんでいる様子が散見された。 <社会見学A−2「大井川鐡道SLと焼津さかなセンターコース」> ○大変よい企画内容だった。盲ろう者も体で感じてもらえていたようだった。 ○バスの担当者目印(ジャンパー、帽子等)があると分かりやすいのではないか。 ○バスを降りる時、毎回降車出口にいるスタッフが盲ろう者に手を貸してくださったが、必要ない。 <社会見学B−2「静岡県地震防災センター見学コース」> ○通訳・介助員の中にはろう者もいたので、手話で表現してほしかった。 <お弁当について> ○会場で出た昼食のお弁当が、油物が多すぎて午後の通訳・介助の時気持ち悪くなった。中身を考慮してもらいたい。 7.その他要望等 <要望> ○大会開催前に早く到着した人のために休憩所、昼食を食べる場所を確保してほしい。 ○昼食のスペースがあるとよい。会場の準備が始まると落ちついて食事ができなかった。 ○交流の時間をもっと取り入れた方法を考えてほしい。 ○盲ろう者同士おしゃべりできる場所がない。交流の場がなかった。 ○盲ろう者だけでなく、通訳・介助員の思うことなどを情報交換できる場がほしい。 ○盲ろう者抜きではなく、盲ろう者とも交流できる談話室を作ってほしい。 ○自由交流の時間を多くしてほしい。食事の後も交流の時間を長くしてほしい。 ○相談・悩みを話し合えるコーナーを設置してほしい。 ○白杖がほしいので探していたが、なかったので残念。 ○通訳・介助謝金が少ないのでもう少し謝金単価を上げてほしい。 ○通訳・介助員は自由に交流ができない。盲ろう者1人に3人の通訳・介助員がいれば通訳・介助員も自由な時間帯を持てる。常時2人が盲ろう者の通訳・介助を行い、交代して自由な時間を交流に回せればよいのではないか。 ○男性の盲ろう者がより安心・安全に泊まるためにホテルに同泊する男性の通訳・介助員の申し込みがあるとよい。 ○Tシャツの再販があると嬉しい。 ○参加申し込みをしていない一般の方から「盲ろう者が作成した作品をぜひ買いたかった」「販売コーナーだけでも入りたかった」という話を聞いた。販売コーナーだけでも自由に出入りができると気楽に参加できる人も増えるのではないか。 <開催時期について> ○炎天下の移動は過酷である。 ○開催時期を8月末に戻してほしい。非常に暑い。 ○毎年開催するのは大変なので2年に1回にしてはどうか。 ○涼しい時期に開催してほしい。(4件) <開催地について> ○2年後、高知県でぜひ開催してほしい。 ○沖縄の水族館に行ってみたい。首里城をみたい。 ○避暑地として過ごしやすい場所。現地の観光名所を満喫、楽しめる場所。 ○開催地の場所付近は歩きやすいのがよい。 <プログラムについて> ○盲ろう者が体験できる企画。 ○体を使って健康になれるような企画。 ○盲ろう者がどんな事に困っているのか聞き、その解決策を話し合う分科会。 ○結婚など恋愛に関する分科会。(2件) ○メールで交流ができるようなお見合い企画。(2件) ○記念講演会。(2件) ○世界の盲ろう者の情報を知りたい。 ○最低限の自立生活への工夫の拡大化(自宅近くの道路情報、白杖による歩行など)について。 ○防災の学習。 ○盲ろう者にもできる日頃のストレッチ。 ○盲ろう者の中高年のためのヘルス・レクリエーション。 ○コミュニケーション交流体験。 ○眼科におけるアッシャー、中途の病気などの医学について。 ○「通訳・介助員の生の声を聞く」も取り入れてほしい。盲ろう者と通訳・介助員のどちらの声も同時に聞きたい。 ○腕相撲をまたやって欲しい。足相撲も面白い。 ○紙コップを使い、水の計量の正確さを競うゲーム。 ○同じコミュニケーション方法の人が集まり、支援の悩みや不満について話し合う交流会。 ○全国大会を皆で作っていくために、参加できない盲ろう者も何らかの形で参加できるプログラム。 <その他> ○全国各地から大勢の方が参加し、盛り上がっている様子をみることができよかった。(3件) ○来年以降も続けて参加したい。(4件) ○全国から集まることはこういうことかと感心した。 ○通訳・介助を担当した盲ろう者の方がいろんな方と交流して感動した。 ○盲ろう者と話がはずみ、楽しい時間を過ごすことができた。 ○特に不便を感じることなく、初日から最後まで安心して参加できた。 ○益々大会が大きくなり、社会に対しても認知度が向上することを願っている。 ○盲ろう者の方々が楽しんでいたのならよい。 ○興味のある機器がたくさんあった。技術の進歩に驚く。 ○各県の方にいろいろ交流ができた。(2件) ○これからも盲ろう者の活動を頑張っていきたい。 ○来年度福岡県で行われる全国大会に向けて、色々と参考になった。(2件) ○千人規模の大会が成功裏に実施できたことは素晴らしいこと。 ○今回の全国大会の開催は、地方静岡の方々の頑張りに支えてこられてのことと思う。感謝している。 ○再会もあり、新しい出会いあり、通訳・介助員にとっても楽しみなものである。 ○探していた人にも無事に会うことができたし、連絡先も交換することができた。情報交換と同時に会いたい人に会える場でもある。 ○盲ろう者の生活について様々な工夫や方法の勉強ができてよかった。 ○全国から集まる場が用意されるということに意義がある。 ○盲ろう者がとても楽しそうで、その様子をみているだけで今年も参加できてよかった。 ○けがもなく無事に終えることができてよかった。 ○全国大会の素晴らしさを感じた。 ○年に一度、参加できることを幸せに思う。 ○盲ろうの方にとっては大会が生きがいでもあり、唯一お世話になっている方々へ日頃のお礼を込めておみやげを購入できる機会にもなっている。 ○大会に参加して、養成講座では気づかなかったことがわかった。 ○元気と笑顔が大切なのだと感動した。とてもよい刺激をもらった。 ○いろんなことが勉強になった。(3件) ○会場近くの情報(レストランや喫茶店)がもっとあれば、気晴らしに出かける等の選択があってもよい。 ----- <付録>都道府県別参加者数内訳 都道府県 盲ろう者 盲ろう者以外 合計 北海道 4 8 12 青森県 0 2 2 岩手県 4 9 13 宮城県 3 4 7 秋田県 1 1 2 山形県 4 7 11 福島県 2 6 8 茨城県 1 5 6 栃木県 4 4 8 群馬県 5 12 17 埼玉県 13 32 45 千葉県 8 23 31 東京都 25 57 82 神奈川県 17 56 73 新潟県 4 6 10 富山県 1 7 8 石川県 4 14 18 福井県 9 11 20 山梨県 1 19 20 長野県 1 14 15 岐阜県 5 13 18 静岡県 25 125 150 愛知県 18 35 53 三重県 7 20 27 滋賀県 5 10 15 京都府 7 13 20 大阪府 21 29 50 兵庫県 12 26 38 奈良県 1 5 6 和歌山県 3 5 8 鳥取県 1 4 5 島根県 6 9 15 岡山県 6 12 18 広島県 7 11 18 山口県 5 13 18 徳島県 4 7 11 香川県 1 2 3 愛媛県 3 3 6 高知県 0 0 0 福岡県 7 11 18 佐賀県 0 0 0 長崎県 1 3 4 熊本県 0 0 0 大分県 2 4 6 宮崎県 1 1 2 鹿児島県 3 7 10 沖縄県 1 2 3 計 263 667 930 ----- 【奥付】 書名:平成27年度第24回全国盲ろう者大会報告書 発行:2016年1月4日 発行・編集:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会 〜 社会福祉法人全国盲ろう者協会 〒162-0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 TEL 03-5287-1140 FAX 03-5287-1141