平成25年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議報告書 主催 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 目次 1 概要 2 ブロック会議別の報告 2−1 北海道・東北ブロック会議 2−2 関東・甲信越ブロック会議 2−3 東海・北陸ブロック会議 2−4 近畿ブロック会議 2−5 中国・四国ブロック会議 2−6 九州・沖縄ブロック会議 3 総括 4 参考資料 4−1 共通議題資料A・B 4−2 アンケート結果 A 当日アンケート B 追跡アンケート 平成25年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議 1 概要 社会福祉法人全国盲ろう者協会(以下、協会)主催による、全国盲ろう者地域団体ブロック会議(以下、ブロック会議)は、全国を6ブロックに分け、ブロック内の盲ろう者友の会など地域団体のネットワーク化を図り、相互の連携を強化することで、各友の会が抱えるさまざまな問題について、情報共有・意見交換を行うことを目的として開催した。 本会議は、各ブロックの代表者6名と全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、連絡協議会)代表1名の、いずれも盲ろう当事者からなる7名の企画委員により企画運営がなされた。 そして、各ブロックでは、ブロック代表者が軸となり通訳・介助員や所属する地元の盲ろう者地域団体の事務局のサポートを得ながら、ブロック内の各盲ろう者地域団体との連絡調整やブロック会議開催に向けた実務的な準備が自主的に進められた。 今年度は、「社会的孤立」と「災害対策」をキーワードとして、第1回企画委員会で共通議題を決定し、各ブロック会議に連絡協議会から講師を派遣し、議論をすすめた。 共通議題は、「孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには」と「当事者性を発揮するためには」の2つであった。 また、各ブロックの代表者は、ブロック内で抱えている問題について、あらかじめ意見集約をし、話し合う議題を自主的に設定した。ブロック会議に参加する各友の会の代表者は、団体内で各議題について意見をとりまとめた上で当日の会議に参加し、ブロック代表者の議事進行のもと、地域特有の課題について議論を進めた。 盲ろう者が集まる会議には通訳・介助員による支援だけでなく、手話通訳・要約筆記(パソコン通訳)・情報機器(磁気誘導ループ)など、様々な手段の情報保障が必要となることから、地元の関係団体と連絡調整をすすめながら会議の情報保障の準備にあたった。 更に、盲ろう者が会議中に通訳を受けながら、自分でメモをとることが困難なことから、記録者を置いた。 これらの取り組みにより、ブロック内の友の会同士のネットワーク化を図り、地域同士の連携を強化することで、共通議題や各地の盲ろう者地域団体が抱える様々な問題について、情報を共有し、意見交換を活発に行うことができた。その結果、各友の会の組織的な活性化を図ることができた。 以下、実施状況を報告する。 (1)企画委員会開催(計2回) @設置目的 全国盲ろう者地域団体ブロック会議に必要な会議内容を検討するため、企画委員会を設置した。 A委員構成(計7名) 中島 晶利 北海道・東北ブロック(盲ろう者、岩手盲ろう者友の会会長) 川島 孝隆 関東・甲信越ブロック(盲ろう者、新潟盲ろう者友の会会長) 平川 英幸 東海・北陸ブロック(盲ろう者、三重盲ろう者きらりの会編集部長) 田中 康弘 近畿ブロック(盲ろう者、NPO法人大阪盲ろう者友の会理事長) 高橋 万里 中国・四国ブロック(盲ろう者、高知県盲ろう者友の会会長) 林 美喜子 九州・沖縄ブロック(盲ろう者、NPO法人鹿児島県盲ろう者友の会いぶき理事長) 高橋 信行 全国盲ろう者団体連絡協議会(盲ろう者、全国盲ろう者団体連絡協議会会長) B企画委員会実施状況 連絡協議会代表の高橋委員の司会進行のもと、次の通り実施した。 ○第1回企画委員会 開催時期:平成25年7月6日(土) 開催場所:戸山サンライズ 2階 特別会議室 委員出席人数:7名 議題: 1.ブロック会議の趣旨と進め方 2.各ブロックの会議の進捗状況 3.共通議題 ○第2回企画委員会 開催時期:平成26年2月15日(土) 開催場所:コンベンションルーム・AP東京八重洲通り11階「会議室O」 委員出席人数:5名 議題: 1.各ブロック会議の報告と反省 2.今後の取り組みについて (2)全国盲ろう者地域団体ブロック会議の開催 @目的 ブロック代表者が軸となり、ブロック内のネットワーク化を図り、地域同士の連携を強化することで、各盲ろう者地域団体が抱える様々な問題について、情報共有・意見交換を行うことを目的として実施した。 Aブロック会議の実施状況 ブロック会議は平成25年6月〜平成26年1月の間に全国6ブロックで全8回開催し、42団体の代表者が参加した。 各ブロック会議は、次の通り実施された。 (ア)北海道・東北ブロック 日程:平成25年10月19日(土)〜20日(日) 会場:KKRホテル仙台(宮城県仙台市) 参加数:5団体 議題: 1.共通議題 2.情報提供施設との関わりについて 3.通訳・介助員養成事業の標準カリキュラムについての取り組み状況 4.派遣事業について 5.平成26年度のブロック交流会について 6.連絡協議会への入会をどう考えるか 7.その他 (イ)関東・甲信越ブロック ○1回目 日程:平成25年7月8日(月) 会場:東京都盲ろう者支援センター(東京都台東区) 参加数:9団体 ○2回目 日程:平成25年10月12日(土)〜13日(日) 会場:新潟第一ホテル(新潟県新潟市) 参加数:9団体 議題: 1.共通議題 2.第22回全国盲ろう者大会(千葉)への協力について 3.友の会の企画・運営について(すべての盲ろう者が楽しめるよう、どのような企画を立てているか。また、どのような工夫をしているか) 4.盲ろう者団体独自の事務所について(盲ろう者団体独自の事務所確保のために必要なことは何か) 5.来年のブロック会議の担当県について (ウ)東海・北陸ブロック 日程:平成25年9月22日(日)〜23日(月・祝) 会場:ホテルグリーンパーク津(三重県津市) 参加数:6団体 議題: 1.共通議題 2.高齢盲ろう者の支援について 3.福井県に友の会を設立するには 4.2015年度全国盲ろう者大会について 5.ブロック組織のあり方について 6.来年度ブロック会議・ブロック交流会について 7.東海・北陸ブロック各友の会同士の連携について (エ)近畿ブロック ○1回目 日程:平成25年9月21日(土)〜22日(日) 会場:コロナホテル(大阪府大阪市) 参加数:7団体 ○2回目 日程:平成26年1月10日(金) 会場:ホテルパールシティ神戸(兵庫県神戸市) 参加数:7団体 議題: 1.共通議題 2.第23回全国盲ろう者大会の協力について 3.来年度の企画委員について 4.通訳・介助員派遣の近畿のモデル要綱について 5.第23回全国盲ろう者大会に向けて (オ)中国・四国ブロック 日程:平成25年9月14日(土)〜15日(日) 会場:ホテルサンルート瀬戸大橋(香川県綾歌郡) 参加数:参加者9団体 議題: 1.共通議題 2.通訳・介助員養成、派遣事業について 3.中国・四国盲ろう者大会について 4.来年度の中国・四国ブロック会議について (カ)九州・沖縄ブロック 日程:平成25年10月12日(土)〜13日(日) 会場:ホテルブルーウェーブイン鹿児島(鹿児島県鹿児島市) 参加数:6団体  議題: 1.共通議題 2.2016年に九州で全国盲ろう者大会を開催することについて 3.1日8時間の利用制限をなくすには 4.次年度の企画委員・会議開催担当県について 2 ブロック会議別の報告 2−1 北海道・東北ブロック会議 日程:平成25年10月19日(土)14〜18時 20日(日) 9〜12時 会場:KKRホテル仙台(宮城県仙台市) 参加団体名: 札幌盲ろう者福祉協会 岩手盲ろう者友の会 みやぎ盲ろう児・者友の会 山形県盲ろう者友の会 福島盲ろう者友の会 講師:連絡協議会会長  高橋 信行 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには a.盲ろう者の掘り起こしについて 各県、苦労している。色々な団体の集まりに参加するなど、繋がりを作り、盲ろう者の情報を口コミで得ているところが多い。また友の会に入るメリットがあることが大事。そのためにも友の会がきちんとした団体であることが大切という意見もあった。 他団体・機関からの情報提供で盲ろう者とつながるケースがある。訪問活動で盲ろう者と直接会う機会を作り、繋がりを継続させる。あいさつ回り、広報やチラシを使うなど友の会の周知に努めていく。 b.友の会を周知する為にどんな活動をしているか、効果はどうか。 各県ともチラシやパンフレットを作って配布している。直接的な効果が少なくても、続けていくことが大事。配布とあわせて、学校祭への参加やホームページの作成なども行い、施設などから問い合わせ・相談があったところもあった。 c.視覚、聴覚障害者団体と、普段の活動のなかで、どのような関わりがあるか。 各県とも視覚、聴覚関係団体などとの関わりを大事にし、各種大会、県レベルの会議や交流会への参加、また情報提供施設などで、繋がりを保っている。 d.友の会の活動や行事で効果的だったことは何か。 茶話会のような雰囲気づくりをおこない、点字や触手話の学習会を月2回ほど開催している。お茶菓子を用意しておしゃべりしながらやると、効果があるという発言があった。お互いに教えあって行っている。また料理教室、社会生活教室も行い、友の会の活動を生き生きと楽しく頑張っている。新しい盲ろうの仲間にも自身のことを発表してもらうなどすると、お互いに良くわかり合えるという発表もあった。大阪では一般の方にも呼びかけたイベントを行って、いいことだという意見も。 e.盲ろう者の命を守るための活動について 防災教室や防災センターで震度6や7の体験などの学習会を開催し、盲ろう者から積極的な質問が飛び出してきているという話は大変参考になった。 また、災害時要援護者登録、連絡網の整備や、個人情報記載のカードを作成すること、行政、社協、消防、警察、民生委員、近所の人などとの連携による見守りシステムの構築が必要などの意見が出た。 原発事故に関しても、いまだ次々と事故が出ており、すぐには終わらない。浜通り地域は無残な状況であることが発表された。専門家からチェルノブイリの話を聞くなどして、いろいろ勉強していきたいという福島県からの発言は、いまだに原発事故が収まらず、不安な中で暮らしている状況が窺えた。 連絡協議会の高橋会長から、災害時にどこにいるか分からないので、いろんな方々と繋がり連携をとれるように、個人としてもいろいろな連携をとれるようにすることが大事だとの指摘があった。 (2)当事者性を発揮するためには 盲ろう者が普通の人と肩を並べて生きていく力を付けることが一番大事。参加者から、「以前は自分自身発言もできなかったが、友の会の役員活動の中で自信もついて発言ができるようになった。一般の方々と同じになったという気持ちが出てきた」という経験を持つ人が殆どであった。 連絡協議会の高橋会長は、「盲ろう者ひとりが、いくら大声で、こうしてくれと主張しても、社会を変えることはできない。どうすればいいのか。全国の盲ろう者がまとまって、盲ろう者の意見として出せば社会は動くかもしれない。全国の盲ろう者の声をまとめるのは、盲ろう者の当事者組織。盲ろう者が生き生きと生活しているからこそ、盲ろう者のニーズが生まれてくる。この時、通訳・介助員の存在が大事だ」と述べた。 また「全国の盲ろう者の要望をまとめ、社会や行政などに訴えて、盲ろう者福祉を向上させていくのが連絡協議会の大切な役割である」と、わかりやすく話された。 更に「支援と代行」について「盲ろう者が依存的にならないこと」を通訳・介助員もきちんと理解し、支援していく必要があることを説明して頂いた。 議題2.情報提供施設との関わりについて 宮城県では来年、聴覚障害者情報提供施設が作られる予定で話し合いが進んでいるが、盲ろう関係事業委託との関わりに懸念を抱いたため、このテーマを選定した。情報提供施設があるところは、情報提供施設の運営団体から再委託の形で関わりをもっている。問題が無いところ、これから関わりを深めるところなど状況はさまざまであるが、何でもよく話し合い、信頼関係を築くことが重要だ。 また、盲ろう関係事業は友の会で運営することが大事であるとの意見も出た。 議題3.通訳・介助員養成事業の標準カリキュラムについての取り組み状況 a.県との交渉はどう進められているか、また講座の時間数、内容など、どのように考えているか。 各県の交渉時期は異なるが、基本的に来年度の予算として42時間分の要求を行っている。回答はまだない。 時間が増えていくと今の状況では不安があるので、受託者ともっと話し合いの場を設けたいと言うところもあった。 (現在の講座状況) ・岩手:(平成24年度)24時間→(平成25年度)30時間 ・宮城:6日間で24時間 ・山形、福島:6日間で30時間 b.養成講座の講師選考基準はあるか。 講師はモデル研修受講者、盲ろう者、コーディネーター、手話や点字、要約筆記については、盲ろう者や専門的な人が行っている。盲ろう者の体験発表では、発表の機会を増やすように心がけている。受講の有無を問わないところが多い。 c.養成講座などの盲ろう者講師が、事前打ち合わせや、役員会の時に通訳・介助員の派遣を利用できるか。その場合、時間数は役員の持ち時間から引かれるのか。 派遣については全県利用可。時間数については、下記の報告が寄せられた。 ・札幌:持ち時間から ・岩手:全体予算の範囲内(チケット制) ・宮城:持ち時間から ・山形:定められた時間内 ・福島:役員活動費分あり 議題4.派遣事業について 要綱により入院時に派遣利用できなかった札幌のケースについて、他県の要綱には含まれていないことを確認し、故人の意思を尊重し、今後も札幌市と交渉・運動していくこととした。 議題5.平成26年度のブロック交流会について 山形県盲ろう者友の会が平成26年10月5日に創立10周年を迎えることから、お祝いに集まったところで交流を兼ねる企画を要望。山形が持ち帰り、後日MLに返答。 議題6.連絡協議会への入会をどう考えるか (入会済の県) ・札幌:平成24年度から ・岩手:結成直後 ・山形:時期不明。メルマガなどの情報をもらっている。 盲ろう者の社会の立場をよくすることができる。 (未入会の県) ・宮城:盲ろう者として力をつけることが大事と考える。 ・福島:入りたいが、意見がまとまっていない。 議題7.その他 a.協会 橋間氏からのコメント 連絡協議会は運動体で、全国の盲ろう者の声を国などに届けることが中心的な活動。協会は支援団体。2日間、いろいろ問題があることの認識を新たにした。 盲ろう者向け通訳・介助員養成および派遣事業については、盲ろう者の事業を一番分かっている友の会が行うことが望ましいが、現状としては体力的な(人的・事務処理)課題がある。受託団体になるためには(NPO)法人格取得が必須であり、標準カリキュラムの時間数も焦らずに粘り強く交渉をしていかなくてはならない。ご相談をいただければ最大限協力する。意見・情報交換は重要。ブロック会議を続けていけるように協会としても務めていきたい。 b.平成26年度ブロック会議について 10月の第3土日にとの意見 <所感> 準備から最後まで、ご協力いただいた各県友の会、また協会にも感謝申し上げる。ブロック会議開催の準備の中で、各県友の会との繋がりが深まった。 全国共通テーマが、当初わかりにくく不安だったが、企画委員会などで、連絡協議会の高橋会長の説明を受け、少しずつ理解が深まって来たように思う。しかしながら、テーマをわかりやすく話し合える具体的なサブテーマが欲しかった。 ブロック会議進行は初めてで、皆様方には大変なご迷惑をおかけしたことと思うが、何とか無事に会議も進行できた。また、議題の件数は多かったが、充実した質疑応答になったと思う。 私自身、友の会や連絡協議会、協会のことも知ることができ、今後の会の運営にもこれらを参考に進めていきたい。次年度も、早めの議題や共通テーマをいただいて準備できればと思う。 個人の意見になるが、次回のブロック会議で話し合いたいと思っているテーマを次に記載する。 a.現在、盲ろう者は、身体障害者手帳で視覚障害者、聴覚障害者と分かれて記載されているものを、盲ろう者という単独の障害者区分にしてほしい。 b.障害者年金の額を1級は12万円以上、2級は10万円以上支給にしてほしい。地域間差別のない支給をしてほしい。 今回、参加者が増えたため、会場も少し狭く感じた。来年度は、広い会場でお願いしたい。会の終わりが、まとまりなく終了したことに関しては申し訳なく思う。どうか今後も皆様方のご協力をお願いしたい。 (文責…中島 晶利) 2−2 関東・甲信越ブロック会議 日程:1回目…平成25年7月8日(月)13〜16時 2回目…平成25年10月12日(土)14〜17時/13日(日)9〜12時 会場:1回目…東京都盲ろう者支援センター(東京都台東区) 2回目…新潟第一ホテル(新潟県新潟市) 参加団体名(1回目): 茨城盲ろう者友の会 NPO法人群馬盲ろう者つるの会 埼玉盲ろう者友の会 NPO法人千葉盲ろう者友の会 NPO法人東京盲ろう者友の会 神奈川盲ろう者ゆりの会 新潟盲ろう者友の会 ながの盲ろうりんごの会 連絡協議会 (2回目): 茨城盲ろう者友の会 NPO法人群馬盲ろう者つるの会 埼玉盲ろう者友の会 NPO法人千葉盲ろう者友の会 NPO法人東京盲ろう者友の会 神奈川盲ろう者ゆりの会 新潟盲ろう者友の会 山梨盲ろう友の会 ながの盲ろう者りんごの会 講師:連絡協議会会長 高橋 信行 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには ・ひとりぼっちの盲ろう者をなくすためには、盲ろう者の掘り起こしが一番大切である。 ・災害時の支援を受けるには、行政に働きかけて理解を得る。 ・盲ろう者自身が、近所や周囲にいる人たちと接する機会を増やし、盲ろう者がいること、災害時には支援をして頂きたいことを伝えていく。 ・盲ろう者自身が、災害について知識を深め、意識を高めていくことが重要である。 (2)当事者性を発揮するためには ・協会と連絡協議会は違う。それぞれの役割がある。 ・連絡協議会は、全国の盲ろう者の声を集約し、心をひとつにしていく。 ・当事者性とは、盲ろう者だけでやっていくことではない。両者(盲ろう者団体と支援団体)が必要である。 ・盲ろう者ができない部分は、通訳・介助員から手助け(支援)を受けながら頑張って行う。責任は盲ろう者が持つ。通訳・介助員が代わりに行って(代行)は、当事者性の発揮にはならない。 議題2.全国盲ろう者大会(千葉)の取り組みについて (1)大会の準備進行状況の報告 各団体より、開会式、歓迎パーティー、分科会、作品展示、機器展示、社会見学、保育、閉会式などの各担当者より進捗状況を報告し合った。 (2)歓迎パーティーの役割分担について 司会、乾杯の音頭などの役割分担について協議した。 (3)質疑応答 鍵の管理、各分科会のボランティアの配置人数、各分科会の受付での出欠確認の要否、ボランティアと分科会担当者が集合する時間、場所、参加者とボランティアとの区別、ボランティアを希望する友の会の確認などについて質疑応答がなされた。 議題3.友の会の企画・運営について (1)盲ろう者も一般の方も楽しめる企画 a.一緒に食事をしながら交流する b.さつま芋掘り、ブルーベリー狩りなど体験しながら交流する。 c.触覚で楽しむ企画 (2)運営についての問題点 a.資金不足 b.スタッフ不足 c.チケットの問題。交流中も派遣利用になるとチケットが足りなくなり日常生活が大変になる。 議題4.盲ろう者団体独自の事務所について 事務所を借りることは現実的に大変難しい。 (1)お金の問題がありどのように資金を集めていくか。 (2)人材をどのように集めていくのか。 (3)派遣事業を担うことができるかどうか。 議題5.来年のブロック会議の担当県について 関東・甲信越ブロック会議の担当県は、友の会の設立順に行っており、来年は千葉県が担当予定。 <今後の課題> 関東・甲信越ブロック大会を開くかどうか。来年の千葉ブロック会議の時に審議して頂きたい。 <次回のブロック会議に望むこと、改善点> (1)各友の会で、議題についてまとめた内容を発表し情報交換を行えば良かった。 (2)司会としての役割を把握しておく。 <所感> 山梨盲ろう友の会が初参加。9団体に参加頂き、活発な意見交換ができてとても良かった。これからも様々な議題を出しながら意見交換を行っていきたい。また、ブロック会議の継続をお願いしたい。 (文責…川島 孝隆) 2−3 東海・北陸ブロック会議 日程:平成25年9月22日(日)14〜17日 23日(月・祝)9〜12時 会場:ホテルグリーンパーク津(三重県津市) 参加団体名: 富山盲ろう者友の会 石川盲ろう者友の会 岐阜盲ろう者友の会 静岡盲ろう者友の会 愛知盲ろう者友の会 三重盲ろう者きらりの会 講師:連絡協議会役員 九曜 弘次郎 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには ・盲ろう者の所在を把握する必要がある。行政にも協力してもらう。 ・友の会や公的支援の情報を伝える。 ・行事で交流し、悩みや疑問を共に考える。他の障害団体との連携も大切である。 ・盲ろうであることを自分から周囲に伝える。避難訓練に参加して地域の人と生活する意識を持つ。災害が起きた時でも「盲ろう者」であることを伝える。自力で安全な場所に行けるようにルートを確認し訓練を受ける。そして、質の高い情報を得て自己決定をし、生き生きした生活をしていきたい。 (2)当事者性を発揮するためには ・当事者が当事者意識を持って活動する。 ・通訳・介助員は適切な情報を伝える。 ・当事者の立場を尊重し、本人の特性に合わせた支援をする。 ・リーダーの役割として、他の盲ろう者の手本になること。 ・盲ろう者としての自覚を持つ。 議題2.高齢盲ろう者の支援について ・盲ろう者の発掘が進んでいないので事例が無い。 ・行政に地道に要望を出すしかない。 ・高齢者が入れる施設を作る時に、盲ろう高齢者が入れるようにしてほしい。 ・施設から派遣依頼を受け、盲ろう者と散歩などをする時に、車いすの移動を通訳・介助員が出来ない事が課題。 議題3.福井県に友の会を設立するには ・東海・北陸ブロックの交流会を福井で開催し、福井県聴覚障害者協会の協力を得て福井の盲ろう者との交流を図り、友の会設立に向けて支援していく。 議題4.2015年度全国盲ろう者大会について ・静岡県に決定。今後、静岡盲ろう者友の会が県に報告。場所など協会と相談をしながら進めていく。静岡を中心に東海・北陸のみんなで力を合わせて良い大会にしていきたい。 議題5.ブロック組織のあり方について ・今回は時間が無かったため、意見交換および来年度の企画委員は、MLにて話し合って決定する。 議題6.来年度ブロック会議・ブロック交流会について ・ブロック会議は愛知県(担当 愛知盲ろう者友の会) ・ブロック交流会は福井県(担当 石川盲ろう者友の会) 議題7.東海・北陸ブロック友の会同士の連携について ・友の会同士の連携は、MLにて行っているが上手くいっていない。今まで以上に意見交換や連絡を取り合っていくことが大切である。 <所感> (1)良かった点 事前にMLで各県から報告を流して頂いたお陰で、内容を事前に理解し、当日に向けての準備や意見の発表もできた。また、三重盲ろう者きらりの会で十分な打ち合わせができたことも良かった。ブロック内で必要とされる課題が多く出た有意義な会議であった。 (2)反省点 各友の会から議題内容についての現状報告がかなり遅れ、当日まで報告がなかった友の会もあったので、全ての友の会が期限日を守ってMLに報告できたら良かった。 (3)今後の抱負 会議時間が足りないので、議題の数を少し減らしてゆったりと論議ができるようにしたい。 全国大会にむけて、ブロック内の連携を強くしていきたい。 (文責…平川 英幸) 2−4 近畿ブロック会議 日程:1回目…平成25年9月21日(土)13〜16時半 22日(日)9時半〜16時半 2回目…平成26年1月10日(金)9〜12時 会場:1回目…コロナホテル(大阪府大阪市) 2回目…ホテルパールシティ神戸(兵庫県神戸市) 参加団体名(1回目): NPO法人しが盲ろう者友の会 京都盲ろう者ほほえみの会 NPO法人大阪盲ろう者友の会 NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター「すまいる」 NPO法人兵庫盲ろう者友の会 奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」 NPO法人和歌山盲ろう者友の会 講師:連絡協議会副会長  門川 紳一郎 (2回目): NPO法人しが盲ろう者友の会 京都盲ろう者ほほえみの会 NPO法人大阪盲ろう者友の会 NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター「すまいる」 NPO法人兵庫盲ろう者友の会 奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」 全国盲ろう者団体連絡協議会 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには ・日ごろから、災害時に備えて、食料など必要なものを準備しておく。 ・近所の人に盲ろう者の存在を知らせ、地域の避難訓練にも積極的に参加する。 ・国からも、盲ろう者への理解を深めるための取り組みをするように、各地域で発信してほしい。 (2)当事者性を発揮するためには 盲ろう者が健常者と同じように生きていくには、質の高い情報を提供する通訳・介助員を含む支援者が必要。それによって盲ろう者は的確な判断ができる。 盲ろう者が人間として自立するには、自己選択、自己決定、自己責任が必要。それに、盲ろう者のことを理解してくれる仲間が必要。その仲間が集まるのが友の会である。人間として盲ろう者らしく活動していくための、これらを実現していく所として連絡協議会がある。 議題2.第23回全国盲ろう者大会の協力について (1)日程と会場について 8月1日〜4日までポートピアホテル並びに神戸市商工会議所で開催(状況により変更の場合あり) (2)大会実行委員長の選出 兵庫の今川氏が選出された。 (3)大会実行委員会ML開設について 開設に伴い、協会に登録したいアドレスを連絡する。 (4)大会プログラムと各友の会の役割分担 開会式、歓迎パーティー、閉会式、社会見学、保育、機器・作品展示コーナー、分科会などについて分担を決めた。 (5)今後のスケジュールについて 議題3.来年度の企画委員について しがが受け持つ任期(1年)については、その都度、各友の会で考える。(2年後、奈良が受け持つかどうかは、奈良に持ち帰って考えてもらう) 議題4.通訳・介助員派遣の近畿のモデル要綱について ・派遣対象者については、兵庫、京都、奈良では、視覚と聴覚に障害があれば等級に関係なく派遣している。 ・利用できる年齢は、兵庫では、制限なし。 ・謝金単価については、各地でばらつきがあるので今後交渉していく。 ・1日の派遣時間数について、大阪府では事前に通訳・介助員の了解を得ていれば8時間を超えて派遣できるが、他の県では、基本的には8時間が上限。 ・厚生労働省の手話通訳者、要約筆記者派遣のモデル要綱を元に、連絡協議会として通訳・介助員派遣のモデル要綱を作成し、考えて頂きたい。 議題5.第23回全国盲ろう者大会に向けて (1)大会プログラムについて プログラムについて確認し、全員の承認を得た。 (2)準備進行状況の報告 各担当者から大会準備の進捗状況について報告し合った。また、実行委員の仕事内容、会場レイアウト、今後のスケジュールなどについて確認した。 <所感> ・MLがまだ立ち上がっていなかったため、各県の団体への連絡を協会が行ってくれたことにより、必要な連絡事項をすぐに伝えることができて良かった。 ・前もって会議の資料をブロックの団体に送っていたので、スムーズに進行ができた。 ・今回は活発な意見がたくさん出て、有意義な話し合いができた。 (文責…田中 康弘) 2−5 中国・四国ブロック会議 日程:平成25年9月14日(土)14〜17時 15日(日) 9〜12時 会場:ホテルサンルート瀬戸大橋(香川県綾歌郡) 参加団体名: 鳥取盲ろう者友の会 しまね盲ろう者友の会 岡山盲ろう者友の会 広島盲ろう者友の会 山口盲ろう者友の会 徳島盲ろう者友の会 香川盲ろう者友の会 NPO法人えひめ盲ろう者友の会 高知県盲ろう者友の会 講師:連絡協議会会長 高橋 信行 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには a.盲ろう者の掘り起こしとその後のサポート 中国・四国各県において100人〜500人の盲ろう者がいると推定される。しかし、チケット利用者、友の会で活動している者は数十人と少なく、どの県も掘り起こしは進んでいない。 ○掘り起こしが進まない原因 ・家族が外に出したがらない。 ・本人が友の会に入りたがらない(地域の他のサークルに参加しているから、友の会には入らなくてよいなど) ・市町村の守秘義務 ○対策 ・特効薬はないが、各県の取り組みの情報交換ができたので、地域に持ち帰って参考にする。 b.災害時においても支援を受けるには 「証言3.11」(『ノーマライゼーション』2013年7月号) 早坂洋子氏(みやぎ盲ろう児・者友の会会長)をもとにして討議 c.各県の現状と取り組み ・消防署と盲ろう者で避難方法を話し合った。(例)鍋やドアなど、近くにあるもので音を出して助けを求める ・シーツを結んで縄を作り、上層階から避難する ・「盲ろう者」ということが分かるジャケットを考案中。 ・消防署への災害時登録カードを作っている。 ・民生委員や、近所の人と日ごろから交流し、いざという時には声をかけてもらえる関係づくりをしておく。 ・地域の避難訓練にも参加する。 d.今後の課題 ・全盲の盲ろう者でも携帯できる非常時の情報機器がない。機器の改良を連絡協議会に要望したい。 (2)当事者性を発揮するには a.議題の解説:高橋信行氏(連絡協議会会長) ・連絡協議会とは、盲ろう者の当事者組織である。 ・連絡協議会の役割は、盲ろう者が支援者と一緒になって盲ろう者のニーズを社会に訴え、住みよい社会を実現する活動をすることである。そのためには、どうしたらよいか。 b.討議 ・以前のように支援者に全て頼るのではなく、支援者には十分な情報をもらい、盲ろう者が自己決定し、自己責任を取っていけるようにすることが大事である。この方向に盲ろう者自身が今少しずつ変わりつつあると思う。 ・盲ろう者が行政にアプローチし、社会に積極的にアピールしていこう。(例)行政が作る啓発資料に盲ろう者について入れてもらい、学校や役所に配布する ・盲ろう者であることが一目で分かるような何かを作ってはどうか。(例)ヘルプの旗 ・盲ろう者同士で理解しあうことが重要である。 ・この討議を通して、連絡協議会について分かったことや、当事者性を発揮するための取り組み例を地域に持ち帰り、意識を高めていく。盲ろう者も積極的に動き「自分からぼたもちを取りに行く」意識を持って行政に交渉していく。 議題2.通訳・介助員養成、派遣事業について a.標準カリキュラムの進捗状況について情報交換 ・標準カリキュラムに沿って養成を進めるべくスタートしている県もある。 ・県の予算の関係で、まだ進んでいない県もある。 b.今後の取り組み ・県の予算決定時には、近隣の県の予算額が参考にされる。各県とも十分な予算を確保できるよう、各友の会で要望活動を活発化し、力を結集していこう。 c.全国の状況についての説明 山下氏(協会事務局長) ・全国ですぐに実施される状況ではない。平成27年までの3年間をめどに頑張って進めていきたい。 ・県や政令指定都市、中核市に要望する時には、盲ろう者の具体的ニーズを持って行くことが大切である。 議題3.中・四国盲ろう者大会について a.今年度大会準備状況報告(鳥取県) 鳥取県では初めての開催である。皆さんに楽しんでいただけるよう、スタッフ一同頑張っているので、是非大勢で参加してほしい。 ・県からの補助金、県職員からの寄付をいただいた。県庁での贈呈式は新聞に大きく掲載された。 ・県の障害福祉課の職員が実行委員に加わって協力してくれている。 ・開会式には知事の挨拶を予定している。 ・県の東部・中部・西部で準備を分担して進めてきた。 ・この大会は盲ろう者について多くの方に知っていただくよいチャンス・各方面に案内をしている。 b.来年度大会準備状況報告(愛媛県) 日時:平成26年11月15日(土)〜16日(日) 会場:今治市総合福祉センター 観光:しまなみ海道・タオル美術館 ・中国・四国ブロック各県の共催依頼→了承 c.平成24年度大会報告(山口県) (良かった点) ・開催地を観光地の萩市にしたことにより、中国・四国ブロック以外の県から多数の参加があった。 (反省点) ・宿泊施設は、分散になってもホテルがよい。全員収容できる旅館に決めたが、部屋の割り振りが大変だった。 d.今後の開催県の決定 ・平成28年度 島根県 ・平成29年度 徳島県 ・平成30年度 香川県 ・平成31年度 広島県 ・平成32年度 岡山県 議題4.来年度の中国・四国ブロック会議について 平成26年9月13日(土)・14日(日)・15日(月)のうち2日間。山口県で開催予定。 <所感> 今年度はブロック会議開始当時から中国・四国を上手にまとめてくださった、橋信行氏から引き継いで担当した。 初めての事で不手際が多くあったが、皆さんと活発に意見交換ができ、有意義な会だった。 昨年度から全国共通議題が示されるようになり、今年度は早い段階から示され、資料も提供された。議題の内容としては、難解な面もあったが、スムーズに進める事ができて良かった。参加者からは「友の会でじっくり話し合い当日に備えてきた」という声も聞かれた。『当事者性を発揮するには』の議題については、講師も参加してくださり、わかりやすく説明してくださって良い意見発表に繋がった。そして参加者のそれぞれの励みにもなったのではないだろうか。今後もこのような方法を協会にお願いしたい。 初めて参加した参加者からも「参加して色々と勉強になり良かった」という声があった。ブロック会議は、いろいろな情報交換ができる、各友の会の悩みを分かち合うことができる、ブロック内の連絡手段になるなどの効果がある。 この会議は盲ろう者が支援者と一緒に社会参加していくためにも、当事者性を発揮していくためにも重要な役割を果たしているのではないだろうか。 これからも是非協会にブロック会議を開催していただくよう要望したい。 (文責…高橋 万理) 2−6 九州・沖縄ブロック会議 日程:平成25年10月12日(土)13〜17時 13日(日) 9〜12時 会場:ホテルブルーウェーブイン鹿児島(鹿児島県鹿児島市) 参加団体名: 福岡盲ろう者友の会 佐賀盲ろう者友の会設立準備会 熊本盲ろう者夢の会 大分盲ろう者友の会 NPO法人鹿児島県盲ろう者友の会いぶき 沖縄盲ろう者友の会 講師:連絡協議会事務局長 庵 悟(協会職員) 議題ごとの内容: 議題1.共通議題 (1)孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには 話し合いに入る前に庵氏よりテーマの主旨について、次の説明があった。 「掘り起こしについては、昨年のブロック会議において議論された。今年は、それを元に更に深めるという意味で、『掘り起こしできた盲ろう者を友の会につなげるためには』という事を話し合ってほしい。現在の友の会の中で、会になじめず孤立し苦しんでいる人がいるかもしれないという深いところまで話し合ってほしい。 また、災害が起きた時の事について、各友の会でどのような話し合いや取り組みがなされているのかなど話し合ってほしい。」 九州各県ともに「孤独で閉塞感を抱いている…」というテーマの主旨を、掘り起こしされていない盲ろう者の事と勘違いしていた。「友の会の中で孤立して苦しんでいる盲ろう者はいないか」と考えていた協会の主旨とは違うが、事前に友の会で話し合ってきた「掘り起こし」について発表して頂く事にした。 a.盲ろう者の掘り起こしについて 掘り起こしについては、「個人情報保護法」が壁となり、非常に難しい状況にあることが分かった。こちらからのアプローチが無理ならば、相手からアプローチしてもらうには、という発想で市の広報誌に友の会役員の連絡先を掲載してもらう方法をとっている県もあった。行政などの窓口に、友の会のパンフレットを置いてもらったり、身障者相談員との連携を図るなど、色々と工夫をしているが、なかなか発掘に至らないという行き詰まり感があるが、地道にコツコツと活動を続けることが大切である。 また、マスコミを上手く利用して、周囲の人に気付いてもらう、という視点で考える事も大切である。「こんな障害者は世の中に自分だけ」と思いながら生きている仲間を、ひとりでも多く救い出すためにも活動を続けることが重要。 また「友の会の中で孤立している盲ろう者はいないか」の問いに対しては、各県から「現在のところ居ないように思う」との回答であったが、盲ベースとろうベースに分離してしまわないように、お互いに相手を思いやる事が大切である。 九州・沖縄はテーマの捉え方が異なっていたが、「会員を増やしたい」と強く願っている九州・沖縄にとっては、掘り起こしについて議論が出来て良かった。 b.災害が起きて、地域全体が混乱している時に、盲ろう者が支援を受けるにはどうすれば良いか 「災害時要援護者」の対象に盲ろう者は入っているが、そのことを知らない人が多い。だが、ほとんどの市では、「災害時要援護者名簿」の作成が済んでいる。しかし、当事者はこの制度すら知らない。その理由を調べた結果、「地域の事は地域の人が一番知っている」との発想から、多くの行政では登録の呼びかけを地域の民生委員や町内会に委託している状況がある。 しかし「盲ろう者が地域の人とどれほどの繋がりを持っているか」や、「戸別訪問する民生委員や自治会長がどれ程盲ろう者に対する認識を持っているか」という疑問もある。 また、業務委託している行政側にも同じことが言える。まず、行政側に「盲ろう」という障害の認識を持ってもらい、民生委員などにも盲ろう者の存在を視野に入れてもらい、盲ろう者自身がこの制度の事を知り、自分の意志で登録の判断をすることが非常に大切である。 実際に鹿児島の場合でも、盲ろう者がこの制度を知らなかったし、戸別訪問も受けていなかったことで、ほとんどの盲ろう者は登録していない。 一番手の届きにくい所へのアプローチの方法を皆で考え、友の会の活動の一環として行政へ実情を訴え、理解してもらい、共に考えて共に行動できれば、発掘にも繋がり、互いに得るものは大きいと思う。これを足掛かりにできるように活動を進める。 災害が起きた時のために、友の会の中で緊急連絡網を作成していたり、自ら民生委員を訪ねて、災害時の支援をお願いしている県もあった。 また、盲ろう者一人ひとりに災害時に身につけておくカード(住所・氏名・年齢・かかりつけ病院・既往症・服薬・担当通訳者連絡先・コミュニケーション手段記入済)を作成し、一緒に笛も渡して、何か起きた際に自分から発信する手段として用いている県もあった。各県の良いところを学び、地元でも実践してほしい。だが、災害が起きた場合、同じ地域で暮らす通訳・介助員や民生委員も被災していることが考えられるので、災害時の支援はあまり期待できない。従って、公的支援を頼りとした方がより確実である。「誰もが安心して暮らせる社会の実現」を考えるならば、その障害に応じた手段を講じるべきである事を、行政に気付いてもらうための活動こそが、今、友の会に求められているように思う。 (2)当事者性を発揮するには 当事者性を発揮するためには、友の会の存在、通訳・介助員の存在がとても大切である。 特に個々の当事者性の集約である友の会においては、盲ろう者、通訳・介助員、支援者が同じ目の高さで色々なことを話し合い、そこから情報を得た盲ろう者が主体的に考え、判断して通訳・介助員と共に活動することが大切である。 また、盲ろう者が質の高い情報を得るために、通訳・介助員は盲ろう者が理解しやすい言葉で情報を提供することが大切である。それによって、盲ろう者自身が正しい情報を得て、自ら物事を判断し決定することができる。これが当事者性を発揮することに繋がる。 議題2.2016年に九州で全国盲ろう者大会を開催することについて 今年11月に開催される世界会議の結果を受けて、九州・沖縄盲ろう者友の会連合会会議の際に話し合うことに決まった。 議題3.1日8時間の利用制限をなくすには ≪参考≫ ○県派遣だけを利用する場合 ・現在利用制限のある県…大分・熊本(2県とも8時間を超えた場合はボランティアとなる) ・条件付き…鹿児島 ・条件なし…沖縄・福岡 九州各県においても、制度の中身にばらつきがあり、完全に制限なしと言える県は、2県だけである。 利用制限があるということは、盲ろう者の生きる権利にも関わる問題である。自身の生きる権利を守るためにも、通訳・介助員を守るためにも、運動が必要である。更に、制限時間を越えた部分は保障せず、ボランティアに頼っているという現状は問題である。そのことを皆が自覚し、友の会の仲間たちと共に力を合わせて粘り強く、行政に交渉していくことを確認した。そして、地域格差をなくすために、九州・沖縄ブロック内で情報を共有し合うことが大切である。 議題4.次年度の企画委員・会議開催担当県について 企画運営委員は佐賀県、開催担当県は大分県に決定した。 <所感> 今回の九州・沖縄ブロック会議では、災害時における支援対策について、みんなで調べたり考えたり議論することができた。この議題があったことで、盲ろう者の存在について行政がほとんど認識していないことがわかった。 また、災害時に盲ろう者が周りの支援を受けて命を守ることの難しさも実感した。 今後は、友の会の活動の中で行政や地域に盲ろう者の存在をアピールし、当事者と支援者が一体となって盲ろう者の命を守る手段を探し出す努力をする必要がある。 そのことが盲ろう者の社会参加に繋がり、人間として充実した生活を送る第一歩と考える。 このブロック会議を通じて、各県の友の会と情報や意見を交換し、同じ仲間がいる心強さを感じた。今後も更に各県友の会の発展のためにこの会議は大切だと感じた。 (文責…林 美喜子) 3 総括 (1)企画・運営 全国盲ろう者地域団体ブロック会議では、6つのブロックの各代表者と連絡協議会からの代表者からなる7名の盲ろう当事者により企画運営がなされた。 各ブロックの代表者は、地元の通訳・介助員や友の会役員、事務局の支援を受けながら、ブロック内の各友の会との連絡調整や意見とりまとめを行う過程で、組織を動かすリーダーとして自信を身につけ、成長することができた。また、ブロック会議での情報保障の確保のために地元の関係機関との連携を図ることができた。 連絡協議会の代表者は、企画委員会での司会進行を通じて、ブロック代表である6名の企画委員が各ブロックで当事者性を発揮しやすいように指導することができた。 協会事務局は、主に企画委員との連絡調整や事務的な手続などにより、これらの取り組みを後押しすることができた。 (2)内容 盲ろう者は、マスメディアや周りの様子などの情報を取得することが困難で、近所の人だけでなく、家族とでさえもコミュニケーションがままならず、自力での外出が困難である。そのため、本来受けられるはずの福祉サービスや災害時の支援が受けられず社会的に孤立した生活を送っている盲ろう者が多く存在している。これは、平成24年度に行われた「盲ろう者に関する実態調査」により、身体障害者手帳に視覚と聴覚の障害の両方が明記されている盲ろう者が約1万4千人いることが明らかになったものの、盲ろう者地域団体や当協会に繋がっている盲ろう者は全体として1千人程度に過ぎないことからも裏付けられる。 今年度のブロック会議では、「社会的孤立」と「災害対策」をキーワードに、2つの共通議題を議論してもらった。各友の会で行われてきた盲ろう者の掘り起こしや啓発活動について情報交換をすることで、盲ろう者の社会的孤立を防止するための方策について活発な議論を交わすことができた。また、地域の盲ろう者福祉向上を促進するためには、盲ろう者自身が通訳・介助員から必要なサポートを得ながら、自ら盲ろう者のニーズを集約し、行政や社会に働きかけることで、当事者性を発揮できることが確認できた。 更に、各友の会の活動での悩みや問題点を出し合い、解決策を考え、ブロック内の友の会同士で連携し情報共有することで、各友の会が地域の盲ろう者福祉向上を目指した活動に自信を持って取り組めるようになったことは、大きな成果であった。 (3)課題 a.役割分担の明確化 本事業を実施する中で、企画委員、地元の支援者、協会との間で意思疎通がうまくできていないために、会場の窓口との連絡が二重手間となったりしたことがあった。 企画委員、支援者(通訳・介助員、友の会事務局、派遣コーディネーターなど)、協会と役割分担を明確にすることで、運営の効率化を図っていく必要がある。 b.ブロック会議開催準備の速やかな遂行 今年度は、第1回企画委員会の開催時期が大幅に出遅れたことから、全体的に、準備が慌しかった。 今後は、第1回企画委員会を早期に開催し、企画委員が余裕を持って準備が進められるようにしていきたい。 c.わかりやすい共通議題の設定 2つの共通議題について、内容が難しいという声が多かった。事前に議題について話し合うべきポイントをわかりやすく提示する必要がある。 (4)今後の展望 当協会の長年の全国的な規模での地道な啓発活動により、全国45都道府県(青森県、福井県以外)に盲ろう者地域団体が設立された。当初、当協会が毎年主催している全国盲ろう者大会で、全国各地から盲ろう者が一堂に会して情報交換や交流を深め、そこで勇気を得た盲ろう者が地域に戻り、自分の存在を地域住民に積極的にアピールし、それに共感した人たちが支援者となり、共に交流会などを企画し積み重ねる中で、盲ろう当事者や支援者を増やしてきた。こうして、各地で友の会など盲ろう者地域団体が設立され、地域の盲ろう者と支援者が一緒に活動を展開してきた。 一方、当協会が設立当初から力を入れてきた盲ろう者向け通訳・介助員の養成および養成事業が、平成12年度から、都道府県単位で実施されるようになった。協会が地元の盲ろう者地域団体と共に行政や関係団体などへの啓発活動を実施した甲斐もあり、同事業は平成21年度にはほぼすべての都道府県で実施されるようになった。 更に、国連の障害者権利条約批准に向けた障害者制度改革の中で、平成25年4月より障害者総合支援法が施行され、養成および派遣事業が指定都市・中核市を含む都道府県地域生活支援事業の必須事業として位置づけられるようになった。 こうした背景の中で、盲ろう者地域団体が盲ろう者福祉の担い手としての専門性が求められるようになった。 もはや、当初の少ない盲ろう者の経験にもとづく知識とスキルだけでは組織運営が難しくなってきている。 しかし、全体として、盲ろう者地域団体は、盲ろう当事者の数がきわめて少なく、地域の盲ろう者福祉を支える人材や財政などの組織基盤がきわめて弱い。また、盲ろう者の自己選択・自己決定を支援する通訳・介助員が質量とも不足しているために、盲ろう当事者が団体活動において当事者性を発揮しにくい現状がある。 こうした現状を解決していくためには、盲ろう者地域団体が、盲ろう者の当事者性を発揮できる運動体としての側面と盲ろう者福祉を担う事業体としての側面の両方を兼ね備えた組織として成長していく必要がある。 このような認識をふまえて、今後、盲ろう者地域団体の運営力アップを図っていくためのブロック単位での学習と話し合いの場を各方面の専門家の力を借りつつ、盲ろう当事者の自主的なリーダーシップのもとに展開していきたい。 4.参考資料 4−1共通議題資料A 「孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、 災害時においても支援を受けるには」 「ノーマライゼーション2013年7月号 証言3.11」より 「再生に向けて〜盲ろう者支援に必要なこと」 早坂洋子(はやさか ようこ みやぎ盲ろう児・者友の会会長) 1.はじめに 私は、仙台市に住む弱視難聴の盲ろう者で、新聞の見出しくらいの文字は見えるが、本文の文字は見えない。耳は、音は聞こえるが言葉を聞き分けることが難しい。 2011年3月11日、私はちょうど通訳・介助員のAさんと仙台駅構内を歩いていた。通訳・介助員とは、「盲ろう者」の移動とコミュニケーション、情報保障を支援する方々である。Aさんと自宅まで歩いて帰り、安全に避難ができた。しかし、通訳・介助員派遣制度にも多くの制限があり、支援者と常に一緒にいるわけではない。 宮城県では、一人の盲ろう者が津波の犠牲となった。彼に津波がくるという情報は届いていたのか? 避難する手だてはなかったのか? この命を救えなかったのかと思うと胸が痛む。今回、安否を把握できた盲ろう者はほんの1部にしかすぎず、他にも命を落とした方や、2年間大変な思いをしてきた方がたくさんいるのではないだろうか。まだまだ「盲ろう者」の認知度が低いなかでは、困難を抱えている方々を見つけることも難しい。また、盲ろう者自身が情報弱者であるため、障害があっても支援を受ければ自由に移動したり、コミュニケーションをとれることも知らないまま、希望を持てずにいるかもしれない。そんななか、他の障害者団体の方から教えてもらった盲ろうのBさんの例を紹介したい。 2.ある盲ろう者の体験談 沿岸部に住む弱視難聴のBさんは、白杖を使って単独で移動することもあるが、暗いところや、慣れていないところは歩行訓練と手引きが必要となる。中程度の難聴で、大きな声で話せば聞こえるが、言葉の聞き分けが難しい時もある。 Bさんは、大地震の時、一人で自宅にいた。揺れが収まって自力で避難しようと部屋から脱出したところで、家族が職場から迎えにきて、車で高台へ避難した。情報がないまま避難が遅れた人もいたなか、彼は日頃の避難訓練や地域の教えから、津波がくることは間違いないと直感して避難した。まもなく15メートルとも言われる大津波が地域を襲い、自宅はすべて流された。彼自身も家族も無事だったことは何より幸いしたが、視覚に障害があっても、自力で移動できていた環境は失われた。 避難所では、広いフロアで共同生活のため、周りに誰がいるのか、周りの動きも分からず、トイレへの移動、介助が必要な時に声をかけにくい状態だった。日中、家族が避難所を離れた時は、トイレにも自由に行けず、身動きがとれないまま1日中座っていることもあった。 約2か月半に及ぶ避難所生活を経て移り住んだ地域は、庭先から一人で出ることができないうえに、交通の便もあまり良くない環境で、ここでも家族がいないと外への移動が困難になった。そして馴れ親しんだ地域のコミュニティーからも離れ、交流も激減していった。 しかし、震災から1年経ったころ、仙台市にある、視覚障害者の支援団体の情報を得てから、生き方が大きく変わった。白杖を使っての歩行訓練を受けたり、点字やパソコン操作の訓練も受けることができた。現在では、自宅から3時間ほどかけて仙台へ出向き、障害のある方々との交流をはじめ、就職活動も含め、自立した生活を目指してさまざまな活動をされている。Bさんは今、希望の光を見つけ前に進んでいる。震災で、以前より暮らしにくくなった方々に、Bさんのように再び希望の光が差し込むにはどうしていけばよいのだろうか。 3.今後の災害と再生に向けて必要なこと @盲ろう障害の周知と、盲ろう者向け制度の拡充および災害時における支援体制の確立 地震・津波等の災害等、盲ろう者の命を左右する緊急時における支援体制を確立する。通訳・介助員、警察、消防関係者が、いち早く駆けつけることができるようにする。また、盲ろう者が、近隣に居住する地域住民と共に避難できる体制づくりを整備する。更に、被災地では盲ろう者だけでなく通訳・介助員も被災することから、避難所での支援なども含め、中・長期的な支援を視野に入れつつ、派遣事務所の全国ネットワーク化を確立することにより、災害時等における被災地への緊急時遠隔通訳・介助員派遣システムの構築を図る。 A地デジ、携帯情報端末等機器の整備 テレビ、ラジオ、防災無線が、見えない、聞こえない盲ろう者は、災害等の緊急情報を自力で得ることが難しい。また、携帯電話も使えず、家に一人でいる時や外出中等、他者と連絡をとることが難しい場合もある。そのため、緊急時において、盲ろう者が拡大文字や点字ディスプレイ等を使い、自力で緊急災害情報等を入手したり、助けを求めるための連絡手段が確保できるよう、盲ろう者でも使用可能な携帯情報端末等の機器を開発・整備する必要がある。近年開発された点字ディスプレイ付き携帯情報端末は、盲ろう者にとって有用であるにもかかわらず、日常生活用具として給付が認められている自治体が少ないため、各自治体で柔軟に対応していただきたい。 B防災訓練、学習会への参加の周知徹底 大災害から身を守るため、盲ろう者自身が防災意識を高める必要がある。自力で安全な場所へ避難できるよう訓練を受けたり、自宅から避難所までのルートを確認したり、地域の防災訓練や学習会への参加を呼びかける。 4.おわりに 今後の大震災での被害を最小限に抑え、被災した方々に必要な支援とサービス、適切な情報が行き届き、被災障害者の希望の光となるように願わずにはいられない。 4−2共通議題資料B 「当事者性を発揮するには」 (盲ろう者の専門誌『コミュニカ』bS6〔2013年3月発行〕)より) 「当事者性の発揮と集約」連絡協議会のこれから 高橋 信行(たかはし のぶゆき 全国盲ろう者団体連絡協議会 会長) 全国盲ろう者団体連絡協議会 (以下「連絡協議会」)が設立されて7年目を迎える今日においてでさえ、「協会と連絡協議会の違いが分からない」という声をしばしば耳にする。なぜだろう、その理由を探っていく。 聴覚障害者の当事者全国組織は、「財団法人全日本ろうあ連盟」で、1947年(昭和22年)に設立された。同様に、視覚障害者の当事者全国組織は、「社会福祉法人日本盲人会連合」で、1948年(昭和23年)に設立された。それぞれの団体は、国や社会に対して、当事者全国組織として自分たちの存在や要求を主張してきたのだ。 盲ろう者はどうであったか。盲ろう者の当事者全国組織は、視覚障害者や聴覚障害者のそれと比べ、半世紀以上も遅れて、2006年(平成18年)に連絡協議会が発足した。盲ろう者の当事者全国組織の設立が、これほどまでに遅かったことを思うと、やはり、盲ろう者は福祉のはざまにあったと改めて実感する。 だが、連絡協議会が発足するまで、盲ろう者福祉は空白の時代だったかというと決してそうではない。1991年(平成3年)に「社会福祉法人全国盲ろう者協会」(以下「協会」)が設立された。協会は日本の盲ろう者福祉の中核として、盲ろう者福祉を推進させてきた。 更に、国内外における「日本の盲ろう者の代表」としての役割、つまり本来、当事者全国組織がすべき役割も担ってきた。協会はその運営に、全国の盲ろう者の意志を反映する仕組を持たないし、理事長も非盲ろう者であることなどから、盲ろう者の当事者全国組織ではない。だが、盲ろう者の当事者全国組織が、まだない時代において、社会からの要請を受けて、協会が当事者全国組織の肩代わりをせざるを得なかったのだ。協会がそうした役割をも担ってくれたおかげで、日本の盲ろう者福祉は、格段に進歩を遂げてきたのだから、協会に対しては、まさに感謝の一言につきる。 ところで、連絡協議会が発足して、「日本の盲ろう者の代表」は、協会から連絡協議会に、引き継がれたのだろうか。残念ながら、引き継がれた、と言い切れないのだ。連絡協議会ができた今でも、その多くの部分を、これまで通り協会が、担い続けているという現状がある。だから、「協会と連絡協議会の違いが分からない」という声に対して、「我々、連絡協議会こそが、日本の盲ろう者当事者全国組織なのだ」と反論するものの、今ひとつ説得力に欠けるのはそのためだろう。 それにしても、なぜ、「日本の盲ろう者の代表」は 、協会から連絡協議会に完全に移譲されないでいるのだろうか。連絡協議会の結成直後であれば、「まだ設立したばかりだから……」という言い訳もできるが、既に設立して7年も経つのだ。その理由として、弱い経済的基盤、未加盟団体問題、人材不足といった連絡協議会の抱えている問題の多くが、容易に解決しないことを挙げることもできる。しかし、私は、そうではないもっと重要な問題があると思うのだ。それは、塩谷治(しおのや おさむ)氏も指摘する、協会と連絡協議会、そして通訳・介助者との役割が不明確であるという問題だ。これからの盲ろう者福祉を、連絡協議会が牽引していこうとするならば、この問題をこれ以上放置することはできない。そこで私は、連絡協議会の会長として、「当事者性の発揮と集約」という概念を用いることで、この問題の解決を皆様にご提案申し上げたい。 まず、盲ろう者福祉において、当事者性は発揮されているだろうか、と問うてみる。当事者性という言葉を持ち出すと、「他を排除して当事者だけでする」と、しばしば誤解される。当事者性とは当事者だけでするということではなく、非盲ろう者の支援を受けながらも、盲ろう者が主体となって活動することを示す。盲ろう者が当事者性を発揮するためには、盲ろう者が人間的自立をしていることが前提だ。IL(自立生活)運動の理念に見るように、「自己決定・自己責任」が人間的自立の不可欠要素と考えるならば、盲ろう者が自己決定できるということが、当事者性を発揮するための基本条件と考えていい。それでは、盲ろう者が自己決定するために必要なものはなにか。その1つが、質の高い情報である。人間は、情報がないまま、何も判断することはできない。十分な情報が与えられないまま自己決定したとしても、それを当事者性が発揮されたとは言わない。その場所へ行き、その人とコミュニケーションをとり、その場に応じた立ち居振る舞いをし、そうやって社会に参加しながら、質の高い情報を得ることで、その盲ろう者は、はじめて自己決定をする準備が整ったことになる。通訳・介助者は、そうした盲ろう者の自己決定の過程において、移動、コミュニケーション、場の理解などに必要な支援をする。 更に、盲ろう者が当事者性を発揮するための条件は、盲ろう者が生き生きと生活していることだ。人は誰でも、ひとりぼっちだと実力を発揮することは難しい。理解しあえる仲間がいて、仲間に支えられながら、自分の存在を主張し、社会における役割を果たしていける。ところが希少障害である盲ろう者にとって、そうした仲間作りは簡単ではない。だからこそ、地域における盲ろう者団体の存在は重要だ。 ところで、盲ろう者団体は、他の障害者団体と違った特徴を持っている。我が国の障害者団体の多くは障害当事者だけで会を構成し、支援者はそれとは別の会に所属して支援活動する形をとる。これに対し、盲ろう者団体では、盲ろう当事者と支援者が同じ会に所属して一緒に活動する。仮に盲ろう者だけで会を構成したとしても、盲ろうという障害の重度さゆえ、たちまち会の運営が立ちゆかなくなるし、そもそも盲ろう者同志でさえコミュニケーションが成立しないかもしれないのである。 このように通訳・介助者は、盲ろう者個人レベルにおいてはもちろん、盲ろう者団体の運営を支援するというレベルにおいても、盲ろう者が当事者性を発揮するということに大きな役割を果たしている。盲ろう者の当事者性の発揮は、通訳・介助者の支援によって成立するのだ。 次に連絡協議会の役割について示す。前述のように、盲ろう者個人レベルで発揮された当事者性は、各地域の盲ろう者団体で取りまとめられ、その地域の盲ろう者を代表する当事者性として発現する。連絡協議会は、更にそれらの当事者性を集約し、日本における盲ろう者の当事者性ベクトルとしてこれを示すのだ。そしてこの当事者性ベクトルを根拠として、連絡協議会は、協会、通訳・介助者、国や地方自治体、社会などに対して、盲ろう者福祉の進むべき方向性を提案し、協力を要請する。 最後に、協会に期待する役割について示す。協会には盲ろう者福祉というグラウンド全体の整備をお願いしたい。一人ひとりの盲ろう者の生活、地域の盲ろう者団体の活動、通訳・介助者の活動、国や地方自治体の施策、国際社会といった様々なレベルで、盲ろう者が当事者性を存分に発揮できる環境作りをして欲しいいのだ。冒頭に述べたように、協会はすでにこうした役割を設立以来、ずっと担ってきたし、日本の盲ろう者福祉の発展は、協会のそうした「グラウンド整備」の賜物であるといっていい。私はこうした役割を今後も協会に期待したい。 以上が私の考える、盲ろう者の「当事者性の発揮と集約」による盲ろう者福祉のけん引である。ここで改めて私の主張をイメージ図とともに整理して示す。 1.これからの盲ろう者福祉において 、盲ろう者の「当事者性の発揮と集約」を軸として取り組んでいただきたい。 2.協会は、盲ろう者個人、地域の盲ろう者団体、通訳・介助者の活動、地方自治体や国、国際といった様々なレベルにおいて、盲ろう者が当事者性を発揮できるよう、盲ろう者福祉の環境整備にご尽力いただきたい。 3.盲ろう者個人レベルにおいても、盲ろう者団体レベルにおいても、盲ろう者の当事者性の発揮における、通訳・介助者の果たす役割は大きい。通訳・介助者には、盲ろう者が当事者性を発揮できるよう、一層の支援をお願いしたい。 4.連絡協議会は、全国の盲ろう者の当事者性を集約し、当事者全国組織としての自己決定をなし、進むべき方向性を示し、皆様に支援をいただくことで、これからの盲ろう者福祉を牽引していきたい。 「当事者性の発揮と集約」を軸に、協会、連絡協議会、通訳・介助者のあり方について私なりの提案を申し上げた。どうか、この提案について、盲ろう者福祉にかかわる全ての方々にご検討いただき、今後とも、盲ろう者福祉の発展にお力添えをいただけるよう、心よりお願い申し上げる次第である。 4−2アンケート結果A 当日アンケート 配布数 42部 回収数 37部(回収率 88%) 1.盲ろう者地域団体(友の会等)との関わりについて 1−1.盲ろう者地域団体での活動年数 ア.3年未満  3 イ.3年以上6年未満  5 ウ.6年以上9年未満  12 エ.9年以上  17 1−2.盲ろう者地域団体での現在の役職について ア.代表(会長、理事長等)  23 イ.事務局長  2 ウ.上記以外の役員(副会長・理事・会計・各部長・委員等)  9 エ.事務局員  0 オ.その他  4 2.ブロック会議の運営等について 2−1.開催時期や日数について よい  24 (理由) ・1回目は1日であわただしかったが、2回目は時間に余裕もあり良かった。 ・開催時期は良かったと思うが、会議時間をもう少し増やせるとありがたい。2日間で6時間は短い。 ・10〜11月の開催だと地域の行事と多く重なる。 普通(特に支障なし)  11 (理由) ・できれば、4月か5月に開いていただきたいが、ブロック会議を開く前に企画委員会を開かなければならないので開催時期がこの時期でも仕方ない。 ・遠方から参加する団体の代表者の事を考えて、初日と最終日は半日にしておくのがよい。 ・日程について早めに案内書を送ってほしい。 ・通常の土曜・日曜がよい。祝日・連休はさけたい。 改善を望む  2 (理由) ・1つの議題について討議するのに、時間を要する。1日に3時間(2日間で6時間)の範囲で討議は深められないと感じた。 ・案内が遅かった。連絡に食い違いがあった。 ・案内及び連絡が遅いので友の会の中で事前に協議してブロック会議に臨む時間がなかった。 ・会議の時間が短い。 2−2.案内・連絡等の進行等について よい  21 (理由) ・会場やホテルを確保するのは大変。 ・MLにて連絡事項がまわっていて、案内書もきちんと届いていた。 ・全体はうまくできたと思う。レジュメをもう少し早目にMLに流してほしかった。 ・協会からの連絡で、ブロックの団体に伝えるべきことは直ぐに伝えられたので良いと思う。 普通(特に支障なし)  9 改善を望む  6 (理由) ・MLに不備あり。きちんとメールしてほしい。 ・点字資料はわかりやすくて良かったが、メールでのやりとりでわかりにくいところもあり、MLの方法についてはわかりやすいように改善を望む。 ・兵庫の要綱送信が遅かった。 ・土、日に協会と連絡を取れなかったのでやきもきした。 3.会議全般について 3−1.本日のブロック会議の内容全般について 満足  14 (理由) ・色々なことを話し合うことができて良かった。勉強になった。特に、協会と連絡協議会の違いが、これまでわからなかったが、今回ようやく理解できた。 ・連絡協議会の会長 高橋氏の話は、理解しやすくとても参考、勉強になった。 ・事前にMLにて話しておき、じっくり話し合うべき議題をあげて会議当日に話し合い、できるところまで解決できたので良かった。 ・前もって会議の資料をブロックの団体へ送っていたので、スムーズに進行できたと思う。 やや満足  15 (理由) ・大事な議題が用意されていたにもかかわらず、進行と限られた時間内によって、途中で終わったのは残念だった。 ・意見が出る地域が偏っている。 ・予定されていた議題を全て話し合うことはできなかったが、次回の開催地が決まったことは良かった。 ・司会の進行も上手だった。高橋氏の文章がむずかしくて、意見交換ができない。大切なことなので、もっとわかりやすく例を挙げてほしい。 やや不満足  1 (理由) ・会議時間をもう少し多く取ってほしい。 不満足  2 (理由) ・進行役が会議の進め方を理解しておらず、まとまりの悪い会議だった。また、ほとんどの友の会から議題に対する具体的な意見が出ず、むなしい会議となってしまった。 ・司会者の質問に対して、各県の答えが横道にそれていった。 ・共通議題の高橋氏の内容が少しおかしいものだと思った。 ・情報を皆が共有すべきなのに、だらだら話し続ける人がいて配慮が足りないと思えた。 4.共通議題「孤独で閉塞感を抱いている盲ろう者をなくし、災害時においても支援を受けるには」ついて 4−1.話し合って良かった点 ア.団体の活動に役立つ情報が得られた  16 イ.他の参加者と情報交換ができた  20 ウ.災害時にいかせる情報が得られた  9 エ.抱えていた問題・不安の解決につながった  5 (その他、良かった点) ・東京の具体的な例が参考になった。 ・他県での災害時においても受けやすい支援のいくつかの情報を聞けて良かった。 ・自分の知識が得られた。 ・情報交換ができた。 ・盲ろう者の掘り起こしについて他県の話を聞くことができて勉強になった。 ・災害時はどのような対策をしているのか。その情報が得られたこと。 4−2.話し合った結果、今後の活動にどのような効果を期待しますか?(*複数回答あり) ア.他県の例を参考に、団体の活動に活かせる  15 イ.行政や地域住民への啓発に活かせる  17 ウ.盲ろう者に対する災害時の支援につながる  12 エ.盲ろう者の孤立防止につながる  6 (その他、効果を期待すること) ・なし(この議題は予め、連絡を受けていた議題だったにも関わらず、ほとんど意見が出なかった。各友の会の代表として出席しているのだから友の会としての意見をまとめておくべきである。) ・「災害時、どのような支援をしてほしいか」という事を慎重に考えて、盲ろう者一人ひとりが地域の皆さんに自分の障害をどんどん伝えて、理解してもらうように活動するべきである。 ・一人ぼっちの盲ろう者をなくすために支えが必要である。 ・地域で盲ろう者についてアピールする機会を作れたら良い。そのために「盲ろう者について」の講演を作ってくれることを期待している。 ・実際の大災害(阪神・淡路大震災、東日本大震災)を想定して考えていない。もっと話し合いたい。 5.議題「当事者性を発揮するためには」について 5−1.話し合って良かった点 ア.団体の活動に役立つ情報が得られた  14 イ.他の参加者と情報交換ができた  22 ウ.スキルアップにつながった  8 エ.抱えていた問題・不安の解消につながった  7 (その他、良かった点) ・支援と代行の違いが分かり、考えを新たにした。 ・この議題設定が良かった。盲ろう者は健常者の支配下におかれやすいが、決してそうではない。盲ろう者は情報保障を十分に活用して、物事を決めるのも盲ろう者自身が決断し、健常者の支えを借りて行動に移す権利がある。この時健常者は、盲ろう者の意見を尊重すべきであると実感することができた。 ・高橋氏のお話は、わかりやすくて良かった。 ・他県の代表者と「当事者性を発揮するための方法」を学ぶ事ができて良かった。 ・難しかったが、とても良い勉強になった。 ・国に強く訴え、「盲ろう者」PRをより呼びかける必要があると改めて思った。また、各友の会で勉強会を開き、知識を深め、頑張っていかなければならない。 ・高橋氏の話を聞くことができたのは良かった。 ・盲ろう者は見えなくて聞こえないが、通訳・介助員から情報をたくさん得ることによって、自分で考え判断し、決めていくことができる。それによって当事者性を発揮できることがよくわかった。 ・講師が分かりやすく話して頂けて良かった。 ・協会がこの議題を選んだのなら資料を送るだけでなく、もっと要点をピックアップして、わかりやすい解説をつけた上で当日話し合うべきである。 5−2.今後の活動にどのような効果を期待しますか? ア.社会の動きや情報を得て、主体的に活動することにつながる  13 イ.盲ろう者のニーズを実現するため、行政との交渉に活かせる  17 ウ.盲ろう者の生活向上につながる  10 エ.団体活動の活性化につながる  12 (その他、効果を期待すること) ・自分でできる事は自分で行い、目と耳のハンデのためにそれが難しい時は、支援者にお願いして代わってもらう。但し、盲ろう者本人が責任を持つことを意識しながら活動に取り組むことが大事である。 ・この議題は予め連絡を受けていた議題だったにも関わらず、ほとんど意見が出なかった。各友の会の代表として出席しているのだから友の会としての意見をまとめておくべきである。 ・盲ろう者もれっきとした一人の人間であり、決して健常者のいいなりになることはない。盲ろう者の家族が盲ろう者に対する一切の権限を握るというケースがあることを耳にするが、これは盲ろう者をコントロールしてしまうという事態であって、人権を侵害していると言わざるを得ない。盲ろう者も一人の人間であるし、決定権もあるということを、世にアピールしていくべく、頑張ろうという気持ちが出てきたのが良かった。 ・東海・北陸ブロックにおいて、それぞれの活動や考えを色々聞いて、それを参考にしてもっと良い活動ができると良い。 ・盲ろう者として認識して貰えるもの(杖など)を作ってほしい。 ・通訳・介助員に盲ろう者のことをもっと理解してもらえるよう現任研修などでこの議題を活用してもらえるとありがたい。 ・通訳・介助員に状況説明の力をもっと身につけてほしい。 6.今後のブロック会議の企画・運営について 6−1.今後のブロック会議開催について ア.ぜひ参加したい  28 イ.どちらかと言えば参加したい  7 ウ.あまり参加したくない  0 エ.参加したくない  0 (理由) ・ブロック大会について話し合いたい。 ・場数を踏み、更に経験を積み上げ、自分自身を成長させていきたい。自分の考えをもっとはっきり言えるようになりたい。 ・東海・北陸ブロックの親睦を深めて、架け橋を作っていき、少しずつ共通認識を深めていきたい。 ・盲ろう者福祉の今後の為にも、皆で考える機会はとても大事である。 ・初参加であまり内容が把握できなかったが、参考になった。 ・このブロック会議で各地区の友の会の情報や活動内容を知る事ができ、諸問題の解決点を見出す事ができる。 ・情報やコミュニケーションについて、いろいろな意見を聞くことができた。 ・各県の情報を得ていきたい。 6−2.今後取りあげてほしい議題がありましたら、具体的にお書きください ・趣味など情報として知りたい。(例)交通機関の使用で、介護人なしではどうやっているのかなど。 ・ブロック大会。 ・派遣事業についての勉強会(現在、派遣事業は地域生活支援だが、そろそろ限界かなと感じている。個別給付に移行することも視野に入れながら、盲ろう者が利用しやすい派遣事業についての会議というより、勉強会を開きたい。 ・友の会の運営の仕方を考える。(現在、全国各地の友の会の内外で多くの課題が山積している。今後どのようにしたら上手く友の会を運営していけるのか、課題を挙げながら対応策を考える。) ・補助具の限度額の設定が、機器の価格と釣り合っていないところがある。その辺を解消するようにしてほしいと国に働きかけてほしい。 ・交流会、学習会等を具体的に(楽しい事、反省点など)。 ・養成講座内容について話し合い。 ・緊急事態の場合の支援体制。 ・友の会の運営について。特に、今後の盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業、養成講座、盲ろう者の掘り起こしについて、どんな活動をされているか情報交換してみたい。 ・盲ろう者の就労について。 ・通訳・介助員1日8時間の利用制限をなくす話を改めて聞きたい。 ・他県の友の会との交流。 ・盲ベース、ろうベースの歩み寄り(コミュニケーション)を円滑にする為、どうしたら良いか。 ・協会から共通議題を提供してほしい。 ・今年度、養成、派遣について各県から話を聞いたので来年度の進んだ状況をぜひ聞きたい。 ・盲ろう者が安心して暮らせるような機器を作ってほしいので案を出していきたい。 ・高齢盲ろう者への支援について。 ・全国各友の会ML活用について。 ・取り組みをどのようにして実行に移したらいいのか教えてほしい。 ・派遣要綱についてもっと意見交換したい。養成カリキュラムについても、もっと意見交換したい。 6−3.その他お気づきの点がありましたら、ご自由にお書きください ・懇親会交流。盲ろう者と通訳・介助員と話せて良かった。 ・盲ろう者の日常を考える。(例)内職仕事でコミュニケーション相手がいない場合、一人でいる時間を減らすにはどうするかなど。 ・ホテルの中の通路に短い階段が何ヶ所もあった。今後、ブロック会議を開催するにあたっては、通路に階段のない、又、段差のないホテルを使ってほしい。 ・過去に3度、ブロック会議に出席したが時間が足りず、中途半端な状態で終わってしまった。議題は2つにしておき、時間が余ったら自由に発言してもらうというやり方に変えたら良いのでは。 ・来年も協会、連絡協議会から参加してほしい。 ・オブザーバーも多少発言する機会を与えてもらって良かった。 ・パソコン要約筆記通訳を受ける際の設定に時間がかかりすぎるので、スピーディーにできるようにするのが望ましい。(自分のパソコン設定は時間がなく、借りた。予備のパソコンがなかったらどうするのか) ・会議室が狭かった。 ・事務連絡等については第1日目の終わりに説明をお願いしたい。 ・盲ろう者も通訳・介助員も一人ひとり、県名と名前を席順に自己紹介をしてもらうと、盲ろう者もどこの位置にいるか理解できるし、通訳・介助員にとっても名前と顔を覚える事ができる。 ・『盲ろう』という言葉の理解を得るために、TVのドキュメント番組に出演ができたら良い。DVDを作成するのも良い。 ・盲ろうに対する知識を持った方に全体手話通訳を行ってほしい。 ・盲ろう者の生活には不便がまだまだ多いと改めて気づいた。 ・今は助成金が出ているが、出なくなった時の対応をどうするか。 ・ブロック会議で話し合う事により、盲ろう代表者の成長がみられた。今後も会議を通して当事者性発揮につながっていったらよい。 ・現状で良い。 ・全国のブロック会議への共通議題を、協会や連絡協議会から1つでも提供してもらいたい。 ・企画委員会をもう少し早い時期に実施してもらえたらブロック会議までの間ゆっくりと準備ができるのではないか。今回は時間の余裕がなく、慌しかった。 ・近畿ブロック会議は1日だけの日程で開催していたが、今回は2日間の開催で内容も良く、懇親会も楽しめた。 ・話し合いの中でいろいろ気づきがあり、このような場があることは本当に良いことである。 4−2アンケート結果B 追跡アンケート 配布数 42部 回収数 26部(回収率 62%) 1.あなたはどのブロック会議に参加されましたか。  ア 北海道・東北ブロック  3  イ 関東・甲信越ブロック  3  ウ 東海・北陸ブロック  1  エ 近畿ブロック  4  オ 中国・四国ブロック 10  カ 九州・沖縄ブロック  4 無回答  2 2.本研修会の内容全般について、ご満足いただけましたか。(4択)  ア とても満足  9  イ 満足  14  ウ やや不満足  3  エ 不満足  0 3.(2で「とても満足」「満足」を選んだ方)どのような点が良かったですか。(複数回答可)  ア 役立つ情報が得られた  14  イ 日頃の生活や活動に役立った  9  ウ スキルアップにつながった  5  エ 他の参加者との交流・情報交換が図られた  18  オ 抱えていた問題・不安の解消につながった  2  カ その他(良かった点を具体的に教えてください) ・「当事者性を発揮するためには」は参考になって良かった。 ・会を重ねるごとに他県の友の会との繋がりが深まり、親しみが増してきた。 ・災害時、自分は家の中にいると思われるが、皆が話し合って対策(例えば近隣の人との交流を持っておくなど)を考えていることが分かり参考になった。 ・他の県、団体の様子が聞けて参考になった。協会の職員や連絡協議会の方が来ていたので、ブロック内にとどまらず話が出来て良かった。 ・他県の派遣や養成についての情報が得られた。 ・今年度は「盲ろう者向け通訳・介助員派遣・養成事業」が、各県・指定都市・中核市で必須事業になった事へのブロック内の各県の進み具合を聞けた。又、「養成講座の標準カリキュラム」についてブロック内の各県の様子が聞け、山下事務局長からのお話も聞くことが出来、満足のいく情報が得られたと思う。今後も「ブロック会議」には事務局長に出席いただきたい。 ・当事者の力を発揮することの大切さを自覚することができた。 4.(2で「やや不満」「不満足」を選んだ方)どのような点が良くなかったですか。(複数回答可)  ア 役立つ情報が得られなかった  1  イ 日頃の生活や活動の参考にならなかった  1  ウ スキルアップにつながらなかった  2  エ 他の参加者との交流・情報交換ができなかった  0  オ 抱えていた問題・不安の解消につながらなかった 1  カ その他(よくなかった点を具体的に教えてください) ・この2年、議題を協会が決めている。自分たちにはわからない内容が多かったため、時間のロスでしかなかった。もっと、地域での議題を話したい。近畿は日帰りなので時間が短い。当日までに、きちんと資料で準備してきた人が少ない。 ・パソコンで要約通訳を受けることが可能だと知り、機会をみてやってみたいと思う。 5.地域に戻られてから、本会議で学んだことが役立っていますか。(4択)  ア とても役立っている  6  イ 役立っている  13  ウ あまり役立っていない  6  エ 全く役立っていない  0 無回答  1 6.(5で「とても役立っている」「役立っている」を選んだ方)どのように役立てていますか。具体的にお書きください。 ・災害が起こった時の対策や盲ろうの仲間の掘り起こし、あるいは盲ろう者である事を世間一般に知らしめるにはどうしたらよいか等の情報交換が出来たので、それらに対して動くことができるようになった。 ・「市政だより」などへの投稿、当事者性を発揮できるように積極的に意見を述べられるようになった。 ・地域の盲ろう者に報告をしたので、役立っていると思った。 ・4年前、関東・甲信越ブロック会議(横浜開催)で議題の「関東・甲信越盲ろう者大会」について討論したが、今年も千葉のブロック会議でその議題を討議してほしい。毎年1回、他のブロックのように関東・甲信越ブロック交流会を開催してほしい。 ・会議で話し合ったことを、今後友の会の活動に生かしていける。 ・友の会運営の参考になった。会長としての自信になった。 ・中国・四国ブロック会の会場が香川県だったので、世話する側の大変さがよく分かり勉強になった。 ・友の会の活動の中で、どのように新しい盲ろう者を導いていくか、盲ろう者の掘り起こし方法などを知ることができた。また派遣事業や養成事業の進め方など、悩んでいた部分にも道が開けた。 ・他県の友の会の活動状況がよく分かって非常に勇気付けられる。会の運営に役立っている。 ・他県の資料等を参考にしている。 ・友の会の役員会で話し合う時に、ブロック会議で得た情報を参考にしている。 ・県との交渉事の参考にさせて貰えた。有意義な会議だったので、機関誌に自信を持って報告が書けた。今年度のブロック会議は時間が足りないぐらいの充実した会議であった。 ・ブロック内の各県の方との交流により、いろいろなことが話しやすくなった。当事者団体について高橋会長のお話を直接聞くことができ、これから友の会で前向きに検討を話し合うきっかけとなった。今回は会長に代わって参加できたことにより、ブロック会議の様子がわかり、今後友の会の中で話し合うための材料になった。 ・今後の友の会の活動や、次のブロック会議へのスキルアップに繋がると思う。 ・盲ろう者向け通訳・介助員養成講座で講師として講義をする時、会議で学んだことを自信を持って話す事ができた。 7.(5で「あまり役立っていない」「全く役立っていない」を選んだ方)具体的な理由をお書きください。 ・活動が出来ていない。 ・会議の中で自分が地域に戻って役立つなと思うこともあるが、内容が難しいこともあり、とても役立つとはいえない。 ・助成金が出ているが、もし出なくなってしまったら経済的に苦しい。自分は「音声」でコミュニケーションをとっているが、今後、聞こえなくなって「指点字」や「手のひら書き」で会議を理解できるか不安がある。県庁所在地と我々地方との格差が開くのではないかと心配に思う。 ・議題の内容と合ったケースが今のところないが、新年度に入れば行政との交渉や講座についてなどで参考になると思っている。 ・他の友の会よりは、活動しているから。 (奥付) 書名:平成25年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議報告書 発行:平成26年3月20日 発行・編集: 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地早稲田クローバービル3階 電話 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業