平成24年度 全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会報告書 期間 平成24年12月8日(土)〜12月9日(日) 会場 コンベンションルーム AP品川    東京都港区高輪3−25−23京急第2ビル    TEL 03−5798−3109 主催 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜    社会福祉法人 全国盲ろう者協会 目次 1 概要  1 2 カリキュラム別の報告  5 2−1 開講式  5 2―2 「盲ろう者福祉のあり方について」  8 2−3 「グループ討議」  20 2−4 「友の会運営について」  29 2−5 「盲ろう者リーダーとして」  50 2−6 閉講式  55 3 アンケート結果  60 1 概要 【目的】  盲ろう者の団体で、将来指導者的立場に立ち、運営等に携わるなど、新しいリーダーとして活躍することが期待される盲ろう当事者を対象として、盲ろう者に関わる福祉施策の現状や、盲ろう者団体等の運営に必要な知識を身につけていただき、今後の活動に繋げていくことを目的とします。 【日時】 平成24年12月8日(土)〜9日(日) 【場所】 コンベンションルームAP品川 東京都港区高輪3−25−23 京急第2ビル 電話 03−5798−3109 【カリキュラム】 平成24年12月8日(土) 9:00〜 9;30 開講式 9:30〜12:00 「盲ろう者福祉のあり方について」 12:00〜13:00 昼食 13:00〜17:00 「グループ討議」 18:00〜20:00 「意見交換会」 平成24年12月9日(日) 9:00〜13:00 「友の会運営について」 12:00〜13:00 昼食 13:00〜15:00 「盲ろう者リーダーとして」 15:00〜15:30 閉講式 【全体の概要】  近い将来、社会においてリーダーとして活動を目指す39名の盲ろう者が、2日間にわたる研修を受けた。 【カリキュラム別の概要】 (1)開講式  社会福祉法人全国盲ろう者協会事務局長 山下正知より、日本のこれまでの盲ろう者福祉を振り返り、将来を担う盲ろう者リーダーを育成する必要性についての説明があった。 (2)「盲ろう者福祉のあり方について」  みやぎ盲ろう児・者友の会会長 早坂洋子氏の司会のもと、東京大学先端科学技術研究センター教授 福島智氏から、盲ろう者として生きる意味は何か、深く考えさせられる講演をしていただいた。 (3)「グループ討議」  3つのグループに分かれて、@盲ろう者を増やすためにどうしたらよいか(盲ろう者の掘り起こし)、A県内、他県との交流を深めたいが、どうしたらよいのか、B通訳・介助員が足りない、スキルアップの問題について、という3つのテーマを提言し、それぞれのグループで熱心に討議した。最後に、全体会でグループ発表を行い、2名の盲ろう者より助言をいただいた。 (4)「意見交換会」  徳島盲ろう者友の会役員 吉岡久美氏の司会により、受講者と講師がテーブルごとに分かれて、所属する友の会活動等について意見交換を行った。 (5)「友の会運営について」  奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」事務局長 小川廉氏の司会により、NPO法人えひめ盲ろう者友の会理事長、全国盲ろう者団体連絡協議会会長 高橋信行氏とNPO法人兵庫盲ろう者友の会理事長 今川裕子氏から、友の会運営とは何か、会長の役割について、NPO法人とは何か、取得するまでの手順等について講演していただいた。 (6)「盲ろう者リーダーとして」  全国盲ろう者団体連絡協議会役員 関厚博氏の司会のもと、高橋信行氏から、盲ろう者リーダーとして意識をもって動くことが大切であること、通訳・介助員との関係を上手にコントロールしてお互いに成長していくということを、寸劇を交えて講演していただいた。 (7)閉講式  関厚博氏より、2日間の研修を通しての総括をしていただいた。受講者は皆、意欲的な姿勢で受講し、もっと学びたいという声が多く寄せられた。 2 カリキュラム別の報告 2−1 開講式  開講にあたり、社会福祉法人全国盲ろう者協会事務局長 山下正知より、受講者への挨拶を行った。以下に、その内容を掲載する。  平成24年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会に、こんなに大勢の皆さんが参加していただき、本当にありがとうございます。  私は、全国盲ろう者協会事務局長の山下と申します。皆さん、ご承知のように、前任の塩谷がお体の不調で、急に退職されることになりまして、この10月から事務局長を引き継いでいます。よろしくお願いします。  本日は、全国の友の会、また設立準備会の皆さんに、育成研修会に参加していただいています。この研修会は、友の会などの地域団体の活動を活発にして、盲ろう当事者主体の社会参加を後押しすることを目的としています。その具体策として、各県庁との行政交渉などが円滑に進むように、新しい盲ろう者のリーダーを育成するべく、福祉医療機構という団体の助成を受けて、昨年度から実施しているものです。福島さん、あるいは大阪の門川さんを支援する集まりが母体となって、この全国盲ろう者協会が設立されたのが、約20年前です。それから次第に各県に、今日お集まりになっているような盲ろう者友の会などが作られて、盲ろう者の社会的活動も広がってまいりました。  しかしながら、どの団体においても、長く活動を続けるうちに、どうしてもリーダー、役員などが固定してしまい、活動もマンネリ化といいますか、だんだん動きが遅くなってくる、鈍くなっています。その傾向がみられています。そういう中で、次を担っていく新しいリーダーによる各団体の活動の活性化が求められています。  私自身は、先月、中・四国盲ろう者大会に参加して、そこで、山口県で活動されていた中木屋スミヱさんのお話を聞かせていただきました。皆さまご承知の通り、昭和40年代に、中木屋さんたちの活動があって、いったん高まりを見せた我が国の盲ろう者の社会的活動、これが様々な事情で、彼女が活動から身を引かざるをえなくなり、また、後に続く方がいないまま下火になり、やがて消えていってしまいました。  日本の盲ろう者活動の、1つの歴史がございます。もちろん、現在は、私ども全国盲ろう者協会がしっかりと活動しており、また、各県には、それぞれ友の会ができており、通訳・介助員派遣制度など社会的な支援制度も次第に整備されてきています。このような体制は、この20年に全国各地の盲ろう当事者の努力で築き上げられてきました。  しかし、今後ずっと将来に渡り、盲ろう者の社会的活動を広げていくためには、これまでの活動をつくってきた先輩たちの活動を引き継いで、さらに追い越すような新しいリーダーが出てくることが必要だと思います。この研修で、一層力をつけ、各地域に戻り、活動を活発に進められることを期待して、私の挨拶とします。 2−2 「盲ろう者福祉のあり方について」 講師 福島 智(東京大学先端科学技術研究センター教授) 司会 早坂洋子(みやぎ盲ろう児・者友の会会長)  盲ろう者のリーダーである皆さんに伝えたいメッセージは、2つある。 1.盲ろう者として生きる意味を考える。そして、盲ろう者として生きることにプラスの価値を見出す。 2.リーダーは輝かなければならない。  1つ目について。リーダー自身が、盲ろう者としての自分の人生に意味を見出していなければ、新しく出会った盲ろう者にアドバイスや、元気づけたりすることができないだろうと思う。盲ろう者としていかに生きれば良いかという問いかけは、人間としてどのように生きていけば良いのかということ。同様に、盲ろう者として生きることにプラスの価値があるのかについても、人間が生きる意味とは何かという問題と根っこの部分で繋がっている。 私たち盲ろう者は、普段、目と耳の両方に障害を持つことでどれだけ大変か、不便か、辛いかという、盲ろうという障害の独自性を社会や周りの人にアピールしているが、根っこにある問題は、「人間はなぜ生きるのか」ということ。 「盲ろう者の福祉」=「盲ろう者のしあわせ」を考える上で大切なことは何かと考える。 技術的な問題、制度や法律の問題、財政問題、盲ろう者運動のあり方等々の現実的で具体的な課題がたくさんある。これらはすべて大切な課題だが、そういう問題だけが重要ではない。 盲ろう者のリーダーにとって大切なことは、リーダー自身が盲ろう者として生きる人生にプラスの価値を見出す、その姿勢そのものが大事。盲ろう者としての魂のレベルでの新しい生き方、目覚めが大切だと思う。  2つ目について。「輝く」とは、リーダー自身が希望を持ち輝いて、他の盲ろう者に希望の光を与える(提供する)ということ。  リーダーの役割の中ですごく大事なこと。だけど、これは大変なことで楽な仕事ではない。「たき火の炎」には輝きのある明るさがある。だけど、輝く存在は、同時に燃える苦しみに耐えなければならないという辛さがある。つまり、リーダーは輝かなければいけないが、同時に燃える苦しみに耐えねばならないということ。  事前アンケートについて。研修会の事前資料にアンケートの回答集計結果があり、盲ろう者や通訳・介助員の悩み、取り組んでいることが書いてあった。この事前アンケートに記されていた様々な悩みは、すべて私自身の悩みでもあった。どの悩みも、すごく真剣で切実で大切な悩みばかり。どれ一つとして簡単な解決法や答えがない。 これらの悩みに本質的な根っこの部分で答えられるとしたら、生きることにプラスの価値を見出すことと、リーダーとして輝きを放つこと。この2つだけだと感じた。  アンケートに出ていた悩みについて。アンケートの中に、盲ろう者を新しく見つけることが難しい。仮に見つけても、盲ろう者と接触したり、友の会の活動に加わってもらうのが難しいという悩みが多かった。簡単な答えはないが、原点は何かを考えることが大事。友の会の活動や、新しい盲ろう者を見つけていくことの目的は何か。何のために友の会はあり、新しい盲ろう者と出会い、交流を深める必要があるのか。悩みが出たり、問題が複雑化し、わからなくなった時には、いつもこの原点に立ち返ることが大事。  原点とは、見えなくて聞こえないという特別な障害を持った盲ろう者が、「生きていて良かった」「生きることには意味がある」と感じられるようにすること。まずは、自分が、盲ろうの状態になったけれど、でも生きていて良かった、盲ろう者の状態で生きる人生も悪くないと思えるようになることが第一。皆さん自身が生活や人生を楽しむこと。 その上で、他の盲ろう者にも、そういう思いを感じてもらえるようなことをそれぞれがする。  友の会がする新しい友の発掘も、目的は原点につながっているものである。しかし、皆さんの悩みを見ると、2種類の問題が混ざっていると感じる。 ・個人としての盲ろう者が生きがいを見つけること。 ・その地域に住む全ての盲ろう者が平等にサービスを受けられるようにすること。(行政の仕事の肩代わりのような側面)  例えば、友の会の活動をどう活性化させるか、どう盛りたてていくか、または派遣事業を実施する上での悩みなどが混ざってしまっている。おそらく過去20年間の日本の盲ろう者福祉の進め方が急ぎ過ぎたり、無理をした部分があったのだと思う。私自身も反省している。誰かがコメントに書いていた、「盲ろう者はゆっくり進むことを大切にしたい」というのは、とても大切なポイント。  2つの原点が混ざっていて、うまく整理できていないことが、多くの悩みの根っこにあるのだと思う。 ≪質疑応答≫ 4名から質問があり、最後にまとめて回答をいただいた。 質問1:  盲ろう者の高齢化に対する支援はどうしていけばよいのか。 質問2: (1)盲ろう者の問題の社会的なPR・啓発活動の面で、盲ろう者を支援し、盲ろう者と交流することのプラスの意味を、もっとアピールする必要があるのではないか。 (2)法の改正などで社会の変化が早く、盲ろう者としてついていくのが難しい現状だ。盲ろう者だけの問題ではなく、他の障害者も社会的な大きな変化についていけないのではないか。 質問3:  他の盲ろう者とのコミュニケーション方法が違っていた時、どのような困難があり、それを乗り越え解決してきたか、エピソードを聞きたい。 質問4:  福祉の仕事、通訳や手引きをする時に、プロ意識が薄いと感じる。福祉従事者の給料の問題など社会問題もある。それについて意見を聞きたい。 質問に対する回答 質問1について:  盲ろう者の高齢化問題への取り組みは遅れている。アメリカに1年間行ってきたが、盲ろう者福祉は日本が勝っている部分も多いが、アメリカに学ぶべきことも多かった。その1つは、高齢の盲ろう者を念頭に置いた訓練、支援のプログラムがある。また、知的障害を併せ持つ盲ろう者への支援もアメリカでは注目されている。ただし、アメリカの福祉予算自体が、日本よりも少ないので、全国的な制度が展開しているわけではない。問題意識は学ぶべきところがあると思う。1つの突破口は、盲ろう者が利用しやすいグループホームを作ること。これまで、精神障害、知的障害に限られていたグループホームは、法改正により感覚障害、盲ろう者なども利用できるようになった。盲ろう者が利用しやすいグループホームや類似した生活の場を作る工夫が重要だと思う。 質問2について:  (1)について。盲ろう者自身の意識も大事だが、支援や関わる人たちへのPRの工夫も大切な視点だと思った。将来的には盲ろう者の通訳、支援にあたる人を大学や短大で養成する仕組みをつくる。高校、中学など校内で盲ろう者との交流を持つプログラムを作ることが1つの方法。これには法改正が必要なので、すぐにはできない。もう少しPRする戦略を考えたほうがいいと思う。個人的な意見として、日本ではヘレン・ケラーの名前が他の団体に使われているので、PRのためにもいずれ全国盲ろう者協会の名前自体を、ヘレン・ケラーに変えたいと思っている。  (2)について。政府の審議会や委員会などに関わって、膨大な情報が短時間で提供され、意見を求められ、徹夜で原稿を書いたこともある。結果は、ほとんど何の意味もなく、何の影響も与えることができなかった。世の中の動きや変化は早いように思えるが、表面的に速いだけで根っこの部分はそれほど変わっていない。障害者総合支援法は、今後3年間で見直せる可能性があり、その中で、盲ろう者のサービスをどうしていくか。重要なところは地域生活支援事業と自立支援給付の関係。この部分をどうするかを考えるのが、私たち盲ろう者には一番大きいところ。私たちに関わる部分は何かを見極めながら、今後、勉強会などを開いて検討していけばいいと思う。盲ろう者以外の障害者も、障害のない国民も社会の変化についていけないと指摘されるが、果たしてそうだろうか?歴史は繰り返しているだけで、今回の選挙にしてもどれだけ本質的に新しいことを言っているところがあるか。マニフェスト、政権公約は限りなく信用できない。変化が早いように見えるけれどもあまり踊らされず、大事なことは何かをじっくり考えればいいと思う。盲ろう者も、一人ひとりが納得した上で少しずつ進むのが大事だと思っている。 質問3について:  コミュニケーションの違いをどう乗り越えるか。基本的には相手の立場を想像する想像力だと思う。私は手話ができないから、手話を使う人と直接話ができない。これまで通訳を通してやりとりしてきたが、決定的なズレが生じたと感じたことはない。少なくとも手話を使っている人だから、ろうベースの人だから話が通じないと思ったことはない。  問題はコミュニケーションの種類ではなく、人間がそれぞれ関わる上で相手を理解する力だと思う。全国盲ろう者協会初代理事長の小島先生が言っていたことで、今でも忘れられない言葉の1つに次のようなものがある。「人間は80%から90%誤解でつながっている。自分に対する誤解を無理に解こうとしてはいけない。ますます誤解が深まるだけ。自分の正当性を証明するために言い立てることには意味がない。」、このような主旨のことをおっしゃっていた。目の覚める思いがした。 私たちは、基本的に誤解しながら付き合っている。その誤解の上で、でも相手の気持ちはどうなのか、少しでも想像することが大事であって、自分の正しさを主張することが大事なのではない。相手の間違いを指摘することが大事ではない。そういう教えだと思う。これがコミュニケーションの違う人たちとの交流の基本である。 質問4について:  福祉ワーカーのプロ意識の欠如が労働条件の悪さと関係しているのではないかということは、まったく同意見である。自発的に行われるボランティアの行為は大事なことだが、その一方で専門的なプロ意識を持った福祉ワーカー、盲ろうでいうと通訳・介助員、派遣コーディネーター、訓練や相談にあたる人の労働条件がきちんとなるよう、国や自治体が予算措置をしないといけない。良い労働条件で良い仕事をしてくれるプロの人がいて、初めて育つのだと思う。  盲ろう者の福祉を進めることと、通訳者、関わる人など、専門ワーカーの労働条件を改善することは、車の両輪だと思う。  今後、働きかけをしていく上で、常にこの2つを意識すべきだと思っている。 2−3 「グループ討議」 グループ別司会者: 小川 廉(奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」事務局長) 関 厚博(全国盲ろう者団体連絡協議会役員) 早坂 洋子 全体助言者: 門川 紳一郎(NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター「すまいる」 理事長) 藤鹿 一之(NPO法人東京盲ろう者友の会理事長) 全体会司会: 吉岡 久美(徳島盲ろう者友の会役員) 1.はじめに  受講者を3つのグループ(A、B、C)に分け、それぞれのグループに司会者が1名ずつ入り、以下のテーマについて議論した。 <テーマ1>  盲ろう者を増やすためにどうしたらよいか(盲ろう者の掘り起こし) <テーマ2>  県内、他県との交流を深めたいが、どうしたらよいのか <テーマ3>  通訳・介助員が足りない、スキルアップの問題について 2.グループ発表 □Aグループ <テーマ1>  いろいろな地域で、盲ろう者の行事を行っているので、一人で引きこもっている盲ろう者に知らせたいが、役所では個人情報保護法のため、家の住所・名前などは教えてくれない。他の方法は何があるか、討議した。役所に友の会パンフレットを置いてもらう。役所から盲ろう者に配ってもらう。それだと個人情報の問題はない。大型スーパーなどに盲ろう者友の会のパンフレットを置き、自由に持って帰ってもらうという例もあった。役所にお願いするということで、盲ろう者友の会に入る方が増えた。役所や支援センターなどいろいろな場所に盲ろう者自身が行って、情報提供したり、お願いすることが大事だという意見があった。盲ろう者が楽しい行事に初めて参加した時、声をかけるなどやさしくフォローすることが大事である。 <テーマ2>  温泉旅行を企画する時、そこへ他県の人も参加してほしいと呼びかけて、参加者30人以上で楽しく交流したという報告もあった。他県では、派遣を認めていない県もあり、ボランティアでお願いした。  一番大切なことは、盲ろう者が一人じゃない、仲間がたくさんいる、ということを知ることが大切だという意見があった。 <テーマ3> (1)人材不足。特に、男性の通訳・介助員が不足している。男性の盲ろう者が旅行に行く時、お風呂の通訳・介助を受けられない問題がある。 (2)盲ろう者の障害は一人ひとり様々なので、それぞれの盲ろう者に対応することが大切だと話した。通訳・介助員やコーディネーターの給料が安いのは、プロ意識の問題につながるのではないかという意見があった。 □Bグループ <テーマ1> 1.盲ろう者が参加しやすい内容、場所をつくる。 2.盲ろう者がいることがわかるきっかけを作れるような場所をつくる。 3.PRやパンフレットを読んでわかりやすいものを工夫してつくる。 4.手話サークルと点字サークル、聴覚障害者や視覚障害者協会などに参加して、盲ろう者がいるという情報を教えてもらう。  まとめると、盲ろう者が積極的に活動する中で盲ろう者の情報を集めることが大切である。 <テーマ2>  企画を通して交流する場をつくる。全国盲ろう者大会、ブロック会議等を通じて交流ができる場をつくる。聴覚障害者協会とつながりをつくる。 <テーマ3>  養成講座や現任研修会、学習会など、学ぶ機会をつくる。自分から行事に参加して盲ろう者との関係をつくる。  男性の通訳・介助員が少ないことは、これからの課題である。理由は、男性の盲ろう者がいるのに一泊交流会、トイレなど行く時に大変な苦労があるため。 □Cグループ <テーマ1>  各地域では、役所や学校、聴覚障害者、視覚障害者協会などパンフレットを置いてもらっても、効果はなかったという報告があった。インターネットを使って啓発をしてはどうかという意見があった。 <テーマ2>  全国に6つのブロックができたので、代表者会議、その後交流会を行っているという報告もあった。中・四国ブロックは、歴史も古く、他ブロックでも同じような交流が広まっているので、いずれ効果も出てくると思う。しかし、通訳・介助員の県外派遣が認められていない県もある。 <テーマ3>  男性の通訳・介助員が少ないので、もっと呼びかけていく必要がある。男性の通訳・介助員がいない時、弱視の盲ろう者が全盲ろうの盲ろう者を介助したという体験談があった。 □助言者からのコメント (1)門川紳一郎氏  今回の3つのテーマはとても重い。どうすればよいかについては、いくつもやり方があると思う。 <テーマ1>  盲ろう者の仲間がいるということを知ることで、お互いに励まし合ったり、勇気を与え合ったり助け合ったりすることができるから。同じ盲ろうの仲間との出会いは、盲ろう者が輝くには必要な要素の1つである。 <テーマ2>  他県との交流の目的は、情報交換である。あと、盲ろう者が楽しみを見つけるということ。 <テーマ3>  養成講座は入り口に過ぎない。養成講座を突破口に、現任研修でさらに技術を磨き、通訳・介助員を目指す人たちと日々の生活の中でコミュニケーションを取ることによって、通訳・介助員の技術、そして盲ろう者自身のコミュニケーション力を、お互いに向上していくことが大切だと思う。 (2)藤鹿一之氏 <テーマ1> 1.盲ろう者を見つけること。 2.見つけた盲ろう者を救済して、派遣事業に利用登録してもらったり、友の会に入会してもらうこと。  以下、東京の取り組みを2つ紹介したい。 A.区市町村との連携  全国で初めて、荒川区が予算を組んで、盲ろう者の発掘に力を入れてくれている。荒川区で確認された盲ろう者の自宅に、区の職員だけでなく、東京都盲ろう者支援センターの職員も同行して訪問している。  これからは盲ろう者の訪問事業が、とても重要になってくると思う。区市町村と連携して友の会の役員、盲ろう者及び支援者が盲ろう者の自宅に直接出向く。可能であれば友の会の事務所があれば来てもらう。直接会うことも大切。派遣事業の重要性、あるいは盲ろう者でも自分に適したコミュニケーションを身に付ければ、立派に生きていけるということ。 B.関係機関との連携  聴覚障害者情報センターと連携して、「見えにくさの相談会」を開いている。来年度は、日本盲人会連合の協力を得て、「聞こえにくさの相談会」を計画している。聴覚障害者及び視覚障害者関係の機関と連携して盲ろう者の発掘をしようと試みている。 <テーマ2>  盲ろう者自身と通訳・介助員自身の双方の気持ちをひとつにしなければいけない。つまり、双方のモチベーションを上げること。「スキルよりマインド」。つまり、最初は手話や点字の技術よりも盲ろう者のことを理解しようとする気持ちが大切。盲ろう者自身も派遣事業を利用して、社会参加を目指そうという気持ちを持つこと。盲ろう者自身が輝くことが大切だと思う。盲ろう者が輝き、通訳・介助員のモチベーションが上がれば、当然、盲ろう者にとって良い通訳・介助員となり、スキルアップにつながると思う。盲ろう者が意欲を出すためには、良い通訳・介助員の通訳・介助を受けること。各友の会で見本になる通訳・介助員を育成すること。  最後に大切なことは、実際に通訳・介助を体験していただくこと。達成感を得ることで、通訳・介助員としてのスキルアップにつながると思う。 2−4 「友の会運営について」 講師: 高橋信行(NPO法人えひめ盲ろう者友の会理事長、全国盲ろう者団体連絡協議会会長) 今川裕子(NPO法人兵庫盲ろう者友の会理事長) 司会:小川 廉 1.高橋 信行氏の講演 (1) NPO法人格を取得して、友の会を活性化させよう  NPO法人を取得する上で、メリットとデメリットがあることを認識する。両方を知ることで正しい判断をすることができるので、知ることを大切にすること。(以下、寸劇を通して説明) A.NPO法人を取得するメリット →社会からのお墨付きが得られる。 <実例1…電話> 1.NPO法人取得していない場合 電話の呼び出し音:プルル…ガチャ。 友の会会員/○○友の会の野々宮です。いつもお世話になります。 住民A/えっ?○○友の会? 知らないな、そんなの。マンションの勧誘ならお断りだよ!うちはお金ないよ、貧乏だよ。(ガチャ!)  最近、家にいると、電話には勧誘などが多く、信用できない団体からも連絡が来る事もある。そのため、NPO法人を取得していないと、信用されにくいという事実がある。 ■NPO法人を取得している場合 電話の呼び出し音:プルル…ガチャ。 友の会会員/NPO法人○×友の会の野々宮です。いつもお世話になります。 住民A/えっ?NPO法人?あぁ、社会のためにがんばっている人たちね。お疲れ様です。 友の会会員/来週の日曜日、福祉センターでイベントをしますので、よかったらご参加ください。 住民A/はいはい、行けたら行きます。  NPO法人を取得していると、信用されるし、社会からもお墨付きをもらえる。そのため、友の会活動においても、活動しやすくなるという面がある。 <実例2…募金> ■NPO法人を取得していない場合 友の会会員/○×友の会です。募金をお願いします。 通行人1/募金してもいいけど、ちゃんと困っている人に届くのかしら? 通行人2/さあねえ。最近は変な団体も多いから信用していいのかわからないわね。 ■NPO法人を取得している場合 友の会会員/NPO法人○×友の会です。募金をお願いします。 通行人1/募金してもいいけど、ちゃんと困っている人に届くのかしら。 通行人2/NPO法人だったら行政のお墨付きだし、会計報告もきちんとしているから大丈夫よね。少しだけだけど、募金しようかな。  NPO法人を取得しているだけで、信用性が変わってくることを示している。NPO法人を取得するということは、会計報告を行政に提出したり、報酬をもらっている役員がいるかどうかの個人情報も提出しているため、不正はできない面がある。そのため、社会からの信用性が高まる。また、募金もしっかりと目的に沿って使われるという認識がある。 <実例3…新会員の入会>(例:盲ろう者と母親の会話) ■NPO法人を取得している場合 母/信行、なんだか○×友の会から手紙が来ているよ。変な宗教を始めたんじゃないでしょうね。大丈夫なの? 盲ろう者/何いっているんだ、大丈夫だよ。NPO法人だよ。社会のお墨付きの団体さ。盲ろう者の社会参加のための活動をしているんだ。僕も入って頑張ろうと思う。 父/よっしゃ。お父さんも応援するぞ。ま、ここへ来ていっぱい飲め。  盲ろう者がいる情報があったとしても、その人が入会して活動していただけるかどうかは、1つのハードル。NPO法人であれば信用性があるので、しっかりとした組織の一員になることに魅力を感じてもらえるかもしれない。そのため、盲ろう者の掘り起こし、新しい会員を増やすことに役立つという、「盲ろう者の課題」の解決を促す結果になるかもしれない。 <実例4…派遣事業委託>(例:どこに委託するかを県の福祉担当者が打ち合わせ中の場面) ■NPO法人を取得している場合 課長/係長、この間の通訳ガイドヘルパー派遣事業は、どこに委託するつもりだね? 係長/○×友の会に委託しようと考えていますが。 課長/大丈夫なのか? そこは。 係長/はい、NPO法人を取得していますし、きちんと活動している友の会のようです。 課長/そうか。それなら安心だ。  事業を委託する立場では、しっかりとしたところに委託したいと考えている。NPO法人になると、会自体が事業を受託することになり、3人以上の理事、監事もいるので安心感がある。民主的な活動をして、しっかりと事業を行っていく力がある団体だと見てもらえる。 B.NPO法人を取得するデメリット  いろいろな書類を作ったり、毎年役所に提出しないといけない。その書類とは、今年度はこうした活動をしました、来年度はこのような活動をする予定、収支計算書などのこと。また、法人のため、法人税が出るので、それについての処理も必要。ただし、お金儲けをしていないNPO法人は法人税が免除される。その免除の申請書などを作って役所に毎年届ける必要がある。面倒なことではあるが、別の見方をすると、しっかりとした運営をする上では大切なことである。  メリットとデメリットをよく理解した上で、今後の友の会をどうしていくか?しっかり考えて判断をすること。 (2)NPO法人を取得するためには? 1)会員10名以上の名簿を作る。ほとんどの友の会では、会員は盲ろう者と支援者で構成されている。そのため、10名以上の名簿を作ることは、それほど難しいことではない。 2)理事は3名以上。えひめ盲ろう者友の会の場合は9名。全国盲ろう者団体連絡協議会の規定で、「盲ろう者団体は、役員の過半数が盲ろう者であること」としている。えひめ盲ろう者友の会の場合は、5名が盲ろう者、4名が通訳・介助員、支援者。 3)定款を作る。定款とは、会の決まりを書いた文章のことである。会の目的、理事会はどうするのか。会の法律みたいなもの。定款を作るのは大変だが、すでにNPO法人になっている友の会のものを参考にするとよい。ただし、すべて同じということではなく、友の会に合った内容にしていくこと。作成できたら、県の福祉課へ相談する。申請をしてから実際に認められるまでに半年ぐらいかかる。 2.バランスのとれた友の会運営について (1)盲ベースとろうベースのバランス  盲ろう者には、大きくわけて4つのタイプがある。盲ベース、ろうベース、先天性(生まれつき)、後天性(大人になってから)の4つのタイプがある。 <バランスの取れた友の会> 盲ろう者/これまで目が不自由だったのに加え、最近は難聴がひどくなっちゃったよ。困ったな〜。 友人/○×盲ろう者友の会というのがあるらしいよ。 盲ろう者/う〜ん、そこに入れるかな。 友人/うん、聞くところによると、目と耳の両方が不自由な人を盲ろう者というらしいけど。同じ盲ろう者の中でも、始めに目が不自由になった人を盲ベースの盲ろう者、始めに耳が不自由になった人をろうベースの盲ろう者。小さい頃から目と耳の両方が不自由な人を、先天性の盲ろう者。その他、大きくなってから盲ろうになった人とかもいて、盲ろう者といっても、いろいろな種類があるみたいだよ。 盲ろう者/ふ〜ん、そうなんだ。それで、その○×盲ろう者友の会は、どんなタイプが入れるのかな? 友人/うん、○×盲ろう者友の会は、バランスの取れた活動をしているって評判だわ。どのタイプの盲ろう者もちゃんと受け入れて、活動できるって聞いてるわよ。 盲ろう者/ふ〜ん、そうか、じゃ行ってみよう。 (2)富士山のように <意欲の低い会員を排除する例> リーダー/Aさん、来週の日曜日の交流会は参加しますか? 会員A/仕事がある日ですけど、私はもちろん、休暇を取って参加します。 リーダー/Bさん、あなたはどうですか? 会員B/私は仕事を休めないので、残念ながら交流会は欠席します。 リーダー/Bさん、あなたは会と仕事のどちらが大切なんですか? 会員A/そうよそうよ、会と仕事のどちらを取るのよ。 会員B/えーっ?そんなことを言われても、私にも都合があるし…。 リーダー/じゃかましい!そんな奴はやめてしまえ。 会員B/やめます。  友の会の会員は、非常に熱心な人から、そうでもない人まで、いろいろな人がいる。リーダーは、上から下までの人たちを大事にしないといけない。今、上にいる人でさえも、かつては裾野にいた時期もあったことだろう。逆の立場に置き換えて、「こういう立場ならどうしてほしいのか?」を考えつつ、裾野にいる人たちを大事にして育てていく。こうしたリーダーがいることが、友の会を存続し、大きくすることにつながっていく。  NPO法人にしても、バランスのとれた運営をするにしても、いろいろな社会資源を我々は活用していく。世の中の全てには長所と短所がある。リーダーは、物事を判断する際にそれぞれの長所と短所をしっかり把握し、長所だけを見て突き進んだり、短所だけを見て使えるものを使わなかったりしないこと。できるだけ短所が出ないようにして、長所を活かしながら使っていくという判断をしながら、しっかりとした友の会運営をしていくこと。「言うは易く、行うは難し」というように、口で言うのは簡単ですが、実際に行うことは難しい。リーダーが一人で思い悩んでいても、正しい判断は難しいかもしれない。そういった時は、全国盲ろう者団体連絡協議会にも声をかけていただき、友の会のみんなで考えていくことをしていくとよい。 2.今川 裕子氏の講演  兵庫盲ろう者友の会は、16年前神戸にできた。初代会長は、吉田正行氏。彼は難聴の間に20年間活動経験があった。その経験をもとに、友の会の活動を始めることができた。しかし、難聴者、ろう者団体と盲ろう者団体とでは、多くの面で違いがあった。そうした中、吉田氏は突然、病気で亡くなってしまった。後を引き継いだ私たちは、どうしていけばいいのか。こうした兵庫盲ろう者友の会のことを基本にお話しする。 (1)友の会運営に必要なことは何か? A.会長はさぼれ!  どういう意味かというと、会長になる人は有能な人が多い。盲ろうという重い障害を持っているのに、あれもできる、これもできる、今までいろんな経験をしてきた方が多い。しかし、会長が全部やってしまったら、どうなるのか。最初にも話したが、会長が突然亡くなってしまった。それまで吉田氏が1人ですべてを担っていた。残された私たちは何をすればいいのか、まったくわからなかった。こんなことにならないためにも、会長が全部やってしまうことはよくないということである。 B.理事(会長以外の役員)を動かす!一人ひとりに、仕事を担当させ、責任を持たせる。  会長は、事務所でお茶でも飲んで、みんなからの報告を聞くだけでよい。友の会の仕事はたくさんある。その仕事を理事に全部分担すること。一人ひとりの理事に担当を決めて、責任を持たせてやらせること。あなたはこれを任せるので、終わったら報告してね、と。会長は目をつぶって、みんなに任せること。もちろん、初めからできるわけではない。今まで何の経験もない人が多いのだから。しかし、いろいろな簡単な仕事からお願いして、経験すれば、少しずつできるようになっていく。吉田氏が生きていたら、私は今でも何もできない、一人の理事だったかもしれない。 C.役員以外の一般盲ろう者は一人ひとりのもつ力を引き出す  理事以外の一般会員について。その人たちに仕事をお願いしなくてもいい。しかし、一人ひとりは、すばらしい力を持っている。例えば、俳句が上手な人、スポーツが得意な人。友の会の活動とは関係ない特技のように思うが、スポーツだったら、交流会で活躍してもらえる。俳句なら、俳句集を作って販売もできる。販売すれば、少しでも友の会の収入につながる。一人ひとりの盲ろう者の力をよく見て、それを引き出すこと。これが会長の役目である。 D.サポートは不可欠  理事になっている盲ろう者、それから、一般の盲ろう者、非盲ろう者、この人たちのサポートは不可欠。必ず必要。私はファックスが届いても読めない。手紙が届いても読めない。電話がかかっても出られない。何にもできない会長。必ずサポートしてくれる人が必要。でも、何もできないからと言って、悲観することはない。手伝ってくれる人がいれば、私は電話もできる。FAX、手紙も読める。パソコンは苦手だけれど、手伝ってもらえれば、立派な報告書も作ることができる。兵庫盲ろう者友の会には7人の事務局員がいる。毎日交通費だけで仕事をしてくれている。本当に感謝している。でも、こういう人材を見つけたり育てたり、それは私たちがやらないといけない。盲ろう者の掘り起こしもだが、非盲ろう者の掘り起こしも必要。 (2)友の会運営にはお金が必要! A.会員を募る、寄付を募る  友の会の活動にはお金がかかる。兵庫盲ろう者友の会ができた16年前、お金はゼロ。会費だけの収入では、会報の発行にも足りない。そこで、当時は養成講座を開いても、講師をした謝金はすべて友の会に寄付していた。今はきちんと謝金が払えるようになった。 B.助成金を受けて事業を行う  何も、NPO法人でなくても、助成金は受けられる。ただ、金額が少ないだけ。事務局に頼み、インターネットで調べたらいろいろなお金がもらえる団体がわかる。1回だけの補助金も多いが、赤い羽根共同募金とか、NHK歳末助け合いもある。NHK歳末助け合い募金や、視覚障害者団体でお金がもらえるところもある。どんな内容で申請したら合格しやすいかも、インターネットで調べればわかる。いくら一生懸命申請書をまとめても内容が的外れだったら、もらうことはできない。そうして、NPO法人を取るまでの間に、いろいろな財団の補助金、助成金をもらって兵庫盲ろう者友の会の名前を売り込んでおく。今年、福祉医療機構から見事300万円の助成金を獲得できた。しかし、300万円もらったら、300万円の仕事をしないといけない。いきなりNPO法人を取ってから300万円をもらったのでは、多分無理だと思う。今までNPO法人を取るまでの間にいろいろな補助金をもらってきた。10万、20万円がほとんどだが、なかには100万円、150万円くらいのものもあった。その経験の積み重ねがあったから、今度の300万円にも対応できる力が培われてきたと私は思っている。これは、私の力ではない。サポートしてくれているみんなの力。何度も言うが、私は何もできない会長。だけど、いろいろな人が助けてくれたらこんなこともできる。だから、今会長をしていると言って手を挙げた16人の方は、自信を持ってやって欲しい。私と同じように何もできない人が多いと思うが、大丈夫。パソコンができなくても大丈夫。お金の集め方は、基本的には会費と寄付。会員を増やすためにはいろいろな人に頭をさげないといけない。寄付も同じ。人が集まるところには必ず出て行き、会員になって欲しい、寄付して欲しいと出かけて行くこと。100円でも1000円でも構わないから、そこから始めてみること。  また、後押しをする方の後援会、これも大切。友の会の活動は本当に忙しいので、バザーなどには手がまわらない。この後援会がバザーをしたり、歌が得意な人を探してチャリティーコンサートをしたり、お正月のしめ縄作りをしたり、会員募集をあわせてやってくれている。いろんな種類の人材を利用して友の会活動はできると思う。 (3)盲ろう者の存在を知ってもらおう! A.県、市など行政の担当者と仲良くする  盲ろう者は人数が少ない。黙っていてはわかってもらえない。まず、県や市の担当者と仲良くすること。いろんな要望を突き返してくる敵ではない。にっこりほほえんで、相手のところへ行くこと。怒った顔をしてはいけない。ニコニコすること。そうして仲良くしておけば、いろんなことを助けてくれる。要望はなかなか通らないが、それに代わる事業が他にないか、一生懸命探してくれる。  去年、1つの事業を、友の会が県から委託を受けて実施した。こういう事業を引き受けると、事務費という項目でお金が友の会に入ってくる。兵庫盲ろう者友の会では、毎週水曜日に集まっており、県の担当者に見学に来てもらった。今まで何度も繰り返し盲ろう者の存在やコミュニケーションの特別性を訴えてきた。そういう話をしている時に担当者は、うんうん、とうなづいて聞いてくれていた。通じていると思っていた。でも、見学に来てくれた局長はこう言った。「盲ろう者のコミュニケーションはいろいろあるんですね。」と。「そやからいつも言いてるやんか、あほ。」とは言わず、ニコニコしていた。心の中ではそう言っていた。百聞は一見にしかずという言葉、知っているか?百回聞いてもわからない、でも見たら1回でわかる。1度見てもらっただけでわかってもらった。会長だけが県庁に行って話を繰り返してもいけない。効果は少ない。盲ろう者が大勢集まっているところへ来てもらった方が一番効果が大きいと思う。私たちの様子を実際に見てもらい、通訳・介助の大変さもわかってもらうためにも。 B.地域、他団体の行事には積極的に参加する  地域の盲ろう者友の会以外の団体、例えば、ろう者団体や難聴者団体、視覚障害者団体などの行事にはできるだけ積極的に参加すること。兵庫では聴覚障害者団体で文化祭を毎年10月に開いている。ここで、盲ろう者が困っていることをテーマにしてお芝居をしている。聴覚障害者がたくさん来るので、お芝居を見るとよく理解してもらえる。私たちも毎年楽しくやっている。これも私はタッチせず、担当者に任せている。 (4)NPO法人について A.大変な面について  NPO法人の申請は条件を満たしていればすんなり通る。ただ、申請するものの量が多い。1枚だけでなく何枚もある。理事の名前なども書いて出さないといけない。  例えば、兵庫盲ろう者友の会の場合、理事が7名。7名の理事の住民票、実印の印鑑証明が必要。普通の人は実印を持っていないので、頼んで作ってもらうなどした。住民票を出しているため、名前の文字を間違えていたら、鋭く指摘されて書き直しを要求される。(板東なのか坂東なのか、そこを間違えていることがあった)また、役員が変わったり理事や住所に変更があれば、そのつど書き直して提出が必要。法人格を取った後は、1年に1回の報告だけが必要になってくる。 B.法人を取るのはなぜか?  みんなが集まっておしゃべりをしたり交流をしたり、これは大切なこと。これだけでいい、構わないというのであれば、法人はいらない。しかし、事業がしたいと思っている団体は、法人格を取ること。事業をすればお金が入ってくる。税金を払わなければならないなど、いろいろと面倒はあるが、事業をしたいなら、法人を取ったほうがよい。 2−5 「盲ろう者リーダーとして」 講師:高橋 信行 司会:関 厚博 1.リーダーの心得  私は一般社会では、自分のやることがないし、人を引っ張っていくこととは無縁に生活してきた。でも、私は今、盲ろう者友の会のリーダーをしているし、全国盲ろう者団体連絡協議会のリーダーもしている。盲ろう者の世界なら、「自分がもしちゃんと見えて聞こえていたなら、こんな風に活躍できたろう」と、本来の自分の活躍ができる。今日ここに来られているニューリーダーの方は、間違いなく各友の会のリーダーである。盲ろう者の社会で自分はリーダーとして活躍するのだ、みんなを引っ張っていくのだ、という気持ちでいてほしいと思う。その上で、下記のことを心に留めてほしいと思う。  (1)いくら正しいことでも、リーダーだけわかっていて、リーダーだけで決めて、会員を動かそうとしても動かない。  (2)丁寧に会員に説明しながら、離れたところからわめくのではなく、片足はみんなのところに置いておく。もう片足を進むべき方向に一歩出しておく。  (3)どんなに中身が素晴らしい人であっても、人間は外見が大事。その場に応じた格好をすることは大事。 2.盲ろう者の自立と社会参加の実践  ここでいう「自立」とは、人間的自立のことを指している。アメリカで起こったIL(アイエル)運動というものがある。障害者の自立を目指した運動。その運動の信念となっている条項は5項目ある。そのうちの1つは、『手伝ってもらってもいいよ、自分でしてもいいし、手伝ってもらってもいい。手伝ってもらうことは恥ずかしいことではない。』他に、『自己決定。自分のことは自分で決める。』『自己責任。自分で決めたことは自分で責任を取る。』がある。  社会参加をもっとわかりやすくとらえるならば、社会で活躍するということだと思っている。社会で活躍できなかったら、それは「社会参加している」とは言えないだろうと思っている。社会参加を可能にするのは「支援」。「支援」と似た言葉に、「代行」がある。「支援」と「代行」の違いを、盲ろう者と支援者の両方が理解することが大事。それを続けていくと、盲ろう者は依存的になっていく。代行の果てにあるのは、盲ろう者の依存性を高めること。自立とか社会参加とは180度、方向が違う。ところが支援の向こうにあるのは、盲ろう者の社会参加と自立。  通訳・介助員活動というのは、これは運動会で行った二人三脚とよく似ている。盲ろう者も一緒に頑張らないといけないということは、皆さんはリーダーとして、会の盲ろう者に伝える必要がある。通訳・介助員活動は、二人三脚だから、よりよい通訳・介助をされるためには、盲ろう者が反応しないといけない。通訳・介助員は、それらの反応を見ながら、自分の通訳を修正していく。その盲ろう者に合わせていく。 3.盲ろう者自身が力をつける  盲ろう者がITを使えることはすばらしいこと。今できなくても1年後、2年後にできるようにしていくとよいと思う。こうして得た技術は、友の会だけでなく盲ろう者本人にとって大きなプラスになる。コミュニケーションというのは、キャッチボールだと思う。友の会の活動のかなり重要な部分を、コミュニケーションが占めている。コミュニケーションがうまくいかないと、会の活動自体がうまくいかない。特に、リーダーは相手がちゃんとこのボールを受け取れるように投げる必要がある。 4.会の運営力をアップしよう  会が機能していくためには、やはり組織としてしっかりとしたものになっていかないといけないと思っている。係を設けてその人にその仕事をやってもらうようにする。今いるスタッフに、さらに有能になっていただく。これは、リーダーと一緒に、スタッフと一緒に成長していくことを言っている。盲ろう者が成長する気がないと、スタッフも成長できないと思う。盲ろう者に障害はあるが、それを乗り越えて頑張って行こう、という気持ちを持てば、支援者がそれを支援していく。 5.考察  この講義では、盲ろう者のリーダーとして心がけていくべきこと、身につけていくべきこと、また共に活動する通訳・介助員との関わり方について、寸劇を交えながらわかりやすく説明いただいた。受講生が興味深く熱心に聞き入っていた。質疑応答では、たくさんの質問が出されたが、時間が足りず具体的な回答が得られない部分もあった。今後は質疑応答に十分な時間を確保することで、より具体的な回答が得られるようにしていければよいと考える。 2−6 閉講式  閉講にあたり、本研修会企画委員長関厚博氏より、受講者への挨拶を行った。以下に、その内容を掲載する。  企画委員を代表して、最後の挨拶をしたいと思います。皆さん、2日間のニューリーダー育成研修会、大変お疲れ様でした。  昨日と今日の2日間で学んだことを、これからの友の会で活動する上での参考にしていただきたいと思います。とても貴重な勉強ができたかと思います。  ところで、企画委員の役割は何かと言うと、研修会のカリキュラムを作ることと、当日の研修会の司会を担当することです。研修会を開く時、助成金を受けています。福祉医療機構というところからです。  2日間勉強した内容について、改めて振り返ってみたいと思います。大事なポイントだけですが、忘れないようにしていただきたいので、改めて、まとめとして振り返ってみます。  まず、1日目の午前、福島さんから「盲ろう者福祉のあり方」というテーマでお話をしていただきました。福島さんから、盲ろう者のリーダーに伝えたいこととして、2つのポイントをお話いただきました。  1つ目は、盲ろう者として生きていく意味を考えること。プラスの価値を見いだすことでした。  2つ目は、リーダーは、輝く必要がある、ということ。たき火を例にして、まわりの皆さんに光を与えて、輝いていく必要があるというお話でした。  次に、1日目午後のグループ討議。3つのグループに分かれて、それぞれのグループで3つのテーマについて、意見交換をしました。その後、門川さんと藤鹿さんの2人から、アドバイスをしていただきました。  3つのテーマの1つ目は、盲ろう者の掘り起こしについての意見交換でした。個人情報保護法の問題が大きな壁となっているという意見がありました。講師の方からは、他の盲ろう者を励まして、救済していく、助けていく。それを派遣事業に繋げることが大事だとコメントされました。  2つ目は他県との交流、または県内での交流についての意見交換でした。これについては、県内にとどまらないで、他の周りの県との交流も深めていくことが大事だとコメントがありました。  3つ目は通訳・介助員の不足とスキルアップについて。盲ろう者、通訳・介助員とお互いに成長していくことが大事だとコメントがありました。  次に、2日目の午前は、「友の会の運営について」というテーマで、2人の講師からお話がありました。  まず、高橋さんから、おもしろい寸劇を交えて、いろいろとわかりやすくお話していただきました。NPO法人を取った時のメリットとデメリットについてですが、メリットとしては、社会的に信用されやすくなる、また募金や寄付金を集めやすくなる。それにより派遣事業など、いろんな事業が行いやすくなるというお話がありました。また、デメリットとしては、行政などに細かい申請書、報告書などの書類を作って提出する必要があるので、手続きが大変になること。きちんとした運営をしていく、厳しい運営をしていくというお話がありました。  今川さんからのお話は、会長はさぼれ!ということで、会長が役割を全部担当するのではなく、会の中にいる会員にうまく役割分担して、任せていくことが大事だというお話でした。  午後は、「盲ろう者リーダーとして」というテーマで、高橋さんからお話していただきました。  特に大事なポイントとして、自分のことは自己決定して、それを自分で責任をとる。自分で判断をして、自分でそれについて責任を持つ必要があると、お話されました。  もう1つは、通訳・介助員との関わり方について。二人三脚で一緒に成長していくとよいというお話でした。  他にもITをうまく活用していく、または、コミュニケーション力をつける。時間はかかるが、お互いにずれがないようにコミュニケーション力をつけていくというお話がありました。  以上が、2日間の講演、研修会のまとめです。盲ろう者のリーダーをこれから目指す方、すでにリーダーとして活動している方が参加されていますが、リーダーというのは、友の会の代表者であり、また、会の責任を持つことになります。友の会で先頭に立って、周りの人を引っ張っていくことになります。その時に、いくつか壁や悩みにぶつかったり、選択肢がある時、どの方法を選べばいいのか迷ったり、課題にぶつかることが多くあると思います。そういう時には、一人だけ、自分だけで悩まず、周りの人と話し合うとか、他の地域の様子はどうなっているのか、他の県との交流を深めていく、または、情報交換をしていくのがよいと感じました。  以上で、まとめとしての挨拶を終わります。 3 アンケート結果 配布数 39 回収数 24 1.盲ろう者地域団体(友の会等)との関わりについて 1−1 盲ろう者地域団体での活動年数 (あ)3年未満 3 (い)3年以上から6年未満 7 (う)6年以上から9年未満 7 (え)9年以上 7 (無回答) 0 1−2 盲ろう者地域団体での現在の役職 (あ)代表(会長、理事長等) 11 (い)事務局長 0 (う)上記以外の役員 11 (え)事務局員 1 (お)その他 1 2.本研修会に参加した目的について 2−1 参加の動機について(複数回答あり) (あ)自主的参加 15 (い)所属団体からの要請 5 (う)所属団体の役員会での推薦 5 (え)その他 1 2−2 参加の目的について(複数回答あり) (あ)団体運営等に必要な知識・情報の収集のため 18 (い)他団体との情報交換のため 4 (う)自己啓発のため 9 (え)その他 0 3.本研修会の運営等について 3−1 開催時期や日数について よい 17 【理由】 ・開催時期や日数はよいと思う。今年は雪のため、閉会式等に支障が出たのは天候上の理由で差し支えない点がある。 ・2日間の研修会を開催するのは、ちょうどよいと思う。 ・会場設備も整っており、パソコン要約筆記への対応もすばやくて準備が行き届いていたと思う。2日間ストレスなく、研修に集中できた。 ・他の行事と重なっていない時であった。移動日も入れて2泊3日になる、この程度であれば負担にもならず、よい。 普通(特に支障なし) 4 【理由】 ・10月がよい。12月はイベントが多くあるため。 改善を望む 3 【理由】 ・4日間ぐらいあった方がよい。 ・12月の初めでよかったが、出来れば少し暖かい時がよい。 ・春、秋頃がよい。台風や雪の影響のある時期はできるだけ避けてほしい。 3−2 会場・宿泊施設の設備、サービス等について よい 20 【理由】 ・交通機関、宿泊地、会場が互いに近く、移動等にとても便利だった。 ・品川駅のすぐ近くで、とても便利な場所であり、部屋についても満足。通訳・介助員が隣の部屋で、同じ研修会仲間の部屋も近く、とても安心して参加できた。 ・駅から近く宿泊先と会場が別でも徒歩で移動できることはすごく助かる。 ・会場、宿泊施設、駅、3つとも、距離が近くてスムーズに移動することができた。 ・室内温度など環境も集中できる状態にあったと思う。お弁当配布も準備良く進められていた。宿泊施設は、料金的にも十分だと思う。 ・会場は、ホテルから近い場所にあり、よかった。 普通(特に支障なし) 3 【理由】 ・車いす用トイレが別の階にあり、使いづらかった。 ・駅から近かったからよかった。 ・空調が暑すぎて困った。 改善を望む 1 【理由】 ・研修会場が狭くて、移動が大変だった。席の後ろから前が見えにくかった。 3−3 案内・連絡等について よい 20 【理由】 ・案内、連絡については、問題はないと思う。 ・必要な情報は適切に教えていただけた。 ・しっかりと、案内や事前連絡をしていただき、また当日も色々な連絡を細かく丁寧にしていただき、分かりやすかった。 ・資料を早く届けてもらえてよかった。 普通(特に支障なし) 4 【理由】 ・混乱することなく、分かりやすかったと思う。 改善を望む 0 4 個々のカリキュラム及び全体について 4−1 「盲ろう者福祉のあり方について」 参考になった 22 【理由】 ・福島先生の生の話を聞く機会に恵まれた。当事者の経験を拝聴する貴重な機会を得て、今後の指針にしていきたいと思う。 ・福島さんとお会いし、話すことができてよかった。アメリカと日本の違いについての話が参考になった。 ・盲ろう者として生きる意味を考える。リーダーは輝かなければならないということ。自身に希望を持ち、他の盲ろう者に光を与える、という言葉。 ・福島さんの講演で盲ろう者として自分の立場を改めて見直すことができた。これからのあり方も考えることができそうだ。 ・盲ろう者福祉において、盲ろう者がいきいきと生きていくことが重要だということを、改めて学ぶことができた。 ・難しい言葉ではなく、皆さんに分かりやすく伝えてくださった。「生きて良かった」と思えるよう活動していきたい。 ・活動に取り組むにあたって、「盲ろう者として生きることの意味を考える」「自ら光輝くことで周りに光を与える」という原点に立ち返ってみることが大事と感じた。 ・体調がすぐれない中、お話をいただき、とてもありがたく思った。 ・盲ろう者自身が「輝く」必要があることについての話がよかった。 普通 2 【理由】 ・わかりやすかったと思う。 参考にならなかった 0 4−2 「グループ討議」 参考になった 17 【理由】 ・他県の活動内容を拝見、拝聴することができてよかった。 ・他県との情報交換ができた。 ・全国的に同じ課題を抱えていることを知ることができてよかった。 ・周りの意見が聞けて参考になった。今後の活動につなげていけたらと思う。 ・同じグループにいる他県の代表者の声を聞いて、その様子を少しでも知ることができた。 ・色々な地域のたくさんの方の意見や体験を聞くことができた。これは、本当に宝となった。自分の勉強不足を思い知る良い経験だった。 ・司会者がよくまとめていて、ファシリテーターとしてすばらしかった。 ・掘り起こしの取り組みについて、他県の方法が参考になった。 ・他県の盲ろう者と交流することにより、情報交換ができ、盲ろう者が輝くことにつながると思った。 普通 7 【理由】 ・事前にテーマの連絡がなかったので、何を報告したらいいか分からなかった。後半は、休憩時に相談したので報告できた。 ・盲ろう者の掘り起こし、情報問題、どこも同じようだ。 ・他県との交流、つながりを大切にしていく。 ・通訳・介助員不足、お互いに成長していくことが大事。 ・各グループ討議は時間的に足りなかったと思うが、よい討議ができたと思う。しかし、全体会で各報告者からの発表の中で内容がきちんとまとまっていないものもあった。 ・リーダー育成対象者には、難しいテーマだったように思う。現リーダー間で話し合うようなテーマだった気がする。 参考にならなかった 0 4−3 「友の会運営について」 参考になった 23 【理由】 ・具体的な組織論、人事論、NPO法人化に関する話を伺い、どのように組織を編成していけばよいのかを考える機会になった。 ・勉強になった。 ・改めて聞くことが多く、勉強になった。 ・NPO法人について、寸劇を入れての説明もわかりやすく、楽しく学ぶこともできたし、メリット、デメリットを聞けてよかった。書類が大変!ユーモアを交えて話を進めていらっしゃり、また、楽しく聞くことが出来た。 ・高橋さんのNPO法人の説明で、寸劇を3人でされたのは、面白く分かりやすかった。 ・今川さんの友の会の運営について、会長の役目、お金の問題など分かりやすく理解できた。 ・友の会運営においての基本、ポイントを学ぶことができた。 ・実体験のお話を聞くことができて参考になった。実体験の話に力があった。 ・一人でなく、皆と共に運営するために、人の持てる能力を生かす、特に「会長はさぼれ!」というお話は大変参考になった。NPO法人のメリットとデメリットを学び、当会でも法人化を考えていきたい。 ・とてもわかりやすい話だった。今後ぜひ参考にしたい。 ・他の友の会の運営について知らないことばかりだったので、勉強になった。 ・資金がない時は募金や助成金を利用する。県に要望をしながら助成金を利用していくことがわかった。 普通 1 参考にならなかった 0 4−4 「盲ろう者リーダーとして」 参考になった 20 【理由】 ・寸劇があり、内容がとてもわかりやすくてよかった。リーダーとしてのあり方を示していただけて、それを拝聴する機会に恵まれた。 ・もっと活動を活発にして会を大きくしたいと思った。他県の話を聞いて参考になった。苦労はあっても、協力し、進めていきたい。 ・寸劇で具体的に例を挙げてもらい、わかりやすかった。 ・寸劇をしながらの講義は、笑いも誘い、わかりやすくて参考になった。自分のことは自己決定して、自分で決めて責任もとる必要もある。 ・寸劇が入り飽きなくて理解しやすかった。 ・リーダーとして、どんな立場になればよいか、どんな行動をとればよいか、基本的なことや常識・知恵などを学ぶことができた。 ・リーダーとしてのあり方(覚悟)について、それぞれの方の考え方を具体的に聞けた。半歩前を行き、もう片方はしっかり足を踏みしめる。よかった。 ・講師が、通訳・介助員とともに、多くの寸劇を交えながら話してくれたので、とてもわかりやすかった。 ・寸劇を交えての話がわかりやすかった。前向きな考え方がとてもよかった。 ・通訳・介助員と一緒に行動し、経験を積むことにより、通訳・介助員もスキルアップにもつながる。盲ろう者にとってもよい経験になる。 普通 4 【理由】 ・寸劇も交えて話がわかりやすかった。 参考にならなかった 0 4−5 カリキュラム全体について(総合評価) 参考になった 22 【理由】 ・初めて参加した。盲ろう者団体がどのように組織としての形態をつくり、どの方向に向かって行動をしていけばよいのかを、自身に指し示す機会になった。今後は、どのような方法や行動が、団体としてよりよい形になっていくのかを考えていきたいと思う。 ・大変勉強になった。今回学んだことを地域で生かしていきたい。 ・今、NPO申請中のため、高橋さん、今川さんのお話がとても参考になった。 ・今川さんのお話は、特にわかりやすく、改めて会のあり方を考えられた。 ・地元で報告し、取り組みを考えたい。 ・地元ではなかなか聞けない話がいろいろ聞けて勉強になった。 ・こういった研修の場がなかったので、参加できてよかった。 ・現在、全国各地の団体において、しっかり学ぶべきことや、円滑に活動するために改めて学ばなければいけないことも含まれたカリキュラムだった。 ・盲ろう者とは、具体的な実体験の話をゆっくり時間をかけて、わかりやすく話すのが大切と学んだ。 ・グループ討議では、参加人数を減らし、もう少し一人ひとりの発言を多くしたり、盲ろう者間で話し合う場面があるとよいのでは?と思った。(例えば、テーマについて意見を述べた後、他県からの質疑を受けるなど) ・初めての参加だったが、とても勉強になった。質問や意見も活発に出されてよかった。 普通 2 【理由】 ・全国大会には出られなかったので、小さい全国大会みたいで楽しかった。他の地域特有の問題を知ることができて参考になった。 参考にならなかった 0 5 今後の研修会の企画・運営等について 5−1 今後取りあげてほしいテーマがありましたら、具体的にお書きください。 ・NPO法人化した場合における、友の会の運営についての講演があればよいと思う。NPO法人関連の本を読んだが、NPO法人の財務・人事・法律などが書かれていた。NPO法人化を考える団体が出てきている現状を考えれば、運営についての勉強会があってもよいと思う。 ・盲ろう者に合った情報、学習課題があればお願いしたい。 ・養成研修会について(技術、コミュニケーション方法について) ・友の会の行事の内容(例えば、さおり織り教室や手芸などといった取り組み)を知りたい。 ・友の会での学習方法について。 ・友の会活動において、いきいきと明るく生きている盲ろう者のエピソードを聞いてみたい。 ・盲ろう者が学べる拠点として、通訳・介助の基本的なことも加えたらよいと思う。 ・通訳・介助員、盲ろう者、人としてのモラルやマナーについて。個人個人で違う価値観を尊重してわかり合うために、どこからどこまでがモラルなのか。 ・物事や情報の提供、報告などをきちんと説明できるリーダーが少ないと思う。リーダーとしての責任をもって、皆に説明できる力を養うための講座を設けたらよいと思う。 ・友の会での取り組み(年間の行事など)。 ・派遣事業、養成研修会など、その内容や問題点、目指すことなど。 ・福祉制度の利用(介護保険、成年後見制度など)。 ・共用品・福祉機器と盲ろう者。 ・盲ろう者の心の問題(精神領域)。 ・視覚、聴覚以外の障害との重複障害。 ・日中活動の充実。 ・盲ろう児と兄弟の問題、盲ろう者の子どもの問題。 ・行政との連携(障害個別計画の作成・災害時要援護者個別避難計画の作成)。 ・世界の盲ろう者について知りたい。 ・県外派遣を認めてもらうための県との交渉の方法。他県はどのように交渉をしたのか。 (他県はどのように交渉をしたのか。) 5−2 その他お気づきの点がありましたら、ご自由にお書きください。 ・ニューリーダー育成研修会の後で、為末大のツイッターで次の文章を見た。「自分自身が自分のリーダーにすらなっていない人が多いのではないか」。これは、「リーダーになるのは何か特別な能力や才能が必要ではないのか。」と質問をしてきた方への返答なのだが、私には印象に残った。ニューリーダー育成研修会で感じたのは、受講者の方々や、講師の方は、リーダーとなる能力・才能があるばかりではなく、自分自身が自分のリーダーになっていて、そこからくる自信がリーダーとして人や集団を導いていく力になっているのではないかと感じた。まだ自分が自分自身のリーダーになっているとはいえない面があるが、自分自身がリーダーである受講者の方々と一緒に時間を過ごすことができたことは、とっても大きな収穫になったと思う。 ・講師の方々のお話はとてもよかったが、地方から来た者としては、初めての講師の方々もいたので、少しだけでも講師の紹介(聞いてもいい、許される範囲のプライベートなこと。既婚かなど)があると、身近に感じられたかと思う。 ・盲ろう者リーダーとして、どうあるべきか。「生きる」「輝く」価値感について理解できた。 ・NPO法人取得についてよくわかった。 ・他の友の会の新聞を読みたい。新聞、パンフレット(リーフレット)の展示や作り方などがあるとよいと思う。 ・ニューリーダー育成研修会は、今後も続けてほしい。(地域での育成はなかなか難しい) ・意見交換会を企画していただき、受講者とゆっくり話す時間があり、よかった。 ・意見交換会の時間が足りなくて残念だった。 書名:平成24年度全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会報告書 発行日:平成25年3月20日 編集・発行:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 TEL 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141 独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業