平成24年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議報告書 主催 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 目次 1 概要 2 ブロック会議別の報告 2−1 東北・北海道ブロック会議 2−2 関東・甲信越ブロック会議 2−3 東海・北陸ブロック会議 2−4 近畿ブロック会議 2−5 中国・四国ブロック会議 2−6 九州・沖縄ブロック会議 3 アンケート結果 4 総括 全国盲ろう者地域団体ブロック会議 1 概要  社会福祉法人全国盲ろう者協会(以下、協会)主催による、全国盲ろう者地域団体ブロック会議(以下、ブロック会議)は、全国を6ブロックに分け、そのブロック内での盲ろう者友の会の情報交換・意見交換の場と位置づけ、地域での盲ろう者友の会活動の活性化を図ることを目的として開催した。  今年度のブロック会議は平成24年6月〜11月の間に全国6ブロックで開催し、代表者56名、通訳・介助員117名、オブザーバー48名(内通訳・介助員31名)が参加した。  その結果、ブロック代表者が軸となり、ブロック内のネットワーク化を図り、地域同士の連携を強化することで、各友の会が抱えるさまざまな問題について、情報共有・意見交換を活発に行うことができた。 とりわけ、今年度のブロック会議において、盲ろう者の掘り起こしと通訳・介助員派遣事業(養成事業含む)の問題を共有し、議論することを重点に取り組んだ。 2 ブロック会議別の報告 2−1 東北・北海道ブロック会議 相蘇 健太郎(山形県盲ろう者友の会 会長) 日程:平成24年10月27日(土)〜28日(日) 会場:KKRホテル仙台(宮城県仙台市) 参加団体: 札幌盲ろう者福祉協会 岩手盲ろう者友の会 みやぎ盲ろう児・者友の会 山形県盲ろう者友の会 福島盲ろう者友の会 オブザーバー参加:  福島盲ろう者友の会 議題: 1.友の会が抱えている問題点 2.盲ろう者の掘り起こしのための各地の取り組み 3.養成講座で困っていること 4.派遣事業について 5.来年度のブロック代表について 6.来年度のブロック会議について 7.合同1泊交流会について 8.青森の状況について 議題ごとの内容: 1.友の会が抱えている問題点 ・人手不足 ・送迎・移動の困難 ・交通の不便さ ・連絡網の不整備 ・交流会などへの参加者不足 ・会員の高齢化 ・盲ろう者の孤立 2.盲ろう者の掘り起こしのための各地の取り組み (1)情報交換 ・各地でパンフレットを作り、PR活動中。 ・身体障害者手帳の交付を受けている者の中から掘り起こせればいい。 ・他の障害者団体などが行っている行事へ積極的に参加して、「盲ろう」の存在をPRする。必ず通訳・介助員と一緒に参加する。 ・講座受講生の中から、盲ろう者を発掘できたという実例もあり。 (2)国や全国盲ろう者協会へ求めること ・啓発事業として、福島智氏や門川紳一郎氏の講演会を開いてほしい。 ・上記の2名だけでなく、様々な盲ろう者がいることを広めて欲しい。 ・個人情報保護法の壁を緩和してほしい。 3.養成講座で困っていること ・受講生が集まらない。 ・県外から講師を呼べない。 ・盲ろう者の講師は、通訳に時間がかかるからと認められない。 4.派遣事業について (1)情報交換 ・山形が予算額、派遣時間数で最低であったため、各地でどのような交渉したか取り上げられた。 ・盲ろう者が直接県に足を運んで交渉したことは一度もないところもあった。 (2)国や協会等に要望すること ・地域格差の排除。 ・いつでも、どこへでも安心して派遣を利用して出かけられる制度づくり。 ・通訳謝金の一律化。 ・利用時間の無制限化。 ・交渉に行くときは、協会に助言者として付き添ってほしい。 ・盲ろう者が支払う通訳・介助員分の交通費の負担を軽減してほしい。 5.来年度のブロック代表について ・岩手盲ろう者友の会 6.来年のブロック会議について 時期:10月 場所:仙台市内(同じ会場という意見あり) 条件:協会主催の行事と重ならない、連休に当たらない、日程が決まったら早めにブロックMLなどで通知。 7.合同1泊交流会について ・今後は2年ごとに開催。次期開催地候補は青森県。詳しくは次回のブロック会議で相談。 8.青森の状況について ・協会に登録している盲ろう者は3名。 ・友の会を立ち上げたいと思っている方は高齢男性1名。 ・21年度から派遣事業開始。県ろうあ協会が実施。利用者2名、通訳・介助員13名。 ・設立準備会すらできるような気配がない。 ・協会では2010年に福島智氏の講演会を実施して成功したが、その後、動きがとまっている。 ・現在は岩手の交流会に参加している盲ろう者がいるとの情報もある。 ・会議後、青森に引っ越される方がいたため、青森在住の盲ろう者と組んで、是非友の会を立ち上げられるよう支援していきたい。 まとめ:  ブロック会議の利点である、各盲ろう者団体の新鮮な情報を収集できた。掘り起こしについては、どこでも同じように苦しんでいる。なんとか盲ろう者の発掘につなげたい。また、青森の活性化に向けて、今後もブロックで盛り上げていきたい。議題の提示や資料の配布が遅れたのが大きな反省点。来年は、より効率的な話し合いができるとよいと思う。 2−2 関東・甲信越ブロック会議 吉澤 清(埼玉盲ろう者友の会 会長) 日程: 1.平成24年6月2日(土) 2.平成24年10月7日(日)〜8日(月・祝) 3.平成24年11月7日(水) 会場: 1.東京都盲ろう者支援センター(東京都台東区) 2.プラザホテル浦和 (埼玉県さいたま市) 3.幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市) 参加団体: 茨城盲ろう者友の会 群馬盲ろう者つるの会 埼玉盲ろう者友の会 NPO法人千葉盲ろう者友の会 NPO法人東京盲ろう者友の会 神奈川盲ろう者ゆりの会 新潟盲ろう者友の会 ながの盲ろう者りんごの会 全国盲ろう者団体連絡協議会 オブザーバー参加: 群馬盲ろう者つるの会 埼玉盲ろう者友の会 議題: 1.山梨盲ろう友の会への支援 2.掘り起こし活動の現状と問題点 3.通訳・介助員派遣、養成研修事業の現状と問題点 4.全国盲ろう者大会への協力について 5.来年度のブロック会議について 議題ごとの内容: 1.山梨盲ろう友の会への支援 (1)山梨の現状 ・山梨の様子がよくわからない。 ・今年の5月に、聴覚障害者団体のバックアップのもと、友の会ができたとのこと。 (2)支援の方法 ・他県の友の会が設立した経緯を、山梨の主力メンバーに伝える。 ・各都県から、個人的に山梨に行って、盲ろう者と話をする機会を作る。その情報をメールで報告する。 ・協会の職員が近く山梨へ行くと聞いているので、その情報を得て、支援の方法をメールで話し合う。 (3)協会への提案 ・山梨の関係者に「勉強会を開いてほしい」と伝えて頂く。 2.掘り起こし活動の現状と問題点 (1)各友の会の取り組み ・災害が起こった時のため、県内の盲ろう者の人数、居住状況などの実態調査をしてほしいと要望を出した。 ・県の障害者福祉課へ掘り起こしの陳情に行った。 ・友の会のパンフレットを作り、県内市町村の障害者福祉課に配布した。これで、3名の盲ろう者が市役所からのパンフレットの紹介により会員になった。平成16年に県内の盲ろう者実態調査を行ってもらい、市町村にいる盲ろう者の数は教えてもらったが、住所は教えてもらえなかったので、あまり進んでいない。 ・区や市町村との連携を強化している。この結果、全国で初めて荒川区が独自の予算を組み、盲ろう者の掘り起こしを行うようになった。具体的には、支援センターと区の職員が一緒に盲ろう者の自宅に訪問し、盲ろう者友の会や盲ろう者支援センターの存在や派遣事業について説明を行っている。その結果、新たに2名の盲ろう者が登録した。 ・聴覚障害者情報センターで「見えにくさの相談会」を開いている。 ・県内をブロックに分けて、役員が市役所、福祉事務所、病院に行き、友の会の機関紙やパンフを配っている。 ・社会福祉法人「生活クラブ風の村」という団体(県内で老人ホーム、ガイドヘルパー、ホームヘルパーなどの事業を行っている団体)から、盲ろう者も支援してもらえるようになった。 (2)取り組みをする上での課題 ・個人情報保護法の問題で、市町村は情報を提供してくれない。 ・活動をしても盲ろう者の数が増えない。 (3)国や協会等に要望すること ・個人情報保護法の規制緩和をしてほしい。 ・盲ろう者の訪問事業を行う予算を都道府県で出してほしい。 ・協会のパンフレットは内容が古いので新しくしてほしい。 3.通訳・介助員派遣、養成研修事業の現状と問題点 (1)各県の事業での課題 ・県の財政状況が厳しく、費用減額の恐れがあり、派遣を控えてほしいという雰囲気もある。 ・過去に予算が不足し、謝金単価を下げたことがあった。今年も現在までの派遣時間数が大幅に増えており、今後のチケット発送ができるかどうか非常に困っている。 ・今年度から盲ろう者が増え、派遣時間が増えている。予算は5,200時間なのに、このままだと8,000時間になってしまい、年内に予算がなくなる恐れがある。 ・派遣の時間数に制限があって、時間が不足し、行きたい所へ行けない。 ・派遣事業が聴覚障害者団体に委託されているため、希望通りの派遣が認められない。 ・駅から遠く不便な盲ろう者がいるが、車による送迎が認められてない。 ・点字通訳が必要な盲ろう者がいるが、養成する方法がない。 ・コーディネーターは毎日勤務して欲しいが、予算の制限で日数が限られている。(週4日勤務) ・盲ろう者数が徐々に増え、コーディネーターにかかる負担が増えているが、人件費に限りがあり、困っている。 ・養成事業の時間数が足りない。 ・予算がないため、現任研修会が行われていない。 (2)問題解決のための取り組み ・都県に予算の増額を要望する。 ・年度の途中で予算不足になりそうなときは、都県に補正予算を要求する。 ・チケット制度の導入を検討する。(事業の委託先が聴覚障害者協会で、希望通りの派遣が認められないことに対して) ・養成事業の時間数不足を補うため、スキルアップ研修会を行っているが、さらに上級コースを開催し、通訳・介助員のスキルアップを目指す必要がある。 ・養成講習会の時間が短いので、フォローアップ講習会を行っている。これについて県に予算要求しているが、「検討中」との回答のため、現在は友の会独自で行っている。 ・現任研修会を友の会のボランティアで行っている。 ・養成講習会の時間が増えると、教える時間が増えるので、講師となる盲ろう者の育成が必要となる。 ・通訳・介助員の謝金が不足しているため、友の会の行事のとき、昼食の時間を「中抜きにする(謝金対象外にする)」という対策をしている。 ・盲ろう者自身も派遣事業についてよく知る必要がある。 (3)協会に要望したいこと ・派遣事業の予算を上げてほしい。 ・コーディネーターへの十分な費用をあててほしい。 ・通訳・介助員に支払う謝金単価がまちまちなので、全国統一の派遣事業にしてほしい。 ・養成講習会と現任研修会の予算をきちんとつけてほしい。 ・派遣事業と養成講習会の委託先は友の会にしてほしい。 ・車による送迎を認めてほしい。県に要望しているが認められないので、国や協会に要望してほしい。 4.全国盲ろう者大会への協力について (1)日程・会場 ・昨年度のブロック会議において、2013年度に千葉県で開催予定である全国盲ろう者大会の企画・運営への協力の意思表示が、千葉・茨城・群馬・埼玉・東京・神奈川・長野・新潟・連絡協議会からあった。 ・これを受けて、関東・甲信越ブロックのメーリングリストで相談しながら、千葉盲ろう者友の会と協会との間で日程と会場についての検討を進めてきた。 (2)大会プログラムと担当友の会の検討 ・大会期間中の日程と分科会・機器展示・作品展示・ツアー等の友の会の担当について検討した。 ・プログラムの内容について検討した。 ・各友の会は、過去3年間の内容を参考に、分科会などのテーマを決め、8月中までにメーリングリストにて報告する。 (3)会場内の設置 ・会場や宿泊施設の下見を行い、各プログラムの部屋のレイアウトや用意するものなどについて検討した。 5.来年度のブロック会議について (1)担当県について ・関東・甲信越ブロックの担当県は、友の会の設立順に行っており、来年は新潟になる。 ・持ち回りの順番なので可能な限り新潟にお願いしたい。 ・12月に新潟の役員会があるので、そこで決めたい。 (2)今後の課題: ・事前の各県の情報交換として、メーリングリストを使って、連絡し合う必要がある。当日に発表するのは時間がかかりもったいない。 (3)次回のブロック会議に望むこと、改善点 ・各友の会の活動や取り組みについて、事前に情報交換をしておけば、もっと効果的な会議ができたと思う。 ・会議参加者の中に、課題についての準備が不十分な方もいたので、それぞれの課題について、事前の準備を十分に行って参加するようにしたい。 まとめ: 参加8団体による、活発な意見交換ができ、とても良かった。今後は事前の情報交換などを行って、効果的な会議ができると、さらによいと思う。今後も是非、このブロック会議を継続していきたい。 2−3 東海・北陸ブロック会議 九曜 弘次郎(富山盲ろう者友の会 会長) 日程:平成24年10月6日(土)〜7日(日) 会場:ガーデンホテル金沢(石川県金沢市) 参加団体: 富山盲ろう者友の会 石川盲ろう者友の会 岐阜盲ろう者友の会 静岡盲ろう者友の会 愛知盲ろう者友の会 三重盲ろう者きらりの会 オブザーバー参加: 石川盲ろう者友の会 静岡盲ろう者友の会 議題: 1.盲ろう者の掘り起こしへの取り組み 2.通訳・介助員派遣事業(養成事業含む)の状況の情報共有 3.2015年の全国盲ろう者大会について 4.ブロック組織のあり方について 5.友の会の活動について 議題ごとの内容: 1.盲ろう者の掘り起こしへの取り組み (1)各友の会でどのように取り組んでいるか? ・パンフレットを作成し配布している。配布場所は、県や市町村の窓口、ろう学校・盲学校・特別支援学校、聴覚障害者協会、視覚障害者協会、障害者関連のイベント等。また、市町村から盲ろう者の個人宅に郵送してもらう取り組みを行っている県もある。 ・イオンでのイエローレシート集めに参加する事で買い物客に盲ろう者の事を知ってもらうよい機会になっている。 (2)掘り起こしの取り組みをする上での課題は何か? ・個人情報保護法により、行政から情報が得られない。 ・会員やその知人など、個人からの情報提供はあるが、対処が進まない。 (3)国や協会等に要望すること ・友の会や通訳・介助員派遣事業のことなどを盲ろう者の個人に伝えてほしい。 ・行政、協会、地域の盲ろう者友の会が共同で情報を共有し、盲ろう者を支援する体制を作ってほしい。 2.通訳・介助員派遣事業(養成事業含む)の情報共有 (1)派遣事業について ・通訳・介助員が自家用車を利用して、盲ろう者の移動介助を認めていない地域がある。 ・交通が不便な地域や、目と耳以外にも障害のある盲ろう 者がいるので、車での移動介助を認めてほしい。 ・盲ろう者が移動する場合、通訳・介助員の交通費を支払わなければならず、負担が大きい。 ・通訳・介助員の交通費の負担をなくしてほしい。 ・地域によって派遣単価や内容が違うので統一してほしい。ただし、条件が悪くなる地域があると困るので、1番条件のよい地域の単価を参考に統一化を図ってほしい。 (2)養成事業について ・養成講習会の受講者が集まらない。 ・修了後、協力が得られない。 ・通訳・介助員のスキルアップの場がない。 ・スキルアップのための研修会などを開催してほしい。 ・盲ろう者のニーズにあった養成講習会になっていない地域がある。例えば、音声通訳が必要な盲ろう者がいるにも関わらず、音声通訳の講座がないなど。 ・盲ろう者のニーズにあった講習会を開催してほしい。 (3)その他 ・盲ろう関係事業の委託先の事業者(聴覚障害者団体等)や行政と協力しながら、よりよい養成事業を目指すことが大切。 3.2015年の全国盲ろう者大会について ・会場の問題や、他のイベントの開催などの関係もあり、開催できる県がない。しかし、全国の皆さんが楽しみにされているので、引き続き開催できる方向で各友の会で話し合いを進める。 4.ブロック組織のあり方について ・この1年間、石川、静岡、三重からイベントの案内があった。 ・いくつかのイベントには他県からの参加もあった。 ・1年に1回ブロックで交流できる場を設けたい。 ・11月の連休あたりで企画する。 5.友の会の活動について (1)情報交換 ・総会、温泉旅行、クリスマス会、新年会、お花見、バーベキュー、講演会、会報の発行等を通じて、情報交換を行っているとの報告があった。 ・会報を発行して会員に情報提供している友の会が多い。 (2)今後の課題 ・交流会を開催し、ブロックの交流を深めたい。 ・課題解決のために情報交換を行いたい。 まとめ:  今回はメーリングリストを活用し、事前に情報共有することができた。  全ての県から情報提供していただいたのがよかった。 しかし、直接会って伝えないといけない盲ろう者もいるので、もう少し早めに情報を寄せていただいて、会議までに全員に周知できれば、スムーズに会議が進行するのではないかと思われた。次回からは早めの情報共有を心がけたい。 2−4 近畿ブロック会議  桑村 昌和(NPO法人大阪盲ろう者友の会 代表理事) 日程:平成24年11月4日(日) 場所:梅田スカイビル貸会議室(大阪府大阪市) 参加団体: NPO法人しが盲ろう者友の会 京都盲ろう者ほほえみの会 NPO法人大阪盲ろう者友の会 NPO法人兵庫盲ろう者友の会 奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」 NPO法人和歌山盲ろう者友の会 NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター「すまいる」 オブザーバー参加団体: NPO法人大阪盲ろう者友の会 NPO法人視聴覚二重障害者福祉センター「すまいる」 議題: 1.盲ろう者の掘り起こしについて 2.通訳・介助員派遣事業並びに養成事業について 3.その他 議題ごとの内容: 1.盲ろう者の掘り起こしについて (1)各友の会の取り組み ・役所等に盲ろう者についてのパンフレットを配付している。 ・地域の交流会・サークルに参加し、友の会のアピールをし、盲ろう者について理解してもらい、盲ろう者へ友の会への参加を呼びかける。 ・他の障害者団体とも協力し、取り組んでいる。 (2)課題 ・役所等で盲ろう者の情報を聞いても、個人情報に関わるので教えてくれない。 ・本人が盲ろうという障害を受容しない。 ・友の会に登録したくない盲ろう者がいる。 (3)国や協会等に要望すること ・役所に配布する盲ろう者についてのパンフレットを送ってほしい。 ・盲ろうという障害を法的に位置づけてほしいので、全国盲ろう者団体連絡協議会を通じて要求してほしい。 ・盲ろう者に対応できる職員がいる施設を作ってほしい。 2.通訳・介助員派遣事業並びに養成事業について (1)課題 ・派遣事業、養成事業ともに支援センターに委託されたが、今まで通りの養成研修を開いてくれるか心配。 ・養成研修の内容、研修時間に差がある。 ・ベテラン通訳者の講師が足りない。 ・受講生が研修を終えても登録しない場合がある。 ・広い地域では、3箇所で養成研修を行っているが、充分な助成をしてもらえない。 ・移動の時、車を使わなければならない地域では、ガソリン代を支給してくれる所と支給してくれない所がある。 ・派遣時間数、謝金単価が地域によって差がある。 ・1日の派遣時間が8時間しかない。 (2)解決のための取り組み ・委託団体が変わっても、今まで通りの内容で養成研修を開いてもらうように申し入れる。 ・各地域の行政に、通訳・介助員派遣事業並びに養成事業をより充実するために、話し合いを重ねていく。 (3)国や協会等に要望すること ・養成事業は、ベテランの講師を養成してもらうよう、協会に要望する。 ・養成研修の内容は、全国で統一した内容を作ってもらった上で、地域の特性を考えていく。 3.その他 (1)今後の課題 ・2年後、兵庫で全国盲ろう者大会が開かれるので、来年の近畿ブロック会議をどうしていくか? (2)次回のブロック会議に望むこと ・今回、11月に開催したが、来年はもっと早い時期に開催したい。 ・メーリングリストで話し合っていく。 まとめ:  丸一日かけての会議だったため疲れもあったが、積極的に意見交換ができ、各友の会との情報交換もできてよかった。今後も継続して開催したい。 2−5 中国・四国ブロック会議 高橋 信行(NPO法人えひめ盲ろう者友の会 理事長) 日程:平成24年9月15日(土)〜16日(日) 会場:アークホテル広島(広島県広島市) 参加団体: しまね盲ろう者友の会 岡山盲ろう者友の会 広島盲ろう者友の会 山口盲ろう者友の会 徳島盲ろう者友の会 香川盲ろう者友の会 NPO法人えひめ盲ろう者友の会 高知県盲ろう者友の会 オブザーバー参加: 広島盲ろう者友の会 議題: 1.中・四国盲ろう者大会について 2.友の会の運営費について 3.ブロック会議について 4.通訳・介助員養成、派遣事業について 5.盲ろう者の掘り起こしについて 議題ごとの内容: 1.中・四国盲ろう者大会について (1)山口大会の準備状況報告 山口の代表及び大会担当者より進捗状況の報告がなされた。 岡山より、喫煙により他の参加者に迷惑がかかる場合、会場ではない他のホテルに宿泊するとの断りがあり、山口はこれを了承した。 (2)鳥取大会の準備状況について 鳥取は体調不良により欠席のため、司会の高橋氏(高知)が、あらかじめ鳥取より提出された準備状況および要望についての書面を読み上げた。内容はおよそ以下の通りである。 ・鳥取大会について 〔開催期日〕 平成25年11月9日(土)〜10日(日) 〔会場〕 ホテルモナーク鳥取(鳥取市永楽温泉町403 鳥取駅北口から徒歩5分) 〔調査要望〕 a) 大会1日目の14:45〜16:45の時間の内容 b) 大会2日目の午前中の交流会の内容 これらの要望については、会議において特に意見が無く、後日、メーリングリストで改めて意見を出すこととなった。 2.友の会の運営費について 岡山から各友の会の運営費について、質問があり、これに対して、各友の会から状況の報告があった。 ・2,000円〜5,000円の年会費 ・正会員以外にも、家族会員、賛助会員など参加形態に応じての会費徴収を行っている。 ・その他、事業委託金、寄付金等でまかなわれている。 ・友の会の運営は厳しく、会議を行う場合には、無料で借りられる会議場を使用するなど、できるだけ出費を抑える努力がなされている。 ・こうしたことから、友の会の運営に対する経済的支援の必要性が窺われた。 3.ブロック会議について (1)来年度の開催県について  来年度のブロック会議が開催される場合、開催場所について話し合いが行われた。これまでブロック会議を開催していない県で、中・四国大会と日程が重ならないように、調整した結果、来年度は香川で開催することが内定した。開催時期は9月14日(土)〜16日(月・祝)頃の予定。 (2)来年度のブロック代表について  これまで、中・四国ブロックの代表を務めてきた高橋氏より、全国盲ろう者団体連絡協議会会長との兼務を避けるため、今年度限りで中・四国ブロック代表を辞任する旨の報告がなされた。  これに対して、会場からは、来年度のブロック代表として広島のO氏を推挙する声が挙がり、手続きとして、後日、メーリングリストにて選挙を実施し、正式なブロック代表を決定することとなった。 (3)今後のブロック会議のあり方  現在、ブロック会議は協会の事業として実施されているが、いずれは中・四国ブロック独自で運営していく必要がある。代表と通訳・介助員の交通費、宿泊費などの必要経費を考えると、ブロック会議が有意義であるとはいえ、この会議のためだけに集まることは難しい。  そこで、中・四国盲ろう者大会の前日に集まって半日会議をする、あるいは大会日程の中で代表者会議という形で行うなどが現実的な方法であり、話し合いの時間が少なくなることに対しては、これまで以上にメーリングリストを活用して日常的な連絡・情報交換を行っていく必要があるという結論に達した。 4.通訳・介助員養成・派遣事業について (1)各県の養成事業・派遣事業の実施状況に関する報告  各県より、養成事業、派遣事業の実施状況についての報告がなされた。  養成事業については、養成事業にかかる日数、開催時期などが各県によってかなり異なっていることが分かった。また、派遣事業についても、派遣時間、謝金単価、派遣方式などが各県によって様々であった。 (2)問題点 a) 予算が足りなくなったときにどうするか  各県からの報告によると、いくつかの県で、これまで予算が足りなくなる事態が生じている。その場合、下記の方法で対処されてきた。 ・謝金単価を引き下げる。 ・県へ予算増額を要望する。 ・ボランティアで通訳・介助員が通訳・介助を行う。 ・寄付を募る。 b) 友の会の役員では規定の派遣時間では不十分である 各友の会の役員は友の会活動のため、他の会員より余分に派遣を使う。そのため、規定の時間数では不十分であるということがしばしば起こる。 これに対しては、下記のような対処がなされていた。 ・役員用の派遣チケットをあらかじめ用意する。 ・他の盲ろう者の余った派遣時間を役員の派遣にあてる。 (3)国や協会等に要望すること a) 標準的な養成カリキュラムの作成 現在、各県毎の養成カリキュラムで養成が行われているが、標準的な養成カリキュラムが必要である。これにより、通訳・介助員養成の質や量をそろえることができるのではないか。 b) 派遣事業の地域格差を是正してほしい  中・四国ブロックにおいてでさえも、謝金単価が高いところと低いところでは2倍以上の格差がある。  謝金単価だけでなく、派遣時間や、派遣に関わる様々な条件について、よい条件で統一してほしい。 5.盲ろう者の掘り起こし (1)各友の会でどのように取り組んでいるか  盲ろう者の掘り起こしに対する取り組みについて、各県からの報告が行われた。それによると、下記の対応が行われている。 ・視覚障害者のサークル、眼科・耳鼻咽喉科医などに紹介してもらう。 ・盲ろう者の家庭を訪問する。 ・根気よく説得する。 ・県・市町村の社会福祉協議会・ボランティア団体・医療関係・知り合いなどに、友の会の活動に関する資料を置かせてもらう。 (2)掘り起こしの取り組みをする上での課題 次のような課題が挙げられた。 ・友の会が地域の盲ろう者についての情報を知りたくても、個人情報保護法の観点から、行政サイドから情報を入れてもらうことは難しい。 ・盲ろう者の家族の理解が得られない場面が多い。 ・盲ろう者本人が、盲ろう者であるという自覚をもってもらうことが難しい場合がある。 (3)国や協会等に要望すること ・行政が友の会に盲ろう者についての情報を流すことが難しいのであれば、行政からまず盲ろう者に友の会の情報を流すなどして頂きたい。 ・盲ろう者の家族に対して、盲ろう者の自立と社会参加の必要性についての理解が得られるような支援をしてほしい。 ・中途盲ろう者の学習の機会を設けてほしい。 まとめ:  ブロックの中で人材を育てていくという視点で司会を何人かに担当してもらったので、よい運営ができた。  ブロック会議を継続できる仕組みを今から検討していく必要がある。  アンケートの回収が9人中5人だったので、すべての参加者から出してもらうようにすべきだった。 2−6 九州・沖縄ブロック会議 吉田忠雄(福岡盲ろう者友の会 会長) 日程:平成24年10月6日(土)〜7日(日) 会場:沖縄県青年会館大ホール(沖縄県那覇市) 参加団体: 福岡盲ろう者友の会 長崎盲ろう者友の会"あかり" 熊本盲ろう者夢の会 大分盲ろう者友の会 宮崎県盲ろう者友の会 鹿児島県盲ろう者友の会設立準備会 沖縄盲ろう者友の会 オブザーバー参加: 沖縄盲ろう者友の会 議題: 1.盲ろう者の掘り起こしへの取り組みについて 2.災害時における盲ろう者への災害対策について 3.盲ろう者支援センター設立について 4.2016年に九州・沖縄ブロックで全国盲ろう者大会を開催することについて 5.盲ろう者の情報交換の方法・コミュニケーションの勉強方法について 6.通訳・介助員派遣事業(養成事業を含む)の各友の会の状況共有 7.通訳・介助員派遣で困っていることは何か? 8.県へのチケット増加要求について 9.次年度の企画担当委員及び開催県について 10.その他 11.今後の課題 議題ごとの内容: 1.盲ろう者の掘り起こしへの取り組みについて ・ろう協や盲人協会へ行き、説明をした上で盲ろう者がいないか情報を得る。 ・一定の場所だけでなく、僻地での巡回交流会を開いたことで、新しい盲ろうの仲間が見つかり、友の会の会員になった。 ・ポスターやパンフレットを作成しメディアでも紹介した。 ・個人情報保護法のため、福祉事務所や行政の窓口で、盲ろう者の情報・紹介は開示してもらえない。仲間を増やすために、情報を提供してほしい。 2.災害時における盲ろう者への災害対策について ・災害対策委員会を立ち上げて名前カード(名前、住所、障害の種類、コミュニケーション、連絡先)を記載。 ・友の会の中で連絡網作成中。 ・地域の消防署や警察署に災害メールの登録をした。 ・民生委員や町内の区長、組長に前もってお願いする。 3.盲ろう者支援センター設立について ・東京にある盲ろう者支援センターのような、盲ろう者の相談を受けたり集える場所を計画中だが、財源(資金)の問題があり、なかなか進まない。 ・1県に1つが理想だが、財源の問題がある。そこで九州に1つという考えで設立するという方法もある。そう考えると展望が開けていくと思う。 ・現実的にはまだまだ難しいが、皆と協議を重ねて問題解決をしていきたい。 4.2016年に九州・沖縄ブロックで全国盲ろう者大会を 開催することについて ・2017年の世界大会が日本に決まった場合は、2016年の九州・沖縄地区での全国盲ろう者大会はなくなる。2013年に次の世界大会開催地が決定するまで待つことになる。 5.盲ろう者の情報交換の方法・コミュニケーションの勉強方法について ・盲ろう者の情報交換は、主にメールが多い。会長間でのメーリングリストを作り、情報交換をしていきたい。 ・触手話、ブリスタ、指点字などは、各友の会で学習会を開いてスキルアップに努めたい。 6.通訳・介助員派遣事業(養成事業を含む)の各友の会の状況共有 ・派遣事業、養成事業ともに友の会に委託されている所は少なく、ほとんどの県が情報センター、聴覚障害者センター、身体障害者協会に委託されている。 ・盲ろう者が利用しやすくするために、基本的に友の会に委託されるように全国で統一してほしい。 7.通訳・介助員派遣で困っていることは何か? ・各県とも派遣費の予算が不足しているので県に対して陳情しているが、なかなか難しい。 ・僻地に住んでいる盲ろう者にとってはJRやバス等公共交通機関の不便な所は、通訳・介助員の自家用車での同行を認めてほしい。 ・盲ろう者とコーディネーター、盲ろう者と通訳・介助員がトラブルを起こし揉めた時、気軽に相談できる場所を作ってほしい。 8.県へのチケット増加要求について ・現在、九州・沖縄地区でのチケット利用県は3県で、以前と比べて増加は認められるようにはなったものの、最終的には各県の予算の範囲内で、という点は共通している。 9.次年度の企画担当委員及び開催県について 平成25年度の担当県は、鹿児島。企画委員も同県の方に決定した。 10.その他 鹿児島が来年にも友の会を設立する予定のため、いろいろアドバイスをお願いしたいとのこと。これに対して、九州各県皆で応援しましょう、ということになった。 11.今後の課題 ・議題によって各県の代表者の理解度にばらつきがあるので、できるだけ事前に議題を知らせてブロック会議当日にきちんと意見を述べられるようにしたい。 ・ブロック会議は、各県における行政の通訳・介助員の派遣費予算や、各県の友の会の運営の方法など、お互いの情報を共有することができる大切な会議である。今後も引き続き継続していくことが必要と考える。しかし、会議に出席する代表者の交通費や宿泊費が負担になっているので、負担を軽減できるとよい。 まとめ: 今回の九州・沖縄ブロック会議は、過去最多となる7県からの出席があった。特に、今回初めてブロック会議に出席した県が2県あり、例年以上に各議題ごとに熱心な議論や情報交換ができた。来年は是非、九州・沖縄全県の出席を望みたい。 3 アンケート結果 配布数 50部 回収数 36部 1.盲ろう者地域団体(友の会等)との関わりについて 1−1.盲ろう者地域団体での活動年数 ア.3年未満 3 イ.3年以上6年未満 8 ウ.6年以上9年未満 5 エ.9年以上 20 1−2.盲ろう者地域団体での現在の役職について ア.代表(会長、理事長等) 17 イ.事務局長 0 ウ.上記以外の役員 14 (副会長・理事・会計・各部長・委員等) エ.事務局員 2 オ.その他 3 (会計監査・準備会代表・執行委員会事務担当) 2.ブロック会議の運営等について 2−1.開催時期や日数について よい 22 普通(特に支障なし) 9 改善を望む 4 無回答 1 「よい」の理由 ・養成講座等があるためどうしてもこの時期しかない。 ・1日目は午後から、2日目は午前のみ、この時間配分が一番よいと思う。 ・開催は10月下旬がよい。 ・病院勤務のため9月開催だと夏季休暇として休みがとりやすい。 ・3連休の間でブロック会議及びブロック交流会を行いたい。大きな行事の開催も検討したい。 「普通」の理由 ・開催時期はよいと思う。来年度も10月に決定となりましたが、今後の課題として、開催時期は年間スケジュールの編成の際、早めに計画を立てておく必要があると思う。ブロック長が仕事をしている場合など、支障が出かねない可能性がある。 ・できたら、台風シーズンをはずしてもらえるとありがたい。 「改善を望む」の理由 ・1年に3回位、他の県の方々と交流したい。 ・11月は忙しいので、10月開催がよい。 ・本当は10月がよい。11月は他団体の行事も多いが、集まりやすい。しかし、12月に協会に意見を出すため、早目に行った方がよいのであれば、9月上旬がよい。 2−2.案内・連絡等の進行等について よい 18 普通(特に支障なし) 13 改善を望む 5 「よい」の理由 ・メーリングリストで、事前に必要なことを連絡できたのでよかった。 「普通」の理由 ・アンケートを早く送付してほしい。 ・会議の場所の連絡が少し遅かった。 ・各県の現状報告(当日発表する内容)を前もってもらえたのはよかったが、もう少し早目にもらえたら、ゆっくりと読んで、当日質問する内容を考えたりすることができた。 ・事前に議題が分かっている方がよい。 ・良い面、悪い面もあった。 「改善を望む」の理由 ・当日使う資料は事前にメーリングリストや郵送にて配布し、目を通してもらう必要があった。協会から送付された資料の配布が遅れた。 ・メーリングリストでの連絡が多かったので、その内容が十分伝えてもらえなかった。メールが読めず触手話でのコミュニケーションになるため、日が迫っていると、通訳・介助員と会って内容を聞くことが難しかった。早目の連絡が必要だと思う。 ・当日に資料を貰った。議題の内容がわからないと困る。 ・地図がなく、わかりにくかった。 ・わかりやすい地図をつけてほしい。 3.会議全般について 3−1.本日のブロック会議の内容全般について 満足 18 やや満足 12 やや不満足 5 不満足 0 無回答 1 「満足」の理由 ・議題が順調に話し合え、時間通りでとてもよかった。 ・自分たちの会でよく話し合い、話す内容を短くわかりやすくまとめて話せた。 ・情報や意見の交換ができて、勉強になった。しかし、十分話し合う時間が足りなかった。 ・司会の進行が見事だった。 ・もう少し議題を減らして、1つの議題について時間をかけて話し合えたらと思う。また、代表者だけでなく、通訳・介助員の立場でも話せる時間もあるとありがたい。 ・満足はしたが、少し会議の流れが遅かった。 ・積極的に意見が出せた。取り組み、課題、要望したいことに分けて話し合えたのでスムーズだった。 ・情報が得られた。 「やや満足」の理由 ・事前にどんなことが話し合われるか(細部も)周知してほしいと思った。 ・各県とも活発な意見を出していたが、自分の県は何も言えない感じだった。 ・オブザーバー参加者が質問や意見を述べる時間を設置して欲しい。 「やや不満足」の理由 ・進行方法やまとめ方は良かったが、少し不満。 ・時間が足りない、時間配分に難あり。 ・不充分なまま終わる議題があった。 ・事前に議題を連絡し、友の会でまとめてもらうように連絡したが、当日、意見にまとまりがなかった。司会進行に少し洩れがあった。 ・各友の会でまとめた内容の報告のみで、それについての意見交換の時間がなかった。時間が足りないせいもあると思う。 4.議題「盲ろう者の掘り起こし」について(複数回答あり) 4−1.話し合って良かった点 ア.団体の活動に役立つ情報が得られた 18 イ.他の参加者と情報交換ができた 24 ウ.スキルアップにつながった 2 エ.抱えていた問題・不安の解決につながった 3 無回答 1 「その他、良かった点」 ・抱えている問題は、どこの友の会でも同じだと感じた。 ・時間が足りないので、掘り起こしを各友の会で考えた方がよい。 ・盲ろう者本人や家族に対して、友の会への参加を勧めるときは、断られてもあきらめないで、説明することが大切だとわかった。 ・根気よく接触して理解してもらうことが大事。 ・魅力のある会の運営をしていくことが必要がある。 ・役所から盲ろう者に友の会の情報を知らせることなど参考になった。 ・パンフレットがなくなった時、置き足しておくことや、1年に1回は県や市町行政へあいさつに回り、盲ろう者の状況などの情報を聞くことが大切だと強く感じた。 ・ブロック会議の開催が3回目ともなると進歩しているように感じた。 ・掘り起こし活動での情報(県に対して要望することなど)が得られてよかった。 ・参考になった。 ・介護タクシーについて、初めて知った。 4−2.話し合った結果、今後の活動にどのような効果を期待しますか?(複数回答あり) ア.他県の例を参考に、団体の活動に活かせる 17 イ.行政や地域住民への啓発に活かせる 13 ウ.盲ろう者の会員拡大につながる 10 エ.団体活動の活性化につながる 13 無回答 1 「その他、効果を期待すること」 ・全てにおいて勉強になった。今回のブロック会議でいろいろ学んだ。次年度に向け、土台もしっかり築いていきたい。 ・参加者の意見が参考になった。 ・中途盲ろう者に対する教育の機会が必要。 ・できるだけ行政に要望を働きかけていきたい。 ・地域のろう協で盲ろう者についての講演を実施するなど、盲ろう者のことを知ってもらう試みをしてみたい。 ・盲ろう者福祉の広がりの可能性。 ・この結果を地元に帰って伝え、みんなで話し合うことから始めたい。具体的なことは考えられない。 ・県への要望(実態調査)をしていきたい。 ・参考になった。 ・いい情報交換ができた。 5.議題「通訳・介助員派遣事業(養成事業含む)の状況 の情報共有」について 5−1.話し合ってよかった点(複数回答あり) ア.団体の活動に役立つ情報が得られた 17 イ.他の参加者と情報交換ができた 25 ウ.スキルアップにつながった 2 エ.抱えていた問題・不安の解消につながった 3 無回答 1 「その他、よかった点」 ・参加者の意見が聞けた。 ・意見交換で他県の情報が得られた。 ・各友の会の現状を聞かせてもらい参考になった。 5−2.今後の活動にどのような効果を期待しますか?(複数回答あり) ア.地元の派遣事業(養成を含む)のあり方について、団体内で話し合うきっかけとなる 19 イ.地元の行政との交渉に活かせる 14 ウ.派遣事業(養成も含む)の充実につながる 10 エ.団体の活性化につながる 8 無回答 3 「その他、効果を期待すること」 ・講習会内容・チケット制(時間・謝金)などの全国統一化を期待する。 ・友の会から積極的に要望していく。 ・ブロックとして進む方向が見えた。行政区が異なり格差をなくすことも大事だが、引き上げることが重要。 6.今後のブロック会議の企画・運営について 6−1.今後のブロック会議開催について ア.ぜひ参加したい 24 イ.どちらかと言えば参加したい 10 ウ.あまり参加したくない 1 エ.参加したくない 0 無回答 1 「ぜひ参加したい」の理由 ・意見交換や他県の情報を聞き、勉強になったため。 ・年1回ブロック会議で集まり、情報を交換できるのはよいこと。今後も続けてほしい。 ・ブロック間の共通の議題について、解決策を見つけることができる。 ・参加して色々な情報を得たい。 「どちらかと言えば参加したい」の理由 ・他県との交流は大変意義のあるものなので、是非参加したいが、開催がもちまわりのため、担当を引きうけるまでの力がなく、少し消極的な気持ちもある。 「あまり参加したくない」の理由 ・満足な発言ができなかった。 ・臨機応変に対応できなかった。 6−2.今後取りあげてほしい議題がありましたら、具体的にお書きください ・補装具補助額が自治体等によってばらつきがある。全ての補装具が全額支給されるように、国に働きかけるべきで、こうしたことも話し合いたい。 ・1日も早い青森の友の会設立への応援。 ・通訳・介助員の派遣時間を全国で統一してほしい。 ・どこでも、いつでも通訳・介助員の派遣をしてほしい。 ・現在行われているパソコン指導者研修会について、機能を果たしているか。 ・盲ろう者の掘り起こし。 ・災害時と盲ろう者(情報保障、社会保障)。 ・その時々に起きた問題を取り上げて欲しい。 ・各友の会の活動について。 ・各友の会と派遣事業の関わり方について。 ・盲ろう者が生活で困っていること。 ・ブロック交流会を開くにはどうすべきか。 ・行政との関わりを維持するにはどうすべきか。 ・養成講習会修了者が、友の会にたくさん入ってもらうには、どのような方法があるか。 ・2017年の世界大会について話し合う必要がある。 ・今回と同じ内容(特に派遣)について話し合いたい。 ・山梨盲ろう友の会への支援について、継続して取り上げたい。 ・派遣時間の無制限化。 ・予算の増額。 ・派遣制度について。 ・全国各地に盲ろう者支援センターを設置して欲しい。 ・盲ろう者の会員拡大について。 ・各友の会が1番問題としている課題を他県で一緒に考えられるような内容。例えば、当日参加した県が、それぞれ「○○について、悩んでいることや困っていること」を発表し、それについて他県からの意見を出してもらう。 ・スポーツについて。 ・派遣の時間制限についてもっと取り上げたい。 ・「盲ろう者の掘り起こし」と「通訳・介助員派遣事業(養成事業)の状況の情報」について話し合ったが、まだまだ改善されていない面が多くある。継続した話し合いが必要。 ・盲ろう者に対する理解を啓発する取り組みについて。 6−3.その他お気づきの点がありましたら、ご自由にお書きください ・ブロック会議開催前に、各県でお互いにどんなことを話し合うか、また、提出する資料もあらかじめ確認できるようにしてほしい。話し合う内容が把握できていないと、意見をまとめて発言できない。 ・ブロックの仲間の温かなサポート・協力のおかげで慣れない仕事をこなすことができた。 ・前もって、資料を配れると良かった。問題点を前もって集めた方がよいのではないか。 ・せっかく集まるのだから議題だけで終わらず、最終日の午後3時までとし、何でも話せる座談会としてはどうか。 ・午後から始まって、翌日午前に終わるのはもったいない。もっと時間を長くしてほしい。交通機関で早く抜けることがあっても、それはやむを得ない。 ・ブロック会議をこれからも続けてほしい。 ・全国の友の会活動の内容を知りたい。 ・担当県の仕事の内容、進め方はブロック内に周知しておくべきと思った。 ・とても充実した時間だった。他県のご意見などを拝聴し、参考になった。まだまだ勉強不足で、会議での発言も少ないが、回を増すごとに力をつけていきたい。 ・オブザーバーとして参加したため意見を言っていない。 ・議題ごとにオブザーバーも意見が言えるように時間を取ってほしい(時間が過ぎた状態で「オブザーバーの方意見をどうぞ」と言われても困る。また、「全部まとめて質問意見を言いなさい」と言われたら厳しい) ・派遣の時間制限についての活動をもっと取り上げたい。 ・進行が紆余曲折でまとまりがなくわかり辛かったので、友の会で話し合った内容をまとめて報告するようにして欲しい。 ・会議をする時に盲ろう者が発言するべきだが、代理で通訳・介助員が原稿を読んでいる姿は疑問に思う。 4 総括 (1)企画・運営  各ブロックの盲ろうの代表者には所属する盲ろう者地域団体(以下、団体)の事務局や支援者の協力を得ながら、自主的にすすめてもらった。  これまでの積み重ねから、メーリングリストなどの活用によりブロック内の団体同士のつながりが強化されてきた様子が窺えた。  ブロック会議での議論の前提として、事前に議題についての資料を送付しておくことが大変重要になる。しかし、メーリングリストで電子データによる資料が送られても、メールを読めない盲ろう者には触手話などでその内容を伝えるため時間を要す。このことから、日程に余裕をもたせて、議題の内容を各団体に周知し、各団体内で意見を集約し、当日の会議において団体を代表して意見が言えるように準備する必要がある。 今年度のブロック会議を計画するにあたり、第1回企画委員会の開催が遅れ、各ブロックで話し合うための共通テーマの周知が遅れてしまったことは、協会として反省すべき点である。 (2)議題「盲ろう者の掘り起こし」について  6ブロックにて、各団体の盲ろう者の掘り起こしに関する様々な情報交換が活発になされた。そこで得た情報を地元にもち帰り、団体内での話し合いや行政への働きかけなど、団体の活性化への足がかりをつかめた様子が窺える。しかし、個人情報保護法の壁はどの地域でも共通した課題であり、国の柔軟な対応が求められる。  アンケートによると、話し合ってよかったこととしては、「団体の活動に役立つ情報が得られた」、「他の参加者と情報交換ができた」の項目には多くの回答があったが、「スキルアップにつながった」、「抱えていた問題・不安の解決につながった」と答えた数は極端に少なかった。一方、話し合った結果の効果については、「他県の例を参考に、団体の活動に活かせる」の項目が最も多く、その他の項目にも比較的多く該当するとの回答があった。このことから、地元での盲ろう者の掘り起こしには、他県の経験は参考にはなったが、地元に帰ってどのように行政や地域住民に働きかけたらよいかという不安がまだ残っていることが窺える。  団体の活性化をはかっていくためには、盲ろう者の掘り起こしができるかどうかが重要な鍵となる。そのため、地域の行政、各種障害者関係団体、社会資源、マスメディアなどに積極的に働きかけて、「盲ろう」についての理解を広める必要がある。  社会に働きかけるためには、(1)日本における「盲ろう」の法的な位置づけがどうなっているのか、(2)盲ろう者が求めるニーズ及び支援について訴える知識を身につけておく必要がある。したがって、ブロック会議においては単なる団体同士の情報交換にとどまらず、上記(1)(2)に関する知識とスキルをもったリーダーを講師として招き、学習し、共通の認識をもつ機会を設けることが必要と思われる。これによって、各団体のリーダーが地域でイニシアチブを発揮し、盲ろう者の掘り起こし活動に取り組めると期待される。 (3)議題「通訳・介助員派遣事業(養成事業含む)の状況の情報共有」の話し合いの検証  話し合って良かった点として、「団体の活動に役立つ情報が得られた」、「他の参加者と情報交換ができた」の項目には多くの回答があったが、「スキルアップにつながった」、「抱えていた問題・不安の解決につながった」と答えた数は極端に少なかった。  一方、今後の活動への効果としては、「地元の派遣事業(養成を含む)のあり方について、団体内で話し合うきっかけとなる」の項目が一番多かった。このことから、各団体内で地域の通訳・介助員派遣および養成事業について、まだ充分な話し合いがなされず、課題を整理できないまま、ブロック会議に参加している代表者が少なくなかったことが窺える。  通訳・介助員派遣および養成事業については、団体の盲ろうのリーダーが地元の盲ろう者と支援者、そして派遣事業や養成事業の担当者で情報を共有し、問題解決に取り組んでいかなくてはならない。問題解決に取り組むためには、通訳・介助員派遣事業および養成事業が法的にどのように位置づけられているのか、年間利用数や通訳・介助員に支払われる謝金単価などの地域格差がどうして生じているのか、これらの事業を拡充していくためにはどうすればよいのか、などといった知識とスキルを身につけていく必要がある。したがって、先に述べた通り、各ブロックでこうした知識とスキルをもったリーダーを講師として招いて、学習する機会を設けることが必要だと思われる。 (4)今後の展望  これまで、ブロック会議の取り組みによって、ブロック内における友の会のネットワーク化が計られ、各地の友の会活動の活性化に寄与してきた。しかし、各地で実施されている盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業および養成事業の地域格差をなくし、地域の盲ろう者福祉のさらなる底上げを計っていくためには、各団体自身が、これらの事業を中心とした地域の盲ろう者福祉の受け皿となれる運営力が一層求められる。  団体は、盲ろう者の自己選択・自己決定が尊重され、盲ろう当事者と、それを支える通訳・介助員や支援者と共に地域の盲ろう者福祉の拠点として運営されることが大変重要である。  団体の運営力を高めていくためには、盲ろう当事者をはじめ通訳・介助員、支援者が運営力を身につけるための知識とスキルを身につけていく必要がある。この知識とスキルを身につけるためのパワーアップ学習会を全国レベルではなく、ネットワークが強化されたブロック単位で開催することが望ましいと思われる。  2013年4月から施行される障害者総合支援法において、盲ろう者向け通訳・介助員派遣および養成事業が都道府県(政令指定都市・中核市を含む)地域生活支援事業の必須事業となることから、これらの事業の拡充とともに、3年後をめどに地域格差解消をめざした盲ろう者福祉の制度設計が求められている。この作業を一部の専門家にまかせるのではなく、パワーアップ学習会を通じて、知識とスキルを身につけた団体の盲ろう当事者のリーダーや支援者が、地域の問題を全国共通の問題と結びつけて、全国的な規模で盲ろう者福祉の制度設計づくりに参加できるようになることが期待される。 書名:平成24年度全国盲ろう者地域団体ブロック会議 報告書 発行日:平成25年3月15日 編集・発行:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 TEL 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141