平成23年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議報告書 主催 〜日本のヘレン・ケラーを支援する会〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 目次 1 概要 ・・・・・1 2 ブロック会議別の報告 ・・・・・2 2−1 東北・北海道ブロック会議 ・・・・・2 2−2 関東・甲信越ブロック会議 ・・・・・8 2−3 東海・北陸ブロック会議 ・・・・・15 2−4 近畿ブロック会議 ・・・・・19 2−5 中国・四国ブロック会議 ・・・・・27 2−6 九州・沖縄ブロック会議 ・・・・・37 3 アンケート結果 ・・・・・42 全国盲ろう者地域団体ブロック会議 1 概要  全国盲ろう者地域団体ブロック会議は、都道府県における福祉サービスの充実を図るために、地域格差が激しい盲ろう者福祉の現状に対して、盲ろう者が自主的に社会参加できるような環境を整備することを目的として開催した。  今年度のブロック会議は平成23年9月〜平成24年2月の間に全国6ブロックで開催し、代表者56名、通訳・介助員116名、オブザーバー25名(内通訳・介助員12名)が参加した。  ブロック会議では、今後のブロックとしての活動のあり方や、全国盲ろう者大会、ブロック大会について等の議論が活発に行われた。また、昨年度に引き続き、盲ろう者の掘り起こしや盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業について、各団体の取り組みを情報交換し、今後の課題や改善点等についても積極的に意見交換が行われた。 2 ブロック会議別の報告 2−1 東北・北海道ブロック会議 相蘇 健太郎(山形県盲ろう者友の会 会長) 日程:平成23年10月8日(土)〜9日(日) 会場:KKRホテル仙台(宮城県仙台市) 参加団体:  札幌盲ろう者福祉協会  岩手盲ろう者友の会  みやぎ盲ろう児・者友の会  山形県盲ろう者友の会  福島盲ろう者友の会 オブザーバー参加:  全国盲ろう者団体連絡協議会 議題: 1.盲ろう者向け通訳・介助員養成講座の抱える問題点 2.全国盲ろう者団体連絡協議会について 3.今後の東北・北海道ブロックとしての活動のあり方 議題ごとの内容: 1.盲ろう者向け通訳・介助員養成講座の抱える問題点  以下の問題点が挙げられた。  ・講座終了後、通訳・介助員として登録はするものの、なかなか活動には結びつかない。  ・会場費が高い。  ・福島県は余震が続いたために受講生が集まらなかった。  ・講師の勉強の場がなかなか持てない。 2.全国盲ろう者団体連絡協議会について 設立:2006年大阪府堺市で開催された全国盲ろう者大会後に設立。47条からなる規約を制定。 加盟団体:31団体 事業:当事者の意見・要望を自治体・国へ提出。当事者との相談・意見交換。 沿革:全国から有志を集めて1994年に始動。全国盲ろう者協会との違いを理解してもらうために尽力。 主な活動: ・「障害者権利条約」の批准に向けて国内法の見直しや、新法律の制定のため、障がい者制度改革推進会議に参加。 ・全国盲ろう者協会主催の全国盲ろう者大会、全国盲ろう者団体ニューリーダー育成研修会等の企画・講師。 ・全国盲ろう者大会の「盲ろう者の生の声」で出された意見を集約し、厚生労働省等へ提出。 ・機関誌、メールマガジンの発行 ・2年に1度総会を開催。 ・役員会は年1回開催。その他の話し合いはMLを活用。 年会費:1万円 組織構成:事業部、国際協力、コーディネート、福祉対策、広報、IT、スポーツ・レクリエーション。 お願い: ・未加入団体にはぜひ入会してほしい。 ・全国盲ろう者大会が存続できるよう、各団体としても協力してほしい。 ・意見も随時受け付けているので積極的に意見を寄せてほしい。 3.今後のブロックとしての活動のあり方 (1)「東北盲ろう者と仲間の交流会」  岩手で7月に開催された1泊交流会について振り返った。  初めは20名程度の申し込みだったが、最終的に参加者は46名に膨れ上がり、当日は大いに盛り上がった。札幌からは声がかからなくて残念だったという声も挙がった。 (2)ブロック大会開催に向けて  当面は、各県で行っている1泊交流会に、他県からも参加をさせてもらう形で、徐々に規模を大きくしていけたら良い。差し当たって来年度は福島で開催してはどうかという意見が挙がった。 (3)6年後の全国盲ろう者大会  千人ぐらい収容可能な会場がどのぐらいあるかを調査するため、各県に尋ねたが把握できなかった。12月23日までに情報を集め、MLへ流していただくことで合意。 今後の課題:  当初の予定では友の会が抱える問題点、盲ろう者の掘り起こしについても意見交換する予定だったが時間が足りずできなかった。時間配分に注意が必要。 次回のブロック会議に望むこと、改善点:  できるだけ盲ろう者への負担を少なくするため、宿泊費を免除するなど、気軽に参加できる環境を整えてほしい。 まとめ:  二日間にわたり、積極的に意見交換をすることができた。  来年度以降のブロック会議の継続を望む声も多い。各団体の代表者が集まり、情報交換や意見交換のできる数少ない貴重な場でもあるため、今後も継続して開催したい。 2−2 関東・甲信越ブロック会議 山内 紀美世(群馬盲ろう者つるの会 役員) 日程:平成23年10月9日(日)〜10日(月・祝) 会場:水上ホテル聚楽(群馬県利根郡) 参加団体:  群馬盲ろう者つるの会  埼玉盲ろう者友の会  NPO法人千葉盲ろう者友の会  NPO法人東京盲ろう者友の会  神奈川盲ろう者ゆりの会  新潟盲ろう者友の会  ながの盲ろう者りんごの会 オブザーバー参加団体:  群馬盲ろう者つるの会  埼玉盲ろう者友の会 議題: 1.各盲ろう者団体との情報交換(盲ろう当事者の保険について) 2.全国盲ろう者団体連絡協議会と各盲ろう者団体との情報交換と連携について 3.全国盲ろう者大会について 4.その他 議題ごとの内容: 1.各盲ろう者団体との情報交換(盲ろう当事者の保険について)  「茨城盲ろう者友の会」からの提案により議題の一つとした。事前に意見交換用の資料を持参して欲しい旨、MLで流された。当日茨城盲ろう者友の会は不参加であったが、自県での取り組みについて発表した友の会もあった。詳細については全国盲ろう者協会が作成した実態調査報告書に記載されているので、それを確認することとした。 2.全国盲ろう者団体連絡協議会と各盲ろう者団体との情報交換と連携について  神奈川盲ろう者ゆりの会より、以下のとおり提案をした理由の説明があった。  今後5年間の全国盲ろう者大会のあり方、全国盲ろう者団体連絡協議会役員の選出方法についても、下部加盟団体の意見を聞いていないように思う。盲ろう者自身が考え、協力していくためにも、十分な情報交換が必要だと思う。  →連絡会役員より答弁があった。 (1)全国盲ろう者大会について  今後5年間の開催ブロックを全国盲ろう者団体連絡協議会で決めたことについての経過報告がなされた。 (2)役員選出について  今後は必ず加盟団体からの意見を伺い、十分な情報を提供した上で決定していきたいとのこと。  また、総会が2年に1度、全国盲ろう者大会の時に開催されてきたが、それだけでは不十分との意見も挙がったが、これ以上総会を開催するのには予算的に無理があるとの説明があった。 3.全国盲ろう者大会について  2013年に千葉県で開催予定の全国盲ろう者大会についての企画・運営への協力の意思表示が、茨城・群馬・埼玉・東京・神奈川・長野・新潟からあった。 4.その他 (1)次年度のブロック会議担当県の決定と運営に関する意見交換  友の会設立年度順に担当を受け持つこととしているが、次年度予定の栃木は、昨年、今年と欠席のため、どのように対応すべきか意見交換が活発になされた。  その結果、来年度は埼玉盲ろう者友の会が担当することとした。 (2)各友の会の災害対策の取り組みについて  「群馬盲ろう者つるの会」  平成20年から、一般市民と一緒に防災訓練に参加している。避難場所まで一般市民に誘導してもらっている。起震車に乗る体験もした。更に、AEDの操作体験をした。設置場所を知っておくことは良いが、盲ろう者が操作するのは難しいと実感した。事務局では災害発生時の避難場所を把握して、今後どのように対応していくかを検討中。  「埼玉盲ろう者友の会」  9月の県交渉の中で、盲ろう者であることが分かるように、ベスト等の配布の要望を出した。また、コミュニケーション方法、連絡先などについても要望した。  「NPO法人千葉盲ろう者友の会」  防災委員会を設立し話し合う予定。  「NPO法人東京盲ろう者友の会」  災害対策委員会を設置した。10月12日に第1回が開催される。11月の交流会で災害についての意見交換をする。  「神奈川盲ろう者ゆりの会」  9月の役員会で話した。今後災害発生時には、ゆりの会から各人に FAX やメールで安否確認をする(ただし、ライフラインが使えることが前提)。電車が止まった時などの対応については未定。  また、神奈川県の聴覚障害者団体、手話サークル、要約筆記会、難聴者協会などで構成する「東日本大震災聴覚障害者救援対策神奈川県域本部」に加入している。話し合いの中で、盲ろう者としてどのような対応をしたら良いか現在協議中。  「新潟盲ろう者友の会」  7月29日、防災訓練を実施。起震車に乗る体験をする。 今後の課題:  2度目のブロック会議の開催だったが、すべての団体からの参加には至らなかった。各団体の代表が集まり、情報交換等を行う数少ない場でもあるため、全団体から参加してもらえるよう調整が必要。 次回のブロック会議に望むこと、改善点: ・今後も継続してブロック会議を開催したい。 ・盲ろう代表者が参加しやすいように、旅費等の負担を軽減したい。 まとめ:  関東・甲信越ブロックから友の会7団体が参加して、様々な議題について活発な議論を行うことができた。  今年3月に発生した東日本大震災を受け、災害時に対する取り組みを新たに始めた団体が多数あった。各団体の活動内容について情報交換することができ、大変有意義な会議となった。  この二日間の会議を開くにあたり、盲ろう当事者の熱心な取り組みと、サポーターの皆さんのご協力があった。心 より感謝を申し上げたい。 2−3 東海・北陸ブロック会議 九曜 弘次郎(富山盲ろう者友の会 会長) 日程:平成23年9月24日(土)〜25日(日) 会場:「ハートフルスクエアーG」生涯学習センター 研修室50(岐阜県岐阜市) 参加団体:  富山盲ろう者友の会  石川盲ろう者友の会  岐阜盲ろう者友の会  静岡盲ろう者友の会  愛知盲ろう者友の会  三重盲ろう者きらりの会 オブザーバー参加:  岐阜盲ろう者友の会  全国盲ろう者団体連絡協議会 議題: 1.ブロック組織のあり方について 2.ML利用料金の負担について 3.今後のブロック会議開催について 4.ブロック大会開催について 5.2015年度全国盲ろう者大会について 議題ごとの内容: 1.ブロック組織のあり方について  現時点では会則は設けない。  ブロック会費は、年間2,000円とする。  会費はノートで管理して、ブロック会議担当の団体が毎年持ち回る。 2.ML利用料金の負担について  ブロック会費より、年間500円をML利用料金とする。 3.今後のブロック会議開催について  2012年 石川盲ろう者友の会  2013年 三重盲ろう者きらりの会  がそれぞれ担当する予定。 4.ブロック大会開催について  初めからブロック大会として開催するのではなく、各友の会の交流会を拡大して、ブロックの皆さんが参加できるような行事を企画する。 5.2015年度全国盲ろう者大会について  全国盲ろう者団体連絡協議会より、各友の会には全国盲ろう者大会の開催に向けて、前向きに考えてほしいとの説明がされた。 今後の課題: ・MLをもっと活用し、ブロック内の交流につなげていきたい。 ・ブロック大会を開催して、近隣の盲ろう者同士の交流を深めたい。 次回のブロック会議に望むこと、改善点: ・課題と時間配分を調整して進めたい。 ・各友の会での活動や取り組みについての情報交換ができなかったのが残念だった。 ・会の運営や盲ろう者の掘り起こしにポイントをおいた話し合いをしたい。 ・各友の会で審議したことを報告する意味合いを持たせたい。 まとめ:  今後ブロックとして活動していく上で発生するであろうブロック会費のことなど、有意義な話し合いができた。  一方で十分な議論ができず持ち帰りとなる議題が多く、ブロック会議の場で結論が出せないものがあった。ブロック会議は各団体の代表者が一堂に会して話し合う貴重な場でもあるので、結論を出せるようにしたい。 2−4 近畿ブロック会議 中田 鈴子(京都盲ろう者ほほえみの会 事務局長) 日程:平成23年10月23日(日) 場所:コミュニティ嵯峨野(京都府京都市) 参加団体:  NPO法人しが盲ろう者友の会  京都盲ろう者ほほえみの会  NPO法人大阪盲ろう者友の会  NPO法人兵庫盲ろう者友の会  奈良盲ろう者友の会「やまとの輪」  NPO法人和歌山盲ろう者友の会 オブザーバー参加:  NPO法人しが盲ろう者友の会  NPO法人和歌山盲ろう者友の会  全国盲ろう者団体連絡協議会 議題: 1.次年度ブロック代表の選出 2.次回近畿盲ろう者大会について 3.2014年全国盲ろう者大会について(近畿での開催について) 4.各友の会の情報交換と課題 議題ごとの内容: 1.次年度ブロック代表の選出  前年度は兵庫、今年度は京都が担当した。来年度は、奈良、滋賀、大阪、和歌山から選出する。  議論の結果、大阪盲ろう者友の会が担当し、担当者については2012年3月末までに決めて報告することになった。 2.次回近畿盲ろう者大会について  10月16日(日)第2回近畿盲ろう者大会でのアンケート結果  開催時期について  @2年後 54人  A来年 17人  B3年後 11人  無回答 16人  開催場所について  @京都 33人  A兵庫 26人  B和歌山 15人  C大阪 14人  D滋賀 10人  E奈良 1人  無回答 16人  アンケートの結果を基に以下の議論が交わされた。 ・アンケートの結果を尊重して2年後に京都で開催するのが良い。 ・ブロック会議の前に各友の会で話し合って来るべきだと思う。 ・全国盲ろう者大会と近畿大会は別の場所で開催すれば同じ年に開催しても問題ない。 ・全国盲ろう者大会のことを知った上で時期を決めれば良い。 ・今回、実行委員会の日が迫ってから議題が送られてきたため、友の会で十分話し合えなかった。全国盲ろう者大会を経験してノウハウ  を身に付けてから、実行委員会をきちんと進行するのが良い。 ・全国盲ろう者大会の前は準備が大変なので、終了後の4年後に近畿盲ろう者大会を開催するのが良い。 ・3年後に全国盲ろう者大会を近畿で開くということをみんな知らないのではないか。それを知っていたら、アンケートの結果も違って  いたかもしれない。 ・アンケートの結果、2年後に開いてほしいという気持ちはわかるが、地元の設立10周年と重なるので3年後以降が良い。 ・2年後京都で開くとは即答できない。役員会で相談して決めたい。 ・ここで決めなければブロック会議の意味がない。先送りにしない方が良い。 ・今日決めることは難しい。友の会に持ち帰って、改めて11月20日の近畿盲ろう者大会の反省会で相談したらどうか。  議論の結果、以下のように決定した。 ・来年度、近畿盲ろう者大会は開催しない。2年後に開くかどうか、各友の会に持ち帰り検討し、11月20日に行う、第2回近畿盲ろう 者大会実行委員会反省会で決める。 ・決定した内容については、実行委員からそれぞれの友の会へ報告する。 3.2014年全国盲ろう者大会について(近畿での開催について)  今後の全国盲ろう者大会の開催候補地として、以下のように決定している。  2012年(平成24年) 中国・四国(愛媛県)  2013年( 〃 25年) 関東・甲信越(千葉県)  2014年( 〃 26年) 近畿  2015年( 〃 27年) 東海・北陸  2016年( 〃 28年) 九州・沖縄  2017年( 〃 29年) 東北・北海道  2014年は、近畿ブロックにて開催予定。  開催県については議論の結果、兵庫に決定した。 4.各友の会の情報交換と課題 (1)友の会の運営について  各友の会の運営について、主にNPO法人を取得している団体から、NPO法人を取得した経緯や現在行っている事業内容等について情報提供された。 (2)派遣事業について  各県の盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業について、現状や問題点等、意見交換がなされた。 (3)次回ブロック会議について  来年度のブロック会議の開催時期について議論がなされた。  会場等の都合もあるため、来年度担当の大阪から、9月〜10月で会場が確保できる日を提案していただき決定する。 今後の課題:  盲ろう者の理解度に差があり、十分に理解できていないまま会議が進行する時があった。一定の理解が出来たかどうか確認が必要。 次回のブロック会議に望むこと、改善点: ・全国盲ろう者協会からの会議開催決定の連絡から開催まで期間が短かったため、会場探しが大変だった。 ・全ブロックで共通したテーマに基づき会議を実施できると良いと思った。 まとめ:  1日のみの開催で時間的に不足ではないかと心配したが、活発に議論が行われ充実した会議となった。  準備期間が短く不安もあったが、各友の会の活動内容等の情報交換や、今後のブロックとしての活動について 等議論ができ良かった。今後も団体間で連携を取り、活動していく必要性を感じた。 2−5 中国・四国ブロック会議 高橋 信行(NPO法人えひめ盲ろう者友の会 理事長) 日程: 1.平成23年9月18日(日)・19日(月・祝) 2.平成23年11月20日(日)・21日(月) 3.平成24年2月26日(日)・27日(月) 会場: 1.米子コンベンションセンター(鳥取県米子市) 2.愛媛県総合社会福祉会館(愛媛県松山市) 3.愛媛県県民文化会館(愛媛県松山市) 参加団体:  鳥取盲ろう者友の会設立準備会  しまね盲ろう者友の会  岡山盲ろう者友の会  広島盲ろう者友の会  山口盲ろう者友の会  徳島盲ろう者友の会  香川盲ろう者友の会  NPO法人えひめ盲ろう者友の会  高知県盲ろう者友の会  全国盲ろう者団体連絡協議会 議題: 1.中四国大会について 2.全国盲ろう者大会への協力について 3.ブロック会議のあり方について 4.友の会の運営、派遣制度などについて 議題ごとの内容: 1.中四国大会について (1)今年度の大会について  岡山から今年度の中四国大会について、次のような連絡および意見聴取があった。 ・ホテルの予約方法についての連絡 ・懇親会の席についての希望  →多くの団体から「交流を図るために自由席が望ましい」との意見が出された。 ・岡山盲ろう者友の会の10周年記念行事についての連絡 ・二日目は観光と交流会の2本立てになることの連絡  →参加団体からは観光の内容についての質問があり、担当者から詳しい説明がなされた。 (2)来年度の大会について  来年度の中四国大会担当の山口より次のような連絡および意見聴取があった。 ・来年度の中四国大会の開催地は萩に決まった旨の報告 ・会場は「萩本陣」で、萩市内自由散策の観光を検討  →岡山から、萩焼も有名であり、触れて楽しめる企画をお願いしたいとの要望が出された。 2.全国盲ろう者大会への協力について (1)愛媛で全国盲ろう者大会を開催する経緯説明とお詫び  愛媛より、来年度愛媛で全国盲ろう者大会が開かれることになった経緯の説明がなされた。  本来であれば、中国・四国ブロックの友の会の了解を得てから、全国盲ろう者大会の開催を決めるべきであったが、そうした手続きを踏むことができなかったことに対して謝罪。  各団体は概ねこれらを了承した。 (2)全国盲ろう者大会への協力の依頼  愛媛より(1)を踏まえ、各団体に対して次のような協力要請がなされた。 ・実行委員会への参加 ・全国盲ろう者大会の企画・運営 ・分科会、催し物、歓迎会など大会当日の役割の担当  各団体はこれらについて了承した。 (3)全国盲ろう者大会開催準備について具体的な相談  各団体より次のような要望が出された。 ・全国盲ろう者大会開催時期の検討  全国盲ろう者大会の開催日が全国手話通訳問題研修会や他団体の大会と重ならないようにしてほしい。 ・実行委員会開催日時の検討  実行委員会の開催日は仕事の都合や悪天候による交通マヒなどについて配慮してほしい。 3.ブロック会議のあり方について  今後のブロック会議のあり方について各団体より次のような意見が出された。 (1)ブロック会議の継続  ブロック会議を開くことは、とても意義のあることで、今後、協会の事業として予算化されなくなった後でも、継続して開催できるように検討していく必要がある。 (2)ブロック会議開催日の検討  ブロック会議に参加する盲ろう者の経済的負担を軽減するため、ブロック会議を中四国大会の前日に開いてはどうか、という提案が出された。  しかし仕事の都合で、平日のブロック会議への参加は難しい、といった意見があった。  この件については、全団体の合意には至らなかった。 (3)盲ろう者の経済的負担の軽減  ブロック会議に参加する盲ろう者の経済的負担を軽減する方法の検討が行われた。  しかし、有効な方策を見つけるには至らなかった。 4.友の会の運営、派遣制度などについて (1)高知県盲ろう者友の会発足の挨拶  高知から平成23年5月21日に正式に友の会として発足した旨の挨拶があった。 (2)盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業の派遣時間、予算等をどのように獲得しているか  これらについて、各団体から現状の報告と、行政へのアプローチ方法について情報交換が行われた。 (3)遠隔地域に在住する盲ろう者への通訳・介助員派遣について  各団体ともに、現在、通訳・介助員が遠隔地の盲ろう者のところまで派遣される際の、移動時間に対する謝金の支払いはないのが現状である。  対策の一つとしては、県庁所在地以外の地域で通訳・介助員養成研修会を行い、盲ろう者の居住する地に通訳・介助員を育てることが挙げられる。この方策は現在、各団体で実施されているところである。 (4)事務局体制について  しまね盲ろう者友の会では、役員はすべて盲ろう者が行っているため、事務処理などの面で行き詰っている。  他団体の役員構成に占める盲ろう者の割合と、役員の受け取る報酬についての質問があり、各団体より現状の報告があった。 他の団体では、役員を盲ろう者と支援者で担当しているところが多い。「盲ろう者主体」という意味は、盲ろう者だけで運営していくということではなく、支援者の支援を受けながら、盲ろう者が中心となって行うという意味だと考えられるので、役員全体を盲ろう者に限る必要もないのではないか、という意見が出された。 (5)通訳・介助員として登録しているが活動していない通訳・介助員の問題について  各団体より現状と対策として以下の意見が出された。 ・現任研修を行う。 ・今後、更新制を考えていく必要もあるかもしれない。 ・最も重要な問題は、盲ろう者が積極的に通訳・介助員を活用していくということ。 今後の課題: ・ブロック会議の継続 ・登録しているが活動していない通訳・介助員の問題 ・遠隔地の盲ろう者に対する支援の充実 ・通訳・介助員派遣の量的・質的な向上 次回のブロック会議に望むこと、改善点: ・ブロック会議の事業の予算が取れなくなった後にも、ブロック会議を継続していく方法 ・ブロック会議の開催日の検討 ・ブロック会議に参加する盲ろう者の経済的負担の軽減について まとめ:  中国・四国ブロックの全友の会が参加し、二日間にわたって、中四国大会、全国盲ろう者大会、ブロック会議のあり方、友の会の運営、派遣制度などについて、活発な協議が行われた。  盲ろうは希少障害であり、多くの友の会では、会員数もそう多くはなく、経済的にも、人的にも、会を運営していく上で、多くの問題を抱えている。  今回のように中国・四国ブロックの友の会が集まり、そうした問題を互いに持ち寄り、協議することで、直ちにそれらの問題が解決できるわけではないかもしれないが、我々は一つでも良い方向にコマを進められているのではないかと感じられる。  ブロック会議の有用性は皆が認めるところであり、今後もブロック会議が継続していくことを強く望むものである。 2−6 九州・沖縄ブロック会議 畦池 千代子(熊本盲ろう者夢の会 会長) 日程:平成23年10月8日(土)〜9日(日) 会場:熊本市障がい者福祉センター「希望荘」(熊本県熊本市) 参加団体:  福岡盲ろう者友の会  佐賀盲ろう者友の会設立準備会  熊本盲ろう者夢の会 オブザーバー参加:  熊本盲ろう者夢の会  沖縄盲ろう者友の会 議題: 1.2016年の全国盲ろう者大会 九州・沖縄ブロックでの開催について 2.通訳・介助員派遣時の交通費について 3.通訳・介助員の全国各地への依頼について 4.盲ろう者の掘り起こしについて 5.次年度の担当、その他 議題ごとの内容: 1.2016年の全国盲ろう者大会 九州・沖縄ブロックでの開催について  2016年に九州・沖縄ブロックで全国盲ろう者大会の開催が予定されている。しかし、2017年に日本で世界盲ろう者会議を開催することになった場合、その前の年、2016年の全国盲ろう者大会が休みになる可能性もある。  2013年までに準備を進めていて、全国盲ろう者大会が休みとなった場合、または準備をまったく進めていなくて大会開催が決定するなどの状況も考えられるため、今後どのように準備に取り掛かるか話し合った。  その結果、2016年の全国盲ろう者大会を開催するかどうかが決定する2013年まで待つこととなった。 2.通訳・介助員派遣時の交通費について  各県から状況の報告が行われた。  その結果、交通費の上限は各県により異なり、盲ろう者と通訳・介助員が同行する区間は盲ろう者が通訳・介助員の分も負担する県が多かった。 3.通訳・介助員の全国各地への依頼について  他県に行って通訳・介助を受ける場合、一時的に他県の通訳・介助員を自県に登録できる県もある。しかし、ほとんどの県が自県に他県の通訳・介助員を登録できない。  もっと盲ろう者が他県でも通訳・介助を受けられるよう、全国統一でできるようになれば良い。 4.盲ろう者の掘り起こしについて  各県から掘り起こしの活動内容についての報告が行われた。  県や市からは個人情報保護法の関係で、情報はもらえないため、ろうあ協会や視覚障害団体等の関係団体と連携を取り、情報をもらうのが早道ではないかとの意見があった。 5.次年度の担当、その他  次年度(平成24年度)の担当として、議論の結果、福岡盲ろう者友の会に決定した。  また、開催地として沖縄が候補に挙げられた。  沖縄は、地元での会議が11月に開かれるため、それまで返答を待ってほしいとのこと。その結果は後日報告いただくことになった。 今後の課題:  日程の調整ができずに参加団体が半数になってしまった。今後は、もっと早めに他の友の会と連絡を取りあって準備をしていきたい。 次回のブロック会議に望むこと、改善点:  派遣事業の交通費等の問題について議論したが、問題は山積している。今後も団体間で連携していく必要があると感じた。 まとめ:  参加団体は少なかったが、白熱した討議が行われ、多くの情報が交換できた。  九州・沖縄ブロックの各友の会代表が集まり、各団体の取り組みや状況等を情報交換したり、今後の活動のあり方について議論するのはとても大切だと思う。今後もブロック会議の重要性を考え、開催を続けたい。 3 アンケート結果 配布数 56部 回収数 25部 1 盲ろう者地域団体(友の会等)との関わりについて 1−1 盲ろう者地域団体での活動年数 あ 3年未満 6 い 3年以上6年未満 6 う 6年以上9年未満 4 え 9年以上 9 1−2 盲ろう者地域団体での現在の役職について あ 代表(会長、理事長等) 13 い 事務局長 2 う 上記以外の役員 (副会長・理事・会計・各部長・委員等) 4 え 事務局員 1 お その他 3 2 ブロック会議の運営等について 2−1 開催時期や日数について よい 8 「よい」の理由 ・遠くから来る人も参加しやすいように、1日目は午後、二日目は午前に会議を開催するのが良いと思う。 普通(特に支障なし) 14 「普通(特に支障なし)」の理由 ・10月は行事やイベントがたくさんあるので、この時期でなくても良いと思う。 ・他の事業開催と重なってしまった。 改善を望む 3 「改善を望む」の理由 ・友の会の養成講座終了後にしてほしい。 ・11月が良い。 ・地元の行事と重なった。 2−2 会場・宿泊施設の設備、サービス等について よい 7 「よい」の理由 ・会場から宿泊施設までは近くて、道路も幅も広く安全なところだった。 普通(特に支障なし) 15 「普通(特に支障なし)」の理由 ・宿泊部屋がタバコのにおいがして不愉快だった。 ・会場、宿泊先は便利なところで良かった。 改善を望む 3 「改善を望む」の理由 ・会議中に他の部屋の音が入って音声通訳が聞き取りにくかった。 2−3 案内・連絡等の進行等について よい 7 「よい」の理由 ・MLを通じてスムーズに連絡が取れた。 普通(特に支障なし) 14 「普通(特に支障なし)」の理由 ・少し案内が遅かった。 改善を望む 4 「改善を望む」の理由 ・もう少し早く会議の内容が分かれば良かった。 ・遠方から来る参加者もいるので難しいが、2泊3日にしてほしい。または、1日目の午前中、2日目の午後も少し会議を入れてはどうか。もっと余裕をもってゆっくり話し合いたかった。 ・会場までの案内図を送ってもらいたい。 ・会議の議題は事前に示されてはいたが、主旨の分からないものや、議題の範囲が広すぎて焦点が分からないものがあった。 3 会議について 3−1 本日のブロック会議の内容全般について 満足 6 「満足」の理由 ・連絡会について分かりやすい説明で大変良かった。 やや満足 13 「やや満足」の理由 ・活発に意見が出され良かったが、決定まで至らずあやふやになってしまったものがあった。 ・二日目の午前中で終わったので議題が少なかった。二日目の午後も会議を行いたい。 ・活発な意見交換が十分にできなかった。 ・意見が今ひとつ少ない。感じたことは積極的に話してほしい。 ・欠席の県が多かった。 やや不満足 4 「やや不満足」の理由 ・時間不足 ・前もって各団体で話し合ってほしい。情報を知らずに参加している人がいる。 不満足 2 「不満足」の理由 ・すべての議事を話し合うことができなかった。時間配分が課題。 3−2 今回のブロック会議に参加して良かった点について(※複数回答あり) あ 役立つ情報が得られた 12 い 日頃の活動に役立った 5 う スキルアップにつながった 9 え 他の参加者との交流・情報交換が図られた 16 お 抱えていた問題・不安の解決につながった 3 その他(良かった点を具体的にご記入ください) ・連絡会の活動内容など、協会との違いを説明していただいたことは、今まで深く考えていなかったので色々考えさせられた。 ・ブロック会議の様子や、全体の雰囲気がわかって良かった。 ・他県の盲ろう者との交流を深めて、たくさんの情報を聞く事ができた。 ・盲ろう者の掘り起こし方法や、補助金・助成金の取得など、他県の話が聞けてとても良かった。 4 今後のブロック会議の企画・運営について 4−1 今後のブロック会議開催について あ ぜひ参加したい 13 「ぜひ参加したい」の理由 ・2013年の全国大会について、派遣事業の登録条件について、養成講習会の参加条件について情報交換をしたい。 ・今後もブロック内の盲ろう者同士の親睦を深めていきたい。 ・他県との情報交換、また自分自身のスキルアップにもなる。 ・ぜひ参加したいが、盲ろう当事者の旅費や宿泊について不安が残る。 い どちらかと言えば参加したい 12 「どちらかと言えば参加したい」の理由 ・情報交換ができる。 ・代表ということで少し荷が重い。 う あまり参加したくない 0 え 参加したくない 0 4−2 今後取りあげてほしい議題がありましたら、具体的にお書きください ・全国盲ろう者大会について ・各地域の派遣事業、養成事業、友の会の運営等 ・盲ろう者の掘り起こし ・啓発活動 ・ブロック大会を開催できるように、経験のあるブロックの話を聞いて、自分の地域でも話し合えたらよいと思う。 ・各都道府県の情報や取り組みをもっと知りたい。 ・通訳・介助をして判断に困ったことなど、改善が必要なケースや改善方法を知りたい。 4−3 その他お気づきの点がありましたら、ご自由にお書きください ・大部屋よりもできればツインルームがよい。 ・参加盲ろう者は男性が多いが、通訳・介助員は男性が少ないので、宿泊を伴う行事では特に入浴の介助が問題と感じた。 ・その場で決められないことが多い。1年に1回の会議なので、その場で決められるようにしたい。 ・ブロック会議の決定を重要視していけるような会議にしていきたい。 ・大変有意義な会議であるので、これからも会議を行えるようにしたい(ただ、盲ろう代表者の負担をなくすよう考えたい)。 ・この会議はとても大事だと思うので、ずっと継続してほしい。 書名:平成23年度 全国盲ろう者地域団体ブロック会議 報告書 発行日:2012年3月10日 編集・発行:〜日本のヘレン・ケラーを支援する会R〜 社会福祉法人 全国盲ろう者協会 〒162−0042 東京都新宿区早稲田町67番地 早稲田クローバービル3階 TEL 03−5287−1140 FAX 03−5287−1141